こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はLIFEEARより、グラスのような透明感が美しいハイブリッドドライバー搭載の有線イヤホン「ICE」と、有線/ワイヤレスの2Wayで使えるイヤホン「Duo」の2製品をまとめて紹介します。

LIFEEARを聞いたことがない人も多いと思いますが、プロのアーティストが現場で使用するカスタムIEM(イヤモニ)をもっと一般的に普及させるために立ち上げられたメーカーです。
オーダーメイドのイヤホンは10万円以上もするモデルが多く、納期も2〜3ヶ月ほどかかるものが多いですが、LIFEEARは独自の3Dプリントの技術で耳型を受け取ってから最短当日で完成するカスタムIEMを作り上げたメーカーです。
こちらがその当日納期で作成できるカスタムIEMの「Flow」。価格は58,000円とカスタムIEMとしてはお手頃。

そして世界初のBluetoothを搭載したカスタムIEMでもあり、なかなかユニークなイヤホンとなっています。
そのカスタムIEMの制作で培った耳型データ解析や3Dプリント技術を活かして誕生したのが、「ICE」と「Duo」というわけです。
今回はこの「ICE」と「Duo」の2製品を詳細に紹介していきたいと思います。
▼動画版はこちら▼
LIFEEAR ICE / Duo 外観・付属品
それではLIFEEAR ICE / Duoの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
LIFEEAR ICE / Duoのパッケージはこんな感じの小型でシンプルな構造。

付属品

- イヤーピース(3サイズ)
- リケーブル(2PIN 3.5mm)
- 専用ケース
- 取扱説明書

- 取扱説明書
- 充電ケーブル
- 専用収納ケース
- 清掃ブラシ1本
- mmcxケーブル外し
Duoには有線接続用のケーブルは付属しておらず、アクセサリー扱いになります。といっても3420円なのでそこまで高価というわけでもありません。
本体・ケーブル
ICEはモデル名の通り氷のように透明感が高い美しいシェルデザイン。レジンも中までしっかり充填されていて、耐久性も高そうです。

DuoはまさにカスタムIEMのような形状で、ワイヤレス接続にも対応しているからパーツがギチギチに詰まっています。


しかもこの子、フェイスプレートを外して取り替えることもできるのですよ。すごい仕組み。まさにお手軽カスタムIEMって感じ。

フェイスプレートは別売りで販売も行っているので、気分に合わせてカスタマイズも可。
内側はICEは凹凸の少ないツルッとしたデザインになっていますが、DuoはカスタムIEMのように耳の形状に沿ったデザインになっています。

どちらもケーブルは着脱可能で、ICEはqdcタイプの2pin、DuoはMMCXを採用。
DuoはこのMMCX部にMMCX to USB-Cケーブル差し込むことで充電をする仕組みになっています。
ICEのケーブルの素材は銀メッキ銅を採用。細くしなやかで本体デザインを阻害しないシンプルかつ高級感のあるデザインです。

Duoのオプションケーブルは4芯銀メッキ銅を採用。こちらは太めでガッシリとしたケーブルになっていますね。

プラグはどちらも3.5mmを採用しています。

LIFEEAR ICE / Duoの概要・スペック
スペック一覧 | ICE | Duo |
---|---|---|
ドライバー | ハイブリッド型(ダイナミック型10mm×1、バランスドアーマチュア型×1) | ハイブリッド型(ダイナミック型7.5mm×1、バランスドアーマチュア型×1) |
インピーダンス | 19Ω | 16Ω |
音圧感度 | 108.86db | 127db |
プラグ形状 | 3.5mm3極 | – 3.5mm3極 |
コード長 | 1.2m | – オプションは1.2m |
リケーブル対応 | 2pin | – mmcx |
保証期間 | 1年 | 1年 |
スペック一覧 | Duo Bluetooth性能 |
---|---|
SoC | Qualcomm QCC3072 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3(LE-audio対応) |
使用周波数 | 2.402GHz〜2.480GHz |
通信距離 | 最大10m |
対応プロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
対応コーデック | AAC、SBC、aptX、aptX adaptive、Opus |
ドライバー構成 | ハイブリッド型(ダイナミック型7.5mm×1、バランスドアーマチュア型×1) |
マルチペアリング | 最大2台まで対応 |
連続再生時間 | 約12時間 |
充電時間 | 約2時間 |
対応システム | iOS、Android、Windows、macOS |
有線コネクタ | MMCX |
LIFEEAR ICE レビュー
まずは有線モデルの「ICE」について詳細にレビューしていきましょう。
装着感について
LIFEEAR ICEの装着感についてですが、見た目に対してけっこう安定しますね。
実際に装着してみるとこんな感じ。見た目がオシャレ

前から見るとこんな感じ。

耳への収まりも良く安定した装着感で、遮音性もなかなか高め。装着感の満足度はとても高いです。
装着感 | (4.7) |
音質について
LIFEEAR ICEの音質について、「ウイスキーやカクテルとともに楽しむ夜の音楽体験をイメージし、重低音を強化しながらも繊細な余韻を大切にしたサウンドチューニング」となっているとのことですが、まさにそのような雰囲気に合うメロウなサウンドのように感じました。
- DAP:NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:3.5mmアンバランス接続
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:50時間ほど

LIFEEAR ICE の音の特長は次のとおりです。
4.3
高音
4.4
中音
4.4
低音
音の傾向
音の傾向はやや中低域寄りでウォームな音作り。スパイス的に余韻を継ぎ足して低域を中心に優しく柔らかく聴かせるサウンドです。
中華イヤホンでよくある超カッチリ分離サウンドが苦手な方には合うかも。
音場
音場はふつう程度。定位は全体的に甘めというか、あえてボヤかして包み込まれるような音場感を作っているような印象を受けました。
低音
印象に残ったのが中低域の濃密さ。ベースの余韻が心地よくフワッと広がっていく感覚で、この低域の柔らかさがICEのメロウさをうまく演出できているのかと思います。
ゴリゴリの低音ではなく広がりのある低音なので、EDMよりはチル系の方が合うかと思います。
高音
BAならではのレスポンス良く繊細な鳴りですが、耳あたりは優しく刺激感が少なめで聴き疲れがしにくいように感じます。
中低域寄りとは伝えましたが高域が埋もれているような感覚はなく、BAらしく独立して繊細かつ粒立ち良く鳴らしているような感覚ですね。
中音
ハイブリッド構成ではありますがボーカルラインは引っ込んだ感じもなく、高めのボーカルは繊細かつ伸びやかに、低めのボーカルは深みのある歌声で鳴らします。
他の楽器帯とおおよそフラットな距離感なので、ボーカルメインで聴きたいなら他にも選択肢はあるかと。
おすすめジャンル
ジャズ、シティポップ、チル寄りのヒップホップ、ヒーリングミュージック全般といったところでしょうか。
総評
ウォーム系と聴くと、悪く言えばレスポンスが悪くてモッサリとした音のように感じるかもしれませんが、高域を担当するBAがその点をカバーしているので問題なし。
優しく柔らかな音でしっとりと聴きたい方にはおすすめできるイヤホンではないかと思います。
LIFEEAR Duo レビュー
装着感について
LIFEEAR ICE / Duoの装着感はとてもいいですね! まるでイヤモニのようにピッタリとフィットします。
実際に装着してみるとこんな感じ。フェイスプレートのデザインがおしゃれ。

前から見るとこんな感じです。

ワイヤレスで使っても安定した装着感なので耳から落ちてしまいそうな心配も少なく、安心して使えます。
装着感 | (4.8) |
フェイスプレートを変えられるのが強み
Duoの一番の強みはフェイスプレートを自由に変えられる点でしょうか。

プレート部の先端が少し出っ張っているので、そこを持ち上げてあげればプレートを取り外せます。

ただ外す時にプレートを折ってしまいそうでめちゃめちゃ怖い……。
交換手順は説明書の方にも記載があるので、こちらの順序を守るようにしましょう。

ちなみにフェイスプレートは注文した色味にあわせてデフォルトで付属しますが、それ以外にも別売りでかなりの種類のプレートが用意されています。左右別々に装着することも可能です。


オーダーメイドで作ったイヤホンのようなプレートデザインを、手軽に変えられるの点がいちばんの強みのように感じました。
音質について
DUOの音質ですが、こちらは”質”としてはICEとおおよそ同じですが、音の傾向は異なります。
ちなみにカスタムIEMのFlowも同じ構成なので、ほぼ同じ音と考えても良いと思います。

まずは有線接続で検証してみました。
音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.4
中音
4.3
低音
音の傾向
DUOの方が少しモニター的な印象というか、定位や音の分離を重視したサウンドになっています。
低域・中域・高域、それぞれの量感のバランスがよく、少しウォームでありつつもどんな音源でも卒なくこなすタイプですね。
音場
ICEと比べると音場が広く、音の方向性もやや分かりやすくなっています。
といってもガチモニター系のようにカチッとビシッと音の位置を定めるようなタイプではなく、あくまでナチュラルな音場感という印象です。
高音
高音の質感はICEとおおよそ同じ程度に感じましたが、解像度はDuoの方が上のように感じますね。
こちらもBAならではのレスポンス良く繊細な鳴りで、それでいて耳あたりは優しく刺激感が少なめで聴き疲れがしにくい音ように感じます。
ICEと比べて低音の量感が少ないため、高音の輪郭がより分かりやすくなっています。
中音
ボーカルラインはICEと比べると低域側にも高域側にも偏らず、中域を芯でバシッと捉えたバランスになっています。
声の輪郭がクッキリとしていて、脚色を加えずにありのままに鳴らすような感覚です。
ICEと同じくボーカルと他の楽器帯はおおよそフラットな距離感になっています。またICEよりも同帯域の音の分離も良いですね。
低音
低音はICEと比べるとスッキリとしており、迫力も控えめ。
その代わり低域の輪郭が追いやすく分析的に聴けるような感覚です。
おすすめジャンル
ICEはしっとりとした楽曲に特化していましたが、Duoはスッキリとしたクセのない音作りのため、基本どんなジャンルでもOKなように感じましたね。
総評
ICEと比べると”質”としては大きな差はないですが、Duoの方がよりモニター的な傾向のように感じました。
派手さはないものの、万能でどんなジャンルにも合わせやすい優等生という印象です。
ICEとどちらが良いか音の好み次第にはなると思います。
ワイヤレス面での性能は?
Duoのワイヤレスイヤホンとしての性能について。
音質面ではワイヤレス接続の場合、少し傾向が変わります。音の傾向が少しICE寄りになるような印象で、中低域の量感が多くなり音の輪郭が少し甘めのリスニングライクなサウンドになります。
音質が極端に悪くなるようなこともないので、ワイヤレスでも運用でも問題ないかと思います。
操作面ではタッチパネルでの対応になります。

アプリには対応していませんが、ゲーミングモードや外音取り込みモードに対応するなど、機能は意外と充実しています。
ただ、1タッチから反応するため、誤反応が多いのが少し気になりました。
外音取り込み機能は音楽を聴いていなければ相手の声はなんとか聞き取れる程度ですね。
ゲーミングモードは映像と音の遅延が少なくなりますが、有線レベルというわけでもないですね。それこそ音ゲーやFPSをするときは有線接続の方がいいと思います。
その他気になる点
Duoのいちばん気になる点はMMCXの着脱部。

MMCXは頻繁に抜き差しをしていると摩耗で接触不良を起こしやすい端子です。
そのMMCX部を充電端子としているため、どうしても抜き差しをくり返してしまいます。
長期間運用する上で、このMMCX部の耐久性に異常が起きないか心配になりますね。充電は専用のケースを用意してくれた方がありがたかったですね……。
まとめ
ICEは透明度の高いシェルが美しく、しっとりと聴けるウォームなサウンドが特徴。
DuoはカスタムIEMのようなデザインと付け替え可能なフェイスプレート、そして有線 / ワイヤレスの2wayで使える唯一無二すぎる仕様が特徴的なイヤホンのように感じました。
ヨドバシカメラやAmazonでも取り扱いが始まったみたいです!ヨドバシならもしかしたら気軽に試せるかも?
以上! LIFEEAR ICE / Duoのレビューをお送りしました。
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