こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はHiFiMANより、同社の約10万円の人気モデル「Arya」をベースに、なんと独自のR2R DAC「Hymalaya Pro」とA級ヘッドホンアンプ、そしてWiFiモジュールまで内蔵してしまった変態すぎるオールインワンワイヤレスヘッドホン「Arya WiFi」を紹介します。

「Arya」といえば、初代モデルは2019年に発売され、 平面磁界駆動型の新振動板を搭載し、伸びやかかつシャープな音質で人気が出たモデルです。
そして2023年には以前ブログでも紹介した「Arya Organic」が登場し、2025年にはグリルを排除した「Arya Unveiled」も登場した人気シリーズです。
そのAryaがケーブルから解き放たれ、しかもただのBluetoothヘッドホンではなく、Wi-Fi経由でのロスレス再生に対応したという、オーディオマニアの夢と狂気を詰め込んだ変態ヘッドホンです。
相変わらずHiFiMANはやることが力技すぎる。
価格は23万円ほどになるとのこと。クソハイエンド。Arya Unveiledより少し高いくらいの価格設定となっています。
ということでHiFiMANさんから紹介用に一時的にお借りしましたので、どんな音なのかチェックしていきましょう。
▼動画版はこちら▼
Arya WiFi 外観・付属品
それではArya WiFiの外観や付属品をチェックしていきましょう。
今回は本体のみお送りいただいていますので、パッケージの紹介はカットしています。
付属品

- USB Type-Cケーブル
- オーナーズガイド
- 保証書
驚くべきことに、アナログケーブルが一本も入っていません。 6.3mm標準プラグケーブルも、XLRバランスケーブルもなし。
付属するのは充電およびデータ通信用のUSB-Cケーブルのみです。
本体・ケーブル
Arya WiFiの本体がこちら。従来のAryaとは異なるデザインで、どちらかといえばこの前紹介したArya Unveiledをベースに、グリルを追加したようなデザインになっていますね。

左側のグリルの内側には内部基盤がうっすらと見えるようになっていますね。ここにR2R DACやBluetoothチップ、WiFiモジュールなどが内蔵しているのでしょうね。
イヤーパッドは、側面がレザー調、肌に触れる面がメッシュのハイブリッドタイプ。

従来のAryaと同様のパッド形状で、耳をすっぽりと覆う非対称デザインになっています。 内部空間が広いので、耳がドライバーに当たって痛くなることはほぼないでしょう。
ヘッドバンドは「第2世代 (Gen.2) コンポジットヘッドバンド」を採用。穴ボコになっていて通気性が良さそうなタイプです。

頭頂部の接触面積も広く、負担がかかりにくそうな仕様。
アーム部は段階式で調整可能

ワイヤレスモデルということで、左側のハウジング下部に「電源ボタン」「モード切り替えボタン」「音量ボタン」「USB-C」とインターフェースが集約されています。

ボタンの質感は価格にしては安っぽさがありますが、操作感は問題なし。
ちなみにアナログ端子は搭載されていないので、マジでUSB接続かWi-Fi / Bluetooth接続しかできません。アナログでも接続できるようにしてほしかったな〜……。
重さは公称値で452g。

ヘッドホンとしては重ためですが、バッテリーやDAC、通信モジュールを全部入りにしている割には、有線モデルのArya Organic(440g)と比べて+12g程度に収まっています。
Arya WiFiのスペック
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 周波数応答 | 8Hz〜55kHz ±0.5dB |
| THD+N (DAC) | 0.0055% @-9dB, 1KHz |
| THD+N (DAC+AMP) | 0.009% @32Ω, 1KHz |
| チャンネルセパレーション | 105dB @1KHz |
| 正味重量 | 452g |
| 動作モード | Wi-Fi、USBオーディオ、Bluetooth |
| Wi-Fiモードでのバッテリー寿命 | 6.5〜7.5時間 |
| Bluetoothモードでのバッテリー寿命 | 23時間 |
| 充電時間 | 3〜4時間 |
| スタンバイ時間 | 30日以上 |
| オーディオ形式 | PCM 44.1KHz〜768KHz、32/24/16Bit、DSD native 64-512 |
| Bluetoothコーデック | SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC |
Arya WiFi レビュー
装着感|重さのわりにはある程度軽快
Arya WiFiの装着感についてですが、重さのわりには軽快に感じますね。
基本はヘッドバンド全体で重さを分散しつつ、イヤーパッドは耳に添えるだけのような感覚ですね。

ただ、以前紹介した「Arya Organic」「Arya Unveiled」と比べると、側圧が少し窮屈な気もしますかね。2機種とも現物がないので記憶を頼りにではありますが……。
400gもあるのにその重さを感じさせずに、頭頂部と耳どちらにも負担をかけにくい装着感のように感じました。
| 装着感 | (4.5) |
モードの切り替えについて
Arya WiFiは、モードボタンを押すことで以下の3つのモードをループします。

- Bluetoothモード(LED消灯/ペアリング時点滅)
- Wi-Fiモード(LED緑)
- USBオーディオモード(LED紫)
USBオーディオはUSBケーブルを挿せば聴けるというわけではなく、ちゃんとモードを切り替える必要があります。
Bluetoothでも使えますが、せっかくなのでWiFiでちゃんとロスレスで聴いた方がよいかと思います。
ちなみにUSBオーディオはiPhone 17 Proで接続しても問題なく聴けました。
WiFiへの接続方法
そしてWi-Fiへの接続方法ですが、これがまたひと昔のWi-Fi製品のような接続方法です。
とりあえず以下の手順を順序通りに行ってください。

- 機能ボタンでWi-Fiモードに切り替え
- スマホのWi-Fi設定を開き、「AP HIFIMAN-STREAMER-XXXX」というSSIDに接続
パスワードは88888888 - スマホのブラウザで
192.168.2.1にアクセス - 表示された管理画面で、自宅のWi-FiルーターのSSIDを選択、SSIDのパスワードを入力
- 接続完了後、スマホWi-FI設定の「AP-HIFIMAN…」のSSIDが消えれば設定完了。
一般ユーザーには少しハードルが高いかも? アプリを使わずにWi-Fi設定させようとするHiFiMAN、パワープレイすぎる。
ただ、一度設定してしまえば、あとはスマホなりパソコンなり、音声出力設定からいつでもArya WiFiを選べるようになるはずですが……急にうまく接続できなくなったりもするので、挙動が少し不安定ですね。
iPhoneやAppleデバイスだとAirPlayで接続できますが、Androidでも再生アプリ次第で接続できますね。SpotifyとQobuzでは接続できることは確認しました。
AndroidだとApple MusicとAmazon Musicはネットワーク上で認識しませんでしたね。
AirPlayで試してみましたが、この手のWiFi接続にしては珍しく遅延もかなり少なめ。動画サービスも普通に違和感なく楽しめるレベルです。
音質|Aryaの極上サウンドをどこでも気軽に楽しめる
音質についてですが、 従来のAryaを有線モデルをそのままワイヤレス化したというよりは、音の傾向として「Arya Unveiled」に近い印象を受けました。
さすがにArya Unveiledと同じ音質というわけでもないですけど、あくまで音の傾向的な話です。
ただ、据え置きクラスのハイエンドヘッドホンを場所を選ばずどこでも聴けるのは最高ですよ。
USBオーディオとWiFiとで聴き比べもしてみましたが、音質にそこまで差異は感じませんでしたね。

- デバイス:iPhone 17 Pro
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:WiFI
Arya WiFiの音の特長は次のとおりです。
※10万円以上〜20万円以下の有線ヘッドホンの評価軸です
4.5
高音
4.7
中音
4.6
低音
音の傾向
全体的に、従来のAryaが持っていた空間の広がりや高域のシャープさよりも、Unveiled寄りの中低域の厚みや深みを重視したチューニングになっています。音のキツさがなく、長時間聴き疲れしないバランスです。
非常に滑らかで自然な伸びですが、従来のAryaにあったようなキラキラとした刺激感は抑えられています。
ワイヤレスでありつつもWi-Fi伝送によってほぼロスレスで伝送できているため、Bluetoothのような頭打ち感やザラつきは感じません。
音場
音場は左右に広いですが、従来のAryaのような抜け感の良いサウンドではなく、Unveiled寄りの密度感を重視した音が迫ってくるような音場感のように感じましたね。
ただ、ポップスを聴くと近めで迫るように聴こえますし、ジャズやクラシックを聴くと遠めに抜けていくような感覚もあるし、両立しているかのような不思議な聴こえ方です。
高音
内蔵のR2R DAC「Hymalaya Pro」の影響か、楽器の音が太く、アナログライクな温かみがあります。
ノーマルのAryaのようなシャープさはなく、もっとナチュラルテイストで上に伸びますし、音圧もありますね。
シンバルやストリングスの表現力が高く、非常に滑らか。ただ、AryaやArya Unveiledのような粒立ちの良さはなく、滑らかに均されているように感じますね。Photoshopで加工した毛穴の見えないお肌みたいな感じ。
HiFiMANの有線ハイエンドモデルと比べると解像度はそこまで高くないですが、ワイヤレスと考えると十分すぎる高域の解像度の高さはあります。
中音
全体域のなかでも中音域の表現力、とくにボーカルの表現が素晴らしいですね。声の成分は吐息から余韻まで全てを余すことなく拾い上げるような圧倒的情報量の濃密さ。
AryaやArya Organicと比べても、中息はとても厚みのあるダイレクトな音になっています。
男性ボーカルや低めの女性ボーカルには息遣いの細部まで感じられる深みのある声を再現してくれます。
ウィスパーボイスを聴いても、薄い歌声の消え入る最後の最後までも音情報を逃さず、どんなに線の細い音でも最後まで描写しきります。
低域
低域はArya Unveiledのようにとても深みのある音。あそこまでは沈み込みはしないですが、とても上質で深みのある滑らかな低音を鳴らします。
スピーディーにズンズンと鳴らすタイプでもないですが量感は多く濃密に鳴らすタイプです。レスポンスがそこまで良くないので、メタルなどBPMが早い楽曲だとモタつきはありますね。
超高出力な据え置きアンプでドライブした時の「風圧を感じるような立体的な低音」と比べると、少しマイルドには感じますが、ワイヤレスヘッドホンとして見れば圧倒的すぎる低音の質の良さです。
おすすめジャンル
おすすめジャンルはポップス、バラードなど歌モノ全般。あとはスロージャズのような雰囲気重視の楽曲もおすすめ。
宇多田ヒカルなどのしっとり系女性ボーカルや、藤井風などR&Bやソウルテイストの男性ボーカルもおすすめです。
といってもロックやポップスも苦手ではなく、どんなジャンルでも卒なくこなしてくれます。
アジカンのような中域に厚みを持たせたギターサウンドなんかもおすすめです。
弾き語りやジャズもモチロンおすすめですが、さらに特化させたいならArya Organicの方がイイかとは思いました。
Arya WiFi まとめ
Arya WiFiをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.0/5
Arya WiFi
※10万円以上〜20万円以下の有線ヘッドホンの評価軸です

- 生々しく艶のある極上ボーカル
- Wi-Fiによりワイヤレスでもロスレスサウンドを実現
- 据え置きアンプなしでもしっかり駆動できる
- 重さの割に快適な装着感
- 連続再生時間がWi-Fiだと約7時間とやや短め
- Wi-Fi設定の敷居が高め / 接続が不安定
- USBオーディオ接続時に充電しながら使えない
- アナログ有線接続ができない
4.5
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.5
解像度
4.6
迫力
4.5
装着感
Wi-Fiの設定は少しめんどくさいですけど、HiFiMANのハイエンドラインの音を、アンプなしでワイヤレスでどこでも聴けるのは贅沢すぎる体感ができるように感じましたね。
やはり有線モデルと比べると、価格に対して解像度がそこまで高いわけではなく、同じ価格をかけるならArya Unveiledの方が断然音質は良いですが、他の”ワイヤレスヘッドホン”と比べると Arya WiFiはかなりレベルは高い方だと思います。
そもそもヘッドホンでWiFiを搭載しようとしたメーカーってあったかな……。HiFiMAN相変わらず変態すぎる。
どこでも据え置き級のサウンドを家の中で体感したいという方はぜひ。
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