【IKKO ITM05 レビュー】iPhoneと共存できる高音質ポタアン

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はiPhoneとドッキングできるUSB-DAC内臓ポータブルアンプ「ITM05」を紹介します。

ITM05の特徴
  • iPhoneまたはAndroidに直結できるポータブルアンプ
  • CS43198をDualDACで構成
  • 最大PCM32/384kHzDSD256をサポート
  • 3.5mmシングルエンド(2.1Vrms) と、2.5mmバランス(2.0Vrms) の2つを装備
  • ITM05を付けたままデバイスの充電が可能
  • 据え置きのヘッドフォンアンプのように使えるDOCK「ITM06S」が付属

Lightningに直結できるタイプのポタアンをずっと探していたのですが、iBassoのDC03のようにAndroidしか使えないものや、Lightningで使えたとしてもパッとしないものばかりでした。

しかし、ついにiPhoneとドッキングできるポタアン「ITM05」が日本でも発売開始!

果たして実力はどれほどなのか?購入してきましたので実機を使って音質や使いやすさを詳細にレビューしていきます。

総合評価

3.0/5

ITM05

  • 艶やかさと高解像度を両立した音質
  • 他のポタアンと比較しても音が良い
  • iPhoneにずっと着けていても邪魔にならない
  • 接続しながら充電ができる
  • たまに音途切れが発生する
  • 耐久性に難あり?
  • iPhoneの充電が溜まるのが遅い

4.4

高音

4.6

中音

4.3

低音

4.6

解像度

4.3

迫力

4.8

利便性

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

IKKO ITM05 概要

ITM05スペック
DAC チップCirrus Logic CS43198×2
THD+N<0.0008%
PCM32Bit /384kHz
DSD256まで対応DSDネイティブ再生
推奨インピーダンス16~600Ω(ヘッドフォン出力)
入力端子Lightning(Apple MFI 認証)
出力端子2.5mm4極バランスジャック/ 3.5 ㎜ ステレオミニジャック
充電端子Type C
重量30g
外音取り込み×
保証期間1年
定価
ITM05 DOCK
入力端子ITM05用 Lightning |PC 接続用 TYPE-C ポート
出力端子拡張用 USB TYPE-C ポート×1/ USB TYPE-A ポート×1
音声高音質マイク×1
ボタンマイク ON/OFF ボタン
ボリューム音量調整ボリューム

DAC チップはCirrus Logic(シーラスロジック)の「CS43198」を2基採用したDualDAC構成。声DAPとして知られる50000円ほどするA&norma SR15と同じチップですね。

最大PCM 32/384kHz 、DSD256に対応し、大体どんな音源でも再生できます。

今回レビューをするLightningタイプの他に、Androidと直結するUSB-Cタイプもあります。

3.5mm端子のほかに2.5mm4極のバランス出力にも対応しており、iPhone向けのポータブルアンプとしては完璧なスペックです。

それでは本体や付属品の解説をしていきましょう。

まず、ITM05のパッケージ。ポタアンとは思えないアートのようなパッケージです。

箱を取り出しやすいように指で押し込む用の穴もあります。

開封するとこんな感じ。IKKOのピンバッジまで付属しています。どこで使えば…。

DOCKを開封するとこんな感じ。ITM05本体と比べ簡素に感じますね。

ITM05の付属品一覧です。

付属品一覧
  1. Lightning to USB-A ケーブル
  2. USB Type Cケーブル
  3. フェライトコア
  4. ITM05 DOCK
  5. マニュアル

まさか、Lightning to USB-A ケーブルが入っているとは思っていませんでした。

しかもIKKOのロゴプリント付き。

こちらはUSB Type Cケーブル。ITM05DOCKとPCを接続するときに使えます。

フェライトコアも付属。PCとUSBケーブル接続するときにUSBケーブル側に挟み込んでおくと、ちょっとしたノイズ対策になるかと。

ITM05の本体はこちら。IKKOのロゴが印字されたシンプルなデザイン。

クッション性の高い素材でふわっとしています。

裏側は傷がつかないようにカバーがついていました。簡単にスペックの紹介もしていますね。2.5mmの方が出力が小さいって珍しい。

本体下部に3.5mmイヤホンジャックと、Lighningのオスとメスがそれぞれ一つずつ備わっています。

本体上部には2.5mm4極バランス端子があり、専用端子でさらに高解像度で聴くことができます。

ITM05の厚みは約10.0mm

縦幅、横幅は約49.2mmの正方形のデザイン。

iPhoneとのドッキングはLightning端子との接続と裏面の粘着シートで吸着させます。

かなり粘着力が高いため、僕は上部2つだけだけ保護シートを剥がして使っています。

ホコリが汚れがついて引っ付かなくなりそうな気がしますが、使い続けないと分からないですね。

かじかじ

劣化してきたら100均の粘着シートでも代用できそうな気がする。

ちなみに下向きにしても全然はがれません。iPhoneと一体化したかのように使えますよ。

Lightning端子部はやや短いため、お使いのiPhoneケースによっては干渉する可能性がありますのでご注意ください。

一見、Lightning端子の着脱が難しそうですが、指を引っかける箇所があるので、そこを引っ張れば簡単に取れます。

全体的にiPhoneユーザーが使いやすいように細かな仕様まで気の利いたポタアンのように感じました。

では実際にITM05を使っていきましょう。

IKKO ITM05 レビュー

細かく、そして美しく鳴らす

ITM05の試聴環境はこちら

  • スマートフォン → iPhone XR
  • イヤホン → NICEHCK NX7
  • 再生アプリ → ストリーミング:Apple Music ハイレゾ:HF Player

ITM05の音質はiPhone直結と比べると、音の解像度や情報量、そして一音一音に混じる余韻の美しさが何倍にも良くなります。

音の特長
  • 高音:粒立ちがとても良く、超高域の細かな音まで逃さない。音は乾きすぎず、程よい余韻が加えられた美しい音。
  • 中音:声の立ち上がりが良く、ピークラインまで歯切れの良く艶やかに鳴らす。また、ボーカルと主旋律の音をしっかり棲み分け、それぞれの音の輪郭を感じとれる。
  • 低音:ボワつきのない締まりのある音。余計な迫力や厚みを加えないので、イヤホンの特性を出しやすい。
  • 音場:広くもなく狭くもなく。
  • 傾向:フラットでリスニングライクな音。程よいウェットさがある。
  • レスポンス:音の立ち上がりが良く、音が団子にならない。BPMが早く音数が多い楽曲でも再現する。

イヤホンの特性を引き出しながら、ニュートラルに少しだけ色気を加えた音作り。その出力の高さで音の立ち上がりが非常に良くなります。

一言で伝えるとしたら「艶っぽくも高解像度」な音。

iBasso DC03の解像度と、同社IKKO ITM03の音密度を足して2/3にしたような音です。それぞれ実機はもっておらず、店頭で比較した時の感覚なので、参考程度に見ていただければ幸いです。

かじかじ

まさにこんな音が鳴るiPhone直結型のポタアンを探していた!!

もちろんハイレゾ音源も問題なくiPhoneで鳴らせます。

ハイレゾ音源で「宇多田ヒカル/First Love」を聴いてみましたが、ストリーミング音源と比べ音の密度や定位、解像度が明らかにアップ。

宇多田ヒカルの声が録音スタジオからマイク越しに生で聴いているかのようにリアルで良い鳥肌が立ちました。

iPhoneでも気軽にハイレゾを聴けるのはありがたいです。

まとめると、大満足の音質。解像度が高すぎて”音楽”を楽しめない方、余韻や低音が多すぎて”音”を楽しめない方、どちらの方にもおすすめできる解像度と艶やかさのバランスの取れたポタアンです。

かじかじ

筆者はアンバランス派ですが、より高解像度で聴きたい方は別途ケーブルを買って本体上部の2.5mmバランスで聴くのもおすすめ!

高音(4.4)
中音(4.6)
低音(4.3)
解像度(4.6)
迫力(4.3)

据え置き型のヘッドホンでも鳴らす

ITM05の出力はかなり高く、T1やHD 660 S クラスだと厳しいですが、HD599やDENONのD7000、9000あたりであれば十分に鳴らし切ることができます。

ゲイン調整はありませんが、小音量時も出力過多になることもなく、インピーダンスの低いイヤホンでも適正な音量で繊細に鳴らすこともできます。

iPhoneと一体化したかのように使いやすい

ITM05はiPhoneの一部になったかのように使うことができ、四六時中ITM05を付けっぱなしでも全然邪魔になりません。

バンカーリングを使っても重みで傾くこともありません。

普段iPhoneの下部に小指を乗せて使うのですが、乗せる面積が増えて逆に手に馴染むようになりました。

充電が必要な重たいDAPを持ち運ぶ必要もなく、充電いらずで手軽にiPhoneで高音質を体感できますね。

かじかじ

お店でも有線イヤホンを試聴しやすいわ♪

iPhoneから外さなくても充電ができるが

ITM05を使っていて地味に凄いと思ったのか、iPhoneに装着したままでも充電ができるということ。

iPhoneを充電するために、わざわざITM05を取り外す必要もなく、ITM05のメス端子にケーブルを差し込めばiPhoneが充電されます。ずっと付けっぱなしでもオッケー

※追記 ずっとつけっぱなしで運用しているとiPhoneの充電がたまりにくいようで、なかなか満充電にならなかったり、そもそも充電ができないエラーがたまに発生したりと何かと不便で結局外して使うことに…。

利便性(3.8)
かじかじ

ずっと付けっ放しで使えればいいんだけど、充電がたまりにくいのは不便。

耐久性に難あり?

何度か使用しているうちに音途切れを繰り返すようになってきました。Lightning端子側ではなく、おそらくヘッドホン端子側が影響しているように感じます。

プラグの接点が外れると、アンプが自動でOFFになる仕様のようですが、なんども接点が解除されブツブツと音途切れが発生するように。

Lightning端子側も口コミを見る限りだとあまり丈夫ではないようで今後の運用が心配になってきました…。

DOCKを使えばパソコン用の据え置きアンプに早変わり!

ITM05はポータブル用だけでなく、付属のDOCKにITM05を差し込むことによってパソコン用の据え置きアンプとしても使うことができます。

パソコンとUSB-C端子で接続ができるのですが、使えるUSBポートが無くならないように拡張用のUSB-A・USB-Cポートが備わっています。

ボリュームノブも備わっており、アナログ感覚でパソコンのボリュームを調整することができます。

MACのシステムボリュームと連動し、直感的な音量操作ができますね。

また、前面にはマイクもついており、イヤホンを装着しながらハンズフリーの通話にも対応。ボリュームノブを押し込むことによって「ON/OFF」を切り替えることができます。

普段イヤホンで音楽をしながらテレワークをしている方であれば、そのまま音声チャットもできるので、イヤホンやマイクの切り替えの必要もなく楽チンですね。

かじかじ

DOCKも親切設計!

IKKO ITM05 まとめ

総合評価

3.0/5

ITM05

  • 艶やかさと高解像度を両立した音質
  • 他のポタアンと比較しても音が良い
  • iPhoneにずっと着けていても邪魔にならない
  • 接続しながら充電ができる
  • たまに音途切れが発生する
  • 耐久性に難あり?
  • iPhoneの充電が溜まるのが遅い

4.4

高音

4.6

中音

4.3

低音

4.6

解像度

4.3

迫力

4.8

利便性

ITM05はiPhoneと親和性が高く一体化したかのように使えますが、しばらく運用していると音途切れが発生したり、充電がたまりにくかったりと色々運用しづらい部分も見えてきました。

愛機として使うつもりでしたが、今後の運用は心配しかありません。音は好みだっただけに残念です。

かじかじ

端子の接点の耐久性はマジで気にしてほしいっ!!

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