ゼンハイザーからテレビで使えるトランスミッター付きのワイヤレスヘッドホンシステムが登場しました。
それが今回紹介する「RS 275」です。価格は税込49,280円前後で発売される予定です。

こちらの製品、ヘッドホンの「HDR 275」、ワイヤレストランスミッター「BTA 1」、そしてヘッドホンスタンドがセットとなっている製品となります。
特にすごいのが、このワイヤレストランスミッターの「BTA 1」

Dolby Audioデコードやバーチャルサラウンド処理なども行えるトランスミッターで、さらに最新規格「Auracast」に対応し、1台のトランスミッターから複数台のヘッドホンへ同時接続が可能になります。
夜中に家族を起こさないように一人でヘッドホンを使ってテレビを見るだけでなく、Auracastは複数接続もできるため、子供達が寝てから夫婦で好きなヘッドホンを使って子供を起こさないように映画やアニメを見ることもできます。
単体でも販売予定で税込25,300円前後とのこと。
ちなみにヘッドホンの「HDR 275」もエントリーモデルの「ACCENTUM Wireless」をベースにしているため、その音質もなかなかのものとなっています。
今回はSonova Consumer Hearing Japanさんから紹介用に先行で提供いただいたので、どれほどの実力か検証していきましょう

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Sennheiser RS 275 外観・付属品
それではSennheiser RS 275の外観や付属品をチェックしていきましょう。
付属品

- ヘッドホン(HDR 275)
- トランスミッター(BTA1)
- ヘッドホンスタンド
- 光デジタルケーブル
- 3.5mm アナログケーブル
- USB Type-C to Cケーブル
- USB Type-A to Cケーブル
特筆すべきはヘッドホンスタンドが付属する点。なkあなかシンプルでおしゃれなヘッドホンスタンドなんですよね。別売りで売ってくれないかしら。

ケーブル類はカラーコード付きで、テレビ裏の配線が苦手な方でも直感的に接続できる親切設計になっています。
トランスミッター
トランスミッター「BTA1」は、入力切替ボタンとサウンドモード切替ボタンを天面に配置したシンプルなデザイン。

サイズは非常にコンパクトで、テレビボードにも十分置けるほどのサイズ感。

背面にはHDMI ARC、光デジタル、3.5mm、USB-C入力を装備し、テレビだけでなくPCとの接続も可能です。

給電用のUSB-C端子も側面に備えています。

ヘッドホン
ヘッドホン「HDR 275」は、ACCENTUMシリーズをベースにした軽量設計。

イヤーカップには大型の物理ボタンを搭載し、音量調整などが手探りでも行いやすくなっています。

イヤーパッドは通気性の高いファブリック地を採用。

ドライバーにはACCENTUM Wirelessと同じく、自社開発の32mmダイナミックドライバーを搭載しています。

最後に重さですが、約195gとワイヤレスヘッドホンとしてはかなり軽めです。

Sennheiser RS 275 スペック
| Sennheiser RS 275 スペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | ダイナミック・密閉型(オーバーイヤー) |
| ドライバー | 32mm径 自社開発トランスデューサー |
| 再生周波数帯域 | 6 Hz ~ 22,000 Hz (-10 dB) |
| 通信規格 | Bluetooth 5.4 / Auracast™ |
| 対応コーデック | LC3, aptX Adaptive, aptX, AAC, SBC |
| バッテリー持続時間 | 最大 約50時間 |
| 充電時間 | 約2時間(USB-C充電) |
| 送信機(BTA1)入力 | HDMI ARC, 光デジタル, 3.5mmアナログ |
| 本体重量 | ヘッドホン:約195g / 送信機:約100g |
| 付属品 | HDMI/光/3.5mm/USBケーブル、ヘッドホンスタンド |
Sennheiser RS 275 レビュー
装着感|超軽量かつ蒸れにくい
まず、ヘッドホンHDR 275の装着感についてですが、本体が軽量設計なおかげで長時間装着していても不快な感覚が少ないように感じました。
実際にに装着してみるとこんな感じです。

側圧はやや強めかな?

ファブリック素材のイヤーパッド内の通気性もしっかり確保できていますし、あとノイズキャンセリングが効いているのかな?と感じたくらい遮音性は高かったですね。
映画一本(約2時間)を見続けても、耳が蒸れて不快になることがなく、快適に映画に没頭できましたね。
| 装着感 | (4.5) |
音質|セリフがくっきり、迫力もしっかり
HDR 275にBTA 1で接続した際の音質についてですが、ベースモデルのACCENTUM Wirelessと比べて、かなりテレビ音声向けに特化したチューニングになっていることがわかります。
なんというか、声! 迫力!みたいなチューニングになっています。

Sennheiser RS 275の音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.5
中音
4.4
低音
音の傾向は声の聞き取りやすさを重視した中高域寄りの音。
音楽鑑賞用に使うと、ボーカルが際立つ音になりますので、ホントテレビや映像・音声コンテンツ特化って感じ。
中音域は少しハイに寄っているような感覚。つながりは滑らかで、声の輪郭を浮き彫りにしつつも極端に突出させすぎずに滑らかにフェードアウトしてくような感覚。
高域は刺さり感が少ないのですが、輪郭はクッキリとしていてクリア。キンキンと刺さるような鋭さはなく、金属音やガラスの割れる音なども輪郭を保ちつつ、丸みを持って再現されます。
ただ、Auracastの特色なのか、高域が少し情報が少なめのシャリっとした音のように感じますね。
低域はデフォルトだとスッキリとした印象で、音声コンテンツに特化したような印象を受けます。ただ、設定を変えてあげるとズンッとした迫力が加わるようになります。これは後述します。
テレビ用ではありつつも、ゼンハイザーらしいバランス感覚の良さもあるヘッドホンのように感じましたね。
独自のサウンドモードも3つ用意
「BTA 1」に搭載された独自のサウンドモードをオンにすると、音がさらに変化します。

- バーチャルサラウンド
ONにすると、一気に映画館っぽい臨場感のある音になります。
デジタルな残響感は強すぎず、ほどよいサラウンド感が生まれますね。
映画を見る時は間違いなくONにした方が良いと思います。 - スピーチクラリティ
こちらはデフォルトよりも、さらに声を強調させるような感覚。声が聞き取りにくいときはこのモードをONにすると良いかと。デフォルトでも声は十分聞こえやすいですけどね。
テレビの音声が聞こえにくくなった40〜70代のユーザーむけとのこと。 - +(プラス)」モード(3D + スピーチ)
ある程度迫力もほしいけど、声の聞き取りやすさも重視したい時はこちらのモードもおすすめ。
しかもこの設定、BTA 1側に反映される設定のため、Auracastで接続した他のヘッドホンにもこのサウンドモードが反映されるのですよ。これが結構いい感じですよ。
ただ、このサウンドモードはUSB接続時は使えません。いや、パソコンで映画を見ることもあるから使えるようにして欲しかったんですけど……。
Auracastの使い方
BTA 1の最大の特徴がAuracast(オーラキャスト)。
これまでのトランスミッターは、基本的に「1台の送信機に1台の受信機」でしたが、BTA 1はAuracastで複数のワイヤレス製品に接続できます。
送信側(BTA 1)の準備
まずはトランスミッター「BTA 1」から音を飛ばす設定です。 BTA 1の天面にある「ソースボタン」または専用アプリから、ブロードキャスト(放送)をオンにします。
といってもデフォルトでAuracastは飛んでいる状態になります。
そこから設定で、誰でも受信できる「オープンモード」と、パスワードを設定して一部の人だけで共有する「クローズドモード」の2つからアプリで選べます。

あとはテレビのHDMI ARC端子に接続したり、パソコンとUSB接続するだけでOKです。
BTA 1側はとくにややこしくないんですよね。
専用ヘッドホン(HDR 275)を使う場合:
基本的には電源を入れるだけで自動的にトランスミッターを見つけにいきます。専用に設計されているだけはあって、一番簡単です。
ソニー WH-1000XM6の場合
ソニー WH-1000XM6でもやってみましたが、これは結構ややこしいです。
- アプリでLE Audioモードに変更する
- 設定画面の「付近の音声ストリーム」を開く
- 利用可能な放送一覧に「BTA 1」や自分で付けた「キャスト名」が表示されるので、それをタップ。
これはBTA 1の問題ではなく、ソニーのAuracastがやりにくいという問題なんですよ。
ソニーの場合、わざわざLDACなどが使えないLE AUDIOモードに変更する必要があるのがめんどくさいんですよね。
しかもこのブロードキャスト設定、Andoirdのシステム側で行う必要があるので、僕の持っているXperia1Ⅵだと、その項目さえでてこないんですよね。
アプリや本体側でAuracastの切り替えができればラクなんですけど、WH-1000XM6はできないです。
nwm ONEの場合
一番簡単だったのは、僕も普段愛用しているフルオープン型なのに音漏れが全然しないヘッドホン「nwm ONE」。

この子の場合、電源ボタンを3回クリックするだけでAuracast受信モードにできるんですよ。めちゃめちゃ簡単。
しかもフルオープンで音漏れもしないから、夜中に子供が泣いていないか聞き耳を立てながらアニメを見たり、ゲームをしたりするのに最適なんですよね。このセットが一番おすすめじゃね?
こんな風に本体操作のみでAuracastの受信ができるタイプであれば、かなり接続しやすいとは思います。
その他
その他だとJBLやゼンハイザーの一部のワイヤレスイヤホン・ヘッドホンも対応していますが、製品ごとにAuracastの受信方法を把握しておく必要があります。
nwm ONEのようにAuracastがもっと気軽に使えるヘッドホンが増えてくれるといいんですけどね〜。
なので機械音痴の方は、気軽に使うという意味ではおすすめできないですね。前提知識が必要ですし、前提があっても結構ややこしかった。設定がややこしいと思う場合は、素直にセット売りの「HDR 275」を使うことをおすすめします。
ちなみにBTA 1、小型でスマホ接続でもバスパワーで動くので、ホテルに持っていてみんなでイヤホンをしてゲームみたいなこともできます。イヤホンがAuracastに対応していればですけど……。
アプリについて
RS 275はアプリ「Smart Control Plus」に対応しています。
ちなみに「BTA 1」と「HDR 275」でそれぞれアプリの項目が異なります。

アプリでできることは次のとおりです。
- ブロードキャスト設定
→暗号化、名前の変更など - サウンドモードの切り替え
→3D、スピーチ、Plus - ソースとオーディオの同期
→ソースの切り替え設定と、遅延レベルの補正 - その他
→ファームウェア更新、LED輝度変更、ノーマライズ(音量の自動調整)
- 接続管理
→接続先の設定 - Auracast
- イコライザ設定
→プリセット、カスタム、バスブースト - トランスペアレント
→外音取り込みのON/OFF - その他
→ファームウェア更新、LED輝度変更、ノーマライズ(音量の自動調整)
音の遅延|ゲームや映画も違和感なし
RS 275の映像と音声のズレですが、50ms(0.05秒)という低遅延を実現しており、ほぼ感じないレベルですね。
実際に映画を見てみましたが、口の動きと声がズレる「リップシンクずれ」は全く気になりませんでした。
RPGやアクションゲームなどでも快適にプレイ可能です。
ただし、0.01秒を争うような競技性の高いFPSや格闘ゲームの場合は、有線接続に比べるとわずかな遅延を感じるかもしれません。
ゲーム限定用途でパソコンやテレビと常時繋いでおいて、あとは普段使っているワイヤレスヘッドホンと接続するだけ!のような使い方もいいかも。
Sennheiser RS 275 まとめ
Sennheiser RS 275はこんな人におすすめ
- 夜中に家族や子供を起こさず、大迫力で映画やゲームを楽しみたい人
- 賃貸だから映画を大きな音で楽しめなくて悩んでいる人
- パートナーと一緒に同じテレビ音声をワイヤレスで聴きたい人
- 最近、テレビのセリフが聴き取りにくいと感じているシニア世代の方
- 「nwm ONE」などのAuracast対応機器を既に持っているガジェット愛好家
Auracastをここまで実用的に使ってくる製品は初めて見たかもですね。
ホント、BTA 1側が問題はないので、あとはイヤホン・ヘッドホン側がもっと気軽にAuracastを受信できるようになれば、活用幅が広がりそうです。
個人的にはnwm ONEとの相性が特に良かったです。
















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