オーディオテクニカの最新開放型モニターヘッドホン ATH-R70xa / ATH-R50x / ATH-R30x 徹底比較レビュー

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はオーディオテクニカから新たに発売した開放型のモニターヘッドホン「ATH-R70xa」「ATH-R50x」「ATH-R30x」を紹介します。

前作のATH-R70xを使っていたのですが、これめちゃめちゃ良かったんですよね。

空気のように軽い圧倒的な装着感の良さと、開放型+モニターヘッドホンならではのニュートラルなサウンドが特徴。

オーディオテクニカの開放型ヘッドホンは名作が多いですが、その中でも特に高く評価しているヘッドホンなのです。

今回はその後継機の「ATH-R70xa」と、ミドルクラスの「ATH-R50x」、エントリーモデルの「ATH-R30x」の3製品を購入してみました。

ATH-R70xaは前作との比較やソニーの名作開放型ヘッドホン「MDR-MV1」とも比較しながらレビューしていきましょう。

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
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ATH-R70xa / ATH-R50x 外観・付属品

それではATH-R70xa / ATH-R50xの外観をチェックしていきましょう。

本体・ケーブル

ATH-R70xa / ATH-R50x / ATH-R30xの本体はこちら。ぱっと見のデザインは同じですが細部の仕様がそれぞれ異なります。

左からATH-R70xa / R50x / R30x

まずATH-R70xaはハウジングにロゴさえはいっておりません。R50xとR30xはロゴ入りの開放型設計になっています。

左からATH-R70xa / R50x / R30x

イヤーパッドはいずれもベロア素材を使用をしていますが微妙に素材感が異なります。

左からATH-R70xa / R50x / R30x

R70xaは非光沢で薄いけどクッション性は高めのパッド、R50xは少し光沢感があるソファのような材質でR70xaと比べると反発性が少し高め。R30xは同じくベロア素材ですけど、少し安っぽい雑味があります。

ヘッドパッド部もそれぞれ仕様が異なりますね。

まずATH-R70xaはうっすいパッドがヘッドバンドに沿うように搭載されています。

ATH-R70xaのパッド

先代のR70xはウイングサポート付きでしたが、今回は排除されましたね……ウイングサポートは頭頂部が痛くなりにくくて結構好きだったんだけどな。

先代のATH-R70xはウイングサポート付き

R30xもうっすいパッド付きですが、R70xaよりもクッション性はないですね。イヤーパッドと同じような素材になっています。

ATH-R30xのヘッドパッド

R50xはクッション性の高い肉厚パッドがふたつポンっポンっと引っ付いた状態になっていますね。

ATH-R50xのパッド

どれが一番装着感が良かったかは、また後半でお伝えしようと思います。

アーム部はどのモデルも段階式で長さを調整できます。

先代のR70xはアーム長を調整できない代わりに、ウイングサポートで自動的に調整してくれる仕様でしたね。

ケーブル着脱部もそれぞれ仕様が異なります。

まずR70xaは2.5mmロック機構対応の両出しケーブルを採用。

ATH-R70xaは2.5mmケーブル両出し

2.5mm側の口径がかなり細いので汎用ケーブルは使えなさそうですね……。バランス接続で出力をアップしたい場合はe☆イヤホンクリニックとかで改造をお願いするしかなさそう。

R70xaは能率が特に悪いからバランス化して出力を確保したいんですけどね〜……。むしろ付属でバランスケーブルをつけて欲しいくらい。

R50xは方出しのロック機構付き2.5mm端子を採用。

ATH-R50xは2.5mm片出しケーブル

2.5mm片出しならピンアサインさえ合っていれば他社の4.4mmバランスケーブルを使えそうな気がする……。

R30xはまさかのケーブルを着脱できない仕様。この価格ならあたりまえに着脱に対応してほしかったな〜。

ATH-R30xはケーブル着脱不可

最後に重さですが、R70xaはなんと199g! ヘッドホンで200gをギリギリ切るのはヤバイ!軽すぎ!

ATH-R70xa

参考までにR70xは205g。

ATH-R70x

R50xは211.3g。

ATH-R50x

R30xは207.6gでした。

ATH-R30x

ATH-R70xaの軽さに目を惹かれがちがちですけど、他のモデルもふつうに軽いです。

ATH-R70xa / ATH-R50xのドライバー / スペック

スペック比較

スクロールできます
製品名ATH-R70XaATH-R70xATH-R50xATH-R30x
型式オープンバック
ダイナミック型
オープンバック
ダイナミック型
オープンバック
ダイナミック型
オープンバック
ダイナミック型
ドライバーφ45mmφ45mmφ45mmφ40mm
出力音圧レベル97dB/mW98dB/mW93.3dB/mW92dB/mW
再生周波数帯域5~40,000Hz5~40,000Hz5~40,000Hz15~25,000Hz
最大入力1,000mW1,000mW1,600mW1,000mW
インピーダンス470Ω470Ω50Ω36Ω
質量(コード除く)約199g210g約207g約210g
プラグ/入力端子φ3.5mmステレオミニジャックφ6.3mm標準/φ3.5mmミニ(金メッキ2ウェイ)φ3.5mmステレオミニジャックφ3.5mm金メッキステレオミニ
コード3.0m(着脱式)3.0m(着脱式)3.0m(着脱式)
1.2m(着脱式)
3.0m
付属品着脱式コード(3m)
変換プラグ、ポーチ
着脱式コード(3m)
変換プラグ、ポーチ
着脱式コード×2
(3m / 1.2m)
変換プラグ、ポーチ
変換プラグ

R70Xaのドライバーは前作のR70xと同じモノのようですが、製造工程から見直しを図って音の精度を向上させているとのことです。

ちなみにR50xにも同じドライバーを採用しているようですね。

インピーダンスがR70xから引き続き470Ωと非常に抵抗値が高いため、R50Xとの出力や音質差が顕著に現れそうです。

ATH-R70xa / ATH-R50x 装着感

まず装着感についてですが、どのモデルも非常に軽くて良好ですね!

実際に装着してみるとこんな感じ。

ATH-R70xa

ATH-R70xaの装着感はとにかく軽いですね。199gの実力は伊達じゃない!

ヘッドパッドのクッション性は薄いですけど、そもそも本体が軽いから長時間装着していても頭頂部が痛くなりにくいですし、側圧もキツくないので耳も元も痛くなりにくいです。

前作のR70xはウイングサポートのおかげでフワッとした優しい装着感でしたが、アームの長さを調整できないから人によっては全然耳に合わないことも多かったようです。

R70xaに関してもアーム部を一番短くした状態にすればベストポジションを作れたのですが、ボクけっこう頭がでかい方なんですよ……。なので頭が小さい方だとパッドの位置がうまく合わない可能性があります。

できれば家電量販店などで要試着ですね。

ATH-R50x

ATH-R50xの装着感も十分いいですよ。ヘッドバンドに2つのクッションがついていますが、R70xaと比べると少し圧迫感はありますけど長時間装着していても耳が痛くなりにくいですね。

またR70xaのようにアームを一番短くしないと耳元にフィットしないということもなく、頭が小さな方でもフィットさせやすいと思います。

R50xの方が人を選びにくい装着感だと思いますね。

ATH-R30x

ATH-R30xの装着感もとてもいいですね。

こちらはR70xaのようにペタッとしたヘッドパッドなので、圧迫感は少ないですが、クッション性がない分やや頭頂部に負担がかかりやすい印象です。

あとR70xaよりも側圧が強く感じますが、同価格帯のヘッドホンと比べると装着感はかなり良い方だと思います。

この3つの中で一番装着感がよく感じたのは、やはり一番本体重量の軽いR70xaでしたね。ただし耳のフィット位置は人を選ぶと思いますので注意。

装着感
ATH-R70Xa(5.0)
ATH-R50x(4.8)
ATH-R30x(4.9)

ATH-R70xa / R50x / R30x それぞれの音質について

試聴環境
  • DAC:RME ADI-2/4 Pro SE
  • アプリ:Apple Music
  • 接続方式:6.3mm接続
  • エージング:50時間ほど

ATH-R70xa 音質|ニュートラルの化身

ATH-R70xa の音質についてですが、さすがのニュートラルさ。

モニターとしては理想的なフラットなサウンドで、R70xと比べてもさらに精錬されたサウンドに進化しています。

ボクはR70xよりもR70xaの方が好みでしたね。

音の特長

4.8

高音

4.9

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

音の傾向は何も足さず引かず、ありのままを出す不純物ゼロの天然水かのようなサウンド。

R70xはニュートラルでありつつも少し柔らかさのあるナチュラルなチューニングでしたが、R70xaは一音一音の輪郭をもっとクッキリとさせて粒立ちを良くしたような感覚ですね。 軟水から硬水になったような感じ。

傾向的にはソニーのMDR-MV1に近くなったかなー?という印象を受けましたが、R70xaの方が音の輪郭がより丁寧に感じます。

R70xが「モニターでありつつも眠たい音」と評される方もチラホラいらっしゃいましたけど、そのR70xの音の緩さを感じていた方にはちょうど良い”硬さ”を持つようになったと思います。

音場

音場は開放型らしく抜け感の良い広さはありますが、音を広げることよりも定位感を重視した音場の作り方のように感じました。

ソニーMDR-MV1は開放型にしては音が近く、全体域の音が迫ってくるような圧がありますが、R70xaは一歩引いて俯瞰的に聴いているような感覚があります。

左右の音量バランスや各楽器の方向性や距離感など、全てを俯瞰的にフラットな目線で把握できるような感覚。

定位の良さで評価の高いオーディオテクニカのモニターヘッドホンですが、R70xaはその中でも特に定位を把握しやすいヘッドホンのように感じましたね。ミックスの確認用途だと同価格帯で最強クラスかと。

ただゲーミングに詳しい方のレビューだと、全部の音がフラットに聞こえすぎて逆に銃声などの距離感がわかりにくくなるようです。定位が良ければOKというわけでもないんですね。

高域

高域のディテールがとても細かく再現されていて、シンバルの金属的な粒立ちや、アコースティックギターの弦の倍音など、微細なニュアンスまで一音たりとも逃さず、新宝島もビックリなくらい丁寧に丁寧に描写します。

エレキギターを聴くとエフェクターの歪んだ音の粒子まで見えるような感覚で、逆に歪んでないんじゃね?ってレベル。

R70xと比べてもキレが増しており、スネアやシンバルにもよりリアルな刺激が加わるようになっています。ドラムの躍動感がリアルになったことによりロックナンバーもスタジオの現場で聴いているような感覚に浸れます。

中域

中域の質感は特に素晴らしいですね!R70xよりもボーカルが少し前に位置しボーカルがさらに自然に伸びるようになりました。男性・女性ボーカル問わず存在感のある歌声を聴かせてくれます。

余韻を加えて艶っぽくしているわけでもなくありのままに出しているはずなのに、それがとても心地良い! 素材のまま食べても美味しい有機野菜のようなボーカルの質感の高さですよ。

かといってボーカルだけが際立っているわけでもなく、ギターやシンセサイザーなど同帯域に被る楽器も厚みのある音で録音された環境に対して率直に再現します。

ボーカルの繊細さと楽器隊の音の厚みを両立した絶妙なバランスで、息遣いからフレーズの抑揚、ビブラートの声の震えの輪郭までとにかく丁寧に丁寧に再現されます。

音量を上げても音が歪んだりもしないので、思わずライブさながらの大音量で聴いてしまいます。危険。

低域

低域はR70xよりもタイトになっていて、余計な膨らみや響きが無いため非常にモニター的な音のように感じます。

R70xは中低域ラインに特有に柔らかさがあったため、良い意味ではナチュラル、悪い意味では眠い音と評されていたのかもしれません。

アンプ側の出力にも左右されるかもしれませんが低域の引き締まった質感と輪郭の明瞭さは一級品で、ベースやキック音などのボヤけがちな音も明瞭に輪郭を捉えることができます。

ただ迫力たっぷりなサウンドというわけでもないので、もう少し迫力と圧のある低域が欲しい方は、MDR-MV1やこのあと紹介するR50xの方がおすすめかもしれません。

低域の迫力よりも輪郭をクッキリと追いたい方はR70xaがおすすめ。

おすすめのジャンル

おすすめジャンルは、ほぼ全部ですかね。ジャズ・クラシックなど生楽器系全般、ロックやポップスなど電子音を多用した楽曲全般、なんでもOKです。

R70xaは収録された音を率直に引き出してくれるのみなので、相性をほぼ選びません。もちろん本来の目的であるミキシング・マスタリング用途には超おすすめです。

ただEDMやヒップホップなど低域の迫力を重視したジャンルをノリノリに聴きたい場合は、迫力が少し物足りなく感じるかもしれません。

能率について

ただしインピーダンス470Ω、出力音圧レベルが97dB/mWということもあり、かなり出力を確保しにくいです。

付属で4.4mmバランスケーブルも付属していないため、コンシューマー向けのDAC/アンプだと6.3mm接続で出力を確保するのが大変!

ボクも普段RME ADI-2/4 Pro SEという40万クラスのDACアンプを使ってますが、6.3mm接続だとかなりボリュームを回す必要があります。

エントリークラスのZEN-DAC 3も使ってみましたが、ボリュームノブをおおよそ12時の方向に回してちょうどいいくらいでしたね……。

スペック値にしてはまだ鳴らしやすい方だとは思いますが、R70xaの実力を発揮させるには出力の高い据え置きのDACアンプは必要だと思います。

パソコン直差しやスマホ直結で気軽にモニタリングや音楽鑑賞をしたい場合は、能率の良いMDR-MV1の方がいいと思います。

総評

同価格帯だとソニーMDR-MV1やTAGO STUDIO T3-01など戦闘力が高いモニターヘッドホンがズラズラといますが、それらのヘッドホンと比べてもかなりの実力だと思います。

現時点でR70xを使っている方も、もう少しキレが良くてタイトな音にしたい場合は買い替えもアリだと思います。

編集用のモニターヘッドホンのメインはソニーMDR-MV1を使ってましたが、ATH-R70xaの方より音が丁寧で定位もわかりやすいのでコッチに乗り換えます! キミ一軍です。

なんやったらSENNHEISER HD 800SよりもATH-R70xaの方が好みです。

ATH-R50x 音質|コスパと使いやすさは最強格

次にATH-R50xの音質についてですが、こちらは価格を考えれば相当コスパが高いと思いますよ。

音質の高みを目指すならATH-R70xaの方がおすすめしますが、予算2〜3万ほどでコスパを重視するならATH-R50xでも全然いけます。

またATH-R70xaにはない能率さや、音のカジュアルさも持っています。

音の特長

4.5

高音

4.6

中音

4.5

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

ATH-R50xの音の傾向について、R70xaが極めてナチュラルで丁寧なフラットなサウンドだったのに対し、R50xはやや音の密度が高く、中低域にも厚みのあるメリハリ感を加えたバランスになっています。

R70xaは細かな音を含めて全ての楽器を同じ目線で平等に鳴らすのに対して、R50xは低域、中域、高域のメインとなる音を引き出して際立たせるような感覚でしょうか。

R70xaと比べると大味の解像度には感じますが、価格を考えれば解像度はかなり高い方だと思います。

音場

音場は開放型らしく自然ですが、R70xaと比較するとやや狭め。

定位はしっかりしていて、音像の位置もわかりやすいです。横方向よりも前後感の距離表現が上手で、楽器の配置やボーカルの立ち位置も明瞭です。

ゲーミングに詳しい方曰く、R70xaのように全部の音が聞こえるのではなく、銃声や足音の音が強調されて距離感や方向性がわかりやすいようです。

高域

高域は刺さらず、控えめすぎず、ちょうど良いバランス。解像度も高く自然に抜けていく開放型モニターらしい鳴らし方です。

R70xaのような解像度の高さやヌケの良さには及ばないものの、価格を考えればハイハットやストリングスのニュアンスがきちんと描写されます。

中域

中域はボーカルは自然な距離感で、ザラつきもなく滑らか。ギターやピアノの和音も分離よく聴き取れます。

R70xaと比べると、中低域にやや厚みがありボーカルに力強さを感じます。解像度重視ながら、音楽的な質感も犠牲にしていない絶妙なさじ加減ですね。

低域

低域はタイトでスピード感があり、かつ十分な量感があります。

無理に膨らみすぎず、必要なところにだけグッと迫力よく出てくる印象です。ベースやキックのアタックも明瞭に聴こえるので、ロックや打ち込み系との相性もいいですね

R70xaより解像度は劣りますが、その代わりベースやバスドラムの迫力をしっかり感じられるパワフルさがあります。

おすすめのジャンル

こちらもジャンルを選ばず、さまざまな楽曲に対応できますが、R70xaよりもロックやポップス、ヒップホップやEDMなど勢いやノリを重視したジャンルとの相性が良くなっています

能率について

R50xはインピーダンス50Ω、音圧レベルが93.3dB/mWなので、R70xaと比べると出力はかなり確保しやすいです。

R70xaでちょうどいい音量で聴いているときに同じ音量でR50xに入れ替えると爆音になりますもん。

R70xaほど出力の高いアンプやオーディオインターフェイスは必要無いため、出力が高めのDAPや最近のMacbookであればヘッドホンジャック直差しでも出力は十分に確保できます。

再生機器に捉われずにカジュアルに使いたいという方はR50xがおすすめかとは思いますね。あと1.2m短いケーブルも付いているので取り回しもいいです。

総評

ATH-R50xは、R70xaよりもオーディオテクニカの開放モニターサウンドを手軽に楽しめるヘッドホンという感じですね。

R70xaが“不純物ゼロのピュアなモニターサウンドとするなら、R50xは少し雑味を混ぜたモニターとリスニングのちょうど中間な音にしたカジュアルなモニターサウンドという印象。

価格的にも買いやすく能率もよくて取り回しもいいので、初めての本格モニターヘッドホンにもかなりおすすめできます。

ATH-R30x 音質|コスパと使いやすさは最強各

最後にATH-R30xの音質についてすが、たしかにオーディオテクニカの開放型サウンドをエントリー価格に落とし込んだサウンドのように感じますし、価格に対して音質は良い方だと思います。

ただ、個人的にはあと1万円頑張ってATH-R50xを買った方が幸せになれるのでは?とも思いましたね。

音の特長

4.4

高音

4.5

中音

4.4

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

ATH-R30xは、上位機種ATH-R70xaやATH-R50xと同じくフラット志向のモニターサウンドだとは思いますが、上位2機種と比べるとややロー寄りなバランスのように感じましたね。

低域・中域・高域、それぞれに注目して聴こうとした時に、低域のベースラインが自然と耳に入ってくるような感覚があります。

エントリーモデルらしく少しだけリスニング寄りのチューニングも感じられ、ナチュラルな音の中にほんのりと温かみや聴き心地の良さが加えられているように感じます。

音場

音場はR70xaやR50xと比べると結構近めに感じますね。開放型特有のヌケ感は少なく、どちらかといえば密閉型っぽい鳴り方ですね。

定位は中低域が膨らんでしまう影響か、明確な位置や距離感がボヤけてしまう感覚がありますね。R50xと比べると明確に音の方向を感じられるような感じではありません。

高域

高域はTH-R70xaやR50xほどのレンジの広さや空気感はないものの、価格を考えればクリアだと思います。

ただ、ボクが苦手とするオーディオテクニカ特有の中高域のキツさを感じますね。

R70xaやR50xはこのキツさは感じず自然に外に抜けていくのですが、R30xはそこまでヌケずに密閉型のような窮屈さを感じてしまいます。

高域は同価格帯だとセール時のHD 599 SEの方が自然なヌケ感があるように感じましたね。

中域

中域はR70xaやR50xと同じく表現力がとても高いですね! エントリー価格でありつつボーカルのリアルな音像が浮かび上がるような感覚があります。

ボーカルの質はSENNHEISER HD 599 SEよりも実力は上のように感じました。

ただR50xと比べると分離感はやや悪めで、同帯域の音が混同しやすいです。

低域

重低音をズンズン響かせるような派手さはありませんが、少し低音は膨れつつもで、ベースやキックのアタックもしっかり確認できます。

おすすめのジャンル

こちらもジャンルを選ばず、さまざまな楽曲に対応できますが、R50xやR70xaと比べると高域側がそこまで伸びないので、ジャズやクラシックなどアコースティック編成の楽曲は少し苦手になったかな?という印象を受けました。

能率について

R30xはインピーダンスが30Ω、音圧レベルが92dB/mWで、おおよそR50xと同じ能率のように感じましたね。

スマホ直結や出力の低いパソコン直結だと鳴らしにくく、ややスカスカな音に感じると思います。

できれば出力が高めのドングルDACや据え置きのDAC/アンプ、オーディオインターフェイスは欲しいところですね。

総評

やや酷評をしているようにも見えますが、価格を考えれば音質はふつうに良いと思います。

予算をあらかじめ15,000円と決めておけば音質は良いと思います……が、リスニング用途で使うならAmazonセールの時に買うSENNHEISER HD 599 SEの方が音質的にもケーブルの着脱的にも満足度が高いんですよね。

ただ HD 599 SEと比べると装着感が軽くて長時間つけていても痛くなりにくく、ボーカルの質感は高く、よりモニター的な鳴り方なので、長時間編集作業をするという方はR30xの方がいいかもですね。

もう少し予算を出せる方はATH-R50xを買った方が幸せになれると思います。

R50xとR30xの差はケーブルが着脱できるだけではありません。音質も価格以上に実力が離れているように感じます。

ATH-R70xa / ATH-R50x まとめ

ATH-R70xa / ATH-R50xをまとめると以下のとおりです。

スペックATH-R70xa
ATH-R50x

ATH-R30x
総合評価(5.0)(5.0)(4.5)
個人的な感想とにかくフラットな
ピュアモニターサウンド
メリハリ感もあるカジュアルなモニターサウンドイイんだけどR50xを買った方が幸せになれそう
高域(4.8)(4.5)(4.4)
中域(4.9)(4.6)(4.5)
低域(4.8)(4.5)(4.4)
インピーダンス ​470Ω50Ω36Ω
周波数特性5~40,000Hz5~40,000Hz15~25,000Hz
感度97dB/mW93.3dB/mW92dB/mW
本体重量約199g約207g約210g

今回試した中で一番良かったと感じたのは、やはり総合的に見てATH-R70xaですね。

この子はホントすごいと思う……普段10万〜20万クラスの高級ヘッドホンを使っている方でもふつうに感動するレベルだと思います。ボクも余裕で一軍入りです。

軽いから長時間つけていられますし、モニターナチュラルサウンドなのでどんなジャンルにも合いますし、編集作業から音楽鑑賞までなんでも使えます。

ATH-R50xもかなり高く評価していますよ。出力の高いDACなどは所持していなくて、もう少しカジュアルな音でノリよく聴きたい方は、R50xの購入を検討してみてください。予算2〜3万クラスの開放型ヘッドホンを探している方には個人的にイチオシです。

ATH-R30xも悪くないんですけど、あと1万円プラスしてR50xを買った方が絶対に幸せになれると思うんですよ。あと1万、あと1万円頑張ってっ!

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