Astell&Kernからもバケモンが登場!? ブランド初のハイエンドドングルDAC「AK HC5」を試す

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はAstell&Kernより、同社初のハイエンドポータブルUSB-DAC「AK HC5」を紹介します。

圧・倒・的・既・視・感!

AK HC5の特徴
  • ポータブルDACとして初のAKMフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」DAC搭載
  • 並列配置OP AMPによるHigh Driving Modeテクノロジー採用
  • リアルタイムアップサンプリング機能「DAR」(Digital Audio Remaster)搭載
  • 6種類のDACフィルター変更対応
  • 1.62型OLEDディスプレイ搭載
  • 150ステップ独立音量調整が可能なボリュームホイール搭載
  • 3.5mm/4.4mm(5極GND結線)デュアル出力、PCM768KHz/32bit・DSD512対応
  • 価格は84,700円+10%ポイント(専門店だと76,230円)

過去のAK HC4 / AK HC2とは違って、完全に予算度外視で作ってきた某バケモンDACを意識して作られた最新USB-DACというわけですね。

DACチップの「AK4191EQ+AK4499EX」って、据え置きDACやDAPでみられるような構成なんですけど、これをポータブルで持ってきましたよ……。

果たしてどれほどの実力か、今回は代理店のアユートさんからレビュー用に製品を提供いただいたので、実機を使ってAK HC4など過去の製品と比較しながら紹介していきます。

製品提供:アユート

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

AK HC5 外観・付属品

AK HC5のパッケージはいつものAstell&Kernらしい感じ。

開封するとこんな感じ。

付属品一覧

Type-Cデュアルノイズシールドケーブル

Lightningデュアルノイズシールドケーブル

Synt3製PUレザーケース

マニュアル

ケーブルはType CとLightning、2本のショートケーブルが付属します。

このケーブルはノイズを最小限に抑え、より鮮明なサウンドを提供するデュアルノイズシールドケーブルを採用しています。AK HC4についていたものと同じですね。

付属品でありつつ、かなり質感は高そうです。Lightningタイプも付属するのは人によってはありがたいですね。

さらにイタリアの専門メーカーSynt3社製の高品質なPUレザーケースまで付属します。これはありがたい。

本体はこちら。AK HC4にどこかで見たDACを融合させたかのような既視感のあるデザイン。

素材はアルミニウムを採用しており、カラーは「Satin Silver」という配色を採用しています。

前面には1.62型OLEDディスプレイを搭載し、ここで本体設定などができるような仕様になっています。

今までのAK HCシリーズってディスプレイ非搭載でゲインやフィルターなど細かな設定ができなかったんですけど、何気に初の試みですね。

裏には「Astell&Kern」のロゴ。

天面にはボリュームノブとスマホとの接続を行うためのUSB-C端子。

ボリュームノブは天面と面一になっているため、干渉してボリュームが勝手に回る心配もなし。

ボリュームもカリカリとした少し重めの回し心地で良質。150ステップ独立音量調整が可能とのことなので、かなり細かく音量調整ができそう。

側面にはさまざまな操作を可能とするサイドボタンも備わっています。

底面には3.5mm / 4.4mmのイヤホン端子。

重さは45.6gで、AK HC4が約30gなので10gほど軽くなってますね。

スペック比較

スペックはこちら!

スクロールできます
項目AK HC5AK HC4AK HC2AK HC3
DACAKM
AK4191EQ + AK4499EX
AKM AK4493SCirrus Logic CS43198×2 (Dual-DAC)ESS Technology ES9219MQ×2 (Dual-DAC)
対応
サンプリングレート
PCM : 768KHz/32bit
DSD : DSD512(22.4MHz/1bit) ステレオ
PCM最大 : 384KHz/32bit,
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ
PCM最大 : 384KHz/32bit,
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ
PCM最大 : 384KHz/32bit, DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ
入力USB Type-C
Lightning(付属変換コネクター使用)
USB Type-C
Lightning(付属変換コネクター使用)
USB Type-C
Lightning(付属変換コネクター使用)
USB Type-C
Lightning(付属変換コネクター使用)
出力3.5mmアンバランス出力 (3極)
4.4mmバランス出力(5極GND結線)
3.5mmアンバランス出力, 4.4mmバランス出力4.4mm5極バランス出力 (GND接続あり)3.5mmアンバランス出力
(CTIA規格4極マイク・コントローラー入力対応)
アウトプット
レベル(無負荷)
2.5Vrms(アンバランス) / 5Vrms(バランス)2Vrms(アンバランス) 3Vrms(バランス)バランス 4Vrms (無負荷)2Vrms (無負荷)
出力
インピーダンス
0.5Ω(アンバランス 3.5mm)
1.1Ω(バランス 4.4mm)
0.9Ω(アンバランス 3.5mm)
1.6Ω(バランス 4.4mm)
1.5Ω
周波数特性±0.006dB (20Hz~20KHz), アンバランス / ±0.006dB (20Hz~20KHz), バランス
±0.06dB (20Hz~70KHz), アンバランス / ±0.06dB (20Hz~70KHz), バランス
±0.062dB (20Hz~20KHz), アンバランス / ±0.063dB (20Hz~20KHz), バランス
±0.066dB (20Hz~70KHz), アンバランス / ±0.067dB (20Hz~70KHz), バランス
±0.011dB (20Hz20kHz) バランス,
±0.145dB (20Hz70kHz) バランス
±0.013dB (20Hz20kHz), ±0.020dB (20Hz70kHz)
S/N比121dB @ 1KHz, アンバランス / 125dB @ 1KHz, バランス118dB @ 1KHz, アンバランス
118dB @ 1KHz, バランス
122dB @ 1kHz, バランス118dB @ 1kHz
クロストーク-139dB @ 1KHz, アンバランス / -141dB @ 1KHz, バランス-134dB @ 1KHz, アンバランス
-136dB @ 1KHz, バランス
-146dB @ 1kHz, バランス-130dB @ 1kHz
THD+N0.0005% @ 1KHz, アンバランス / 0.0004% @ 1KHz, バランス0.0005% 800Hz 10KHz (4:1), アンバランス
0.0004% 800Hz 10KHz (4:1), バランス
0.0004% @ 1kHz, バランス0.0005% @ 1kHz
IMD0.0006% 800Hz 10KHz (4:1), アンバランス
0.0005% 800Hz 10KHz (4:1), バランス
0.0005% 800Hz 10KHz (4:1), アンバランス
0.0004% 800Hz 10KHz (4:1), バランス
0.0003% 800Hz 10kHz (4:1) バランス0.0002% 800Hz 10kHz (4:1)
メーカー保証本体1年 / 付属品90日本体1年 / 付属品90日本体1年 / 付属品90日本体1年 / 付属品90日

AK HC4 レビュー

音質|予想外の上品滑らかサウンド

AK HC5の音質についてですが、AK HC 2やAK HC4とは異なる上品で丁寧な音ですね。

某既視感のあるDACと比べても、音の性質は真逆なように感じましたね。

試聴環境
  • スマホ:iPhone 17 Pro
  • アプリ:Apple Music
  • イヤホン:ゼンハイザー IE900
  • ヘッドホン:ゼンハイザー HD 660 S2、HD 800 S
  • 接続方式:4.4mmバランス接続

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

4.9

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向はAstell&Kernにしては滑らかで、硬質さはそこまで感じない上品で丁寧な音のように感じました。良い意味でハデさはなく、高解像度でありつつもしっとりと聴かせるようなタイプですね。

AK HC2やHC4がパワフルで音が前面に迫り出してくるような印象だったので、予想外の音の傾向でした。AK PA10のようなアナログライクなサウンドともまた異なります。

どちらかといえばAK HC3寄りのナチュラルな音をバランス駆動にして、全体的にレンジや解像度感を高めたようなAK HC3の上位版みたいな音です。

硬質な音になりがちなゼンハイザー IE900で聴いてもキツさが際立たず、とても滑らかで角の立たない音になっています。

DACとの相性次第ではボーカルが刺さりがちなIE 900で聴いても、刺さり感まったくなかったですからね。

ボーカルラインはAstell&Kernらしくとても明瞭な音で、他の楽器帯と比べてもボーカルを少し際立たせるような感覚。ボーカルが少し引っ込みがちなIE 900でも、ボーカルにフォーカスして聴けるくらいには際立たせてきます。

低域側のレンジはとても広く、過度に迫力や立体感を加えすぎず、それでいてとても深みのある低域を再現しますね。AK HC4と比べると、低域の沈み込み方が全然違います。

上品で滑らかな音ではありますがレスポンスも良いので、ロックやメタルなどスピード感のある楽曲も問題なくこなせます。ただ、もう少し刺激が欲しいと感じることもあるので、どちらかといえばボーカルものの方が得意かな〜という印象ですね。

この手のドングルDACは高解像度カチッと系や、ニュートラル系のものが多い中、ここまで上品滑らか系のDACも逆に珍しい気がしますね。

リアルタイムアップサンプリング機能「DAR」を使ってみると

AK HC5は、リアルタイムアップサンプリングを可能にするDAR(Digital Audio Remaster)機能を搭載しています。

DARは、高精度アルゴリズムを用いて入力デジタルオーディオのサンプリングレートをPCMは384KHz/352.8KHz、DSDはDSD256にアップサンプリングします。

まずPCM変換DARを試してみましたが、AK HC5の長所をさらに伸ばすような感じでしょうかね。

中域ラインの情報量に厚みが生まれ、低域と高域はより滑らかになるような印象でした。よりバリ感がなく滑らかで生っぽいボーカルを聴きたい時はPCMもアリだと思います。

音の傾向も変えすぎることもなく、あくまで自然に上記にニュアンスをプラスするような感じですね。

次にDSD変換DARを試してみましたが、こちらは全体的に「音が整う」という感じでしょうか?

音のバランスがフラットになってやや薄味になるが、各帯域の繋がりがとにかく滑らかになって、より生っぽく聴かせるようになりますね。ジャズやクラシックなどアコースティック編成の楽曲を聴くときは良さそう。

アップサンプリングをしたからといって音が良くなるというわけではなく、音の構成の仕方が変わるような感覚に近いですね。

どのモードも変化がわかりやすいので、好みに合わせて積極的に切り替えていくのもアリだと思いますよ。

出力もかなり高い

このサイズに対して出力もかなり高め。

AK HC4だと少し出力面でしんどかったゼンハイザー「HD 660 S2」でも、少し余裕のある出力を得られますね。

ハイエンドモデルの「HD 800 S」クラスになると、さすがに据え置きクラスはほしくなりましたね。

5〜10万クラスのある程度の有線ヘッドホンまでであれば、十分に駆動できる出力はあるかと思います。

UACの切り替えでゲーム機でも使える

AK HC5はUACの切り替えができるため、家庭用ゲーム機と接続が可能です。

好きなイヤホンやヘッドホンを繋げれば、AK HC5からゲームの音が流れるようになります。

某DACはUACの切り替えができないため、これは強みになりそうですね。

最近のゲームはサウンドがとても綺麗なものが多いので、あえてAK HC 5で良いイヤホン・ヘッドホンで聴いてみるのもおすすめですよ。

操作性について

操作性についてですが、すべてサイドボタンで行うため直感的には操作はしにくいですね。

設定項目を開くのに長押し→その設定を変更するのに長押し→各切り替えは短押し

という感じで、ややクセのある挙動になっています。

ボリュームノブをうまく活用してほしかった所存。

ちなみにサイドボタンをダブルクリックでボリュームロックができます。

変更できる設定

本体側で変更できる設定は以下の通りです。

設定でできること
  • DARの設定
    →OFF、PCM、DSDの切り替え
  • DAC-Filterの変更
    →6種類から好きな音色を選べる
  • UACの切り替え
    →1.0、2.0
  • スクリーンタイムの調整
  • 画面の方向の変更

主に使う機能としてはDARとDAC-Filterの変更くらいですかね。

というかゲインの設定がないことに驚きました。ボリュームステップを細かく刻めるからいらないという考え方なのかしらね?

携帯性|やや大きめ

AK HC5は本体がそれなりに大きいため、携帯性は良いというわけでもないです。

本体は軽いため、スマートフォンとあわせて使ってもそこまでズシっとはきませんが、やはりスマートフォンとしての利便性は悪くなりますね。

iPhoneユーザーの場合は、MagSafeアクセサリーの「DAC-Pocket Large」を使えば、DAP感覚で持ち運びができますよ。

あとはカラーリングがMacbookに近いので、Mac用のミニ据え置きアンプとして使うのもおすすめですよ。

発熱はやや少なめ

発熱に関してですが、この出力の高さに対してそこまで熱くならない方だとは思います。

DARをDSDにしてしばらく聴いていたら、けっこう熱くなった感じはありしたね。

ホワイトノイズも少なめ

出力の高さの割にはホワイトノイズも少なく、IE 900で使っていても、背景の「サー」とした音がそこまで気になりませんでした。

AK HC5 まとめ

総合評価

4.5/5

AK HC5

  • とても滑らかで上質なサウンド
  • バスパワー駆動にしては出力がとても高い
  • ボーカルラインが際立つ音作り
  • DARやフィルターで音の傾向を変えられる
  • ボリュームステップが150段階と細かい
  • 本体もそこまで熱くならない
  • ホワイトノイズも少なめ
  • 本体がやや大型
  • 操作性がイマイチ
  • 価格が高い

4.9

音質

3.5

携帯性

4.3

拡張性

4.0

利便性

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り
こんな人におすすめ
  • スマホやパソコンの音を気軽に高音質化させたい
  • イヤホン用だけでなくヘッドホン用のDACとしても使いたい
  • 滑らかで丁寧な音が好み
  • ボーカルを際立たせたい

総評して、上品にしっとりとボーカルものを楽しみたい方にとっては、とても良い選択肢になるかと感じました。

出力もとても高いですし、据え置き兼用でも全然いけます。

本体は少し大きいですし、価格も高いですが、Astell&Kernのオハコであるボーカルの強みを活かせるDACが欲しい方にはおすすめですよ

某既視感のあるDACと比べると、見た目はそっくりなのに真逆の性質を持つDACなので、音の好みが合う方はぜひ。

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