こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
有線イヤホン界隈でも最近人気の高いブランド「AFUL(アフー)」から、最新イヤホン「Performer 5+2 (Performer 5+2 (Performer 7)」が登場しました。モデル名のクセがすごい。
この子ね、めちゃめちゃ良かった。ホント良かった。
価格は36000円ほどで、同社の「Performer 5」よりは上、以前紹介した「Performer 8」よりもワンランク下の製品にあたるのかな?
今回のドライバー構成は2DD(ダイナミックドライバー)+4BA(バランスドアーマチュア)、さらに1マイクロプラナードライバーが追加された7ドライバー構成となっています。
AFULでプラナードライバーが使われたのは初めてじゃないですかね。何気に2DDも初めて?
Performer 8とは価格差はありますけど、音の傾向による好みの違いレベルまで張り合える実力があるんですよこの子。
どれほどの実力なのか、Performer 5や8と比較しながら検証していきましょう。
AFUL Performer 5+2 (Performer 7) 外観・付属品
それではAFUL Performer 5+2 (Performer 7)の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)のパッケージはこちら。今回は4.4mmバージョンをお送りいただいています。
開封するとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース3種類×3ペア=計9ペア
- イヤホンケース
- ケーブル
- マニュアル
イヤーピースは3種類付属しています。質感的には中華イヤホンでよく使われる一般的なものって感じ。好きなイヤーピースに変えても良いかとは思います。
本体・ケーブル
まずイヤホン本体デザインがかっちょいい! どう伝えるべきかわかりませんが、宝石チックというか教会チックというか……。
中国の世界遺産の庭園「蘇州古典園林(そしゅうこてんえんりん)」の漏窓(ろうそう)の格子の形状イメージしているみたいですね。耳に世界遺産を宿すことができます。
今までのPerformerシリーズはオレンジ〜赤系色でしたけど、ガラッとイメージを変えてきましたね。
ちなみにPerformer 5、8と比べるとこんな感じ。
どのデザインも好きで優劣はつけにくいですね。
内側はどシンプル。
ケーブルは着脱も可能で、コネクタはフラットタイプの2pin0.78mmを採用。
ノズルは太めかつ長め。軸が浅いタイプだとフィルターごと突き破ってしまう可能性があるので注意。
ケーブルはPerformer 5に付属していたものと似ていますが、素材は銀メッキ8芯144コアの高純度銅ケーブルを採用しているようです。
付属ケーブルとしてはかなり太めですが、しなやかで取り回しは良いですね。
コネクタ部は本体に合わせて2pinフラット仕様になっていますね。たまにケーブル側だけ埋め込み型になっているものもあるから不安……。
耳掛け部分は形状固定型になっています。
分岐部にはちゃんとアジャスターもついています。
プラグは4.4mmストレートタイプを採用。購入時に3.5mmか4.4mmのどちらかを選べるようになっています。
欲を言えば付け替えができるマルチプラグ仕様が良かった。
本体とケーブルを装着するとこんな感じ。2pinの挿入がはじめだけ結構キツいんで折らないように注意してください。
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)の概要・スペック
スペック | AFUL Performer 5+2 | Performer 5 | Performer 8 |
---|---|---|---|
ドライバ構成 | 2DD + 4BA + 1Micro Planar | 1DD + 4BA | 1DD+7BA |
インピーダンス | 15Ω ±20% | 35Ω | 25Ω |
感度 | 109dB @ 1kHz | 110dB @ 1kHz | 115dB @ 1kHz |
周波数特性 | 10Hz – 35kHz | 5Hz – 35kHz | 5Hz – 35kHz |
ケーブルコネクタ | 2ピン (0.78mm) | 2ピン (0.78mm) | 標準2ピン (0.78mm) |
ケーブル長さ | 1.2m | 1.2m | 1.2m |
プラグ端子 | 3.5mm または 4.4mm | 3.5mm または 4.4mm | 3.5mm または 4.4mm |
価格(相場による) | 36,000円ほど | 33,000円ほど | 56,000円ほど |
こう見ると、2つの異なるドライバーが追加されてパワーアップしているのに、価格は3000円ほどしか上がっていないんですね。
Perfomer 5もかなり評価の高い製品でしたけど、5+2の音質の向上幅次第では3万円台では最強クラスになるのでは?
AFUL Performer 5+2 (Performer 7) レビュー
装着感|オーダーメイドかのようにピッタリ
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)の装着感はボクの耳には超ピッタリで、まるでオーダーメイドで制作するカスタムIEMかのように耳にフィットします。
実際に装着してみるとこんな感じ。耳が蘇州古典園林。
前から見るとこんな感じ。
装着感については個人差があると思いますが、かなり良いと思いますよ。
遮音性も高く、屋外でもストレスなく使えるかと思います。
ちなみにPerformerシリーズはSpinFit W1を使ってあげると、いつもいい感じになってくれます。音も太くなるように感じますしおすすめですよ。
装着感 | (4.7) |
音質|上位モデルと比べても好みの差レベル
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)の音質についてですが、冒頭で伝えた通りこの子めちゃめちゃ良いです。
この価格でPerformer 8と好みの差に近いレベルまで張り合える実力はあるように感じました。
- DAP:SONY NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:100時間ほど
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)の音の特長は次のとおりです。
4.9
高音
4.8
中音
4.8
低音
一聴して感じたことが「マイクロプラナードライバーめっちゃいい仕事してるやん」でした。
音の傾向
音の傾向的には弱ドンシャリ型だとは思いますが、ボーカルも埋もれることなくしっかり前に出てくるW字型の傾向ですね。
多分、ワシW字型の傾向が一番好きだわ。
Performer 5や8も同じような傾向でしたけど、出すところは出して、締めるところは締めるを徹底した感じのタイトな音に変化していますね。
高域
Performer 5〜8ではBAならではの高解像度でありつつ硬質な高域が特徴でしたが、最近のマイクロプラナー搭載モデルと比べると上に伸びきらない感覚も少しありました。
Performer 5+2の高域はマイクロプラナーならではの線が細く繊細に伸びる高域に進化し、弦楽器に抜け感のある小気味良い音が加わるようになりました。
ただ、中高域を圧で攻めてくるようなキレの良さや、解像度感はPerformer8の方が上のように感じましたね。
YOASOBIで例えると、ハルジオンのようなアコギを使った繊細なエモいポップはPerformer 5+2の方が良くて、祝福やUNDEADのようなゴリゴリエレクトロポップはPerformer 8の方が相性が良く感じました。
低域
低域もPerformer 5で感じていた少し膨れてしまう感覚が抑えられ、よりタイトにスナップ感のある迫力が加わるようになりました。
不足感はなく、むしろしっかり目に出ていると感じると思います。
1DDを追加された影響か奥行きも感じられる立体的な低音になっていて、ゴリゴリとしすぎず上質な迫力を加えてくれるような感覚です。2DDでブーミーさを感じさせないのもすごい。
中域
こちらもマイクロプラナーの影響か、Performerハイトーン系の女性ボーカルの声の輪郭がとてもクッキリしています。
ずっと真夜中でいいのに。やYOASOBIのような超ハイトーン系ボイスはその恩恵を特に感じやすいと思います。
Performer8と比べてもボーカルの定位が真ん中でビシッと定まっている感覚がありますね。
声の情報量としての密度はPerformer 8が上、声の輪郭の良さはPerformer 5+2が上という印象ですかね。楽曲にもよりますけど、ボーカルの表現力だけならボクはPerformer 5+2の方が好みかも。
ただ、楽曲によっては男性ボーカルはサラッとして低域と同化してしまう感覚はありましたね。もうちょっと中低域側に深く沈み込んでほしいかな〜。男性ボーカルを中心に聴くならPerformer 8の方がいいと思います。
音場
音場もPerformer 5や8と比べても上方向に広がっているような感覚で、音がタイトになった影響か、一つ一つの音の見渡しが良くなったように感じますね。
おすすめのジャンル
おすすめのジャンルは今までのPerformerシリーズ同様にポップスやロックですが、高域が繊細な表現ができるようになったことでジャズやクラシック・弾き語りなどアコースティック系との相性が爆発的に良くなりました。オールジャンルOKです。
Performer 8の下位モデルとして考えず、芯の部分は同じではあるけど得意なゾーンは異なる別物として考えた方が良いと思います。
AFUL Performer 5+2 (Performer 7) まとめ
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)をまとめると以下のとおりです。
総合評価
5/5
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)
- 価格に対して音質がとても良い
- 高域がとても繊細に伸びる
- 低域が立体的で迫力がある
- ボーカルの輪郭がクッキリとしている
- さまざまなジャンルに合わせられる
- 高いビルドクオリティ
- プラグの交換ができない
- 2pinコネクタの抜き差しが硬い
4.9
高音
4.8
中音
4.8
低音
4.8
解像度
4.7
迫力
4.7
装着感
AFUL Performer 5+2 (Performer 7)はこんな人におすすめ
- 予算3万円ほどで有線イヤホンを探している
- さまざまなジャンルを好んで聴く
- 勢いのある音よりはどちらかといえば繊細で伸びの良い音の方が好み
Performer 5+2めちゃめちゃ良かったですね!ボクが試してきた有線イヤホンのなかで、3万円台までなら一番好きかも。マイクロプラナードライバーの追加は大正解だと思います。
Performer 8と比べると2万円近く離れていますが、好みレベルで張り合える実力があるの凄くね?
情報量の多さや音圧・勢い重視ならPerformer 8の方が良いと思いますし、繊細さや伸びの良さ・女性ボーカルの輪郭の良さを重視するならPerformer 5+2が良いと思います。
この方向性でマイクロプラナーを追加したPerformer 8+1的なイヤホンを5万円台で出せばめっちゃ売れそう。
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