こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はHiByより登場した新たなエントリー向けDAP「R4」を紹介しますが、今回もめっちゃコスパ高いです。
- DACチップES9018C2M×4を搭載
- Class A アンプによる豊かな駆動力
- 3.5mm / 4.4mmどちらも搭載
- 3.5mm 出力で最大 11 時間の駆動時間
- SoC:Snapdragon665 / RAM:3GB / 内部ストレージ:32GB
- Android 12搭載でストリーミングサービスも利用可能
これだけの豊富な機能を持ちつつ、価格は45,900円! 5万円切ったよ、エグくない? この前紹介したM300もギリギリ3万円を切っていたけど、さすがにバランス出力まではついてませんでしたからね?
この円安の時代に、Android搭載でSnapdragon665とDACチップ4機搭載、Class Aアンプの性能を持ちながら、なぜ5万円を切れるのかがワカラン。 エントリークラスはR4一人勝ちじゃね?ってレベルの性能です。
前回紹介した三万円以下最強クラスのDAP「M300」と比べながら、どれほどの実力か検証していきます。
HiBy R4 YouTube版はこちら
HiBy R4 外観・付属品
HiBy R4のパッケージはエヴァンゲリオンっぽい見た目。完全にフォースチルドレン。
開封するとこんな感じ。
- TPU ケース
- スクリーンプロテクター
- クイックガイド
- USB-C to Cケーブル
- 保証書
これだけ価格を抑えているのに、ちゃんとケースまでついてくるの凄くね? しかも液晶保護フィルムまでついてくるよ。追加でアクセサリーを買う必要もありません。
本体はパッケージと同じくめちゃめちゃサイバーな見た目。DAPでこのデザインは珍しすぎる。
背面とかもっとスゴいよ。なんかロボ呼び出せそう。
カラーはブラック、シルバー、オレンジ、グリーンの4色ですが、今回はオレンジをお送りいただいています。このオレンジとグリーンが特にハデ!
ブラックとシルバーはもう少し落ち着いているので、シンプルなデザインが欲しい方はそちらがおすすめ。
ディスプレイは1080×720の解像度の4.7 インチ LCD スクリーンを搭載。ふつうにキレイですが、UIまでサイバー感がある。
右側面には本体カラーで彩られた電源ボタンと、再生/停止、選曲ボタンが備わっています。
左側面にはmicroSDカードスロットと、音量ボタンが備わっています。
天面には操作ロック用のスライドスイッチと、大きく切り抜かれたストラップホールがありますね。すんげぇデザイン。
底面にはUSB-C端子、3.5mm、4.4mm端子が備わっています。
M300とiPhone 15 Proと比べたらこんな感じ。やはりM300よりも二回りくらい大きくなっていますね。
特に厚みの差は大きいかと。持った感じもR4の方がけっこうズシっときます。
Class A アンプを利用したアンプ部分は、 OPA1652×4、 OPA1612×2、 トライオード ×16 で構成。また、28個の高精度タンタルコンデンサと、デュアル独立水晶発振器 FPGA クロックも搭載しています。
低価格でありつつも、各パーツはちゃんとしたものを採用していますね。
重さは234.2gとスマホより少し重たいくらい。結構ズシっときます。
M300が138gなので、100gほど重たいですね。サブ機として気軽に使いたいならM300のほうがいいかもですね
HiBy R4、M300のスペックを比較
M300と比べたスペックはこちら!
項目 | R4 | M300 |
---|---|---|
OS | Android 12 | Android 13 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 665 | Qualcomm Snapdragon 665 |
DAC | ES9018C2M ×4 | CS43131 |
アンプ部 | OPA1652×4 OPA1612×2、 トライオード ×16 | – |
スピーカー | – | ◯ |
最大出力 | 3.5mm:165mW 4.4mm:525mW | 3.5mm:103mW |
ダイナミックレンジ | 3.5mm:120dB 4.4mm:124dB | 3.5mm:119dB |
S/N比 | 3.5mm:120dB 4.4mm:123dB | 3.5mm:120dB |
最適音量での歪率 | 3.5mm:0.0007% 4.4mm:0.0005% | 3.5mm:0.001% |
オーディオフォーマット | DSD256、 PCM768kHz/32bit、 MQA16X | DSD256、PCM768kHz/32bit |
出力端子 | 3.5mm PO / 4.4mm BAL / USB out | 3.5mm PO / USB out |
WiFi | 2.4GHz, 5GHz | 2.4GHz, 5GHz |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
Bluetooth codecs | UAT / LDAC / aptX / aptX HD / AAC / SBC | LDAC / AAC / SBC / aptX HD / aptX Adaptive |
ディスプレイ | 4.7 インチ IPS タッチスクリーン | 4.0 インチ タッチスクリーン |
ディスプレイ解像度 | 1280×720 | 1280×640 |
RAM | RAM:3GB | 3GB |
内部ストレージ | 32GB | 32GB |
マイクロ SD | 2TB | 2TB |
バッテリー容量 | 4500mAh/3.8V | 2000mAh/3.8V |
再生時間 | 最大約 11 時間 | 最大約29時間 |
価格 | 45,900円 | 29,800円 |
SoC周りは変わらないため操作性は大体同じだと思いますが、音質面での計測値はやはりR4が全てにおいて上。
3.5mmのみで気軽にカジュアルに使ったり、サブ機として使いたいならM300。
はじめてのDAPとしてメインで使うならR4って感じですかね!
HiBy R4 レビュー
音質|ニュートラルで滑らかなサウンド
HiBy R4の音質ですが、機能性も高いですが、音質面でも価格に見合った実力は十分にありますね。
- 接続方式:4.4mm接続
- アプリ:HiBy Music / Amazon Music
- イヤホン:HiBy Project Ace
- ヘッドホン:TAGO STUDIO T3-01
音の特徴は次のとおりです。
4.1
音質
音の傾向は基本はニュートラルですが、少し柔らかくアナログライクな音が特徴のように感じました。各帯域に音のバランスが偏ることもなくフラットに鳴らすような印象でしたね。性格はやや明るめ。
高域の解像度感は価格に対しても高く、粒立ちが良く滑らかで、Project Aceの特徴を引き出しながら伸びやかに鳴らします。
中域ラインの解像度感も高めで、ボーカルラインも明瞭に聴かせてくれます。
対して低域のアタック感や締まり感はあまりなく、ゆったりとした印象を受けます。この低域の表現が全体的な音の柔らかさにつながっているのかも。メリハリ感も控えめですね。
良くも悪くもニュートラルという印象なので、ハデめな音を好む方には物足りなく感じるかも。
音場は横には広めのように感じますが、奥行き感はやや狭めな印象を受けますね。横方向に平面的に広いという印象ですかね。
M300と3.5mm接続で比べてみましたが、R4の方がやや実力は上って感じ。全体的に情報量が少し多く、よりパワーのある音のように感じられました。3.5mmオンリーで、出力もそこまで必要ないならM300でも問題かも。
ただ、4.4mm接続にした時の解像度感はR4の方が明らかに上になるので、バランス接続メインで使うならR4をおすすめします。
6万円〜DAPと比べると音質面では勝てない印象を受けましたが、あくまで比較した結果であって、そもそも5万円以下で3.5mm / 4.4mmどちらも搭載してAndroidも使えるDAPがR4くらいしかないんですよね。
価格を機能性を考えれば音質は十分良いかと思います。ただ、正直このままではボクの好みの音じゃねぇ!!
MSEBで直感的に好みの音に変えられる
HiBy Musicには「MSEB」という機能があるのですが、これがまたイイんですよ。つうか、これが前提な気がする。
簡単に伝えると、直感的な操作で音の傾向を変えられる機能という感じでしょうか。
音の傾向ごとに10個ほどスライダーが用意されているのですが、このスライドを左右に振ることで、低域の量感や迫力を増やしたり、音を硬くしたり柔らかくしたり、明るくしたり暗くしたりと、直感的に好みの音に仕上げることができます。
Lightroomで写真を好みの色味に編集するような感覚に近いですね。気になっていたメリハリ感の少なさや、全体的な音のゆるさが解消されて、自分の好みの音に近づきましたね。
MSEBでカスタマイズする前提でチューニングしているから音がフラットになっているのかな?とも思いますね。
また、設定から変更すれば、HiBy Music内だけではなくOS単位で変更されるため、Apple MusicなどのストリーミングサービスでもMSEBの音が反映されます。ここもポイントが高いですね。
プラグインで更なるカスタマイズも可能
さらに設定からプラグインによる新たな音のカスタマイズも可能です。
「Convolustion」「Fixed Sample Rate」「Sound Field」「Balance」「DRX10K ダイナミクス」の5つ。
ボクがこので使っていたのは「Sound Field」と「DRX10K ダイナミクス」の2つ。
Sound Fieldは空間オーディオを擬似的に反映するような感覚で、スライダーで調整も可能です。ほどよい量感で入れてあげると、平面的な音場に立体感を加えてくれるのでおすすめ。
DRX10K ダイナミクスは、デフォルトの状態だと高域と低域に躍動感を加えるような設定になっていますね。ラウドネス設定とかに近い感じ。こちらも程よく入れてあげると、メリハリ感が加えられるのでおすすめです。
動作がDAPとしてはサクサク
まず操作めんですが、M300と同様にDAPとしてはサクサクですね!
エントリー価格のスマホにも搭載されるSoC「Snapdragon 665」を搭載しているため、DAPにありがちなモッサリとした操作感ではなく、なかなかスムーズに操作ができます。
また、「設定」→「システム」→「言語と入力」→「画面キーボード」→「+画面キーボードを管理」→「Google 日本語入力をON」にすると、日本語でもスマホ感覚でフリック操作ができるようになります。
また左から右にスワイプすれば前の画面に戻れたり、画面下から上にスライドするだけでホームに戻れたり、スマホのような直感的な操作も可能です。
操作性だけでいえば、DAPのフラッグシップモデルと変わらないサクサクさかと思います。HiByは操作周りがマジで強い。
ストリーミングもOK
ストリーミングアプリもプリインストールされているGoogle Play Storeからダウンロードも可能です。
Apple Music、Amazon Music、Spotify、それぞれ導入してみましたが、問題なく動作しますね。これらのアプリはDAPだと動作がカクカクしがちですが、ある程度ストレスがたまらない程度にはサクサク動きますね。
また、システム全体で Android側のサンプルレート変換を回避できるみたいで、ストリーミングアプリでもダウンサンプリングされずにビットパーフェクトで伝送可能です。
簡単に伝えると、192kHz / 24bitの音源をストリーミングで再生しても、勝手にダウンサンプリングされないということです。
USB-DAC接続時も同じ仕様か確認してみましたが、ボクが検証した中ではDACを使ってもダウンサンプリングされずに伝送できていました。
M300の場合は軽いので運用はしやすいのですが、ビットパーフェクトで伝送はできなかったので音質によりこだわりたい方はR4の方が良さそうですね。
ただ、どのDAPにも言えることなのですがアップデートによって対応しなくなる可能性もあるのでご注意ください。HiByはおそらく大丈夫かと思いますが。
HiBy CastでスマホからR4が操作できる!【
そして、一番最高なのは「HiBy Cast」に対応しているという点です。これはM300では対応していなかった機能なんですけど、マジで最高ですよ?
簡単に伝えると、スマホでR4を操作できるようになる機能です。
HiBy Linkという似たような機能がM300にはありましたが、あちらはM300に内蔵している音源のみを再生できるきのうでしたが、HiBy CastはR4側の画面をスマホ側に完全にミラーリングができるんですよ。
つまり何ができるかというと、内蔵音源だけではなくApple Musicなどのストリーミング音源もスマホから遠隔で再生できるわけなんですよ。
こーーーーれーーーーーがーーーー最高!!!!!!!!!!!
ただし、条件はR4とスマホが同じネットワーク内にいる必要があります。テザリングでも操作ができると聞いていたのですが、ボクの環境ではできませんでしたね……。(iPhone 15 Pro / 楽天モバイル)
モバイルWiFiとか使えば、外でもHiBy Castを使えるかな?
設定方法は簡単で、まずはR4にプリインストールされているHiBy Castを開いてQRコードを表示させます。
次にスマホでQRコードを読み込んで、HiBy Castをスマホ側にダウンロードします。
あとはスマホ側でアプリを開いて、表示された端末番号をタップするだけでミラーリングができるようになります。超簡単でしょ?
R4を直接操作するよりも操作感はモッサリしますが、まあ選曲はできる程度には動作してくれます。
また音量調整も、アプリの画面を開いている状態であればスマホの音量ボタンとも連動します。すごくね?
1ボタンで大きくなりすぎる感じはありますが、画面表示されたボリュームコントロールで細かく音量調整も可能です。
感覚的にはBluetoothレシーバーのような感覚で使っているのに、音質の劣化が一切なくロスレスで聴いているような感じになりますよ。
R4側がロックされたり、スマホを一度ロックしたりすると、画面が暗転した状態になったりしますが、暗転したままで上にスワイプするとR4側のロックが解除され、画面が表示されるようになります。
ホント便利な機能なので、R4問わずHiBy Castに対応しているDAPをお持ちの方はぜひ使ってみてください。
そしてテザリングで使えた方は、ぜひコメントで教えて欲しいっ!
LDAC対応でBluetoothでも使いやすい
R4はLDACやaptX HDにも対応しているので、ワイヤレスイヤホンを運用している方にもおすすめです。
たとえば、ピヤホン7を所持していて、メインスマホがiPhoneの場合、対応コーデックがSBC・AACまでなので、より高音質で聴けるLDACが使えません。
そんな時にR4があれば、iPhoneユーザーでもLDAC再生専用機として使うこともできます。通信もスマホほどでないですけど割と安定している印象で、ピヤホン7もわりと問題なく使えました。
LDACの接続モードも、可変モードから音質優先モードまで変更可能です。
自動で電源をOFFにもできる
地味に大事なのが、自動で電源が切れるかどうかの設定。これがないと電源を落とし忘れるといつの間にかバッテリーがなくなってしまって
そのほか気になるところ
そのほか気になるところですが、本体が熱くなりやすいことでしょうか。
しばらく1〜2時間ほど連続で使用していると、けっこう熱くなってくるので気になる人は気になるかも。ボクはそんなに気にしないけど。
HiBy R4 まとめ
総合評価
5/5
HiBy R4
- 5万円以下で機能性と音質ともに質が高い
- 3.5mm / 4.4mm どちらも搭載
- MSEBで好みの音にカスタマイズしやすい
- HiBy Castでスマホからストリーミングも再生できる
- ストリーミングアプリでもビットパーフェクトで伝送できる
- 本体がやや熱くなりやすい
- デザイン性は人を選ぶ
- 再生時間がやや短め
4.1
音質
3.8
携帯性
4.5
拡張性
4.8
利便性
- 予算5万円ほどでDAPを探している
- 4.4mmバランス接続を体感してみたい
- ストリーミングサービスをメインで使うことが多い
- 自分好みの音にカスタマイズしたい
さすがに7万〜10万クラスのDAPには勝てないですけど、約45,000円でこの実力はコスパがとても高いかと。
とりあえず予算を抑えて初めてDAPを買いたいという方は、R4買っておけばOKってレベルの音質と機能性のバランスの良さです。
コメント
コメント一覧 (3件)
かじかじ様
レビューありがとうございます。
いつも楽しみに拝見しております。
HiBy Castの件ですが、私のGalaxy S22だとWiFiテザリングとBluetoothテザリングの2つの機能があります。
会社スマホのiPhone12だとBluetoothテザリングしかありません。
同じWiFiネットワークで機能するならWiFiテザリングしか使えないかもしれません。
実機を見てないので推測ですが。
Xperia5の方ではいかがでしょうか。
あと、Dc-eliteを接続したとき、m300と比較してAmazonMusicの音質は変わりますでしょうか。
(src回避した結果の音質面の比較)
ではでは、お忙しいと思いますのでお身体にはお気をつけて頑張ってください!
XperiaはSIMを入れていないので検証できないんですよ……すみません。
DC-Eliteを聴いてみた感想ですけど、正直聴感上ではほとんどわからないんですよね。
R4の方が若干いいような気がせんでもないくらい。。。
なんで精神衛生上で気にするか気にしないかくらいの問題だと思っています。
今さらかもしれませんが、ヱヴァンゲリヲンバージョンを手に入れたので。
iPhone 15 ProMax, ahamoでテザリングしてHibyCastできました!