-日本のモノづくりの極み- MADOOの最新有線イヤホン「Typ622」がスゴイ

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

はい、今回も来ました、いまイヤホン界隈でもめちゃめちゃ人気の高いハイエンドイヤホンブランド「MADOO」の新作、Typ622を今回は紹介します。

MADOOといえば、前回Typ821Typ512Typ711を紹介したんですけど、Typ821の音質がヤバくてね……。ほんと高級ヘッドホンかな?と思うほどエグいレベルで伸びやかな音が鳴るんですよ。

専門店価格で22万円もするイヤホンだったんでさすがに貸出だったんですけど、紹介して以来ずっと欲しいな〜と思いつづけてるんですよね。MADOOマジでやってくれたわ。今ではすっかりMADOOのファンです。

そんな中、MADOOから新たに登場したのがTyp622ですよ。

こちらはTyp821と同じ「プッシュプル型マイクロプラナードライバー“Ortho(オルソ)”を 1 基搭載」したモデルで、専門店価格で140,800円とお手頃(?)になっているんですよ!

音質はTyp821とは異なる中低音域に重きを置いたチューニングを施し、同じドライバー構成ながらTyp821とは全く異なるキャラクターとなっているようです。

今回はこちらのType622を、またしても貸出で送られてきたTyp821と比較しつつ、誘惑に抗いながら紹介していきます。

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

MADOO Typ622 外観・付属品

それではMADOO Typ622の外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

MADOO Typ622のパッケージは前作と変わらず正方形でマットな質感のパッケージ。

開封するといきなりイヤホン本体がお目見え。シンプルながらも高級感のある演出です。

付属品

付属品一覧
  1. MRC011 4芯ケーブル Pentaconn Ear Φ3.5mm3極
  2. MRC023 4芯ケーブル Pentaconn Ear Φ4.4mm5極
  3. シリコンイヤーピース (S/M/L)各1セット
  4. フリーフォームチップ1セット
  5. イヤピースケース
  6. イヤホンケース(キャリングケース)
  7. マニュアル

付属品は相変わらず充実しています。

ケースの質感はとても高く、今回のような大きめのハウジングのイヤホンでも余裕で収納できます。

Acoustuneにもついていたイヤーピースケースが付属しています。

本体・ケーブル

MADOO Typ622のイヤホン本体はがこちら。

形状がTyp821と同じく八角形型のデザインを採用。素材はTyp821はチタンでしたが、Typ622は末っ子のTyp512と同じアルミニウムに変更されています。

筐体の違いによる音の変化もありそうですね。

この高級時計のような窓が特徴ですが、実際に高級時計にも使用されているサファイアクリスタルを採用しており、非常に傷がつきにくく耐熱性の高い素材となっています。

高精度なCNC加工によりアルミブロックから削り出すことでハウジングは製造されています。

筐体デザインはさすがのものですよ。美しい。

ドライバーには独自のプッシュプルドライブ方式を採用したマイクロプラナーマグネティックドライバー“Ortho”を搭載しています。

このプッシュプルドライバーは組み込みの難易度が高く、イヤホンサイズに収める小型軽量化を実現するのは困難で、これまではハイエンドヘッドホンのような大型の製品へ搭載されていましたが、熟練のエンジニアの試行錯誤により、このイヤホンサイズに押し込められたそうです。

つまり、据え置きクラスのハイエンドヘッドホンの音を体感できるイヤホンというわけですよ。

ケーブルは着脱も可能で、コネクタは耐久性の高さと音の損失の少なさで定評のある「Pentaconn Ear」を採用しています。

リケーブルの汎用性は低くなりますが、個人的には一番信頼をおいているコネクタです。

昔オーディオイベントで一般的に流通している「MMCX」と「Pentaconn Ear」それぞれで制作された同じイヤホンを聴かせてもらったことがあるのですが、「Pentaconn Ear」で作られたイヤホンのほうが音が明瞭で音像もクッキリとしていて驚いたことがあります。

ノズルは極楕円形の設計。かなり特徴的な口径ですが、意外と他社のイヤーピースでも装着できます。

付属するイヤホンケーブルは兄弟ブランドである「Acoustune(アコースチューン)」監修のもと、シルバーコート銅線の4芯ケーブルを採用した「MRC011」と、4.4mmバランス接続に対応した「MRC023」が付属しています。

かなり質感が良いですし、コネクタも「Pentaconn Ear」でリケーブルを探すのも大変ですし、基本純正ケーブルで良いかと思います。

耳掛け部は形状固定型。

分岐部にはアジャスターとMADOOのブランドロゴが印字されています。

プラグは3.5mmと4.4mmどちらもL字タイプになっています。

ちなみに重さは、片耳8.4g。

Typ821が11.8g、Typ512は9.1gなので、それらよりも軽くなっています。

MADOO Typ622の概要・スペック

スクロールできます
項目Typ622Typ512Typ821
ドライバー構成Micro Planar ‘Ortho’ Driver x1Micro Planar Driver x1
+ UHD Dynamic ‘Belix’ Driver x1
Micro Planar ‘Ortho’ Driver x1
素材アルミニウムアルミニウムチタン
インピーダンス15Ω32Ω15Ω
音圧感度メーカー情報なしメーカー情報なしメーカー情報なし
再生周波数帯域20Hz〜40KHz20Hz~20kHz20Hz~40kHz
ケーブル仕様MRC011 4芯ケーブ Φ3.5mm3極
MRC023 4芯ケーブル Φ4.4mm5極
MRC011 4芯ケーブ Φ3.5mm3極
MRC023 4芯ケーブル Φ4.4mm5極
RC011 4芯ケーブル Φ3.5mm 3極
MRC023 4芯ケーブル Φ4.4mm 5極
重量(ケーブル含む)約40g約42g約45g
付属品シリコンイヤーピース (S/M/L)各1セット
フリーフォームチップ1セット
イヤピースケース
イヤホンケース
シリコンイヤーピース (S/M/L)各1セット
フリーフォームチップ1セット
イヤピースケース
イヤホンケース
シリコンイヤーピース (S/M/L)各1セット
フリーフォームチップ1セット
イヤピースケース
イヤホンケース
発売日2024/07/262022/12/232023/8/4
価格156,450円(税込)99,980円 (税込)244,800円 (税込)

MADOO Typ622 レビュー

装着感|見た目以上の想像以上の良さ

装着感については、前作から引き続き、見た目に対して想像以上に良いですよ。

実際に装着してみるとこんな感じ。装着感は3製品とも変わらない印象でしたね。

前から見たらこんな感じです。

アジア人の耳に合わせて設計しただけはあり、フィット感はかなり良いです。外で歩きながら使っても耳から落ちる心配もなく、安定した装着感です。

あと筐体の密度が高い影響かもしれませんが、遮音性もかなり高い方です。ノイズキャンセリングが必要ないくらい周りの音をシャットアウトしてくれるので、電車の中で使っても問題なしです。

ただ、Typ821のときからレビューによっては耳に全然合わなかったという人もいるので、できれば要試着ですね。

見た目がなかなかギラギラとしているので、目線がちょっと気になるのは難点ですかね。

装着感(4.6)

音質|Typ821に匹敵するクオリティ

MADOO Typ622の音質についてですが、いや〜今回も最高ですね!一聴してレンジがめちゃめちゃ広いです。

価格差もあるからさすがにTyp821には敵わないだろうな〜と思っていたら、意外と好みの差くらいに感じるレベルで音質が良いんですよ。

金銭感覚バグってるのは重々承知の上ですけど、14万でこの音を体感できるのはコスパがかなり高いように感じました。他にも14万円クラス持ってますけど、Typ622の方がレベルはやや上のように感じます。

試聴環境
  • DAP:SONY NW-WM1AM2
  • アプリ:Apple Music
  • 接続方式:4.4mmバランス接続
  • イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
  • エージング:50時間ほど

特別ならしにくいということもないですが、できればバランス接続で出力を確保してあげた方が本来のレンジの広さや音の豊かさを表現しやすいかと思います。

MADOO Typ622の音の特長は次のとおりです。

音の特長

※10万以上の有線イヤホンを基準とした評価

4.8

高音

4.8

中音

4.9

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向は、公式で謳っているとおり、Typ821と比較すると中低域に重心が寄りましたが、全体を通して見ればバランスの良い音のように感じました。

マイクロプラナードライバーのOrthoが持つ繊細で広がりのある音も健在です。

音場や解像度

音場もTyp821同様にかなり広めで、余韻を少し加えながら外側にすぅーっと抜け感良く広がっていきます。

定位や解像度感は並といったところでしょうか。音の一体感や帯域のつながりの滑らかさを重視した音で、モニター的なアプローチは苦手な印象を受けます。

低域

Typ512のように非常に深みのあるレンジの広い音を持ちながらも、「低音の化身!」というほど低域に偏っていないバランスの良い音を実現しています。

ベースラインが豊かで広がりのある音で、聴いていてとても心地よいです。アコースティックな表現が得意でジャズのウッドベースが非常に合います。

エレキベースやドラムなどもキレイめありつつも、それなりにレスポンス良くも鳴らすので、ロックやポップスもOKですね。ヒップホップなど低音をメインで聴くならTyp512でもいいかも。

高域

Typ821譲りの広がりと抜け感のある音を再現しますね。トランペットやサックスの音も瑞々しくてとても華やかです。

Typ512や711よりもさらに高域のレンジが広がっていますが、Typ821ほどの突き抜けるような伸びやかさは感じられません。ストリングスの伸びはTyp821の方が圧倒的に上。それでも、同価格帯ではかなりの伸びの良さですね。

ジャキジャキとしたキレの良い表現が好みなら、他にも選択肢はあるとは思います。

ユーザーレビューを見ていると、一部シャリつき感があるという意見もありますが、個人的には硬質でありつつも耳障りなシャリつき感は感じませんでした。フィット感による違いもあるのかも

中域

ボーカルラインはTyp821には及ばないものの、低音と高音のバランスが良く、ボーカルが埋もれることなく再現されます。

ただし、ドライバーが1基のみの影響か、低い男性ボーカルは一部ベースラインに埋もれることがあります。

女性ボーカルは埋もれることなく、とてもハリ良く伸びやかに表現してくれますね。

おすすめのジャンル

得意なジャンルは、基本なんでもいけますけど一番はジャズですかね。

ウッドベースとサックス、トランペット、ハイハットの表現力がとくに素晴らしいため、マイルス・デイヴィスやビル・エヴァンス・トリオは同価格帯でも至高すぎる音で再現してくれますよ。

あと、星野源のようなブラックミュージックテイストの楽曲もTyp622の方が合いますね。

YOASOBIやAdoなどBPMが早めのポップスでも全然いけますけど、得意というほどでもないですかね。

バーチャル試聴

YouTube版ではダミーヘッドによるバーチャル試聴も行っています。

MADOO Typ622 まとめ

MADOO Typ622をまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.8/5

MADOO Typ622

  • 音の広がり豊かさを両立した一体感のあるサウンド
  • 高級感のある独自デザイン
  • 見た目以上に装着感が良い
  • 遮音性が高い
  • 充実した付属品
  • ギラギラとした見た目で目立つ
  • リケーブルの汎用性が低い
  • フィット感は個人差があるかも

4.8

高音

4.8

中音

4.9

低音

4.5

解像度

4.8

迫力

4.6

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

MADOO Typ622はこんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 予算10万円ほどで有線イヤホンを探している
  • 高解像度より音の一体感や広がりを重視する
  • ジャズやブラックミュージックを中心に様々なジャンルを好んで聴く
  • Typ821は予算オーバー

Typ821や他のMADOO製品とどれがおすすめ?

他のMADOO製品と比較した場合、Typ512や711と比べるとTyp622の方がおすすめかなと思います。

Typ821と比べた場合は、近いレベルの実力はあるとはいえ、ボクだったらTyp821を選ぶかな〜。あのどこまでも伸び続けるような高音やボーカルの表現は病みつきになります。

ボーカルやストリングスの伸びやかさを重視するならTyp821低域の豊かさやコスパを重視するならTyp622かな〜〜とは思います。楽曲によってはTyp622の方がよく感じることもあるので悩ましいんですよね。

8万ほど価格差があるので、DAPやDACをお持ちでない方はTyp622と差額の8万でDC-EliteやDX180などを購入するのもアリだと思いますよ。

高価な製品なので、できればe☆イヤホンやイベントなどで一度聴いてみてから検討してみてください。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • dc-eliteとtyp821はどちらも硬質な音であると紹介してましたが、組み合わせて使う相性はどうなんですか?
    僕はdc-eliteをすでに持っていて、今のイヤホンから乗り換えたいなと思って、hype10かtyp821、typ622それかIE900あたりで悩んでます。
    好きなアーティストはMrs.green appleです。

    • DC-Eliteでも聴いてましたけど、そこまで高域がキツくなるわけでもなく、むしろ音場がさらに広大になって深みも増すのでアリだと思いましたよ!
      MrsにIE900を合わせると、高域がピーキーになりすぎるので個人的にはナシ
      ケセラセラや僕のことのような、オーケストラアレンジの楽曲はType821が合います!
      対してライラックやインフェルノなどロックナンバーはTyp622が合いますね〜。どちらのタイプが好みか次第っ

  • 何度もすみません。
    ロックな感じの曲の場合、hype10かtyp622のどちらがおすすめですか?

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