こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はEdifierより2つの新製品「NeoDots ANC」と「STAX SPIRIT S10」をまとめて紹介します。
NeoDots ANCは約15000円台でBAとダイナミックドライバーのハイブリッド構成、LDAC、ノイズキャンセリング、外音取り込み、マルチポイント、外音取り込み、ワイヤレス充電対応とまさに全部入りのハイコスパモデル。
STAX SPIRIT S10は前回紹介して激推ししていた超音質特化のワイヤレスヘッドホン「STAX SPIRIT S3 / S5」のまさにイヤホンバージョンという感じですね! 39800円と価格も本格的! Edifierのイヤホンの中では最高値ですね。
12mmサイズの平面磁界ドライバーと第2世代のEqualMass振動板技術を採用した音質特化モデルでありつつ、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能、アプリ、マルチポイントなど機能性も十分です。
本来はNeoDots ANCの依頼だけだったんですけど、いやいやSTAX SPIRIT S10を先に紹介しろよって言われる気がしたので、こっちも無理やり送ってもらってもらいました。
ということで2つまとめて紹介することになりました。
▼動画版はこちら▼
NeoDots ANC / STAX SPIRIT S10 外観比較
それではNeoDots ANC / STAX SPIRIT S10の外観や付属品をチェックしていきましょう。
充電ケース・本体
NeoDots ANC / STAX SPIRIT S10 そして以前紹介したNeoBuds Pro 2と外観を比較するとこんな感じ。
意外とSTAX SPIRIT S10が一番コンパクトっていう。価格に対してややチープな感じはありますかね〜。
NeoDots ANCは汎用デザイン感hsもう少しなんとかならんかったんかな?安っぽいのが気になる。
充電端子はどちらもUSB Type Cに対応。
ワイヤレス充電はNeoDots ANCは対応、
STAX SPIRIT S10は非対応となります。S10はつけて欲しかったな〜。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
収納部はどちらも窮屈そうに見えますが、取り出しやすさは意外とどちらも問題なし。ちゃんと指を入れるスペースを確保してくれています。
イヤホン本体はそれぞれこんな感じ。
STAX SPIRIT S10はNeoBuds Pro 2のやや大型バージョンって感じの見た目。
NeoDots ANCは筐体全体を耳内に収めるバッズ型のように見えますが、実際は横方向に向くショートスティック型って感じですね。
ノズルはSTAX SPIRIT S10が楕円形、NeoDots ANCが正円系になっています。
最後に重さですが、NeoDots ANCの総重量は62.5g、本体片耳の重量は6.4gです。
STAの総重量は56.0g、本体片耳の重量は6.9gです。どちらも大体普通くらい。
スペック比較
項目 | STAX SPIRIT S10 | NeoDots ANC | NeoBuds Pro 2 |
---|---|---|---|
Bluetooth バージョン | V5.4 | V5.4 | V5.3 |
オーディオ コーデック | LHDC 5.0、LDAC、aptX™ Lossless、aptX™ Adaptive、aptX™ Voice、Snapdragon Sound™、AAC、SBC | LDAC、AAC、SBC | LDAC、LHDC、SBC、AAC |
ドライバー構成 | 12mm 平面磁界ドライバー | バランスド・アーマチュアドライバー + 10mm ダイナミックドライバー | バランスド・アーマチュアドライバー + 10mm ダイナミックドライバー |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体4.5時間/ ケース込み18時間 | 本体:12時間 ケース込:40時間 | 本体:4時間 ケース込:16時間 |
充電ポート | USB-C | USB-C ワイヤレス充電 | USB-USB-C |
防水防塵 | IP54 | IP55 | IP54 |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ -48dB | ◯ -50dB |
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
アプリ | ◯ | ◯ | ◯ |
3Dオーディオ | – | – | ◯ |
低遅延モード | ◯ | ◯ | ◯ |
Google Fast Pair | ◯ | ◯ | ◯ |
価格 | 39,880円 | 15,980 | 19,990円 |
NeoDots ANC / STAX SPIRIT S10 レビュー
今回の検証では、おもにXperia 1Ⅵで「LDAC / aptX Adaptive」接続で行っています。
装着感について
NeoDots ANC / STAX SPIRIT S10の装着感について。実査に装着してみるとそれぞれこんな感じ。
NeoDots ANC
NeoDots ANCは外観は大きめのように見えますが、耳に収まる箇所はそれなりにはコンパクトなので、圧迫感もそこまで多くなく、不満なく使えますね。
ただ、筐体の内側がツルッとしているので、歩いた時の振動で耳から落ちてしまわないか心配になるような時もありますね。
STAX SPIRIT S10
STAX SPIRIT S10は見た目の大きさのわりに、ボクの耳にはNeoDots ANCやNeoBuds Pro 2よりもフィットしやすい印象でした。
スポーツ用とにはさすがに向いていませんが、通勤など屋外で使う分には不満なく使えましたね。
装着感 | |
NeoDots ANC | (4.0) |
STAX SPIRIT S10 | (4.5) |
STAX SPIRIT S10の音質
STAX SPIRIT S10の音質は、以前レビューしたヘッドホンのS3/S5のまさにイヤホンバージョンって感じ! 傾向が全く一緒! つまり、めちゃめちゃいいです。
STAX SPIRIT S10の音の特長は次のとおりです。
5.0
高音
4.7
中音
4.9
低音
音の傾向はS3やS5同様にとても繊細で丁寧さや解像度感を重視したフラットサウンド。イヤホンでありつつもヘッドホンのように自然で伸びやかな音で奏でてくれます。
NeoBuds Pro 2はキッレキレの硬質ドンシャリサウンドって感じですけど、S10は繊細サラッとサウンドって感じ。
高域はワイヤレスでありつつも「生」を究極まで再現。アコギの爪弾く音や、ストリングスの上まで伸び切る音は、リアルに近いレベルです。とくに弦楽器の自然に伸びるような高音の表現が得意ですね。ブラス系楽器の瑞々しく炸裂するような音は価格相応レベルといったところ。
ただ高域が剥き出しで伸びやかに鳴らすためか他の機器以上にiPhone(AAC)とAndroid(LDAC / aptX Adaptive)のコーデックの違いによる音質の良し悪しを感じやすいように思いました。
中域の厚みは控えめでフラットに鳴らすクセのない音という感じでしょうかね。解像度はとても高いですが、艶感や重厚さなどのハデさはなく、自然にサラッと添えるような鳴らし方ですね。
低域はサラッとフラット系と思いきや、S5譲りのより低く沈み込んだ厚みのある低音を響かせるようなサウンドで、かなり迫力はありますよ。ズンズンという感じではなくドゥオンって感じのオーケストラで壮大に響かせるような自然な重低音という感じですね。
音場は横と縦方向に広く伸びやかに鳴らすような印象。低音の影響で少し広く感じるようにも思いますね。ただ、S3~S5と同じく奥行き感はあまりなく、やや平面的に感じますね。
得意なジャンルはクラシック・ジャズ・弾き語りなどですかね。とくに弦楽器を多用したクラシックはおすすめ。
イコライザーで設定を「ダイナミック」にしてあげれば、ロックやポップスもそれなりにキレ良く鳴らしてくれますが、めっちゃ得意ってほどでもないですね。この価格なら他にも選択肢が出てきます。
他にも「静電気」というイコライザーがあります。
静・電・気・っ!!!
言いたいことはわかる。STAXの静電ドライバーのような繊細なサウンドにするんやな。実際にこちらに設定したら、さらに繊細で線の細い伸びやかなサウンドになりました。
総評して、音質だけで比較するなら、3万円台のワイヤレスイヤホンでは最強クラスといっても良いほどの実力はあるように感じました。
ただ、音の性質がとても繊細でサラッとしたサウンドのため普段聴かれるジャンルによっては音の線が細すぎるように感じるかもしれません。アコースティック系の楽曲をメインで聴かれる方におすすめです。
ちなみにノイズキャンセリングをONにすると、中域が少し簡素で引っ込んだような感覚になるので、個人的にはノイズキャンセリングOFFで聴いてあげた方がS10の実力を最大限まで引き出せるように感じましたね。
NeoDots ANCの音質
NeoDots ANCの音質は、NeoBuds Pro 2ともSTAX SPIRIT S10とも異なるバランス重視の音って感じですね!
定価で15000円ほどと考えれば、音質はなかなか良い方だと思いますよ
4.4
高音
4.3
中音
4.4
低音
音の傾向はNeoBuds Pro 2譲りのやや硬質な面もありますが、あそこまで極ドンシャリって感じでもなく、ほどよく減り感を効かせた聴きやすさ重視の弱ドンシャリサウンドという感じですね。元気で明るい音です。
高域は鋭くなりすぎずもキレキレに鳴らすスピーディーな音で、シンセサイザーやシンバルの音も煌びやかな荷鳴らしますね。
中域は引っ込みすぎずにハリよく鳴らすような感覚で、ボーカルもしっかり前に出てくるのでPOPSも心地よく楽しめますね。
低域は臨場感のある立体的な音で、タイトで迫力のあるサウンドを楽しめます。
得意なジャンルはロック・ポップス・EDM・ヒップホップなど。明るくて元気なサウンドなので、ノリの良いジャンルとの相性が良いです。
全体的にはNeoBuds Pro 2の方が実力は上だと思いますが、バランスの良さや聴きやすさはNeoDots ANCの方が上という印象です。
機能性と価格に対して音質はなかなか良い方だと感じましたね。
ノイズキャンセリング性能について
ノイズキャンセリング性能についてですが、NeoDots ANCは大体価格を考えれば強め。STAX SPIRITは3万円台と考えると弱めのように感じました。
NeoDots ANCはNeoBuds Pro 2には勝てませんが、なかなか近いレベルまで遮音してくれますね。15000円前後の中ではかなり優秀な方かと。
STAX SPIRIT S10は価格にしてはノイズキャンセリングはそこまで強くなく、NeoBuds Pro 2クラスを期待すると肩透かしを喰らうと思います。音質と同じく高域がクリアに聞こえてきます。バカヤロウ!
ガチャガチャとしたロックやポップスを聴いていれば気にならないと思いますが、緩急の激しいクラシックなどを聴くと、静かなパートで遮音性の低さが気になるかもしれません。
ノイズキャンセリング性能にこだわりたいなら、NeoDots ANCかNeoBuds Pro 2を選ぶことをおすすめします。
ノイズキャンセリング | |
NeoDots ANC | (4.4) |
STAX SPIRIT S10 | (3.5) |
外音取り込み
外音取り込み性能はどちらも同じくらいで、NeoDots ANCはまあまあ自然。S10は価格にしてはイマイチでしたね。
音楽を止めていれば会話はできるけど、音楽を小音量で聴きながらだと相手が何を言っているかわからないレベルって感じですね。また、少し閉塞感もあります。
ホワイトノイズや高域の刺さり感もそこまでないように感じましたね。
外音取り込み | |
NeoDots ANC | (4.0) |
STAX SPIRIT S10 | (3.5) |
操作性|大きく改善されている
操作性はどちらもNeoBuds Pro 2より大きく改善されています。
NeoBuds Pro 2は割り振れる項目がL/Rに対して2~3回タップの合計4項目しか割り振りができませんでしたが、今回は長押しも追加されて6項目割り振れるようになりました。
1回タップは再生/停止として使えるので、実質7項目の操作が可能。手動操作でゲームモードへの切り替えなどもできるので、かなり便利になりました。
また、どちらも感圧センサーというAirPods Proのようにつまむだけで操作ができる物理ボタンのような仕様になったので、タッチセンサーと比べて誤動作が少なくなりましたね。
操作性はNeoBuds Pro 2よりも大きく改善が加えられています。
通話品質について
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
STAX SPIRIT S10
NeoDots ANC
NeoBuds Pro 2
STAX SPIRIT S10はこの中だとノイズは入りやすいですし、音声もやや遠めですし、いろいろとイマイチ。
NeoDots ANCは価格にしてはなかなか優秀。一番ノイズも取れていて、音声もクリアなのはNeoBuds Pro 2でしたかね。
その他気になった点
LDACの990kbpsを使うと、aptX Adaptiveに比べて接続が安定しにくいように感じましたね。
S10に関しては心なしか……というか結構ハッキリとわかるレベルでaptX Adaptiveで接続した時よりも音の輪郭が硬くて、自然な伸びやかさが阻害されている感じがあります。
できればaptX Adaptive〜Losslessを使えるAndroidユーザーの方におすすめしたいと感じましたね。
あとどちらもLDACとマルチポイントの併用ができないので、利便性も悪くなるのも欠点ですね。
NeoDots ANC / STAX SPIRIT S10 まとめ
総合評価
4.5/5
NeoDots ANC
- 15000円前後で考えると音質が良い
- 15000円前後で考えるとノイキャン性能が高い
- 再生時間が長い
- 操作性が良い
- マルチポイント / 低遅延モード / ワイヤレス充電対応
- LDACの接続安定性が悪い
- LDACとマルチポイントの併用が不可
- 充電ケースがチープ
4.4
高音
4.3
中音
4.4
低音
4.0
装着感
4.4
ノイズキャンセリング
4.0
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体12時間/ ケース込み40時間 |
コーデック | LDAC、AAC、SBC | 充電時間 | 約1.5時間(イヤフォン) 約1.5時間(充電ケース) |
ドライバー | バランスド・アーマチュアドライバー + 10mm ダイナミックドライバー | 充電端子 ワイヤレス充電 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IP55 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | ◯g/◯g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
総合評価
4.5/5
STAX SPIRIT S10
- 3万円台だと最強クラスの音質
- 超伸びやかで繊細な高音
- ナチュラルでありつつも臨場感のある低音
- 操作性が良い
- マルチポイント / 低遅延モード対応
- LDAC / aptX Adaptiveどちらもサポート
- ワイヤレス充電非対応
- 再生時間が短め
- ノイズキャンセリングや外音取り込みは弱め
- LDACの接続安定性が悪い
- LDACとマルチポイントの併用が不可
5.0
高音
4.7
中音
4.9
低音
4.5
装着感
3.5
ノイズキャンセリング
3.5
外音取り込み
3.5
マイク性能
4.0
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体4.5時間/ ケース込み18時間 |
コーデック | LHDC 5.0、LDAC、aptX™ Lossless、aptX™ Adaptive、aptX™ Voice、Snapdragon Sound™、AAC、SBC | 充電時間 | 18時間(ANCオン) |
ドライバー | 12mm 平面磁界ドライバー | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | ◯g/◯g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | ◯年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
NeoDots ANCは15000円前後で音質やノイキャンを重視したい方に、STAX SPIRIT S10は3万円台で繊細で伸びやかな音を重視した音質特化系のワイヤレスイヤホンが欲しい方におすすめです。
どちらも優秀な機種だと思いますので、またブラックフライデーセール期間中にでも気になっていた方は検討してみてください。
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