こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はTOPPINGより49500円で買えるミドルクラスの据え置きDAC/アンプ「DX5 II」を紹介します。

- ES9039Q2Mを左右独立で搭載するデュアルDAC構成
- 新世代アンプ回路「X-Hybrid」で低歪み&高出力を実現
- 6.35mm / 4.4mmバランス / 4pinXLR端子を搭載
- Aurora UIで視認性が高く操作も快適
- 10バンドPEQ搭載で細かな音量調整も可能
- LDAC/ aptX-Adaptiveに対応したBluetoothレシーブ機能
TOPPINGといえば、ハイコスパ系のDACやアンプを販売する中華界の定番メーカーでしたが、最近まで日本で取り扱いがなかったんですよね。
ただ、最近になってShanlingやiBassoなどの製品を取り扱う代理店の「MUSIN」さんで取り扱いが始まって、日本で気軽に試せる環境が整ったんですよ。
DX5 IIは据え置きDAC+ヘッドホンアンプ+プリアンプを1台にまとめたデスクトップ向けモデル。コンパクトなのにフルバランス設計、出力端子も6.35mm/4.4mm/4pin XLRまで揃っています。
据え置きDACとしては手頃な価格でありつつも、その中身はかなり本気の一台となっています。
今回はMUSINさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。
▼動画版はこちら▼
TOPPING DX5 II 外観・付属品
それでは開封していきましょう。TOPPING DX5 IIのパッケージはこちら。激シンプル。

開封するとこんな感じ。


- 電源ケーブル
- USBケーブル
- Bluetoothアンテナ
- リモコン
- 6.35mm変換アダプタ
- マニュアル/保証書類
必要な付属品は一通り揃っていますね。リモコンまでついてくるよ。
本体はスクエア型のすっきりとしたシンプルなデザイン。カラーはブラックとホワイトの2色ですが、今回はホワイトをお送りいただきました。

据え置きDACアンプとしてはコンパクトで、デスクに置いてもゴチャゴチャとしにくいかと。

前面パネルには4pinXLR / 4.4mm /6.3mmジャック、そしてMENUボタン、INPUT切り替え、HOMEボタンの3つの物理ボタンと、ボリュームノブ兼ファンクションキーが備わっています。

この価格であらゆるヘッドホンジャックが搭載しているのはありがたい。
ディスプレイも搭載で、再生情報/FFT/VUメーター表示を切り替えたり、イコライザー設定ができたりします。
側面はシンプル。

底面はゴム足搭載。

背面には3pin XLRの出力 / RCA出力 / COAX / OPT / USB-B / BTアンテナ / 電源と必要な入出力端子はほとんど揃っています。コンパクトボディなのに隙がない。

TOPPING DX5 II スペック
スペックはこちら!
| スペック一覧 | TOPPING DX5 II |
|---|---|
| DACチップ | ESS ES9039Q2M ×2(デュアルDAC) |
| 対応サンプリングレート | PCM 768kHz / 32bit、DSD512 |
| Bluetooth | Ver 5.1 コーデック(受信):LDAC / aptX-Adaptive / aptX / aptX HD / AAC / SBC |
| Gain機能 | Low / High |
| 本体サイズ / 重量 | 190×131×44mm(ゴム足含む) / 954g |
| 電源 / 消費電力 | AC 100-240V(50/60Hz) / 15W |
| THD+N(1kHz, A-wt) | 6.35mm:<0.00008%(200mW@32Ω) / <0.00007%(22mW@300Ω) 4.4mm / 4-pin XLR:<0.00008%(850mW@32Ω) / <0.00007%(90mW@300Ω) ラインアウト(RCA):<0.00008% ラインアウト(XLR):<0.00006% |
| S/N比 / ダイナミックレンジ (1kHz, A-wt) | 6.35mm:131dB / 131dB 4.4mm / 4-pin XLR(バランス):133dB / 133dB ラインアウト(RCA):128dB / 128dB ラインアウト(XLR):132dB / 132dB |
| 周波数特性 | (各出力共通)20Hz–20kHz(±0.3dB) / 20Hz–40kHz(±1.0dB) |
| 出力レベル | 6.35mm:7.2Vpp(Gain Low) / 24.2Vpp(Gain High) 4.4mm / 4-pin XLR(バランス):15.0Vpp(Gain Low) / 48.0Vpp(Gain High) ラインアウト(RCA):2.5Vrms(@0dBFS) ラインアウト(XLR):5.0Vrms(@0dBFS) |
| 出力パワー(THD+N<1%) | 6.35mm:3.3W×2@16Ω / 2.2W×2@32Ω / 250mW×2@300Ω / 120mW×2@600Ω 4.4mm / 4-pin XLR(バランス):7.6W×2@16Ω / 6.4W×2@32Ω / 990mW×2@300Ω / 490mW×2@600Ω ラインアウト(RCA):—(ライン出力) ラインアウト(XLR):—(ライン出力) |
| ノイズ / クロストーク / 出力インピーダンス |
6.35mm:<1.1uVrms(Low)/<2.5uVrms(High)・-127dB(@1kHz)・<0.1Ω 4.4mm / 4-pin XLR(バランス):<1.6uVrms(Low)/<4.3uVrms(High)・-143dB(@1kHz)・<0.1Ω ラインアウト(RCA):<1.1uVrms・-135dB(@1kHz)・50Ω ラインアウト(XLR):<1.3uVrms・-147dB(@1kHz)・100Ω |
| 保証期間 | 1年(販売店・流通により異なる場合あり) |
TOPPING DX5 II レビュー
音質|ありのままを引き出す高解像度系ニュートラルサウンド
DX5 IIの音質についてですが、ノイズレスで高解像度で描き出すクセのないニュートラルサウンドのように感じましたね。
価格や入出力の豊富さも含めて考えると、かなり満足できる音質だと思います。

音の特徴は次のとおりです。
4.5
音質
音の傾向はクセの少ないニュートラル寄りで、特に背景ノイズの少なさと分離感が強みのように感じました。
スマホ直挿しや小型USB-DACからのステップアップだと、音場の見通しと分離が分かりやすいですね。音が団子になりにくく、各楽器帯の輪郭が浮かび上がってきます。
性質的には丸みを帯びたマイルドでナチュラル系のニュートラルサウンドではなく、輪郭を捉えてクッキリと描き出すようなタイプのニュートラルサウンドです。
かといって硬質にはなりすぎず、ややモニターになりつつも味気が少なすぎることもない塩梅です。ただ滑らかや艶っぽさが削ぎ落とされる感覚はあります。
低域はタイト寄りで広がりすぎず、ベースの輪郭をクッキリと描き出し、中域は艶感を加えすぎずボーカルをグッと前に出してきます。高域はスパっとレスポンス良く鳴らしますね。
自宅のアクティブスピーカー iLoudのMTMとも接続して検証しましたが、ヘッドホン出力とおおよそ似たような傾向でしたね。プリアンプとしても使えますし、これ一台でいろいろできます。
4〜5万円クラスの据え置きDACは定番といえる製品は今まであまり思いつきませんでしたが、DX5 IIは定番として君臨しても良いと思えるような実力はあるように感じましたね。
出力が鬼高い
出力面でもかなり余裕があり、6.3mmのアンバランス接続時は2200mW×2(32Ω時)、バランス接続時は6400mW×2(32Ω時)の出力を誇ります。
すごくざっくり伝えると、数値上は同価格帯のポータブルDACの10倍くらいの出力の高さです。こんなにコンパクトなのに、どこにそんな出力が……。
ATH-R70xa(感度:97dB/mW、インピーダンス470Ω)を6.3mmで接続しても、出力にまったく不足なくパワフルに鳴らせています。
ゼンハイザー HD 800 S(感度:102dB/mW、インピーダンス300Ω)は4.4mm接続で試してみましたが、こちらも余裕がありますね。
ただ、HD 800 Sと組み合わせると音がクールになりすぎるため、もう少し音の深みや味付けが欲しいな〜とは個人的に感じましたかね。良くも悪くもニュートラル。
出力が高いだけでなく、高感度のイヤホンでも「Low」ゲインにすれば、ちょうど良い出力で調整できます。音も破綻せず、細かな音量調整もしやすいです。ヘッドホン用だけでなくイヤホン用の据え置きDACとしてもおすすめです。
とりあえずDX 5IIを買っておけば、鳴らせないヘッドホンはないと考えても良いかと。
Bluetooth(受信)も使える
受信のみではありますが、Bluetooth接続で聴くこともできます。
パソコンを立ち上げるのはめんどくさいから、スマホで気軽にヘッドホンで聴きたい!って時には使えるのでないでしょうか。
送信機能はないため、DX5 II→ワイヤレスイヤホンのような繋ぎ方はできません。
操作性・利便性も高い
USB/光/同軸/Bluetoothと入力が揃ってるので、PCだけじゃなくストリーマーやTVとも組み合わせやすい点も特徴
さらにディスプレイのおかげで、本体のみでゲインの設定やデジタルフィルターの変更もお手軽にできます。

「HOME」を押せば、再生情報 / FFT / VUメーターの切り替えができます。VUメーターが好き。

イヤホンを使うことが多い場合はゲイン設定は頻繁に触るため、欲を言えば1ボタンでゲインを切り替えられる仕様であれば嬉しかったですかね。
10バンドPEQも搭載で、このニュートラルなサウンドから自分好みのサウンドに調整することもできます。
さらにプリアンプモード+ラインアウトがあるので、アクティブスピーカー運用もいけます。ヘッドホン中心だけど「たまにスピーカーも鳴らしたい」みたいな人にも相性良いですね。
コンパクトさと価格のちょうど良さ、そして音質の良さや出力の高さに目が行きがちですが、このような入出力の豊富さや利便性の高さもDX5 IIの魅力の一つかなと思います。
TOPPING DX5 II まとめ
総合評価
4.8/5
DX5 II

- 透明感の高いニュートラルサウンド
- イヤホン/ヘッドホンの個性を出しやすい
- 出力がとにかく高い
- 入出力端子が豊富
- ディスプレイ搭載で本体設定がしやすい
- アナログの入力は非搭載
4.5
音質
4.5
サイズ感
4.5
拡張性
4.5
利便性
- 予算5万円前後で据え置きDAC・アンプを探している
- イヤホン〜駆動力が必要なヘッドホンまで、1台で幅広く鳴らしたい人
- 省スペース環境で使えるDACが欲しい
- アクティブスピーカー用のプリアンプとしても使いたい
- USB入力だけでなく、TVやストリーマーなどさまざまな機器と接続したい
DX5 IIは、ひとことで言うと「透明感強めで癖の少ないクリア系・万能デスクDACアンプ」という感じですね。
これ一台あれば、イヤホン・ヘッドホンだけでなくアクティブスピーカー出力から、外部の機器との接続までなんでもいけます。
音もニュートラルでイヤホン・ヘッドホンとの相性も選ばないですし、コンパクトでスペースも取らないですし、本当に弱点の少ないDACアンプだと思います。
ちょうど5万円ほどで据え置きDACを考えている方にはかなりおすすめできるかと。









コメント
コメント一覧 (1件)
色々と信用がないFIIOのAIR LINKをレビューして欲しいです…