こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はEarFun初のオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン『EarFun OpenJump』を紹介します。

発表を聞いた時は、各社オープン型イヤホンといえばイヤーカフ型に移行しつつあるのに、耳掛け型のオープンイヤホンってもう周回遅れですやん m9(^Д^)プギャー とか思ってました。プギャーとか久々に使ったわ。
依頼は受けたけど、正直まったく期待はしてなかったんですよ。
がっ! 実際に使ってみたところ、この子、めちゃめちゃ完成度高いですやん。さすがEarFun。
- 本体7.8gの超軽量耳掛け型オープンイヤー型イヤホン
- 14.2mmウール複合素材ドライバー+LDAC対応
- IPX7防水
- 本体11時間+ケース込み最大42時間再生
- ワイヤレス充電やマルチポイント接続対応
- ゲームモードや独自の空間オーディオにも対応
- 価格は8990円→クーポンで安く買えることがほとんど
相変わらずスペックオバケ。1万円以下でありつつ1万円台後半のオープンイヤー型クラスのスペックの高さですね。
スペックが高いだけではなく、ふつうに音質と装着感も良いんですよ……。
ということで、今回はEarFun OpenJumpの実力を詳細にお伝えしていきます。
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OpenJump 外観・付属品
それではOpenJumpの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ|
EarFun OpenJumpのパッケージは、ブランドカラーのホワイトとイエローを基調としたシンプルでスタイリッシュなデザイン。

充電ケース・本体
ケースはやや大きめですが、持ち運びには十分なサイズ感。

質感はいつものEarFunらしい感じですかね。シンプルだけど傷は目立ちやすそうな素材感。

EarFun Air Pro 4と比べるとこんな感じ。ふつうのカナル型イヤホンと比べるとケースはどうしても大型になってしまいますね。

充電端子はUSB Type Cに対応。

さらにワイヤレス充電にも対応しています。この価格のオープン型でワイヤレス充電に対応しているのは珍しくね?

ワイヤレス充電を一度使い出すと「充電しているつもりがないのに、いつも満充電になってる!」のような感覚で使えるので本当に便利ですよ。
ちなみに初心者の方にはAnkerのワイヤレス充電器がとりあえずおすすめです。安い割に品質も良く、問題なく充電ができますよ!
充電ケースを開けるとこんな感じ。

本体は人差し指で引っ掛けて取り出すような感じです。やや取り出しにくいかも。

イヤホンはよくある耳掛け型のオープン型デザインを採用。

フック部は形状記憶合金を採用。蔦部分も細く本体も軽いため装着感はとても良さそうな気がしますね。
内側はこんな感じでL/Rの表記があります。

またIPX7相当の防水性能を備えているので、雨や汗にも強く、水に頻繁に浸さなければシャワーやお風呂中でも使えそうですね。(自己責任)
最後に重さですが、総重量は73.5g、本体片耳の重量は7.9gです。


この価格帯のオープン型ワイヤレスイヤホンとしてはすごい軽い方です。
OpenJump スペック
項目 | 詳細 |
---|---|
ドライバー | 14.2mmの高品質ウール複合ダイナミックドライバー |
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | SBC, AAC, LDAC |
再生時間 | 本体:最大11時間 / ケース込:最大42時間 LDAC:最大8時間、ケース込み30.5時間 |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi規格) |
防水 | IPX7 |
自動装着検出 | 非対応 |
低遅延モード | 対応 |
専用アプリ | 対応(EarFun Audio) |
マルチポイント接続 | 対応 |
質量 | 本体片耳:約7.8g / ケース込:約41g |
空間オーディオ | 対応(シアターモード) |
保証 | 18ヶ月 |
本体再生が11時間、IPX7相当、自動装着検出やマルチポイント、空間オーディオ、LDAC対応と価格にしてはスペック値はかなり高めです。さすがEarFun。
OpenJump レビュー
装着感|超軽快かつ安定している
EarFun OpenJumpの装着感はめちゃめちゃ良いですね!
本体重量が7.8g(少し大きめのモデルだと10g以上がほとんど)と耳掛けタイプとしてはかなり軽いから、ずっと着けていても痛くなりにくいんですよ。
実際に装着してみるとこんな感じ。まあ見た目はふつう。あとメガネと併用しても安定しやすいですね。

前から見るとこんな感じ。地味だからこそ目立たなくて良いかも。

特にスポーツ中の使用感は抜群で、ジョギングでも耳から外れることがありませんでした。
また蔦部が細いから、クッションを敷いて耳を下にして寝ても耳が意外と痛くなりにくいんですよね。ヒーリングミュージックを聴いてそのまま昼寝もできましたもん。
ずっと着けていても痛くなりにくいし、装着感は安定するし、耳掛け式としてはほぼストレスのない装着感のように感じました。
某骨伝導屋さんのオープンイヤー型クラスの快適な装着感です。
装着感 | (4.9) |
音質|1万円以下のオープン型最強クラス
EarFun OpenJumpの音質ですが、想像以上にクオリティが高くて驚きました。1万円以下のオープン型最強クラスじゃね?ってレベルです。
今回はiPhone 15 Proを使ってAAC接続で検証しています。
OpenJumpの音の特長は次のとおりです。
3.9
高音
3.9
中音
3.9
低音
音の傾向
音の傾向は全体的にウォームでやや中低域寄りの優しい音作り。長時間聴いても疲れにくい印象を受けます。
オープン型特有の音のスカスカ感やシャリ付き感が一切なく、まるでカナル型イヤホンかのように緻密な音で鳴らします。
LDACで聴くと全体的に音が締まり、よりクッキリとした音になります。
音場
音場はオープンイヤー型らしく自然に広がっていくような感覚がありますね。
ただ、音の方向性や距離感はボヤけた印象で、全体的に定位は甘めには感じます。
低音
低域はウォームとは伝えましたけど、かといってボヤけた感じでもなく、ほどよくタイトでちょっとしたキレの良さも持ち合わせています。
ふつうに低音が深く沈み込みますし、ダンスミュージックもふつうにノリ良く楽しめるほどの迫力はありますね。
低音の質感が思った以上に良かったです。
ただ騒がしい環境や屋外でのジョギングでの使用やワークアウトでの使用だと低音の迫力は少し物足りなく感じるかもしれません。
高音
高域はオープン型特有のシャカシャカした感覚が一切なく、ほどよく輪郭を保ちながらクリアに鳴らすような印象。
刺激が少ないので長時間聴いていても聴き疲れしにくく、それでいてこもりを感じさせない絶妙なチューニングに仕上がっていますね。
中音
中域も厚みがたっぷりで、女性ボーカルでもシャリつきもなく、かといって低域側にボーカルが埋もれることもなく、存在感のある歌声を聴かせてくれます。
1万円前後のオープン型イヤホンのなかではボーカルはかなりクリアな方かと。
ダイナミック一発+オープン型ということもあって同帯域の分離感はイマイチですが、ボーカルを中心に聴くなら十分な解像度の高さは持っています。
おすすめのジャンル
おすすめジャンルはポップス全般、あとはウォームな傾向なのでチル系やヒーリングミュージックなどもおすすめです。
総評
オープン型で1万円以下のモデルでは一番音質が良いのでは?と感じるほどの実力のように感じました。
安いオープン型イヤホンにありがちなスカスカ感やシャリつき感が一切感じない厚みのあるサウンドです。
多分一昔前の音がスカスカのオープン型イヤホンを使ってた人がOpenJumpを使うと「今のオープン型ってこんなに音がいいの!?」と驚くレベルだと思いますよ。
さすがに最近の2〜3万円クラスのオープン型イヤホンの音質には敵わないですが、1万円以下なら最強、1万5000円前後でも張り合えるレベルの音質ではあると思いますよ。
イコライザーについて
イコライザーは「プリセット」「カスタム」「適応イコライザ」の3つから選べます。

適応イコライザは10バンドのイコライザーを見ながら、ビープ音が聞こえなくなるところまでdBを下げていくという珍しい設定方法。
dBを上げていくと、一部帯域で音割れが発生するかもしれないので、ある意味この方法は理にかなっているかも。ただ、デフォルト設定と比べて音量が全体的に小さくなってしまいます。
デフォルトでも個人的には好みの音でしたが、適応イコライザは一度試してみてもいいかもしれないですね。
シアターモードが優秀
EarFun独自の「シアターモード」も搭載されていますが、こちらがなかなか優秀!

通常のステレオサウンドに比べて音像は少しボヤけますが、左右上下に音が広がり、少し臨場感が加わったサウンドになります。
不自然に音を広げるような感じでもなく、シャリつきもほとんどありません。
このモードとオープン型との相性が良く、まるで自分だけに聴こえるスピーカーのような感覚に浸れます。
BGM感覚で音楽を聴きたいという方は常時ONでも良いと思うほどです。
欲を言えば本体操作のみでシアターモードのON・OFFができるとうれしかったですね。
操作性|操作性△、カスタマイズ◎
操作性について。操作のしやすさについてはややイマイチ。

EarFunのロゴが入っているハウジング部がタッチパネルになっているのですが、耳に装着した状態だとハウジング部がやや角度がついてしまってタッチがしにくいように感じます。
タッチ時にも効果音のようなものも流れず、自分が何回タッチしたのかも把握しにくいです。
ただ、今までのEarFun製品同様にカスタマイズ性は神レベルです。
1回タップで音量調整、2回タップで再生停止、3回タップで曲送り、左長押しで外音モードの切り替え、右長押しで音声アシスタントといった操作方法になっていて、基本的な操作は網羅的に行えます。
ここからアプリで、左右共に操作方法のカスタマイズも自由に設定できます。

完全に自由に割り振れるので、自分好みの設定にしやすいんですよ。

本体操作のみでゲームモードをONにできる項目もあるので、ゲームをカジュアルにプレイにしたいユーザーも大きなメリットがあります。
操作の感度の良さとか、操作のしやすさは普通ですが、操作のカスタマイズ性の高さは1万円以下で最強クラスです。
その他アプリでできること
ここまで紹介してきたもの以外で、その他アプリでできることは次のとおりです。

- 名前の変更
- バッテリー残量の確認
- ゲームモードのON/OFF
- イコライザーの設定
- キーカスタマイズ(タッチコントロールの無効化も可能)
- マルチポイントの設定
- 音声ガイダンスの設定
- イヤホンを探す
EarFunのアプリはイコライザーからキーカスタマイズまでとても優秀なので、ダウンロードしておくことをおすすめしておきます。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動は問題はなく、自動的に2台目に接続もできますし、切り替えも早い方です。
ちなみに1台目が再生中の場合は、2台目は割り込んで再生ができないようになっています。この仕様の方が通知音で接続先が切り替わったりしないのでありがたいです。
ただ、LDACとの併用ができない点が残念です。1万円以下でLDACとマルチポイントの併用ができるイヤホンは今のところはないですね〜。接続安定性を確保するのが大変なんでしょうね。
音の遅延|ゲームモードでさらに少ない
映像と音声のずれですが、ゲームモードOFFの状態でもYouTubeやプライムビデオでアニメを見る分には問題なしです。
ゲームモードをONにすると、音ゲーはタイミングをピッタリ合わせるのは難しいですが、有線に近いレベルまで遅延は少なくなっています。
FPSをカジュアルにプレイするくらいであれば問題なくできそうなレベルですね。
気になる点
最後に気になった点ですが、LDAC周りですかね……。
マルチポイントとLDACを併用できないのもそうなのですが、LDAC単体でも接続がかなり安定しにく異様に感じました。
音質優先(990kbps)で聴くと、かなりブチブチと途切れてしまって聴けたもんじゃないです。
接続優先(330kbps~990kbps)で聴いても、たまにビットレートが下がったりブチっと途切れたりするので、こちらもややストレスに感じることがありました。
あとは自動装着検出機能が備わっていないことくらいでしょうかね。
OpenJump まとめ
OpenJumpをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.9/5
OpenJump

- 1万円以下のオープン型では最強クラスの音質
- シアターモードが優秀
- LDACに対応
- 本体が軽く長時間着けていても痛くなりにくい
- ジョギングなどスポーツ時でも安定した装着感
- IPX7相当の超高い防水性能
- ゲームモード/マルチポイント/ワイヤレス充電対応
- アプリのカスタマイズ性が高い
- 本体11時間 / ケース込み42時間と再生時間が超長い
- 自動装着検知機能が非搭載
- LDACとマルチポイント接続が同時に使えない
3.9
高音
3.9
中音
3.9
低音
4.9
装着感
4.0
音漏れの少なさ
–
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体11時間/ ケース込み42時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | |
ドライバー | 14.3mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX7 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | 7.8g |
外音取り込み | – | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | – | 空間オーディオ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 18ヶ月 |
OpenJumpはこんな人におすすめ
- スポーツや通勤中に音楽を聴きたいけど、周囲の音も確認しておきたい
- 長時間イヤホンを使うことが多く、装着感の快適さを重視したい
- オープン型でもある程度音質の良いモデルが欲しい
- 予算は1万円以内に抑えたい
いや〜さすがEarFunですね。初のオープン型イヤホンであっても全く妥協のない完成度の高さでした。
もちろん2〜3万クラスになればOpenJumpよりも良い製品はあるんですけど、ほとんどの人は「これで十分すぎるやろ」と思うレベルだと思いますよ。
このスペックや音質と同クオリティでイヤーカフ型イヤホンを出せば、おそらく爆売れすると思うんですが、次のオープン型モデルに期待したいところです。EarFunのことやから多分出すやろ、知ってるで。
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