こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
イヤーピースで有名なAZLAから2024年の大本命イヤーピースが届きました。
それが今回紹介する「SednaEarfit Crystal 2」です。
実はAZLAで一番売れているイヤーピースが前作の「SednaEarfit Crystal」らしく、今回は前作の仕様をさらにブラッシュアップさせたモデルのようです。
前作同様に最高級ドイツ製プレミアムLSR(リキッド・シリコン・ラバー)採用し、3Dサウンドに特化したチューニングに仕上げたイヤーピースですが、今回は本体一体型のフィルター「ハニカム構造コアレスワックスガード」も新たに搭載されました。
“フィルターついて安心して使えるようになっただけのSednaEarfit Crystal”くらいの気持ちで使ってみたんですけど、音質・装着感面で前作よりも想像以上に進化があって驚きましたよ。
今回は前作の「SednaEarfit Crystal」や最近発売された「SednaEarfit XELASTEC II」と比較しながら、どれほどの実力なのか検証していきましょう。
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SednaEarfit Crystal 2 外箱・付属品・概要
SednaEarfit Crystal 2のパッケージはこちら。吊り下げ部分が ゆめかわユニコーン系配色になっていますね。
今回提供いただいたのがSS / S / MS、そしてM / ML / Lの2つ。
それ以外にもMS / M / MLや、Mサイズ2ペア入りなどの展開があります。
3ペアアソートタイプがe☆イヤホンなどの専門店価格で現時点だと3,168円、2ペア2,475円となっています。
ちなみに今回はfor TWSやfor AirPods Proなど軸長が異なるものは販売はなく、前作のまま販売を続投するようです。
Standardタイプのみ生産完了となり、SednaEarfit Crystal 2と入れ替えとなるようですね。
付属品
付属品にはSHUREなど細軸のノズルにも対応したアダプターが付属しています。
このアダプターを使えばSHURE SE215SPEなどの細軸タイプのノズルにも装着できます。最近だとむしろSHUREくらいしかないかな〜。
本体
本体がこちら、やや青みがかったクリアな材質のイヤーピースです。
最高級ドイツ製プレミアムLSR(リキッド・シリコン・ラバー)を採用
本体は前作と同じ最高級ドイツ製プレミアムLSR(リキッド・シリコン・ラバー)を採用。
この素材は優れた耐熱性、酸化抵抗性、表面張力、柔軟性などまあ耐久性が高く柔らかい素材って感じですね。
程よい摩擦抵抗と固定力による落下防止、かゆみ等に対しての低刺激性、そして高い耐久性を高次元で両立した素材となっています。
3Dサラウンドに特化した音響設計
音響面では、主にゲーム環境や3Dコンテンツを楽しむ環境を想定しており、音の鮮明さと濃い音色を目的として設計されていいます。
内部はホーン形状を採用し、広いサウンドステージと音の直進性による鮮明さを確保。
また、一般的なベース帯域の強調ではなくパンチ力のある真の重低音を表現できるように設計しています。これにより音楽はもちろん、3Dコンテンツにおいて高い音響性能を発揮します。
使っている素材や目指す音響設計は前作と同じですが、ここから仕様が異なります。
二重構造設計によって真ん中のアレがなくなった
今作のSednaEarfit Crystal 2では2つ以上の独自の金型を使用して高い品質と堅牢性を確保する「二重構造設計」を採用。
これによって前作の傘部の真ん中に入ってた線みたいなやつ、アレがなくなりました。
テーパード型構造設計で圧迫感も少なくなった
そして今作では耳に触れる部分に向かうほど厚みが薄くなる、独自の「テーパード型構造設計」を新たに採用されました。
前作を含め一般的なイヤーピースの構造は、耳の内側部分と外側の厚みが同じ、または内側に向かうほど厚くなるため、強い圧迫感を与えてしまいます。
SednaEarfit Crystal 2は通常では成形が非常に難しいテーパード型構造設計を採用することで、低圧迫と高遮音性の両立を実現しているようです。
それだけではなく、傘の柔軟性もさらにアップしていますね。明らかに2の方が柔らかいです。
ハニカム構造コアレスワックスガードを新たに採用
一番わかりやすい進化がこの「ハニカム構造コアレスワックスガード」。
一般的なフィルターとは異なりLSR素材での一体成形で柔らかいので圧迫感を減らしつつ、またフィルターを通る音の伝達を邪魔することなく、異物の流入のみを防ぐことができるステキフィルターです。
ふつうは本体素材とは異なる綿や金属のフィルターを採用することが多いのですが、本体と同じ素材にするとかAZLAのイヤーピース周りの技術力はマジですごい。
SednaEarfit Crystal 2 寸法
SednaEarfit Crystal 2の寸法は以下の画像のとおりです。
サイズ | 直径 (Φ) [mm] | 高さ (H) [mm] | 幅 (W) [mm] | 奥行き (D) [mm] |
---|---|---|---|---|
SS | 10.4 | 8.8 | 6.9 | 5 |
S | 11.2 | 8.8 | 6.9 | 5 |
MS | 11.9 | 8.8 | 6.9 | 5 |
M | 12.6 | 8.8 | 6.9 | 5 |
ML | 13.3 | 8.8 | 6.9 | 5 |
L | 14.0 | 8.8 | 6.9 | 5 |
どのワイヤレスイヤホンで使える?
ワイヤレスイヤホン | 適合可否(Lサイズで検証) |
---|---|
AirPods Pro | × |
ソニー / WF-1000XM5 / WF-1000XM4 | ◯ |
Technics / EAH-AZ80 | ◯ |
SENNHEISER / MOMENTUM True Wiresless 4 | ◯ |
JBL TOUR PRO 3 | × |
B&W Pi8 / Pi6 | ◯ |
DEVIALET / GEMINI II | × |
AVIOT ピヤホン 7 | ◯ |
AVIOT ピヤホン 8 | × |
DENON / PerL Pro | ◯ |
EarFun Air Pro 4 | ◯ |
Anker / Soundcore P40i / Liberty 4 Proなど | × |
ソニー WF-1000Xシリーズや、Technicsのワイヤレスイヤホンなど充電ケースの収納部が深めのワイヤレスイヤホンであれば、ケースに干渉することなく使用できます。
意外とPerL Proやピヤホン7でもいけましたね。
SednaEarfit Crystal 2レビュー
装着感|圧迫感がかなり軽減されている
装着感については前作よりもかなり良くなっていますね。
前作もかなり装着感が良く、長時間装着していても耳が痛くなったり痒くなったりしにくい印象でしたが、傘部が硬めなので圧迫感はありました。
SednaEarfit Crystal 2は傘部が柔らかくなったこと、そして先端にかけて素材が薄く窄まっていくテーパード型構造を採用したことにより、圧迫感が大幅に軽減されていますね。
圧迫感の少ないSednaEarfit Crystalとか最高じゃないですか。
WF-1000XM5を3〜4時間装着しっぱなしでも耳が痛くなったり痒くなったりすることもなく、かなり快適に使えました。
また密閉感もちゃんと確保できているので、ノイズキャンセリング性能が落ちてしまうような感覚もありませんでした。
ゲームや映画、3Dコンテンツにも適した音響設計が施されているので、イヤホンで長時間コンテンツを楽しむために使う装着感重視のイヤーピースとしてもおすすめです。
音質|前作との違いがハッキリと感じる
音質は前作のSednaEarfit Crystalとはハッキリと違いを感じますね。ボクは今作のSednaEarfit Crystal 2の方が好みの音です。
音の傾向は前作同様に3Dコンテンツに適した少し広くした音場感と、メリハリ感と臨場感のあふれるサウンドに変化します。
前作のSednaEarfit Crystalと比べると、中高域の音像がビシッと定まっており、カリッとした音の粒立ちの良さをより感じられますね。
広い音場のなかで奏でるスッキリ高解像度系+臨場感のあるサウンドという感覚でしょうかね。
感覚的にはSednaEarfit Maxのスッキリとした高域+SednaEarfit Crystalの広い音場+低域の場感 = SednaEarfit Crystal 2って感じですね。
低域のドッシリ感や音の一体感は前作のSednaEarfit Crystalの方が上という印象ですが、音像はSednaEarfit Crystal 2と比べるとややボヤけるような感覚がありますね。低音の量感を重視したい方は前作の方が良いかもしれません。
ニュートラルではないけど中高域の粒立ちの良さ、低域の量感、共にバランスの取れた音でとても気に入りましたね!
装着感の改善だけでなく、音質の改善目的で使うのにもおすすめです。
SednaEarfit XELASTEC IIと比べると?
最近だとSednaEarfit XELASTEC IIという装着感特化型のイヤーピースが発売されました。
こちらはCrystalとは異なる可塑性エラストマー(TPE)という素材を採用したモデルで、耳に吸い付くような吸着性の高い装着感が特徴です。
装着感の違いとしては、XELASTEC IIの方が耳に馴染むような感覚があり、より異物感の少ない装着感という印象です。
ただ、Crystal 2になってブラッシュアップされたことにより、XELASTEC IIのような圧迫感が少なく耳に馴染むような装着感に近づいた感覚がありますね。
音質はXELASTEC IIはとにかくニュートラルで味付けを加えずにそのまま出すだけって感じ。
対してCrystal 2の方が音にメリハリ感が加えられて、粒立ち良くも臨場感のあるサウンドに変化してくれます。また密閉感もこちらの方が高いように感じますね。
どちらが良いかは合わせるイヤホンや音の好み次第なので一概には言えませんが、音質の改善で選ぶならCrystal IIの方が良いかな〜とは思いました。
あとXELASTEC IIは素材の特性上、ホコリや耳垢が付着しやすく(Crystal 2も付着しやすいけどまだマシ)、また熱によって変形することもあるので、メンテナンス性はCrystal 2の方が上かな〜とは思いましたね。
ソニー WF-1000XM5で使ってみた
ソニーWF-1000XM5で使ってみましたが、音質と装着感の変化については先にも伝えているとおり大満足ですね。
この2点はWF-1000XM5で使う上では現状満点レベルの満足度なので、できればCrystal 2で運用したいところ。
ただ、WF-1000XM5を使っていて、首を振ったり歩いたりすると、「カポカポ」という音が耳内に響いてしまう現象があるのですが、それは大幅には解消されませんでした。
カポカポ音の解消を優先するならフォームタイプのSednaEarfit FoamaxやXELASTEC IIの方が優秀でしたね。
カポカポ音が気にならない方や、耳の形状的にカポカポ音が響かないという方は、ぜひSednaEarfit Crystal 2をおすすめしたいところ
その他ワイヤレスイヤホンで使ってみると
EAH-AZ80と合わせてみた
EAH-AZ80も使ってみましたけど、いや〜こちらもおすすめですね。こちらは心に決めたおすすめのイヤーピースがあるのですが、装着感を重視するならSednaEarfit Crystal 2の方が明らかに良いです。
EAH-AZ80は外音取り込み機能も優秀なので、長時間装着しつつBGM感覚で聴いていたいという方にはSednaEarfit Crystal 2もおすすめですよ。
MOMENTUM True Wireless 4と合わせてみた
SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 4とも組み合わせてみましたが、ヤバい、これは今回のベストマッチかもしれない。
MOMENTUM True Wireless 4の少しノッペリとした味気のない音にメリハリ感が加わって低域がめっちゃドッシリとします。
耳の形状の影響かもしれないですけど、MOMENTUM True Wireless 4とSednaEarfit Crystal 2を組み合わせたときの低域の量感の増え方が他のワイヤレスイヤホンと比べて多めのように感じますね。より臨場感の感じられるサウンドに進化します。
低域側だけでなく、高域側もMOMENTUM True Wireless 4の伸びの良さを活かしつつ、キレの良い高域になりました。
やや引っ込みがちだったボーカルラインも前に出るようになり、ロックやポップスに合わせやすいボク好みの音に変化してくれました。
密閉感もめちゃめちゃ高くて装着感も安定していますし、音質・装着感ともに最高になりました。
ただ、充電ケースはキッチリとはハマらず、ほんの少し浮いたような感じにはなります。ケースが閉めれなかったり、充電ができなかったりするわけでもないですが、中途半端なハマり方にはなってしまうのでこの点だけ注意。
MOMENTUM True Wireless 4にも心に決めたイヤーピースがありましたが、これは浮気するかも……めちゃめちゃいい。
B&W Pi8と合わせてみた
新たな愛機「B&W Pi8」とも組み合わせてみたんですけど、う〜ん……なんだかしっくりこないですね。
純正イヤーピースと比べると密閉感が足りず、低音が逃げているような感覚がありますね。
Pi8は他社のイヤーピースとうまくマッチしないことが多く、ボクは結局純正イヤーピースのまま使っているんですよね。
Crystal 2もダメでした。まあ無理に他社のイヤーピースに変える必要もないんですけどね。
有線イヤホンで使ってみた
ここまでワイヤレスイヤホン向けにメインで伝えてきましたけど、有線イヤホンのチューニングにもおすすめですよ。
たとえば最近レビューしたAFUL Performer 5+2に合わせてみたんですけど、純正イヤーピースと比べて明らかに中高域の部立ちの良さや音場が改善されています。
音の太さや勢いを重視するなら他にも選択肢はあるんですけど、中高域の粒立ちの良さと臨場感を両立したサウンドに変化させたい場合はCrystal 2はマジでおすすめです。
あとフィルターのおかげで、音導管に耳垢が混入してしまう心配もなく、目詰まりを起こしにくいというのもGoodポイントですね。
フィルターがついていて音をこもらせないイヤーピースってけっこう貴重ですからね。
もちろん音質を重視するだけでなく装着感重視で買うのにもおすすめですよ。3Dコンテンツに適しているので、長時間イヤホンでゲームされる方やASMR音源を聴かれる方にもおすすめです。
気になる点はある?
気になる点ですが、ほとんどないですね。
強いていえば汚れや耳垢がやや付着しやすいくらいでしょうかね。XELASITEC IIよりマシですけど。
SednaEarfit Crystal 2 レビューまとめ
総合評価
5/5
SednaEarfit Crystal 2
- 粒立ちの良さと臨場感を両立したサウンド
- 圧迫感の少ない装着感
- フィルターがついていて耳垢が混入しにくい
- 耳が痒くなりにくい
- さまざまなイヤホンにあわせやすい
- 耳垢や汚れが付着しやすい
4.5
音質
4.5
迫力
5.0
装着感
4.8
遮音性
SednaEarfit Crystal 2 はこんな人におすすめ
- イヤホンを着けっぱなしにすることが多い
- 音楽鑑賞だけでなく映画やアニメ、ゲームなどマルチに使うことが多い
- WF-1000XM5 / EAH-AZ80 / MOMENTUM True Wirelress 4ユーザー
- Crystalユーザーだが前作の圧迫感と中高域の解像度を改善したい
前作も装着感は大概良かったですけど、さらに圧迫感が少なくなって、フィルターも追加されて、中高域側の粒立ちも良くなっていろいろパワーアップしていました。
前作のドッシリとした低域は少し軽めになっているので、そこは注意していただきたいですが、ボクはむしろ今作の方が音質も好みでしたよ。
ワイヤレスイヤホンユーザーだけでなく、音質にこだわる有線イヤホンユーザーにもおすすめできるイヤーピースですよ。買いましょこれ。めちゃいい。
個人的には2ペアよりは3ペアアソートタイプでサイズを細かく調整する方がおすすめです。
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