こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
最近のフラッグシップモデルのヘッドホンは、どれも5万円近くして高っい製品ばっか。
良いヘッドホンを買うにしても、さすがに予算3万円くらいまでで抑えたいという方に、あのゼンハイザーからミドルクラスの新製品が発表されました!
それが今回紹介する「ACCENTUM Wireless」です。
デザインがかっこええ!!
MOMENTUM 4 Wirelessで気になってたハウジングの溝がなくなってる!! もうこの時点で評価が高い。
- ハイブリッドANCを採用
- 外音取り込みにも対応
- 50時間の連続再生に対応
- 自社開発の37mmトランスデューサーを搭載
- マルチポイントにも対応
- 価格は29,300円
フラッグシップモデルのMOMENTUM 4 WIrelessの定価が54,890円ということもあって、なかなか手が出ないという人も多かったと思いますが、今回は3万円以下!
しかもスペック上はほぼ近いレベル!
今回はMOMENTUM 4 Wirelessとの比較を中心に、ACCENTUM Wirelessの実力を確認していきましょう。
総合評価
4.8/5
ACCENTUM Wireless
- ミドルクラスでも妥協のない音質
- ハウジングの溝がなくなってオシャレなデザインに
- 軽快な装着感
- マルチポイントに対応
- 最大50時間再生可能
- 自動装着検出がついていない
- 収納ケースが付属していない
- aptX Adaptiveには非対応
- マイク性能がイマイチ
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.8
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.4
外音取り込み
3.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 最大50時間 |
コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX HD (48kHz / 24bit ) | 充電時間 | 3時間 (フルチャージ) / 10分 (5時間動作) |
ドライバー | 37mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 約222 g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 2年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
▼動画版はこちら▼
ACCENTUM WirelessとHD450BT、MOMENTUM 4 Wirelessのスペックを比較
以下に、ACCENTUM Wirelessと前作にあたるHD450BT、そしてフラッグシップモデルのMOMENTUM 4 Wirelessの主なスペックを比較した表を作成しました。
スペック項目 | ACCENTUM Wireless | HD450BT | MOMENTUM 4 Wireless |
---|---|---|---|
ドライバー | 37mmダイナミック | 37mmダイナミック | 42mmダイナミック |
周波数特性 | 10Hz ~ 22,000 Hz | 18Hz~22kHz | 6Hz 〜 22kHz |
無線規格 | Bluetooth 5.2 + Class 1 (最大10mW) | Bluetooth Ver.5.0/Class1 | Bluetooth 5.2 + Class 1 (最大10mW) |
コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX HD (48kHz / 24bit ) | SBC, AAC, aptX, aptX Low Latency | SBC, AAC, aptX, aptX Adaptive (96kHz / 24bit ) |
ノイズキャンセリング | ハイブリッド | フィードバック | ハイブリッド アダプティブ |
外音取り込み | ◯ | – | ◎(シームレス) |
スマートポーズ | – | – | ◯ |
オートパワーオフ | ◯ | – | ◯ |
マルチポイント | ◯ | – | ◯ |
サウンドパーソナライゼーションモード | – | – | ◯ (ハイレゾオーディオモード96kHz / 24bitとの併用不可 ) |
動作時間 | 最大50時間 (iPhoneボリュームmid、ANC on) | 最大30時間 (iPhoneボリュームmid、ANC on) | 最大60時間 (iPhoneボリュームmid、ANC on) |
充電時間 | 3時間 (フルチャージ) / 10分 (5時間動作) | 2時間 | 2時間 (フルチャージ) / 5分 (4時間動作) |
本体重量 | 約222g | 約238g | 約293g |
価格 | 29,300円 | 24,200円 | 54,890円 |
HD450BTと比べても大幅にスペックアップしていることがわかりますね!今時のヘッドホンで外音取り込み機能とマルチポイントがついていないのは、正直ツラい。
MOMENTUM 4 Wirelessとコーデックやノイズキャンセリングの精度、外音取り込みやその他の仕様など一部異なる点もありますが、基本スペックは近い感じにはなっていますね。
最近のコーデックとしては珍しくaptX HDまでというのが気になりますが、音質が良くて接続が安定すればHDでもadaptiveでもどっちでもいいです。
ACCENTUM Wireless 外観・付属品
それではACCENTUM Wirelessの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
ACCENTUM Wirelessのパッケージはいつものゼンハイザーらしいデザイン。
開封するとこんな感じ。
付属品
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
コストを抑えた影響か、キャリングケースが付属していません。ここが残念。
あと、めずらしくヘッドホンケーブルも付属していません。
充電ケース・本体
本体はこちら。
MOMENTUM 4 Wirelessと比べると少しだけコンパクトになっています。
MOMENTUM 4 Wirelessで気になっていたハウジングの溝が…… ない……っ!
これだけでもう評価が高い。MOMENTUM 4 Wirelessはなぜ溝を作ったのか……。
ヘッドバンドはACCENTUM Wirelessは樹脂素材のシンプルなデザインに対して、MOMENTUM 4 WIrelessはファブリック素材で高級感のあるデザインです。
ロゴの素材感もそれぞれ異なりますね。
アーム部は無段階の調整が可能。
パッドの素材感はMOMENTUM 4 WIrelessとそこまで変わらず、ミドルクラスであってもモチモチフワフワで装着感も良さそうです。
ハウジングもMOMENTUM 4 WIrelessと比べて、僅かに薄くなっている気がします。
ヘッドパッドの素材や質感もMOMENTUM 4 WIrelessと変わらない印象です。
ACCENTUM Wirelessは物理ボタンに対して、MOMENTUM 4 Wirelessはタッチセンサーを主に使用した操作のため、ボタンは一つしかありません。
あと、このような価格では珍しく、ヘッドホンジャックは搭載されていません。
つまり、アナログでの有線接続はできず、USB接続かBluetooth接続でしか使えません。
最後に重さですが、ACCENTUM Wirelessの重量は221.1g、MOMENTUM 4 WIrelessの重量は292.5gです。
持ってみた感覚でもACCENTUM Wirelessの方がかなり軽いですね。
ACCENTUM Wireless レビュー
MOMENTUM 4 Wirelessよりも装着感が軽い!
装着感はMOMENTUM 4 WIrelessのようなガッツリ目な感じでもなく、とても軽くて使いやすいですね。
実際に装着してみるとこんな感じ。デザインが美しい!
前から見てもそこまで飛び出していないので、スマートな印象を受けますね。
MOMENTUM 4 WIrelessよりもハウジングが小ぶりになりましたが、耳全体を覆うような装着感で圧迫感もないですね。
イヤーパッドもMOMENTUM 4 Wireless 4同様にもちもちですし、耳も痛くなりにくいです。
装着感の軽さを考えると、MOMENTUM 4 WIrelessよりも装着感は良いですね。
装着感 | (4.8) |
音質も大きな差はない
ACCENTUM Wirelessの音質ですが、意外とMOMENTUM 4 Wirelessと大きな差はないように感じました。
もちろん、MOMENTUM 4 WIrelessの方が音は良いですよ?
ただ、その差分が価格に対してけっこう少なめなんですよね。
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
得意なジャンル
- オールジャンル
音の傾向はゼンハイザーらしい楽器にフォーカスを当てたような音作りで、MOMENTUM 4 Wirelessの基本の傾向は引き継いでいるような感じですね。
高音はMOMENTUM 4 Wireless同様に豊かに瑞々しく、それでいてフレッシュに鳴らすようなパワフルさと繊細さをどちらも持ち合わせる音作りです。
細かな音の緻密さや伸びの良さはMOMENTUM 4 Wirelessが上ですが、そこまで質の差はありません。
中音のボーカルラインも少しの解像度の差はありつつも、こちらもMOMENTUM 4 Wirelessとの差分も少なめ。
一番差分を感じる点が低音の臨場感。MOMENTUM 4 Wirelessは重心が低めでドッシリとした鳴らし方で、バスドラムも空気を揺らすような大迫力サウンドで鳴らしてくれます。
ただ、MOMENTUM 4 Wirelessと違って低音がドッシリとさせすぎずに、高音とのバランスが取れた聴きやすい音作りに変化しています。
対してACCENTUM Wirelessは低音の量感は確保しつつも、中高域との調和の取れたバランスの良いチューニングです。
聴きやすさやジャンルの合わせやすさは、ACCENTUM Wirelessに軍配が上がるように感じました。
つまり、MOMENTUM 4 Wirelessと実売価格2万ほど離れているのに、大きな差分はないということですよ。
音にフォーカスを当てれば、コスパはとても高いと言えます。
オールジャンルこなせる
ゼンハイザーらしくオールジャンルに適した音作りで、ロック、ポップスはもちろん、ジャズ、クラシック、ヒップホップ、EDMまであらゆるジャンルをこなせます。
ハードロックやEDMをもっとノリ良く楽しみたい場合はMOMENTUM 4 Wirelessの方がおすすめですが、そこまでの迫力は必要ないという場合はACCENTUM Wirelessでも良い気がします。
USBオーディオでさらに高音質
ACCENTUM WirelessはUSBオーディオにも対応しています。
パソコンとの接続はもちろん、iPhone 15に直接USB-C to Cで接続しても音が出ましたね!
Bluetoothとは違ってデータを圧縮しないので、より情報量たっぷりの緻密なサウンドになります。もちろんUSB接続の方が音が良いです。
ただ、意外とBluetooth接続時との音の差分は少ない印象で、音質の良さよりも利便性の高さを重視して、結局Bluetoothで使いそうな感じですね。
ノイズキャンセリングもなかなか優秀
ACCENTUM Wirelessのノイズキャンセリングは思ったより悪くないですね。
超強烈ってわけでもないですけど、電車の中で音楽を流しておけば、雑音があまり気にならないレベルになります。
MOMENTUM 4 WIrelessと比べるとさすがに負けますね。あちらもノイズキャンセリング性能は他のワイヤレスヘッドホンと比べてもかなり高い方なんで。
同じ電車内で聞いた場合だと、MOMENTUM 4 Wirelessの方がより雑音を感じずに音楽に集中できます。
レベルで伝えると、MOMENTUM 4 Wirelessのアプリで「ウィンドノイズリダクション」を”最大”にした時の遮音性と同程度です。
ACCENTUM Wirelessは風切り音がそのままだと少しうるさめですが、こちらもアプリで「ウィンドノイズリダクション」を自動にしてあげれば改善されます。
ノイズキャンセリング | (4.3) |
外音取り込みはMOMENTUM 4 Wirelessより勝ってない?
意外だったのが、外音取り込み機能。
こちらは逆にACCENTUM Wirelessの方がほんの少し自然で、優秀なように感じましたね。MOMENTUM 4 Wirelessの時に感じていた耳が詰まった感が少しだけ少なくなっています。
精度的には、音楽を一番最小音量にしていてギリギリ会話ができるレベルでしょうか。
音楽を流さないでおけば、ふつうに家族とも会話ができました。
ヘッドホンとしてはなかなか実用的な外音取り込みのように感じます。
外音取り込み | (4.4) |
操作は物理ボタンを採用
個人的にMOMENTUM 4 Wirelessとの1番の差分を感じたのは操作性。
MOMENTUM 4 WIrelessは音量調整から再生停止までハウジングを指でスライドして直感的に操作ができるのに対して、ACCENTUM Wirelessは完全に物理ボタンでの操作です。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | 再生・停止ボタンを1回押す |
曲送り | 再生・停止ボタンを2回押す |
曲戻し | 再生・停止ボタンを3回押す |
音量を上げる | 音量+ボタンを1回押す |
音量を下げる | 音量-ボタンを1回押す |
外音モードの切り替え | 電源ボタンを2回押す |
音声アシスタント | 電源ボタンを1回押す |
ペアリングモードへの移行 | 電源ボタンを長押し |
外音モードの切り替えが電源ボタンを2回押す必要があるので、そこがちょっと面倒な感じはありますかね。
ヘッドホンで物理ボタンだと、どこが音量+ボタンかなのか、電源ボタンなのか、慣れが必要なので、MOMENTUM 4 Wirelessのような直感的な操作が一番理想です。
またMOMENTUM 4 Wirelessは手に取っただけで自動で電源がONになる機能もあるので、電源をONにするという操作さえも省略できます。
ただこの機能は、どうでもいいときに勝手に電源がONになってしまってペアリングを完了させていまうという妨害もすることがあるので一長一短だったりします。
このスマートな操作ができるかどうかの違いが、MOMENTUM 4 WirelessとACCENTUM Wirelessの一番の違いのように感じましたね。
やはりMOMENTUM 4 Wirelessの方が圧倒的に操作しやすいです。
アプリでカスタマイズも可能
MOMENTUM 4 Wirelessは専用アプリでイコライザー設定やカスタマイズを行えます。
アプリでできることは次のとおりです。
- イコライザー
- サウンドチェック
- アクティブノイズキャンセリング設定
- 側音の調整
- Tileの設定
- 自動パワーオフ設定
- ファームウェアアップデート
イコライザー
イコライザー設定では5バンドに対して自由に割り振れるのに対して、細かく調整できます。
また、バスブーストのON・OFF、ポッドキャストモードのON・OFFの切り替えなどが可能です。
低音が足りないと感じたら、バスブーストをONにしても良いかと思います。
けっこうゴリゴリの低音になります。
サウンドチェック
自分にぴったりのイコライザーを探すような機能ですね。
MOMENTUM 4 Wirelessにあるようなサウンドパーソナライゼーションとはまた全然違います。
ノイズキャンセリング設定
ノイズキャンセリング設定では、ウィンドノイズリダクションモードのON/OFFや自動と、外音取り込みモードにした時に音楽を一時停止するかどうかの設定ができます。
ウィンドノイズリダクションをONにすると、気になっていた風切り音が少なくなります。
ただ、ノイズキャンセリング性能が少し弱くなります。
マルチポイントの挙動も問題無し。
マルチポイントの挙動も問題なしで、電源OFFにしたあと再びONにしても、あらかじめペアリングしておいた2つのデバイスに自動で接続されます。
aptX HDとの併用も可能で、不便なくマルチポイントも使えます。
遅延も少なめ
遅延もまあまあ少なめです。Prime Videoでアニメを見たり、YouTubeで動画を見るくらいには問題がないレベルです。
PVを見ても違和感がありません。
ゲームモードのようなものはないので、FPSや音ゲーには向いていないですね。
マイクは少しガサついている
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
バックで雑音を流した状態で録音しましたが、雑音は抑えられているけどマイク音声がやけにガサついてい流ように感じました。
あまりマイク性能は高くなさそうです。
通話品質 | (3.5) |
ゼンハイザー ACCENTUM Wireless まとめ
ACCENTUM Wirelessをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
ACCENTUM Wireless
- ミドルクラスでも妥協のない音質
- ハウジングの溝がなくなってオシャレなデザインに
- 軽快な装着感
- マルチポイントに対応
- 最大50時間再生可能
- 自動装着検出がついていない
- 収納ケースが付属していない
- aptX Adaptiveには非対応
- マイク性能がイマイチ
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.8
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.4
外音取り込み
3.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 最大50時間 |
コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX HD (48kHz / 24bit ) | 充電時間 | 3時間 (フルチャージ) / 10分 (5時間動作) |
ドライバー | 37mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 約222 g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 2年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
ゼンハイザー ACCENTUM Wirelessはこんな人におすすめ
- 予算3万円以下で音質にこだわったワイヤレスヘッドホンが欲しい
- 音質だけでなく機能性にもこだわりたい
- ロックからさまざまなジャンルを聴く
一言で伝えるなら、兄貴よりオシャレで小回りがきく弟分ですね。
MOMENTUM 4 Wirelessが音質もデザインもノイズキャンセリングもパワータイプだとすれば、ACCENTUM Wirelessはスピードタイプみたいな感じです。
弱点らしい弱点も少なくて、音質・デザイン・機能性・コスパに優れた万能型のワイヤレスヘッドホンですね!気になるのは自動装着検出がついていないくらいかなー。
予算を抑えてACCENTUM Wirelessを買ったとしても、「MOMENTUM 4 Wirelessにしておけばよかった……っ!」と後悔することはない完成度だと感じましたね。
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