こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はJBLより初めて登場したイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン「Soundgear Clips」を紹介します。

- JBL SonicArcにより音の方向性を整え音漏れを最小限に
- 4ビームフォーミングマイクのクリアな音声通話
- 通話性能のカスタマイズも可能
- 本体8時間、ケース込みで32時間の再生可能
- マルチポイントやGoogleFast Pairに対応
- 価格は18,700円+ポイント10%
ようやく来ましたね、JBLの初イヤーカフ型!
先に試しましたけど、まぁ〜まさにJBLのイヤーカフ型って感じ(語彙力)
コスパ重視のモデルというわけでもないですけど、音質や機能性は安心と信頼のJBLという感じでしたよ。
今回はハーマンインターナショナルさんより紹介用に提供いただいたので、どれほどの実力がチェックしていきましょう。
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JBL Soundgear Clips 外観・付属品
パッケージ
JBL Soundgear ClipsのパッケージはいつものJBLらしいアメリカンなデザイン。

開封するとこんな感じ。

付属品

- セーフガイド
- クイックスタートガイド
充電ケース・本体
JBL Soundgear Clipsの充電ケースはこちら。TUNE FLEXと同じく中の基盤が丸見えの平成レトロ感のあるトランスルーセントデザインになってます。おしゃれ。

厚みもそこまでなく、ズボンのポケットにも収まるほどの大きさです。

Sense Liteと比べるとこんな感じ。イヤーフック型と比べるとサイズがコンパクトでいいですね。ポケットやバッグに入れても嵩張らない。

充電端子はUSB Type Cに対応。

ワイヤレス充電は残念ながら対応していませんでした。ここ対応していたら強かったなー。
充電ケースは前からパカっと開くタイプですが、爪先に引っ掛ける必要があり、やや開きにくいです。

ケースを開いてしまえば取り出しやすさは問題なし。

なお、左右の自動識別機能はないみたいで、ちゃんと向きを揃えないとケースに収納できません。
イヤホン本体も充電ケースと同じくスケルトンデザインを採用。

今まで紹介したイヤーカフ型の中でもデザインはかなりオシャレ! スケルトンデザインとJBLロゴがいい感じ!
ブリッジ部には柔軟な素材のメモリーワイヤーフックを採用。

ほどよい締め付け感で装着感を安定させます。

ドライバーは11mmのダイナミックドライバーを採用。

また独自の技術「JBL SonicArc」により音の方向性を整え音漏れを最小限に

最後に重さですが、総重量は53.4g、本体片耳の重量は6.4gです。


SOUNDGEAR SENSEが約13gなので約4gほど軽くなっていますね。
JBL Soundgear Clips スペック
とりあえずJBLのオープン型でスペックを比較してみました。
製品名 | Soundgear Clips | Sense Pro | ENDURANCE ZONE | Sense Lite | SOUNDGEAR SENSE |
ドライバー | 11mmダイナミック方 | 16.2mm径 DLC振動板ドライバー | 18×11mmダイナミックドライバー | 18×11mmダイナミックドライバー | 16.2㎜ダイナミックドライバー |
Bluetooth | Bluetooth®5.4 | Bluetooth®6.0 | Bluetooth®5.3 | Bluetooth®5.3 | Bluetooth®5.3 |
コーデック | SBC,AAC | SBC、AAC、 LC3、LDAC、 LC3(Auracast対応) | SBC,AAC | SBC,AAC | SBC,AAC,LC3 |
再生時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:8時間 ケース込:38時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:6時間 ケース込:24時間 |
急速充電 | 10分で3時間再生 | 10分で4時間再生 | 10分で3時間再生 | 10分で3時間再生 | 15分で4時間充電 |
充電端子 | Type C | Type C ワイヤレス充電 | Type C | Type C | Type C |
防水 | IP54 | IP54 | IP68 | IP54 | IP54 |
自動装着検出 | – | – | – | – | – |
アプリ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
低遅延モード | ビデオモード | ビデオモード | ビデオモード | ビデオモード | ビデオモード |
マルチポイント | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
本体重量 | 6.5g | 11.6 g | 10.3g | 9.5g | 12.8g |
価格 JBL公式ストア価格 | 18,700円 | 24,200円 | 18,150円 | 12,980円 | 16,500円 |
JBL Soundgear Clips レビュー
装着感|かなり軽快!
JBL Soundgear Clipsの装着感についてですが、さすがイヤーカフ型!とても快適です。
やはりイヤーフックよりイヤーカフの方が快適に使えますね。
実際に装着してみるとこんな感じ。デザインがおしゃれ!

前から見るとこんな感じ。

装着感も軽くで4-5時間ほど着けっぱなしでも痛くなりにくく、歩行中もズレ落ちてくる心配もありませんでした。
軽いジョギングでも使えるレベルの安定感はありますが、激しめの運動をすることが多い場合はSense LiteやSense Proなどのイヤーフック型をのほうがおすすめですかね。
日常使いではまったく不満のない装着感の良さでした。
装着感 | (4.9) |
音質|イヤーカフ型でもちゃんとJBLサウンド
Soundgear Clipsの音質についてですが、イヤーカフ型でも安心と信頼のJBLサウンドで鳴らしてきます。
スカスカ感もなく、カナル型で聴いているかのように安定した低音のを感じ土台を感じられるサウンドになっていますね。
LDACなどの高音質コーデックを使えないのは残念ですが、他の1万円以下のイヤーカフ型と比べると、その価格差分の音質の良さはあるように感じましたよ。
4.1
高音
4.2
中音
4.2
低音
音の傾向
音の傾向はいつものJBLチューニングを少しマイルドにしたような感覚でしょうか。
イヤーカフ型でも特有のチューニングバランスは崩さず、豊かなサウンドを聴かせます。
音場
音場はやや広めで、豊かに音が全方向に広がっているような感覚。
音が降ってくるような感じではなく、音がふわ〜っと広がっていく包み込まれるような音場感のように感じました。定位は甘め。
高音
高域はオープン型で感じられるザラつき感やシャリつき感はほぼ感じず、カナル型に聴いている感覚になります。
イヤーフック型のSense Liteはもう少し煌びやかで粒立ちが良い印象でしたが、Soundgear Clipはもう少しまろやかで一体感のある高域という印象でしょうか。
刺激が控えめなので長時間聴いていても聴き疲れがしにくいですね。
低音
低音も厚みたっぷりで、オープン型でありつつも低音の迫力や臨場感をしっかり体感できます。音のスカスカ感のようなものは一切感じません。
イヤーフック型のSense Liteと比べるとサイズの制約があるため立体感は控えめになりますが、イヤーカフ型としては十分すぎる低域の厚みはあります。
中音
一番の強みはボーカルの心地よさ。
声をクッキリと聴かせるような輪郭の良さを持っているわけではありませんが品質はとても高く、その声が楽曲に自然に調和しつつもずっと追っていたくなるような心地よさを感じられるマイルドなボーカルを聴かせます。
今回は女性のハイトーン系ボーカルよりも、低めの男性ボーカルの方が合うように感じましたね。
藤井風のチルい楽曲でも、低めの男性ボーカルが低音側に埋もれることがありません。
ジャンル
一番おすすめのジャンルは洋楽POPSやヒップホップなど。低音のビートを効かせたミドルテンポの楽曲が合うように感じましたね。
ゴリラズやThe Weekend、ブルーノマーズあたりは超おすすめ。
邦楽だと藤井風の新譜の「Prema」がめちゃめちゃ合いますよ。
音漏れについて
音漏れについて実際に試してみましたが、BGM感覚(iPhoneの10%〜30%)だとほとんど音は漏れずに、環境音に埋もれるかと思います。
屋内で本格的に聴く時の音量(iPhoneの音量40%ほど)だと何の曲を聴いているかハッキリとわかるくらいには漏れていますね。
スピーカー部が小さく耳の中に収納されているためか、Sense Liteよりも音漏れは少なく感じましたね。
オフィスやカフェなどで聴く場合は、BGM感覚で聴くくらいであればシャカシャカと音漏れさせずに聴けるかと思います。
操作性|背面のタッチパネルで操作
Soundgear Clipsの操作についてですが、まあ〜ふつうです。

操作は背面のタッチパネルで操作を行います。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | L側を1回タップ |
音量を下げる | L側を2回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を2回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話中にマイクをミュート | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 着信中にL or R側を2回タップ |
音声アシスタント | L or R側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | 1回タップした後に2回目のタップを長押し |
JBLはアプリで操作を割り振れるのですが、操作項目が一括で割り振られてしまうので自由にボタンを配置できないという点がありました。
ただSoundgear Clipsはノイズキャンセリングは搭載していないので、デフォルトのまま左耳側を「音量の操作」右耳側を「再生の操作」にしておくと網羅的に操作を行えるので問題なしです。
イヤーカフ型は音量調整をすることが特に多いので、本体のみで操作できるのはありがたいですね。
アプリについて
JBL Soundgear Clipsはアプリに対応しています

- イコライザー設定
- タッチ操作の変更
- スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - 左右のサウンドバランスの調整
- 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- サウンドレベルオプティマイザー
→通話時の相手の声のレベルを自動で調整する機能 - 通話イコライザー
→相手の声と自分の声のイコライザー設定ができる - マイクキャリブレーション(NEW)
→1マイク、2マイクで設定が可能。 - リラックスモード
→アンビエントサウンドを流す機能 - オートパワーオフ
→30分、1時間、2時間から選択可能 - ファームウェアアップデート
イコライザー設
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。

JBLのイコライザーってとても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。

マイクキャリブレーション
今回新たに追加されたのがマイクキャリブレーションという機能。

こちらは「1マイク」「2マイク」から設定してどちらがクリアに聴こえるかのチェックができます。
実際にアプリ内で音声を録音してチェックできますので、とりあえず試してみてもいいかと。
ボクはデフォルトの「1マイク」の方が音声がクリアに聴こえたので、こちらに設定しておきます。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動もチェックしてみましたが、問題なさそうです。
iPhoneとiPadに2台同時接続して検証しましたが、電源OFF後も2台のデバイスに自動で接続されたので問題なしでした。
接続完了までのラグも少なめです。
ながら聴きタイプのワイヤレスイヤホンでマルチポイントを使えるのはホント便利なんですよ。
普段はスマホと接続して音楽を聴きつつ、iPadで動画を見たくなったらそのままYouTubeの再生ボタンを押すだけでイヤホンから音が流れるんですよ。
わざわざペアリングする必要もなくシームレスに接続先を切り替えできるのでホント便利です。マルチポイントがないとペアリングが煩わしくて暴れ狂います。
音の遅延|ビデオモードなら違和感なし
JBL Soundgear Clipsの映像と音声のズレですが。
オーディオモードをONにすると、アニメやライブ映像とか映画を見る分には違和感がなくなって、リズムに合わせて映像作品を見れるようになりました。
ビデオモードのままにすると、少し音途切れがしやすくなるので、電車の中とかで使う場合は注意が必要です。
ただ、ゲームに対する遅延は対応できていないようで、音ゲーをすると全然タイミングが合いませんでしたね。
ゲーム用途にはまだまだ使えなさそうです。
通話品質について
マイク性能については今回ビームフォーミングマイク+Aiトレーニング済みのアルゴリズムを搭載し、周囲のノイズを軽減しつつクリアな通話が可能とのこと。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
さすがJBL、背景ノイズをしっかり取った上でマイクもとてもクリア!
イヤーカフ型で通話性能にこだわる方にはとてもおすすめできそう!
通話品質 | (4.5) |
気になる点
最後に気になる点ですが、LDACやワイヤレス充電が使えないは伝えた通りですが、それ以外だと「操作時の音量が大きい」「最小音量がやや大きめ」なのが気になりますね。
操作時の音量が大きい
操作時に「ポンっ!」と大きめの音で鳴るので、操作をするたびに若干耳が痛くなります。操作音の調整もできないので、アップデートで解消されない限りはこの音と付き合わないといけない点は残念……。
JBLさんは操作のカスタマイズを改善するだけではなく、操作音量の調整もできるように調整してください。
最小音量がやや大きめ
次に最小音量が少し大きめな点について。
iPhoneで最小の音量にしてもBGM感覚くらいの音量になるのですが、元々低音がしっかりと鳴るタイプのため、最小音量でも目の前の人の声が聞こえにくくて会話がしにくいように感じました。
最小音量をもう少し細かく調整できる方がありがたいです。
JBL Soundgear Clips まとめ
JBL Soundgear Clipsをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
Soundgear Clips

- イヤーカフ型でも安定のJBLサウンド
- マイルドかつノリの良いサウンドで
長時間聴いていられる - イヤーカフ型ならではの軽快な装着感
- 再生時間が長い
- マルチポイント対応
- スケルトンデザインでおしゃれ
- マイク性能が高い
- ワイヤレス充電に非対応
- LDAC / aptX系列 非対応
- 操作音が大きい
- 最小音量がやや大きい
4.2
高音
4.2
中音
4.3
低音
4.9
装着感
4.0
音漏れ
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8時間/ ケース込み32時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 10分で3時間充電 |
ドライバー | ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IP54 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳 | 9.5g |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 空間オーディオ | – |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
JBL Soundgear Clipsはこんな人におすすめ
- 予算2万円以下で本格的に使えるイヤーカフ型イヤホンを探している
- 「家事中」「仕事中」などあらゆる場面で使えるながら聴きTWSがほしい
- 安さよりも音質や機能性、メーカーの信頼性を重視したい
- アクセサリー感覚で身につけられるおしゃれなデザインのイヤホンがほしい
- JBLの音が好き
イヤーカフ型としては目新しい機能はないですが、その音質や機能性はまさに安心と信頼のJBLって感じでしたね。
デザインもおしゃれで装着感も良いですし、音質もマイク品質も良いですし、世界的に有名なオーディオメーカーでもあるので、ながら聴きイヤホンを欲しがっている方へのプレゼントとしてもおすすめです。
もちろん自分へのプレゼントへもおすすめ!
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