こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
AZLAからヤッバイイヤホンが登場しました。
それが今回紹介する「TRINITY」なのですが、定価2,200円、e☆イヤホンだと1,980円で売ってます。2,000円以下です。

そしてその実力は、2,000円以下のイヤホンを絶滅させるのでは?と感じるほどの音質の良さを持っています。
ポタフェス大阪で参考出展もしていない状態でコソッと聴かせてもらったんですけど、その日ポタフェスで聴いたなかでは一番衝撃的なイヤホンだったんですよ。
会場でこの前紹介したqdc FRONTIER(19,800円)を聴かせてもらってから、その次にTRINITYを聴かせてもらったんですけど、価格差が10倍も離れているとは思えないくらい違和感なく聴けたんですよね。
あまりに人気すぎて発売日2日目には全在庫が各店から消えました。
今回は代理店のアユートさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどのような音質なのかお伝えしていきたいと思います。
▼動画版はこちら▼
AZLA TRINITY 外観・付属品
それではAZLA TRINITYの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
AZLA TRINITYのパッケージはこちら。「音 質 最 優 先」が気にある。

開封するとこんな感じでポーチに本体や付属品などが封入されています。

付属品

- SednaEarfit Tイヤーピース(シリコン製)4ペア(S/MS/M/L)
- キャリングポーチ
- マニュアル
イヤーピースにはKCC SILICONE社製プレミアムシリコンを採用した「SednaEarfit T」が付属。先端に向かって傘部が薄くなる独自のテーパードフィット構造を採用していて耳内への負担も掛かりにくくなっています。

SednaEarfitといえば、単体で購入しても1000円以上するものがほとんどんなのに、それが標準で4サイズ(S/MS/M/L)も入っているのですよ。
相変わらず価格に対しての付属品のバランスがおかしい。
実際に触ってみると、汎用的なイヤーピースと明らかに質感が違うことがわかります。

とてもモチモチとした質感で、吸着性が程よく高く、耳への負担も少なそうな感覚。
キャリンポーチがついてくるのも何気にありがたいですね。

本体・ケーブル
本体は3色展開となっています。

本体はアルミ筐体を採用しており、堅牢かつ軽量設計になっています。またアルミ筐体によって共振を抑制して歪みを少なくしているようです。

そもそもこの価格で樹脂素材ではなく金属筐体を採用している点もすごいよね。
本体下部にはL/Rの表記があるのでわかりやすい。

ノズルも金属筐体なので折れてしまう心配もなさそうですね。

口径はおおよそ一般的なサイズですが付属イヤーピースの質感が高いので、そもそも交換する必要はないかと思います。
ドライバーには「発展型ARD(Advanced Research Driver)ドライバー」というものを採用しています。

ARDドライバーとは、かつて「HORIZON」という30,000円ほどするAZLAの有線イヤホンに採用されたドライバーで、振動板が不均一に動いてしまう「分割振動」を抑えるため、3層構造の振動板を採用したのが特徴でした。
このARDドライバーをベースに、新たに開発されたドライバーが「発展型ARDドライバー」です。
PU+PEEK複合振動板を2枚の樹脂層でサンドすることで3層構造を実現し、コストを抑えつつもARDドライバーならではのサウンドを実現したといったところでしょうか。
ケーブル部は着脱不可で本体一体型になっています。

ケーブルの仕様は「3.5mm」「USB-C」タイプでそれぞれ異なります。
まず3.5mmタイプは約120cmの4芯OFCリッツケーブルを採用。こちらはマイクは搭載していません。

次にUSB-Cタイプは長さは約150cmとなっていて少し長め。またリモコンマイクも付属しているため、ハンズフリー通話も可能となっています。

ケーブルの被膜にはTPE(熱可塑性エラストマー)を採用していて、比較的ほどきやすいケーブルの固さと適度な滑りやすさの被膜にしているとのことです。
超欲を言えば音量調整用の+/-ボタンもあれば神だった。
ちなみにUACクラスは1.0のため、Switch/Switch 2、PS5対応などにも対応しています。
分岐部はこんな感じでシンプルな構造。

プラグはUSB-Cタイプはストレート、3.5mmタイプはL字タイプになっています。

という感じで、価格にしては本体の質感もなかなか高く、付属品も充実しています。
AZLA TRINITYの概要・スペック
品名 | TRINITY |
---|---|
カラー | Black / Blue / Champagne Gold |
ドライバー | ダイナミック型(3層レイヤー構造振動板採用「発展型ARD」ドライバー) |
ドライバー数 | 1DD / 1ドライバー(片側) |
形式 | 密閉型 |
周波数応答範囲 | 10 – 40,000 Hz |
感度 | 104 dB SPL/mW(@1KHz) |
インピーダンス | 16Ω(@1KHz) |
Standardタイプ ケーブル/プラグ | 4芯OFCリッツケーブル(約120cm) ※マイクなし プラグ(L字):3.5mm 3極 |
USB-Cタイプ ケーブル/プラグ | 高感度インラインリモコンマイク搭載4芯OFCリッツケーブル(約150cm) プラグ(ストレート):USB Type-C |
USB-Cタイプ UACクラス | UAC 1.0(最大48KHz/16bit) ※Switch/Switch 2、PS5対応 |
ハウジング素材 | アルミニウム |
付属品 | SednaEarfit Tプレミアムシリコンイヤーピース:4ペア(S/MS/M/L※Mサイズ初期装着) ロゴ入りオリジナルキャリングポーチ |
生産国 | 中国 |
メーカー保証 | 本体:6ヶ月 イヤーピース等付属品:初期不良のみ1週間 |
AZLA TRINITY レビュー
装着感|軽量設計&イヤーピースのおかげで超軽快
AZLA TRINITYの装着感についてですが、とても軽快かつ不快感のない装着感のように感じました。
本体が軽く、その上でイヤーピースの質感が高いため、長時間着けていても耳に負担がかかりにくいように感じましたね。
実際に装着してみるとこんな感じ。まあパッと見は普通のイヤホンって感じ。

前から見たときも飛び出しが少なく、スタイリッシュな見た目です。

耳かけタイプだとマニア感が強くなりますが、下にケーブルを垂らすように装着するタイプなので気兼ねなく使えますね。
ただ、その分タッチノイズが多くなってしまいます。もしタッチノイズが気になる場合は、あえて耳かけ式で使うのもアリですよ。この装着方法にするだけでタッチノイズは大幅に軽減できます。

耳への負担も少ないので、長時間ゲームをされるという方にもおすすめできそうです。
耳掛け式と違って装着方法を気にすることなく、耳にスッと装着できるのもいいですね。
出先での動画編集やオンライン会議などサッと使いたい時は、耳掛け式じゃない方が気軽に使えます。
装着感 | (4.5) |
音質|2000円以下を焼き尽くす実力
で、本題の音質についてですが、冒頭でもお伝えした通りめちゃめちゃ良いんですよ。
価格に対してドライバーの性能も高いだけでなく、チューニングも現代的な音で万人受けしやすいんですよね。
ぶっちゃけ以前紹介した4000円で買える「AIM C」と音質的には変わらないレベルなんですけど。
ちょっと価格帯が高い3000〜5000円クラスのUSB-C直結タイプのイヤホンとも比べましたけど、比較対象によってはTRINITYの方がよかったですからね?
- スマホ:iPhone(USB-C検証)、Xperia1Ⅵ(3.5mm検証)
- アプリ:Apple Music
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:なし

AZLA TRINITYの音の特長は次のとおりです。
3.7
高音
3.8
中音
3.7
低音
音の傾向
音の傾向は低域・中域・高域、それぞれ出すところは出して、引っ込めるところは引っ込めるメリハリの効いたチューニング。この3つの帯域だと低域が一番強めかしら。
ドンシャリ傾向でありつつもボーカルもしっかり前に出てくるW字型という印象ですね。AIM Cの方がノッペリとしています。
音の好み的には断然TRINITY。
ちなみにiPhoneでUSB-C、Xperiaで3.5mm接続で比較する分には音質に大きな違いは感じませんでした。
音場
音場は全体的にやや近めで、全ての音が前に迫ってくるかのような鳴り方をしますね。
定位感も1万円クラスのモニターイヤホンほどでないですけど、なかなかに良く、音の方向性や距離感も価格にしてはわかりやすくなっています。
音場が狭くなってエネルギッシュになったAIM Cって感じでしょうかね。
高音
高域はやや硬質で鋭さはありつつも、耳障りなキツさや刺さりは感じさせない絶妙なバランスです。
金属筐体ならではの煌びやかな表現で、ギターやシンセサイザーなどの音は歯切れ良く聴かせますね。
アルミ筐体の影響か、余韻も少なくレスポンス良くカチッとした音を体感できます。
反面、アコースティックギターやストリングスアレンジなどは粒立ちは悪めでそこまで伸びないように感じます。約2000円と考えれば仕方ないんですけどね。
低音
低域は価格にしてはドッシリとした迫力を感じられます。
ただ、中低域のミッドベース周りは膨れないためブーミーさは感じず、バスやサブベースのタイトな迫力だけを感じられるような低音になっています。
価格なりの低域側に対するレンジの狭さを感じる部分もありますが、迫力は十分にあるので、ノリ良くロックやポップス、エレクトロ系も楽しめます。
中音
ハデな低域・高域に対して中域も薄味にはならず、しっかり主張してきます。
解像度も高くボーカルも曇りなくクリアで、艶感を加えすぎずにリアルな声を描写しますね。
声の輪郭がクッキリとしているので音楽鑑賞だけでなく、音声コンテンツ系にも向いてそうですね。
おすすめのジャンル
おすすめジャンルはポップス・ロック・エレクトロ・ヒップホップなどでしょうか。
ドッシリとした低域、歯切れの良い高域、しっかり前に出てくるクリアなボーカルというチューニングのため、最新チャート曲との相性が良い印象です。
またASMR音源にもかなり向いているようで、低域の迫力の良さや定位感の良さ、声のリアルさのおかげゾクゾク感をうまく演出できています。
マイク性能
AZLA TRINITYの音声をチェック
ノイズは入りやすいし、声は周りのノイズと被りやすいかな~って感じはありますかね。
静かな環境であれば、通話目的では使えるかなと思います。
AZLA TRINITY まとめ
AZLA TRINITYをまとめると以下のとおりです。
総合評価
5/5
AZLA TRINITY

- 2000円と考えればあまりに音がいい
- イヤーピースの質感が非常に高い
- リモコンマイク内蔵(USB-Cのみ)
- USB-Cタイプも販売している
- ケーブルが絡まったときも解けやすい
- タッチノイズがやや気になる
3.7
高音
3.8
中音
3.7
低音
3.7
解像度
3.8
迫力
4.5
装着感
AZLA TRINITYはこんな人におすすめ
- とにかく安くて音が良い有線イヤホンがほしい
- 迫力たっぷりのメリハリの効いた音が好み
- ワイヤレスイヤホンの充電が切れた時用のサブ機として使いたい
- 音楽鑑賞だけでなく、ゲームやオンライン会議などでも使う(USB-Cタイプ
定価で2000円以下でTRINITYに勝てるイヤホンはないのでは?と思えるほど素晴らしい音質の良さでした。
この2,000円以下という価格がちょうどいいですね! 3,000円だと中華系でライバルが出てきそうな価格帯になりますけど、2,000円以下なら一人勝ちできるレベルだと思います。
下半期のコスパ最強No.1が早くも決まったかもしれないと思えたほどの完成度の高さですね。
安いですし、とりあえずバッグに忍ばしておいてワイヤレスイヤホンの充電が切れたり忘れたりした時用の緊急用イヤホンとしてつかうのもおすすめですよ。
マニアの方は、ぜひ一般PeopleにTRINITYを布教して、沼に引き連れてきてください。いらっしゃいませ。
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