こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はOneOdioから新たに登場した耳を塞がない完全独立型のワイヤレスイヤホン「OpenRcok X」を紹介します。
先に試させてもらったんですけど、めちゃめちゃ音質良いぞこの子。多分2万円台の耳を塞がないイヤホンだと最強クラス、3万円台とも対抗できるレベルだわ。
高い期待はしていなかっただけに、聴いた瞬間に予想を裏切られましたね。
OneOdioといえば、格安のモニターヘッドホンを多く販売するハイコスパ系のブランドのイメージなんですけど、昨年から「OpenRcok Pro」という耳を塞がないワイヤレスイヤホンが発売されて、なかなか評価も高かったんですよ。
そのOpenRcok Proの音質・装着感・機能性など、あらゆる面をさらに向上されたモデルという感じですね。
どれほどの実力なのか、実機を使って解説していきます。
総合評価
4.5/5
OpenRcok X
- 同価格帯の耳を塞がないタイプの中では
音質最強クラス - 可動式のイヤーフックで装着位置を調整しやすい
- 最大再生時間が長い
- アプリやマルチポイントにも対応
- マイク性能が高い
- 最近のモデルの中では音漏れは大きめ
- 音質が良いのに高音質コーデック非対応
- 充電ケースが大きめ
4.3
高音
4.4
中音
4.4
低音
4.5
装着感
3.0
音漏れ
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.0
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体:12時間/ ケース込:48時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | |
ドライバー | 14.2mm ダイナミック | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
OpenRcok X 外観・付属品
それではOpenRcok Xの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
OpenRcok Xのパッケージは長方形で、横から引き出すような珍しいデザインになっています。
開封するとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース(シリコン製)◯(ペア数を入力※本体装着分も含む)ペア
- USB Type Cケーブル
- カラビナ
- マニュアル
充電ケース・本体
充電ケースは某メーカーのコンセント内蔵モバイルバッテリーみたいな形状してる。結構大きめです。
金属筐体で質感は高いが、金属筐体だからこそラフには扱えない……。
以前紹介したOpenRock Proと比べると、高級感が増していますね。
充電端子はUSB Type C。
ワイヤレス充電には対応していません。
充電ケースの開き方はユニークで、側面を押し込むと、本体収納部がスライドして出てきます。
一度押し込んでから、あとは手動で引き出すような形式ですね。指で押し込んだら自動でスゥ〜と最後まで開き切ってくれたらカッコよかったんですけどね。
イヤホン本体は、それぞれ左右に収納されているユニークな構造。取り出しやすさはふつうです。
イヤホン本体は細めのフックと、シルバー色のジョイント部が特徴的なスマートなデザイン。
このジョイント部を中心に奥に45°、上下に50°稼働させることが可能です。このギミック、どこかで見たことあるな。
イヤーフック部が稼働できる耳を塞がないイヤホンは以前も紹介したことありますが、某製品よりも稼働部が広く、それでいて無段階で調整できるので、ベストな装着位置を見つけやすくなっていますね。
前作のOpenRock Proもフック部は可動式でしたが、フック部が太くて調整もしにくかったんですよね。今回は細くて動作も軽くて、装着位置をとても調整しやすくなりました。
内側はどシンプル。
イヤーフックが可動できる分、ケース収納時は元の位置に戻す必要があります、そこがちょっとめんどくさい。
ケースが大きめだからこそ、気軽に持ち運びがしにくいのが残念ですが、一応このようなキャリングポーチも公式で用意されています。
再生時間が本体のみでも12時間持つので、ケースを使わずに気軽に持ち運びたい方は、本体のみで運用するのもありかな? ちなみに電源のON・OFFは本体ボタン長押しでできます。
最後に重さですが、総重量は11.8g、本体片耳の重量は123.5gです。
ケースは重ためですが、本体は耳かけタイプのイヤホンとしては、おおよそ平均的な軽さですね。
前作とスペックを比較
製品名 | OpenRcok X | OpenRock Pro |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 |
ドライバー | 14.2mm ダイナミック | 16.2mm ダイナミック |
コーデック | SBC,AAC | SBC,AAC,aptX |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:12時間 ケース込:48時間 | 本体:19時間 ケース込:46時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | IPX5 | IPX5 |
マルチポイント | ◯ | – |
アプリ | ◯ | – |
自動装着検出 | – | – |
低遅延モード | – | – |
このように比べてみると、再生時間やコーデック面では劣化しているように見えますが、その分軽くなっていますし、音質はちゃんと良くなっています。
あとは2台のデバイスに同時接続ができるマルチポイントに対応してくれたのは嬉しいですね! 個人的には耳を塞がないイヤホンでは特に必要な機能だと思っています。
OpenRcok X レビュー
装着感|可動式イヤーフックで調整しやすい
OpenRcok Xの装着感ですが、細めのフック&可動式のイヤーフックのおかげで、自分にピッタリの装着感に調整しやすいように感じました。
実際に装着してみるとこんな感じ。わりとおしゃれ。
前から見ても野暮ったさのようなものは感じさせないです。
完全にスポーツメインで使うなら、やはり左右で繋がっているバンド型のモデルの方が安心できますが、OpenRock Proでもなかなか安定はしてくれます。
ただ、メガネによっては干渉する可能性がありますね……。特に太めのフレームのメガネの方は注意が必要かも。
ボクの場合は、装着してからジョイントを稼働させて、耳に挟み込ませるように装着していますね。
このようにすると耳が痛くなりやすくはなりますが、スポーツ時でも耳から落ちる心配が少なくなります。
装着感 | (4.5) |
音質|2万円台ではかなりの音質の良さ
OpenRcok Xの音質ですが、冒頭で伝えた通り、かなりの良さで2万円台の耳を塞がないワイヤレスイヤホンの中では、2024年9月時点だとNo.1クラスだと思います。
OpenRcok Xの音の特長は次のとおりです。
4.3
高音
4.4
中音
4.4
低音
音の傾向は低域と高域が少し強調された弱ドンシャリ型のサウンドで、やや硬質でスピーディーかつノリよく鳴らす楽しいサウンド。
とくにスゴイと感じたのは、オープンタイプのイヤホンにありがちな音像のブレやシャリつきがとても少ない点。
中高域がカナル型(耳栓型)のイヤホンで聴いているかのように、ブレなくそのまま耳に伝わってくるのですよ。
3万円台のオープン型でも少しシャリつき感があるのに、それをほとんど感じさせないんですよね。ここがOpenRock Xを一番高く評価しているポイントです。
ただ、シャカシャカとしたシャリ付きはないですが、3万円〜4万円台のイヤホンと比べると高域の解像度に少し甘さを感じる点もあります。
これだけ音質がよければ、LDACやaptX Adaptiveなどの高音質コーデックを搭載していても、恩恵は十分に感じられたと思うんですけど、AACのみなのは残念ですね。まあiPhoneユーザーはAACまでなので気にしなくてOKですが。
低域はサブベースあたりをドゥンドゥンとほどよい迫力と締まり感でレスポンス良く鳴らすような感覚。キックはやや沈みきらない感覚がありますが、耳を塞がないタイプでありつつ過不足のない低音を鳴らします。
日本の最新チャート曲にフォーカスしたかのようなレスポンスの良い音なので、YOASOBIやAdoのようなBPMが早めのエレクトロベースのポップスとの相性が良いですね。
中低域も締まりの良い音ですが、広がりもあるので、なとり&imaseの「メロドラマ」やSIRUPの「LOOP」などのメロウなポップスもおすすめです。
音漏れについて
音漏れについては、最近のモデルとしてはけっこう大きめ。
指向性を絞ったり、逆位相で音漏れを相殺したりといった対策ができていないので、大きめの音量で聴いていたら「〜の曲聴いてる?」と当てられるレベルで漏れますよ。
ただ小音量で音楽を聴いていても、中低域が豊かでボーカルラインもやせ細ることなく、わりと楽しく聴けるのでそこが救い。
電車の中で大音量で聴くのには向いていませんが、小音量でBGM感覚で聴くくらいであればオフィスやカフェなどでも使えそうですね。
操作性|物理ボタンで思い通りに操作できる
OpenRcok Xの操作は本体下部の物理ボタンで行います。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回押す |
曲送り | R側を2回押す |
曲戻し | L側を2回押す |
音量を上げる | R側を長押し |
音量を下げる | L側を長押し |
音声アシスタント | アプリで設定可能 |
物理ボタンだから誤操作もすることもないですし、長押しし続けている間は一気に音量アップ〜ダウンもできますし、操作に関しては不満なしですね!
さらにアプリで長押しのみ操作変更が可能です。
こちらで音声アシスタントの割り振りができるようになりますが、音量調整の方が大事なので、こちらはデフォルトのままでOKかな〜。
アプリについて
OpenRcok Xはアプリ「OpenRock APP」に対応しています。
アプリでできることは次のとおりです。
- バッテリー残量の確認
- イコライザーの変更
→ロックモード、リラックスモード、ブームモード、設定の4つから選択可能 - 最高音量の制限
→最大音量を80〜92デシベルで調整可能 - 使用時間超過のご案内
- ジェスチャー(操作方法の変更)
- 空間音響
- 音量バランス
- 自動電源オフ
- 音声プロンプト音量
- イヤホンの検索
- ファームウェアの確認
イコライザーはロックモード、リラックスモード、ブームモード、設定の4つから選択可能で、デフォルトではロックモードになっています。
音質評価もロックモードで行っていますが、こちらの設定でもボクはかなり気に入ってますのでデフォルトで使ってます。
ちなみに設定はカスタムイコライザーのことで60Hz~15KHzの6バンドから±6dBで調整が可能です。
元となる音質がとても良いので、イコライザーの調整もしがいがあるかと思います。
ちなみに空間オーディオ機能も使えますが、こちらは音を無理やり広げただけのような感覚でデフォルトの方が断然好みでした。
操作方法の変更やイコライザーの変更など必要十分には揃っていますね。
マルチポイントの挙動について
2台のスマホやパソコンなどに同時接続のできるマルチポイントも今作は対応しています!
挙動も確認してみましたが、一度電源OFFにしてから電源ONにしても、ちゃんとあらかじめ接続しておいたデバイスとも自動で接続されますね。
マルチポイント機能があれば、スマホと会社のパソコン、スマホとタブレット、このように2台のデバイスを毎回ペアリングすることなく使えるので超便利なんですよ。
オンライン会議用PCや動画鑑賞用タブレットなど複数のデバイスを使っている方には必須の機能かと。
ちなみにペアリング方法は、充電ケースに入れた状態で、スライド収納部の下側にあるボタンを長押しでできます。
ボタンの位置わかりにくすぎやろ。
通話品質|品質がとても高い
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
ノイズ対策力も強く、音声もクリアに聞こえるなど、マイク性能はかなり高めのように感じました。
耳も塞がないですし、再生時間も長いですし、通話用のワイヤレスイヤホンとしても向いていそうです。
音の遅延|動画を見る分には問題なし
OpenRock Proの映像と音声のズレですが、これはかなり少ないですね。
YouTubeとかアニメを見る分には全然問題なしです。ほぼズレがないです。
音ゲーとかだとさすがにズレは発生しますけど、タイミングが重要ではないゲームくらいであれば問題なく遊べるかと。
ゲームモードもついていればなお良しでしたね。
迫力もなかなかにあるので、ふつうにタブレットで映画を見たりするのにもおすすめですよ。
OpenRcok X まとめ
OpenRcok Xをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
OpenRcok X
- 同価格帯の耳を塞がないタイプの中では
音質最強クラス - 可動式のイヤーフックで装着位置を調整しやすい
- 最大再生時間が長い
- アプリやマルチポイントにも対応
- マイク性能が高い
- 最近のモデルの中では音漏れは大きめ
- 音質が良いのに高音質コーデック非対応
- 充電ケースが大きめ
4.3
高音
4.4
中音
4.4
低音
4.5
装着感
3.0
音漏れ
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.0
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体:12時間/ ケース込:48時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 約◯時間 |
ドライバー | 14.2mm ダイナミック | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | ◯g/◯g |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
OpenRcok Xはこんな人におすすめ
- オープン型ワイヤレスイヤホンを探している
- 予算は2〜3万円ほど
- 装着感の軽さや安定性より、音質の良さを重視したい
ホント耳を塞がないタイプとしてはめちゃめちゃ音質良いんで、どこかで機会があればぜひ聴いてみてほしいですね。
装着感重視やスポーツ・ジョギングでの安定性重視なら他にも選択肢はありますが、良い音で聴くことを重視したい方は「OpenRcok X」をぜひ検討してみてください。かなりおすすめです。
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