Shanling UA6 / iBasso DC07PRO 徹底比較|予算3万円のドングルDAC どっちがおすすめ?

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はShanlingより2024年11月に発売した最新ドングルDAC「UA6」と、iBassoから2024年7月に登場したドングルDAC「DC07PRO」の比較紹介をお送りします。

どちらもシーラスロジック社製のDACチップ「CS43131」を4つ搭載したスマートフォン向けのドングルDACで、スマホで有線イヤホンやヘッドホンをもっと高音質で聴くためのデバイスとなっています。

UA6が専門店価格で26,235円、DC07PROが33,660円と価格帯も近いんですよね。価格帯的にもどちらを買おうか迷っている方も多いのではないかと思います。

どちらがおすすめなのか?どのような違いがあるのか?徹底解説していきましょう。

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目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


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Shanling UA6 / iBasso DC07PRO 外観・付属品

それではパッケージの比較から。UA6は本体画像とハイレゾロゴマークが掲載が掲載されているのに対して、DC07PROはどシンプル。

開封するとこんな感じ。

UA6付属品一覧
  1. USB C to C OTGケーブル
  2. USB C to A変換アダプタ
  3. クイックスタートガイド
  4. 製品保証書
DC07PRO付属品一覧
  1. Type-C to Type-C OTGケーブル
  2. Type-C to Lightning OTGケーブル
  3. USB-C to USB-Aアダプタ
  4. クイックスタートガイド
  5. 製品保証書

UA6はUSB-C to Cケーブルのみ付属。対してDC07PROはUSB-C to Lightningケーブルも付属しているので、iPhone 14以前のユーザーでも付属品のみで運用できます。

本体を見比べてみるとUA6の方が大きめで、おおよそBluetoothレシーバーほどのサイズ感。DDC07PROは3万円台のDACとしては小型で取り回しが良さそうです。

どちらもディスプレイを搭載しており、本体のみでゲインやフィルターなど細かな調整ができるようになっています。

ディスプレイ付きじゃないとiPhoneユーザーはDAC系アプリは連携できないので、この仕様のほうがありがたいです。

右側面は、UA6は音量や再生ボタン兼マルチファンクションボタンが搭載、DC07PROはボリュームノブ兼マルチファンクションボタンが備わっています。

どちらが使いやすいかは人次第だとは思いますが、見た目だけで言えばDC07PROのボリュームノブ仕様の方が好み。ちなみ1ボリュームごとにカチカチとなる少し重めの挙動でまわし心地もなかなか良き。

左側面にはボタン類はなにもなし。

上部にはそれぞれUSB-C端子が備わっています。

底面には3.5mm / 4.4mmイヤホンジャックがそれぞれ備わっています。ジャック周りはUA6の方が精巧に作られていますね。DC07PROは穴の位置や縁周りがやや雑。

他のDACも含めて大きさを比較するとこんな感じ。DC07PROは同価格帯の中でもやや小さめで、UA6はやや大きめといったところ。

重さはUA6が

DC07PROが

Shanling UA6 / iBasso DC07PRO 概要・スペック

項目Shanling UA6
iBasso DC07PRO
DACチップCS43131×4CS43131×4
対応サンプリングPCM 768kHz / 32bit、DSD512 NativePCM 最大768kHz/32bit、DSD512 Native
Gain機能2段階 (High / Low)3段階 (Low / Medium / High)
DACモードDual / Quad
デジタル
フィルター
5種5種
バッテリー220mAh
出力端子3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、SPDIF3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、SPDIF
周波数特性 (4.4mm)20Hz – 40kHz (-0.5dB)10Hz – 80kHz (-0.5dB)
周波数特性 (3.5mm)20Hz – 40kHz (-0.5dB)10Hz – 75kHz (-0.5dB)
出力電力 (4.4mm)361mW@32Ω430mW@32Ω
出力電力 (3.5mm)112mW@32Ω18mW@32Ω
THD+N (4.4mm)0.0006%@32Ω(A特性@2V High Gain)-120.2dB (0.000098%) @1kHz 300Ω負荷時
ダイナミックレンジ133dB@32Ω (A特性 High Gain)134dB(A特性)
チャンネルセパレーション129dB@32Ω (A特性 High Gain)142dB
S/N比132dB@32Ω (A特性 High Gain)134dB(A特性)
ノイズフロア121dB@32Ω (A特性 High Gain)0.85μV
価格26,235円33,660円

計測数値単位が同じではないので見比べにくいですが、出力・S/N比などスペック上での計測値はDC07PROの方が上のように見えます。

UA6の一番の強みはバッテリー搭載

UA6のユニークなポイントとしては、バッテリーを搭載している点でしょうか。

このバッテリーはノイズの除去とクリーンな電力の共有、またデバイスからの給電不足によって本来の実力が発揮できないことを防ぐために搭載されたもので、要は音質と動作を安定させるためのものです。

220mAhのバッテリー容量ですが、スマホ側から電力を蓄えているため充電は不要となっています。

副次的な効果として、スマホ側のバッテリー消耗が少し緩和されるようですね。

iPhone 15 Proと接続してハイゲイン・音量40ほどで聴いてみましたが、おおよそ5〜6%ほどのバッテリー消費でした。

通信状況やアプリの立ち上げ数など様々な要因があるので不確定な要素は多いですが、バッテリー消費は少ない方だと思います。参考程度にご覧ください。

Shanling UA6 / iBasso DC07PRO レビュー

UA6の音質について

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

4.5

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

UA6の音質はShanlingらしいナチュラルさと繊細さがありつつ、全体的にバランスの取れたサウンドのように感じました。

完全にニュートラルという感じではなく、スパイス的に温かみや優しさを加えられたチューニングという印象ですね。

1万円クラスのUA4と比べると、音にさらに厚みが加わり、解像度も向上してレンジもさらに広がっています。数年前に発売された3万円台のDAC UA5と比べても全体的に粒立ちが良くなっていて実力は上のように感じましたね。

また楽曲の雰囲気を包み込むようなアナログ感溢れるサウンドに変化しているように感じました。今までのShanlingのドングルDACの中でも一番人肌を感じられるような暖かいサウンドかも。

後ほど伝えるDC07PROと比べると、一音一音の解像度よりも楽曲としての一体感を重視した音作りのように感じますね。楽曲の味気というか雰囲気作りはUA6の方が上という印象を受けました。

苦手なジャンルもなく、ロックやポップス、ジャズ・クラシックなど、イヤホンの特性に合わせてさまざまなジャンルに対応できるような印象です。

イヤホン側に味付けを加えすぎたくないけど、かといって簡素でニュートラルすぎる音は嫌だって方はUA6はちょうど良いと思いますよ。

DC07PROの音質について

音の特長

4.6

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

DC07PROの音の傾向はiBassoらしいキレがよくスピーディーでありつつ、音がキツくなったり硬くなったりせず聴きやすいフレッシュなサウンドのように感じました。

この2社は価格帯も近いことが多いので比較することが多いですが、Shanlingがナチュラル系、iBassoがソリッド or フレッシュ系と感じることが多いですね。

どちらの音が良いと感じるかは好み次第だとは思いますが、粒立ちの良さや音のブレの少なさなど解像度は全体的にDC07PROの方が半歩ほど上のように感じましたね

エントリーモデルのDC04PROと比べると、音の傾向はそのままに全体的にレンジが広がり一音一音に厚みが生まれてダイナミックさをより感じられる音になりますね。やはり価格なりの実力差はあるという印象です。

7万円クラスのDC-Eliteと比べるとレンジの広さや臨場感など全体的なダイナミックさは劣りますが、音の傾向は異なりDX260譲りのスピーディ高解像度系サウンドになりますね。

キレの良い高解像度系なので、ロックやポップス、アニソン、メタルなど音数が多くスピーディーな楽曲との相性が良いですね。

ただ、Shanlingと比べると一音一音が元気になりすぎる感覚もあるので、シティポップやジャズなどをしっとり聴きたい時はUA6の方が良く聴こえたりしますね。

出力比較

出力の高さも比較してみました。

UA6の場合

検証に使ったのはゼンハイザー HD 620S。インピーダンス150Ω、音圧感度110dB/mWと絶妙に鳴らしにくい据え置きヘッドホンです。

まずUA6で試しましたが、ギリギリ不足のないレベルという印象でしょうか。欲を言えばもう少し出力を高めて低域の躍動感や中域に厚みを加えたいところですが、わりと慣らせてるかな〜?って感じ。

ただ、満足しているというわけではなく、結局据え置きDACは欲しくなるような気がしますね。

DC07PROの場合

DC07PROは4.4mm接続時(32Ω)の出力がUA6と比べて約70mW大きいため、HD 620Sのようなヘッドホンももう少し余裕のある出力でならせます。

ただ、こちらも完全に駆動しきれているという感覚はなく、欲を言えば据え置きクラスは欲しくなってくるとは思います。

ちなみにどちらもTAGO STUDIO T3-01(インピーダンス70Ω、音圧感度100dB/mW)くらいのヘッドホンであれば余裕で駆動しきれます。

できること比較

できることUA6DC07PRO
音量調整0~100段階0~100段階
ゲイン調整Low、HighLow、Mid、High
DACモードDual、Quad
HP Filter(ハイパスフィルター)
※超低域をカットオフするフィルター
デジタルフィルター5種類5種類
Key mode
フォント切り替え
L/Rのバランス調整
画面の明るさ調整
スクリーンセーバー
画面の向きの切り替え
UAC 1.0 / 2.0切り替え(Switch Mode)1.0 / 2.02.0のみ
SPDIF(同軸デジタル)出力の切り替え
画面のテーマ切り替え

音質面では、DACの駆動数を変えられるのがUA6、ゲインを細かく調整できるのはDC07PROという感じ。

UA6のDACモードは、Quad↔️Dualの変更で音の厚みや情報量の多さなどの変化がとても感じやすいように思いましたね。

デジタルフィルターの変更による音の変化についても、両機種ともにわかりやすいです。

大きな違いとしてはUACモードの有無。UA6は切り替え可能ですが、DC07PROはUACモードの切り替えができないため、ゲーム機などでの使用はできません。

UA6の方が全体的にできることも多く、各項目も大きく表示されていたり、3ボタン搭載もしているので、設定や操作はしやすいように感じましたね。

Shanling UA6 / iBasso DC07PRO まとめ

できることUA6
DC07PRO
総合評価(4.8)(4.7)
音質(4.5)(4.6)
携帯性(3.8)(4.0)
拡張性(4.5)(4.0)
利便性(4.7)(4.5)
価格26,235円33,660円
良かった点ナチュラルかつアナログ感の溢れるサウンド

3.5mm / 4.4mmどちらでも使える

バッテリー搭載でスマホ側の充電が減りにくく動作も安定する
本体で細かなボリューム調整ができる
本体のみでゲインやデジタルフィルターの調整ができる
本体が熱くなりにくい
キレの良いフレッシュなサウンド
3.5mm / 4.4mmどちらでも使える
本体で細かなボリューム調整ができる
本体のみでゲインやデジタルフィルターの調整ができる
本体が熱くなりにくい
イマイチな点本体がやや大きめ
UACの切り替えができずゲーム機で使えない
こんな人に
おすすめ
ナチュラルでアナログライクな音が好み
オールジャンル聴く
フレッシュで高解像度系のサウンドが好み
ロック・ポップスを好んで聴く

どちらもとてもおすすめしやすいDACのように感じましたね。

どちらが良いかは好み次第だとは思いますが、今回に関してはボクはUA6の方が好みに感じましたね。いつもiBassoの方が好みことが多いのに、ボクも意外でした。

いつものShanlingらしいナチュラルなサウンドにアナログライクな音の厚みや温かみが加わって、とても好みの音でした。なによりバッテリーも搭載しているし、DC07PROよりも安い点も評価が高かったです。価格と音質と機能性のバランスがとても良くできたDACだと思います。

ただ、合わせるイヤホンやヘッドホン、好みの音や楽曲ジャンル次第なので、どちらが良いとは一概には言えないですね。

なので毎度のことではありますが一意見として参考程度にご覧いただければと思います。

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