はい、今回は超ハイエンドクラスのDACアンプQuestyle「CMA Fifteen」「CMA Eighteen Master」の2製品をまとめて紹介します。

一つはESS社との3年にわたる共同研究から生まれた「CMA Fifteen」。価格は297,000円!この時点で超ハイエンド。
もう一つは、最新のフラッグシップDACチップと、Rogers基板を採用した究極のハイエンドモデル「CMA Eighteen Master」で、こちらは495,000円となります。もはやハイエンドどころじゃない、貴族の戯れ。
今回はQuestyleさんから、この2機種の紹介をしてくれという依頼をいただいたので、それぞれの違いや、どっちを買うべきなのか、どのような音質なのか?徹底解説していこうと思います。
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CMA Fifteen / Eighteen Master 外観・デザイン
それでは、CMA FifteenおよびCMA Eighteen Masterの外観をチェックしていきましょう。
といっても外観はほぼ同じです。フロントパネルのロゴの違いくらいで、それ以外はマジで同じですよ。
なので今回はCMA Eighteen Masterを使って外観や付属品をチェックしていきます。
付属品

- リモコン
- Type-Cケーブル
- 保証書
- 取扱説明書
付属品はシンプルですね。一応リモコンもついています。
本体
まずは筐体デザインですが、これぞQuestyle!といった感じの質実剛健なマットブラックのフルアルミニウムボディを採用。

飾っ気のないこういうシンプルなデザイン、好きですよ。
本体サイズはハイエンドヘッドホンアンプとしては並程度の大きさ。ギリギリモニターの下に収まりそうなほどの大きさではあります。
フロントパネルには電源のトグルスイッチ、ソース切り替えボタン、HP AMP / DACの切り替え、BIAS CONTROLの切り替えスイッチが搭載。このトグルスイッチのカチッと切り替える感触がギターアンプみたいで好き。

右側には4.4mmバランス端子、6.35mmアンバランス端子(通常のヘッドホンジャック)、4pin XLRバランス端子、そしてボリュームノブが備わっています。

イヤホンユーザーに嬉しい4.4mmから、ハイエンドヘッドホンの定番XLR4ピンまで網羅しているので、変換プラグなしで手持ちの機材をすべて繋げられます。
背面パネルは左からUSB-B、USB-C、OPT IN、S/PDIF IN、ANALOG IN(RCA)、ANALOG OUT(XLR 3pin×2、RCA)、ペアリングボタンとBluetoothアンテナがそれぞれ備わっています。

背面端子で注目したいのが、「USB Type-C入力」の搭載。
ハイエンドな据え置きアンプって、USB-B端子しかなくてスマホやタブレットと気軽に繋げられなかったり、そもそもUSB-B端子のケーブルを所持していないという方も多いかと思いますが、CMA Fifteen / Eighteen MasterはC端子を標準装備。
ケーブル1本で直結して、ロスレス/ハイレゾ再生が可能です。
天面はネジが剥き出しのデザイン。

底面には足がついていますね。

なぜか底面にゲインの切り替えスイッチがついています。もう少しいい位置はなかったんかな…。
良くも悪くもQuestyleらしい工業的なデザインですが、個人的にはこういうのが好きです。
CMA Fifteen vs Eighteen Master 性能・スペック比較
| スペック項目 | CMA Fifteen | CMA Eighteen Master |
|---|---|---|
| DACチップ | ESS ES9038Pro | ESS ES9039PRO |
| 基板素材 | 高品質PCB | Rogers社製セラミック基板 |
| 最大出力 (4.4mm/XLR) | 2000mW @ 32Ω 765mW @ 300Ω | 2000mW @ 32Ω 765mW @ 300Ω |
| THD+N | <0.0003% | <0.0003% |
| USB入力 | PCM 768kHz/32bit DSD512 | PCM 768kHz/32bit DSD512 |
| Bluetooth | SBC, AAC, LDAC | SBC, AAC, LDAC aptX, aptX-HD |
| デジタル入力 | USB-C, USB-B 光, 同軸 | USB-C, USB-B 光, 同軸 |
| アナログ入力 | RCA (2Vrms) | RCA (2Vrms) |
| プリアウト | XLR / RCA (Std / Studio切替可) | XLR / RCA (Std / Studio切替可) |
| 対応OS | Win / Mac / Linux | Win / Mac / Linux Android / iOS / HarmonyOS |
| 付属品 | リモコン, USB-Cケーブル 電源ケーブル | リモコン, USB-Cケーブル 電源ケーブル |
| 価格 | 297,000円 | 495,000円 |
CMA Fifteenは、長年ハイエンド界の頂点に君臨してきた名チップ「ES9038Pro」を採用しています。
対するCMA Eighteen Masterは、最新フラッグシップ「ES9039PRO」を搭載。電力消費を抑えつつダイナミックレンジをさらに向上させチップです。
そして価格差の理由もおそらくここにあるのが「Rogers(ロジャース)基板」の採用です。
主に軍事用レーダーや航空宇宙産業、5G通信基地局など、極限の精度と耐久性が求められる分野で使われる特殊なセラミック基板です。
DACやA級アンプは、性能が高いほど熱を持ちます。その熱がノイズの原因になったりするのですが、Rogers基板はその熱を効率よく逃し、常に最高パフォーマンスを維持できるとのこと。
この基板のおかげで、ヘッドホンアンプおよび独立プリアンプの性能向上も同時に実現しているとのことです。
両機種ともQuestyleの特許技術「SiPカレントモードアンプ」も搭載しています。
その他にも対応OSやBluetoothコーデックの違いはありますが、主な違いはDACチップと基盤素材の違いになります。
Questyle CMA Fifteen & CMA Eighteen Master レビュー
それではそれぞれ使ってみた感想をお伝えします。
CMA Fifteenの音質について
音の傾向
音の傾向は味付けを一才排除したTHE・ニュートラルサウンド。
以前紹介したポータブルDACのSIGMAのようなカッチカチでもなく、SIGMA Proのようにアナログみを感じる音でもなく、本当にニュートラル!!って感じ。
全体的な傾向としては、特定の帯域を強調するような味付けは一切なく、あくまで音源にある情報をそのまま引き出すチューニング。
ただ、無機質すぎるモニターサウンドというわけでもなく、音源に乗せられた音楽的な熱量もしっかりと感じられます。
音場
音場は奥行きが非常に深く、音源の録音の空気感まで感じられるような感覚。
横方向への広がりはそこまでなく、誇張しすぎない印象。
その上で定位がとても正確。モニターらしさのある正確な定位でありつつも、奥行きの広さのおかげで生感を感じられます。
高音
高音域の解像度はかなり高め。それでいてESS系のDACにありがちなカリカリとした角のある硬さは皆無。
非常に解像度が高いのに、音の輪郭はほんのわずかに丸みを帯びており、耳に刺さるような刺激感はありません。
シンバルの余韻やハイハットの刻みが、粒子レベルで細かく分解され、スーッと空間に溶けていく感覚です。
スネアのアタック感もとてもリアルで、ドラムの描写がとても生々しいです。
中音
ボーカルの息遣いや、エレキギター、ピアノの音の粒子まで超鮮明に描写します。
D8000で聴くと、ボーカルの実像感というか、その場にいる感がすごいですね。
そのボーカルにも艶感を加えず、主張も強めすぎず、あくまで自然に音源を忠実に再現するような感覚。音源を通り越してボーカリストがこちら側にくるような感覚です。
低音
低音域に関しては、ドシドシと量感で押してくるタイプではありませんが、奥行きがとても立体的でレンジも非常に深め。
バスドラムやベースは、もはやほぼ生の振動を感じられます。
あくまでフラットでニュートラルで、脚色のない低域ではありますが、ヘッドホンと音源が持つ低域を余すことなく再現するような感覚です。
CMA Eighteen Masterの音質について
CMA Fifteenでも十分すぎるほどハイエンドなサウンドでしたが、このEighteen Masterはさらにその上をいく実力です。価格も20万ほど上ですけどね!!
ただ、悪い意味でビビったのが、リファレンスにしていたゼンハイザー HD 800SだとCMA Fifteenとの違いが正直わからなかったんですよ……。つまりHD 800 SクラスならCMA Fifteenで潜在能力は引き出し切っているてことかしら。
20万円以上かける意味なくね?って思ってましたけど、finalの40万クラスのヘッドホン「D8000 Pro Edition」を使うと、ハッキリと違いを感じられました。
D8000クラスをお持ちの方だと、軽い気持ちでCMA Eighteen MasterとCMA Fifteenは比較しない方が良いと思います。妥協したくなくなると思うから。
きっとFOCALのUtopiaレベルで聴いたらすごいと思う。
音の傾向
音の傾向はCMA Fifteenとまったく同じ。同じすぎてヘッドホンや音源によっては、逆に違いを感じないレベルです。
僕も普段は40万クラスの他社のDACを使っていますが、そちらは解像度や定位感、輪郭重視。CMA Eighteen Masterは奥行きや音の深み重視のように感じました。
単純な音質比較だけなら、いつも使っているDACよりもCMA Eighteen Masterの方が凄みがあるように感じましたね。
音場・定位感
CMA Fifteenも奥行き側への音場は広かったのですが、CMA Eighteen Masterはさらに奥行きへの立体感を感じられるというか、音の鳴っていない空間まで感じ取れるようなスタジオの収録現場の情景まで浮かび上がってくるような感覚です。
この奥行きや空気感の表現力が、CMA Fifteenとの大きな違いのように感じました。
高音
高域はCMA Fifteenよりもさらに上質。シンバルのアタック音は鮮烈に感じられますが、相変わらず刺さるような歯擦音は皆無。
レスポンスはとても早いのですが、音がパッと消えるのではなく、空間にキラキラと溶け込みながら自然にフェードアウトしていくような感覚。この表現のおかげで極端にモニターっぽくならず、生感のある音になるのだと思います。
とにかくノイズレスで 歪み感ゼロ。ただひたすらに高解像度な音が降り注ぐような感覚です。
低音
低域はCMA Fifteen同様に非常にニュートラル。過度な強調は一切ありません。
CMA Fifteenと比べると、ノイズがより少なくなった影響か、自然に広がる低域でありつつ輪郭をより感じやすくなりますね。
さらに深みや立体感が生まれて、非常に生っぽさのある低音になります。
中音
中音域はCMA Fifteenと同様にボーカルの息遣いや、エレキギター、ピアノの音の粒子まで超鮮明に描写します。
CMA Fifteenと比べると、ボーカルのさらに深みが生まれて、より実像感が増しますね。D8000で聴けばもはや目の前にボーカリストですよ
録音の粗は容赦なく表現する
どちらも製品もあまりにも透明度が高く色付けがないため、録音状態の悪い音源や、マスタリングが雑な曲を再生すると、その粗を容赦なく出力します。 また、ヘッドホンの潜在能力も包み隠さずそのまま出力するような感覚。
なのでヘッドホン次第ではオーバースペックになりますし、ヘッドホン次第ではその実力を最大限まで引き出せます。
「どんな曲でも綺麗に聴かせる」というよりは、「良い音源は最高に、悪い音源はそれなりに」というプロ機材のような厳しい側面もあります。
プリアンプとしても使える
XLR / RCAアウトもついているため、そのままアクティブスピーカーやパワーアンプなどに繋げて、プリアンプとして使うこともできます。
アクティブスピーカーでも検証しましたが、ヘッドホンと同じく脚色しすぎないニュートラルで生感のある音で鳴らすようになりましたね。
ヘッドホンアンプ兼DAC兼、アクティブスピーカー用のプリアンプとして運用するのもおすすめです。
気になった点
最後に気になった点ですが、ゲインスイッチの位置でしょうか……。
だって底面にゲインスイッチがあるんだぜ。。。?
ゲインの切り替えがめんどくさいので、イヤホンよりもハイエンド級ヘッドホン専用機として扱うのが良いかと思います。
まとめ|どっちを買うべき?
CMA Fifteenがおすすめな人
- ニュートラルで味付けの少ない音が好み
- 予算が30万クラスまで
- 所持しているヘッドホンが〜30万クラス
CMA Eighteen Masterがおすすめな人
- ニュートラルで味付けの少ない音が好み
- 予算が50万クラスまで
- 所持しているヘッドホンが30万〜クラス
- 予算を惜しまず妥協のないDAC / ヘッドホンアンプが欲しい
どちらも非常にハイエンドのDACではありますが、価格相応の実力はあると思います。
その分、ヘッドホンも相応のモデルを持っていないと、本当にオーバースペックになってしまうので、最低でも10万以上のヘッドホンをお持ちの方じゃないとおすすめできないかと思いました。
味付けが少ない分、どんなヘッドホンにも合わせられますし、かといってモニター感の強すぎるカチッとした音でもないので、ハイエンド系のヘッドホンを多数お持ちのマニアの方にはおすすめできると思います。


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