こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
以前紹介したイヤーカフ型のワイヤレスイヤホン「QCY Crossky C30」。発売当初は選択肢が少なく高いものばかりだったんですが、突如5000円台で買えるイヤーカフ型のC30が登場して爆売れしたんですよね。
ただ、最近は他社からもイヤーカフ型イヤホンが続々と登場して、音質や性能が少し遅れをとっている状態でした。
そんななか、C30の上位モデル「Crossky C30S」が登場しました。

- デュアルマグネットの10.8mmダイナミックドライバー
- 高音質コーデック「LDAC」に対応
- Bluetooth5.4チップ&最大40時間再生可能
- マルチポイント & ゲームモードも搭載
- IPX5相当の防水性能
- 定価は7,880円→クーポンでさらに安く買える
前作のC30と比べて「LDAC対応」「再生時間がさらに長く」「スペック向上」など全体的に基本性能がアップしています。
実際に試してみましたけど、上記以外にもC30の気になる点がけっこう改善されていましたね。
今回はQCYさんから紹介用に提供いただいたので、C30と比べながらどれほどの実力かチェックしていきましょう。
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QCY Crossky C30S 外観・付属品
それではQCY Crossky C30Sの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
QCY Crossky C30Sのパッケージはこんな感じ。わりとスタイリッシュ。

量販店で飾っていてもおかしくなさそうなデザインだけど、量販店では取り扱いないんだよね〜。
開封するとこんな感じ。

付属品

- USB Type Cケーブル
- マニュアル
イヤーピースなどは入っていないので、付属品はめちゃめちゃシンプルです。
充電ケース・本体
QCY Crossky C30Sの充電ケースはこちら。今回のカラバリはシルバーオンリーになっているみたいですね。C30「S」の表記をただのカラーの違いと思ってしまう方もいそう……。

筐体も薄めなので胸ポケットにも問題なく収まるほどの大きさです。

C30と比べるとこんな感じ。同じ金型を使っているのか、色味以外や細かなパーツの配色以外はまったく同じですね。


ただ表面の加工が変わった影響か、指紋や傷などが目立ちにくくなりましたね。
充電端子はUSB-Cに対応。

残念ながらワイヤレス充電には対応していません。価格を考えれば仕方ないか……。
本体は充電ケースからかなり飛び出しているので、取り出しやすさは問題なし。イヤーカフ型は取り出しやすいものが多いですね。

イヤホン本体はよく見る一般的なイヤーカフ型のイヤホンで、一言で表すなら水滴型って感じでしょうかね。他のモデルと比べると”玉”部分が少し大きめにも見えますかね。

前方のドライバー部と後方のバッテリー&回路部のみメッキ加工が施されています。

ブリッジ部分にはニチノール合金を採用していて柔軟性と耐久性の高さを両立した設計となっています。
内側は樹脂としては柔らかくシリコンとしては硬すぎるような、なんとも言えない硬度の素材を採用。耳あたりは良いですよ。

本体の仕様もC30と同じですね。
最後に重さですが、総重量は43.3g、本体片耳の重量は5.2gとかなり軽めです。


QCY Crossky C30S / C30 スペック比較
製品名 | Crossky C30S | Crossky C30 |
Bluetooth | 6.0 | 5.4 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC |
再生時間 | 本体:6時間 ケース込:40時間 | 本体:5.5時間 ケース込:25時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | IPX5 | IPX4 |
自動装着検出 | – | – |
低遅延モード | ◯ | ◯ |
空間オーディオ | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
QCY Crossky C30S レビュー
装着感|痛くなりにくくて軽快
QCY Crossky C30の装着感についてですが、C30と同様にとても良いですね。
いつも愛用しているイヤーカフ型イヤホンと遜色のないとても軽快な装着感です。
実際に装着しているとこんな感じ。デザインだけで見ればもっとオシャレなモデルもありますけど、Crossky C30Sも悪くないですね。

耳に挟み込む力も、強すぎず弱すぎずほど良い感じです。
前から見るとこんな感じ。ぱっと見はアクセサリーっぽく見えます。

いつも使っているイヤーカフ型のイヤホンが6時間以上装着していても痛くならない感覚があったのに対して、Crossky C30Sは大体3〜4時間くらいで徐々に痛くなるような感覚がありました。
ただ、カナル型や耳掛け型のイヤホンと比べるとかなり快適な方だと思います。
装着感 | (4.8) |
音質|C30よりバランス良くなっている
QCY Crossky C30の音質ですが、前作のC30よりも高音域がかなり改善されていますね。
C30のモヤっとしていた音が、イコライザーなしでもふつうに聴けるようになっています。
Crossky C30Sの音の特長は次のとおりです。
3.7
高音
3.7
中音
3.6
低音
音の傾向は前作の中低域に寄りすぎていた音が、もう少しフラットに近づいたバランスになりました。
少しモッサリ感は残るものの、C30と比べるとイコライザー調整なしでもふつうに聴けます。
中高域はC30のくぐもった音が解消され、ボーカルも明瞭になり前に出やすくなりました。少なくとも低域に埋もれたような聴こえ方ではなくなりましたね。
ただ特別解像度が高いというわけでもなく、価格相応の「音の団子感」はありますね。
低域はC30と比べると量感は少なくなって締まりは良くなったものの、まだポワンとしていて沈みきらない感覚はあります。低域は同価格帯だともう少し迫力があるイヤホンもあります。
今回はiPhoneでAAC接続で検証していますが、LDACの音質優先モードにすると低域のポワンとした感じはそのままですけど、中高域の解像度感はけっこうアップしますね。
同価格帯のイヤーカフ型だとLDACに対応したものはほとんどないと思いますので、LDACが使えるAndroidユーザーにはおすすめできますね。
同価格帯のオープン型と比べて特別音質が良い!というわけではありませんが、他のイヤホンに負けず価格相応の実力はあるように感じましたね。
空間オーディオにも対応
ちなみにアプリから空間オーディオの設定も可能で、ONにすると少し音が広がったような感覚になります。
不自然さはないので不快感のようなものは少なく、ライブ音源を聴けば自然なホール感を演出してくれます。
ただし、LDACとの併用は不可となります。
音漏れについて
Crossky C30はこの価格で音漏れも対策されていまして、独自の指向性オーディオ技術2.0によって、最大98%の効果的な音漏れの防止が行われているとのことです。
実際に試してみましたが、たしかにこの価格にしてはそれなりに音漏れが抑制されています。
ゼロではないですけど、BGM感覚で音楽を聴くくらい(iPhone音量バー10%ほど)であれば、静かな環境でも音漏れはほとんどしません。
本格的に音楽を楽しむくらいの音量(音量バー20%〜)になると、シャカシャカと漏れ出すかな?という印象でしたね。2〜3万クラスのモデルの方がもう少し音漏れは少なめです。
電車の中で使うのはおすすめしませんが、オフィスやカフェなどで使うくらいであればある程度は音漏れを気にせず使えそうです。
操作性|タッチしにくい
操作は背面部をタッチして操作を行うのですが、背面にタッチポイントがあるがゆえに若干操作がしにくいです。この点はC30から改善されていないですね。

またタップしてから操作が反映されるまで少しラグがあったり、操作時にビープ音が鳴らなかったりするので、ちゃんとタッチできているか分かりにくいことが多いんですよね。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を3回タップ |
曲戻し | アプリで設定可能 |
音量を上げる | アプリで設定可能 |
音量を下げる | アプリで設定可能 |
ゲームモード | アプリで設定可能 |
空間オーディオ | アプリで設定可能 |
外音モードの切り替え | R側を長押し |
音声アシスタント | R側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケースのボタンを長押し |
操作のカスタマイズ性は高くアプリで変更が可能で、1〜3回タップに対して自由に割り振りができます。
しかも、本体操作のみでゲームモードのON・OFFまで切り替えることもできます。強い。
デフォルトだと1回タップは何も反映されていないので、ボクは音量±を左右に割り振っています。
アプリについて
QCY Crossky C30Sはアプリに対応しています。

アプリでできることは次のとおりです。
- バッテリー残量の確認
- イコライザー設定
- 音量バランスの設定
- 操作方法の設定
- イヤホンを探す
→ビープ音を鳴らして、イヤホン本体を探す機能 - 電源OFFタイマー
→音楽停止時に自動的に電源をOFFにする機能。15分、30分、60分、90分、カスタマイズから選択可能 - ゲームモード
- 空間オーディオ
- LDACのON/OFF
- スリープモード
→タッチ押すさを無効にする機能 - ファームウェアアップデート
少し前のQCYのアプリは急にフリーズしたり、イヤホンとうまく接続できなったりと不安定なことが多かったのですが、ある程度改善されているみたいですね。
C30Sを使っている間はストレスが溜まるほどではありませんでした。ただし設定したイコライザーがたまに初期化されていたりします……。
マルチポイントの挙動について
Crossky C30Sは5000円台で、2台のデバイスに同時接続ができるマルチポイントに対応しています。
この機能によって、片側はiPhoneに繋げて音楽鑑賞をしたり、もう片側にはパソコンやタブレットに繋げてYouTubeを鑑賞したりオンライン会議でヘッドセットとして使ったりすることができます。
めっちゃ便利なんで、僕は基本マルチポイントをついている機種じゃないと愛機として使いません。
その挙動を確かめてみましたけど、問題なく動作しますね。電源OFF後も自動で2台のデバイスに同時接続されます。
ちなみに後から再生した方が優先される「後勝ち」設定になっているようです。
LDACとマルチポイントの併用もできる
さらにすごいのがLDACとマルチポイントを併用できるという点。
LDACを対応しているだけでなく、1万円以下のモデルでLDACとマルチポイントが併用できるものってほっとんどないんですよ。
それをこの価格で実現してきたのはスゴイ。
ただ通信が安定しにくくなるので、LDACは音質優先(990kbps)で使わず、接続優先(330kbps〜660kbps)に留める方が良いと思います。
通話品質|ノイズは取れるが……
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
C30S
背景ノイズはある程度取れているのですが、周りの声と自分の声が同じ「声」として認識されてしまって、自分の声が逆に聴こえにくくなるような印象を受けました。
マイク性能はまあふつうといったところですかね〜。
通話品質 | (3.5) |
音の遅延|気軽にゲームができるほど
音の遅延については、YouTubeで動画鑑賞をするくらいであれば問題なし。
ゲームモードをONにして音ゲーをしてみましたが、あれ〜あまり遅延が少なくなっていない気が……。
正直音ゲーどころかFPSも厳しいんじゃないかなってくらい遅延は発生しますね。
その他良かった点
最後にその他良かった点ですが、C30と比べて最小音量時の細かな音量調整がしやすくなっています。
前作のC30は音量0から1メモリ上げると小さくて、もう1メモリ上げると少しうるさく感じていたのですが、C30と比べてこの「1(小さい)→2(やや大きい)」の間にさらに5段階くらいの音量調整が追加されたような感覚です。
イヤーカフ型は”会話”と”BGM”が両立できる音量に留めておきたいことが多いので、最小音量を細かく調整できるようになったのはありがたいです。
QCY Crossky C30S まとめ
QCY Crossky C30Sをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.7/5
Crossky C30S

- 非常に軽い装着感
- 低価格帯のイヤーカフ型としては音質はちゃんとしてる
- 音漏れはそこまで大きくない
- マルチポイントとLDACの併用ができる
- ゲームモードに対応
- 小さな音量を細かく調整しやすい
- タッチ操作に難あり
3.7
高音
3.7
中音
3.6
低音
4.7
装着感
4.0
音漏れ
–
外音取り込み
3.5
マイク性能
4.5
利便性
QCY Crossky C30Sはこんな人におすすめ
- 予算は約5000円〜6000円ほどで耳を塞がないイヤホンを探している
- できるだけ安いものが欲しいが音楽はしっかり楽しみたい
- スポーツやジョギングよりも作業用のBGM用として使うことが多い
- LDACが使えるスマホを所持している
C30Sは装着感と音質、機能性のそれぞれのバランスが取れたイヤーカフ型イヤホンのように感じましたね。
とくにLDAC対応と小さめの音量を細かく調整できる点は良かったですね。
操作面では少し難があるのは気になりますが、総合的に見れば良い製品だと思いますよ。
C30からわざわざ乗り換えるほどでもないとは思いますが、これからイヤーカフ型のイヤホンを買おうと考えている方にはおすすめできる製品だと思いましたね。
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