【予算6万で完成】ボーカル最強セット!TANCHJIMの有線イヤホン 「ORIGIN」 / ドングルDAC「LUNA」を試す

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はイヤホン界隈で人気の高いメーカー「TANCHJIM」より、ミドルクラス有線イヤホン「ORIGIN」と、ミドルクラスドングルDAC「LUNA」をまとめて紹介します。

まとめレビューやセール動画では「TANCHJIM」の製品をちょいちょい紹介していましたけど、単体での紹介は初めてですね。ボクもめちゃめちゃ好きなメーカーです。

まず「ORIGIN」は第5世代DMTダイナミックドライバーを搭載したイヤホンで、ノズルを交換することで3つの異なるサウンドを楽しめる仕様になっています。

価格はおおよそ43,200円と有線イヤホンでは激戦区の価格帯になりますね。

次に「LUNA」は3.5mm / 4.4mmデュアル出力に対応したスマホ直結型のドングルDACで、要は有線イヤホンの音をよくするものと思ってください。

DACチップには「CS43198」をデュアルで搭載し、アプリで「Class AB モード」に変更することで、さらに高い出力を確保できるマニアにも嬉しい仕様になっています。発売日は2024年9月ごろで価格は約20,000円ほど。

合わせて6万円ほどのセットになりますが、どれほどの実力なのかチェックしていきましょう。

PR:TANCHJIM

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

動画版はこちら

ORIGIN 外観・付属品

それではまずはORIGINの外観や付属品をチェックしていきましょう。

付属品

付属品一覧
  1. イヤホンケース
  2. シリコンイヤーピース(S/M/L)各1ペア 2種
  3. ノズル3種(S標準、Dダイナミック、Lライトクリア)

 真っ白で分厚いハードケースが付属。安心感はすごいけど、分厚すぎて携帯性は悪そう。

中身はこんな感じです。

本体・ケーブル

本体はステンレス製の鏡面仕上げ設計。本体だけを手に取ってみてもズシっとした重みを感じます。

左右のフェイスプレートには「ORIGIN」と「TANCHJIM」のロゴがそれぞれ刻印されています。このロゴを見るたびにNIRVANAのアルバム「イン・ユテーロ」を思い出してしまう。

内側はこんな感じ。指紋はけっこう目立ちます。

コネクタ部は埋め込み型の2Pinタイプを採用。その真隣に空気の流れをコントロールするベント孔が備わっていますね。この位置は珍しい。

ノズルはネジ式のクイックリリース構造により、3種類のノズルを簡単に交換ができ、それぞれ異なるサウンドモードを楽しむことができます。

ケーブルは高純度6N無酸素銅銀メッキを採用した細めでしなやかなケーブルが付属。

品質は高そうですが、プラグは3.5mm接続にしか対応していないのは残念。この価格だと4.4mmが選べたり、マルチプラグに対応したりするものが多いから……。

ちなみにスペック値は以下のようになっています。

■ スペック
ドライバー第5世代DMTダイナミックドライバー
インピーダンス16Ω±5%
音圧感度126dB/Vrms
再生周波数帯域2~48,000Hz
ケーブル仕様線材:高純度6N無酸素銅銀メッキ
コネクタ:0.78mm 2Pin
プラグ:金メッキ3.5mm
本体重量記載なし
付属品イヤホンケース
シリコンイヤーピース(S/M/L)各1ペア 2種
ノズル3種(S標準、Dダイナミック、Lライトクリア)

LUNA 外観・付属品

付属品一覧
  1. Type-C to Type-C ケーブル
  2. Type-C to Type-A 変換アダプタ
  3. マニュアル

ケーブルも本体に合わせたスケルトンカラーで彩られていてオシャンです。

本体シルバー調のミニマルなデザイン。

本体は航空宇宙グレードのアルミニウム合金の1枚から作られています。滑らかなラインのミニマルでエレガントなデザインが特徴です。

ロゴ部は鏡面仕上げになっていますが、この部分の傷や指紋が目立ちそうで気になる。

底面にはデジタル入力用のUSB-C端子。ここから付属のUSBケーブルでスマホに接続します。

天面には3.5mmと4.4mmのイヤホンジャックが備わっています。

側面には音量+,-ボタンが備わっているのですが、スマホとは独立ボリュームになっていまして、100段階の超細かい音量調整が可能です。

スペックなどは公式の以下の画像が参考になると思います。

最大4Vrmsとのことなので出力はかなり高い方だと思います。

ORIGIN レビュー

まずORIGINのレビューをしていきます。

装着感

装着感についてですが、本体の重さにしては耳への負担も少なく、わりと安定していますね。

実際につけてみるとこんな感じ。

前から見てもそんなに飛び出しはないです。

TANCHJIMのロゴのせいでギラギラとした印象を受けますが、装着感自体は悪くないですね。

金属筐体なので冬場に使うと少しヒヤッとします。

装着感(4.0)

音質について

ORIGINの音質についてですが、ボーカルものをメインで聴くなら相当良いイヤホンだと思います。

TANCHJIMらいしナチュラルさと余韻の美しさを持った「ニュートラル系美音サウンド」という印象を受けました。

ミドルクラス帯では高解像度系やメリハリ感たっぷりのイヤホンが多いなか、それらとは異なるしっとりと聴ける美しさを持ったイヤホンのように感じました。

クセも少なくとても万人受けしやすい音作りで、この価格帯ならかなりおすすめできる有線イヤホンだと思います。

すみません前作の「Oxygen」や「KARA」などは試していないのでORIGIN単体での評価にはなりますが参考になれば幸いです。

検証環境
  • スマホ:Xperia 1Ⅵ
  • DAC:LUNA
  • 接続方式:3.5mmバランス接続
  • アプリ:Apple Music
  • エージング:約50時間

わりと鳴らしやすい方なので、無理にバランス接続にしなくても、3.5mmアンバランス接続でも問題ないようにも感じましたね。

ORIGINの音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.7

高音

4.9

中音

4.7

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

音の傾向はボーカルを中心としたニュートラルなサウンドでありつつ、低域や高域の主張もやや強めな印象です。「W」字型というよりは「山」型という印象でしょうかね。

温かみを少し残した余韻感のある音でありつつもカチッとした硬質さもあり、上品かつモダンな音作りになっています。

中高域がやや前に出てきて、ボーカルがより明るく、鮮やかに感じられるようになっているのもポイント。

TANCHJIMらしい自然で滑らかなニュートラルさに、しっかり現代的な明瞭感をプラスしてきた感じです。

音場

音場は横方向の広がりよりも、奥行きの深さや空気感の描写に優れています。

この奥行き側への音場感があるからこそ、中高域の明瞭感やボーカルの存在感が際立ち、1音1音の分離も良く感じられます。

高音

高域はやや硬質で線の細い繊細な音作り。音のエッジをキリッと立てながらも、耳に痛くないギリギリのラインでまとめられています。

煌びやかなシンバルや、アコースティックギターの弦の粒立ちなども心地よく伸ばし、スッキリ透明感ある抜け良い音を演出します。

女性ボーカルの艶っぽさもこの高域の表現で際立つような印象を受けます。

低音

ここまでだとスッキリ系のように聞こえるかもしれませんが、低域もなかなか沈み込みが深く、タイトで解像感に優れた上質な低音という印象を受けます。

全体のバランスとしてはニュートラル寄りですが、ミッドベースのパンチ力や締まりの良さもあって、十分な迫力は感じられます。

ただゴリゴリ重低音系のチューニングではないので、大迫力なサウンドを期待すると肩透かしを喰らうかと思います。

中音

ORIGINの一番の強みは中音域の表現力の高さ。

とてもナチュラルな質感ですが、そこに上記のような空気感や余韻の美しさがプラスされるような感覚で、吐息までも美しいしっとりとしたボーカルで聴かせてくれます。

奥行きのある音場の影響か、メインボーカルとコーラスの分離感も高く、それぞれのパートをしっかり聴き分けもできます。

男性ボーカルはほんのり温かく、女性ボーカルはクリアで透明感高め。ボーカルメインの楽曲を聴くにはかなりの好相性です。

ボーカルの主張がめちゃめちゃ激しいわけではないのに質感があまりに良すぎて、思わずボーカルばかりを耳で追ってしまいますね。

おすすめのジャンル

ポップスやバラード、弾き語りなどボーカルものメインで聴くならかなりおすすめ! 楽曲の雰囲気を醸し出すのが得意なのでバラード系はとくに合いますよ。

ボーカル重視のリスナーにはドンピシャなチューニングです。BUMP OF CHICKENの弾き語り系の楽曲にはピッタリですよ。

藤くんのる低音側の深みのあるの歌声と、高音側の儚げな歌声に対してORIGINはどちらも真芯で捉えて表現してくれるのですよ。藤くんホンだわこれ。

シンセバリバリのEDMやドンシャリロックも聴けなくはないですが、少しキレイめに感じすぎるかもしれません。ボーカルの質感や音場感を活かせる音源でこそ真価を発揮するタイプです。

フィルターの交換をすると?

TANCHJIM ORIGINには「S」「D」「L」の3種類のチューニングフィルターが付属しており、自分好みの音に微調整できるのも楽しいポイントです。

フィルター音の傾向特徴
S(Standard)フラット・自然最もバランスが良く、ボーカルが近め。高域も落ち着いていて万能型。
D(Dynamic)V字傾向・低音強調ミッドベースに厚みが出て迫力UP。音場もやや広がる印象。
L(Light)高域重視・スッキリ抜け感と透明感が増し、女性ボーカルがより伸びやかに。

フィルターによる音の変化は大きすぎず絶妙です。

ボクはStandardが一番好みでしたが、その日に聴く楽曲や気分によってフィルターを変えてみるのもいいと思います。

一つのイヤホンで3つの音を楽しめる点もORIGINの強みだと思いますね。

LUNA レビュー

次にLUNAについてレビューしていきましょう。

音質について

LUNAの音質ですが、こちらもTANCHJIMらしいナチュラルで艶やかな音が特徴で、ORIGINの相方としては最適なドングルDACだと思います。

音の特長

4.5

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向はORIGINと同じくW字型ではありますが、各帯域が主張しすぎることもなく、あくまでナチュラルに、スパイス的に余韻をプラスしてリスニングライクに仕上げたチューニングになっています。

高音はスッキリと伸びやかで、刺さらず心地よい印象。

中音域は明瞭かつ適度に前に出てくるようで、ORIGINと同様にボーカルラインが際立つような印象を受けますね。

低音は引き締まりつつも、ちゃんと弾力と圧を感じるタイプ。ズンと沈み込むタイプではなく、キレよくタイトな鳴り方。

同価格帯の他のDACとも比べてみましたけど、シャキッと高解像度系のDACと比べるとナチュラル寄りで、濃厚系ナチュラル系のDACと比べるとメリハリ感のある音のように感じました。

ほんの少しメリハリ感がありつつも基本的にはナチュラルな傾向でイヤホンとの相性も選びにくいとも思います。

ORIGINに合わせるならピッタリなドングルDACだと思いますよ。

利便性について

音質の良さだけでなく利便性にも優れています。

まず本体が軽くてちっさいんですよ。携帯性抜群! それでいて高出力!

音量調整も本体のみで細かく調整が可能で、高感度のイヤホンを使ってもゲインが強すぎたりホワイトノイズが目だったりしない点が良かったですね。

音量+/-ボタン同時押しでゲインの切り替えができるのもGood。

アプリにも対応!

TANCHJIM LUNA」は、本体だけでも音量やゲインの切り替えは可能ですが、専用アプリでの切り替えも可能です。

設定の幅が広く、玄人もニッコリの高機能っぷりです。

特徴
  • アンプモード切替(Class-H / Class-AB)
     ・デフォルトは省電力なClass-H。
     ・Class-ABに切り替えると少しだけ音に厚みと駆動力が出る
     ・ただしClass-ABは電力消費が増えるので、スマホとの組み合わせではバッテリー消費に注意。
  • ゲイン設定(Low / High)
     ・Highにすると出力がぐっと上がり、駆動力が求められるヘッドホンでも鳴らしやすくなります。
     ・感度の高いイヤホンはLowで十分。用途に合わせて選べます。
  • フィルターの変更
     ・5種類のデジタルフィルターが用意されていて、音の傾向を少しだけ変えられる。
  • ボリューム調整(独立式)
     ・本体の音量は端末の音量と完全に独立。
     ・端末の音量をある程度上げておき、LUNA側で微調整すると音質の劣化を防げます。

Class-ABの切り替えができるのは面白いですが、ここは思ったより変化がないように感じましたね。

ただし、一手間必要

ただしアプリのダウンロードには一手間が必要です。

まず、Google PlayからはDLできません。そのため、製品マニュアルのQRコードか、TANCHJIMの公式サイトから.apkファイルを直接ダウンロードする必要があります。

Androidユーザーは「提供元不明のアプリを許可」する設定も必要なので、少し手間&不安な方もいるかもしれません。

iOS版はアプリは用意されていますけど、iPhone 15 Proではうまく接続できませんでした。iOSで使えた方っていらっしゃいます?

初期は日本語表示されますが、項目がちょっと不自然な和訳になっている部分があるので、英語表示に切り替えたほうがわかりやすいというケースも多いです。

ORIGIN / LUNA レビューまとめ

ORIGINをまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.8/5

ORIGIN

  • ボーカルの質感が一級品
  • 中低域に厚みがあり、自然で心地よい音作り
  • 高域は繊細で煌びやかな質感
  • 高いビルドクオリティ
  • フィルター交換で3つのサウンドモードを楽しめる
  • 迫力はやや控えめ重低音派には向かない
  • 3.5mmケーブルしか付属していない

4.7

高音

4.9

中音

4.7

低音

4.7

解像度

4.5

迫力

4.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

総合評価

4.5/5

LUNA

  • スマホやパソコンの音質を気軽にアップ
  • メリハリ感を少し加えたナチュラルサウンド
  • 音量を細かく設定しやすい
  • コンパクトなのに出力が高い
  • 本体が軽く携帯性がとても高い
  • アプリの導入がやや面倒
  • 鏡面仕上げのため傷や指紋が目立つ

4.5

音質

4.5

携帯性

4.5

拡張性

4.5

利便性

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

ORIGIN / LUNAともに、ボーカルを軸にナチュラルなサウンドで聴きたいという方にはピッタリな製品のように感じました。

とくにORIGINの音楽的な情景や空気感を加えるチューニングが絶妙ですね。同価格帯のイヤホンでもなかなかない美しさや暖かさを持っています。

LUNAはアプリの導入こそ少し玄人向けですが、音のクセも少なく音量調整もしやすくて使いやすい優等生系のDACのように感じました。

このセットで使った時のマッチングは素晴らしいので、ミドルクラスの有線イヤホンやドングルDACの購入を考えている方は、合わせて検討してみてください。

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