こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は、中華イヤホン界の注目株「Juzear(ジュゼアー)より、1DD+6BA+2基のマイクロ平面ドライバーを搭載したトライブリッド構成の最新有線イヤホン「Harrier」を紹介します。

Juzearといえば、Butterfly 61TやDragonfly 81Tの2機種がイヤホン界隈でも人気が出たメーカーですね。
今回のHarrierは世界中のIEM測定データが集まる「Squiglink(スクイグリンク)」を使ってチューニングされた世界初のモデルとなっています。
「Squiglink」とは月5万人以上が使う、IEMの周波数特性を比較できるプラットフォームです。
Harrierは「Squiglink」のデータとプロの耳を使ってチューニングされており、300ドル台で人気のチューニングに合わせつつ、試作と測定を何度も繰り返して高音の滑らかさや全体の自然さを丁寧に調整。
データに裏付けられた精度と、実際に聴いて気持ちいい仕上がりを両立した有線イヤホンとなっています。
価格は日本円で約5万円ほどと、有線イヤホン界では激戦区の価格帯になっていますね。ドライバー構成を考えるとコスパは高そうにも見えますね。
今回は海外のイヤホン販売店「HiFiGO」さんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。
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JUZEAR Harrier 外観・付属品
それではJUZEAR Harrierの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
JUZEAR Harrierのパッケージはこちら。

Harrier(冒険者)と印字されたシンプルなデザイン。Harrierと聞くと、どうしても某軽自動車を思い出してしまう。
開封するとこんな感じ。

付属品|イヤーピース、ケーブル、キャリングケースなど

- イヤーピース4種
- キャリングケース
- 着脱式ケーブル(6N SPOCC+SCCWハイブリッド)
- 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mm)
- マニュアル
イヤーチップは吸着性の高い透明なもの、低反発、開口部が広いクリアタイプ、開口部が狭いグレータイプの4種が付属。

個人的には開口部が広いクリアタイプが一番フィットしたのでこちらを使っていきます。

キャリングケースはレザー調の開閉蓋がマグネット式になっている渋いデザイン。なかなかおしゃれ。

本体・ケーブル
JUZEAR Harrierのフェイスプレートには、本物の「ブルータイガーアイ」という鉱石を使用しています。、光の当たり方で模様が美しく変わる高級感あるデザインです。

商品画像だと木目っぽくも見えますが、実物はもっと鉱石っぽい感じです。
ちなみにカラーバリエーションは「ハリアーブルー」と「ハリアーイエロー」の2色があります。
シェル部分はDLC 3Dプリント樹脂で形成されています。よくあるシェルって感じ。

内側は耳に沿ってカーブした形状にはなっていますが、そこまでカーブがキツくないんですよね。個人的にはガッツリカーブしてくれた方がフィットすることが多いんだけど。
ケーブルは着脱式で、コネクタは0.78mm 2pinに対応。フラットタイプになっていますね。

ノズル部は金属製で、長さは標準的、そして口径はやや太め

ケーブルは6N SPOCC + SCCWのハイブリッド構成を採用。取り回しが良く、ゴワつきにくい柔軟な質感で、ケーブルの質感は高そうです。

コネクタ部はストレート型の2pin。本体側はフラットなのに、ケーブル側は埋め込み対応の仕様……。

耳掛け部分は形状記憶ワイヤー付き。
分岐部は金属製。スライダーが付いており、ケーブル長を調整しやすくなっています。

プラグは3.5mm / 4.4mmのマルチプラグ対応で、ネジ式で調整できます。

本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

ケーブルとの統一感が高く、見た目も使用感も満足度の高い仕上がりです。
全体的に、高級IEMとして期待を裏切らない外観とビルドクオリティだと感じました。
JUZEAR Harrier の概要・スペック
| スペック一覧 | JUZEAR Harrier | JUZEAR 61T | JUZEAR 81T |
|---|---|---|---|
| 形式 | カナル型 | カナル型 | カナル型 |
| ドライバー構成 | 1DD + 6BA + 2マイクロ平面ドライバー | 1DD + 6BA | 1DD + 8BA |
| インピーダンス | 32Ω | 46Ω | 32Ω |
| 音圧感度 | 112±1dB SPL/mW | 115dB | 117dB |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz | 未公開 | 20Hz〜20kHz |
| THD+N | ≤0.8% | ≤0.6% | ≤0.6% |
| ケーブル | 6N SPOCC + SCCW ハイブリッド | 6N銀メッキ無酸素銅(OFC) | 6N銀メッキ無酸素銅(OFC) |
| プラグ | 交換式 3.5mm / 4.4mm | 2.5mm / 3.5mm / 4.4mm | 交換式 3.5mm + 4.4mm |
| コネクタ | 0.78mm 2pin | 0.78mm 2pin | 0.78mm 2pin |
| フェイスプレート | ブルータイガーアイ + メタルアクセント | CNC精密彫刻パネル | デザイナーカラーCNCフェイスカバー |
| シェル | DLP高精度3Dプリント樹脂 | DLP高精度3Dプリント樹脂 | DLP高精度3Dプリント樹脂 |
| 保証期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
JUZEAR Harrier レビュー
装着感|やや浅め
JUZEAR Harrierの装着感ですが、イヤーピースが浅め+シェルのカーブが緩めということもあり、ボクの耳には少し浅めに感じました。
実際に装着してみるとこんな感じ。

前から見た図。

イヤーピースを軸が長めのタイプに変えた方が個人的には安定しやすいように感じましたね。
音質|ナチュラルで聴きやすい
JUZEAR Harrierの音質は、全体としてとてもナチュラルで柔らかく聴きやすいチューニングのように感じました。
この価格帯だとハデ目でメリハリ感のあるサウンドが人気になることが多いですが、Harrierは周波数特性データをもとに丁寧に丁寧に音作りをされているように感じましたね。
同ブランドの Butterfly 61T や 81Tと比べると、Harrierは音の派手さよりも自然さや聞き心地を優先したモデルという立ち位置になります。
試聴環境(タップで開く)
- DAP:SONY NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:開口部が広いタイプ
- エージング:20時間ほど
JUZEAR Harrierの音の特長は次のとおりです。
4.9
高音
4.9
中音
4.9
低音
音の傾向
楽曲によっては、ボーカルを中心とした“ややかまぼこ型”のバランスに聴こえることもありますが、実際は中域だけが強調されているわけではなく、ストリングスやピアノのアタック感、アコースティック楽器の質感などが自然に前へ出るタイプです。
61Tや81Tのようにスピード感やキレを強調した「シャキッとしたサウンド」とは方向性がかなり異なり、Harrierは ひたすら自然・ニュートラル・ストレスレス を突き詰めたチューニング。
3機種の中では最もクラシカルで落ち着いた性格を持ち、「音楽の空気感」「楽器の余韻」を楽しめるタイプです。
もし61Tや81Tを“JUZEARらしい現代的・メリハリ系サウンド”と表現するなら、Harrierは“良い意味でJUZEARらしくない”、非常にナチュラル寄りの音 と言えます。
音場
Harrierの音場は、左右だけではなく前後方向の奥行きがしっかり感じられます。ボーカルと伴奏の距離感が自然で、ステージ感も広がりすぎないため、リスナーの耳にスッと馴染むタイプです。
高音
Harrierの高音は、刺激を控えた滑らかな質感です。繊細さはありつつ、刺さりやピーキーさはかなり抑えられています。特に女性ボーカルのサ行が嫌味なく抜ける点が好印象。
61Tのような煌びやかさや、81Tで感じられるシャキッとした鋭さとは違い、Harrierの高音はあくまで自然体で、音楽全体の流れを崩さない優しいアタック感が特徴です。
2つのプラナードライバーを搭載しているだけはあり、81Tよりも 高域の「伸び」「分離」「粒立ち」に余裕があります。
アコースティックギターの音の爪弾く一弦ごとの輪郭までクッキリと伸び良く聴こえてきますよ。
サラッとしているのにも関わらず、サックスなどのブラス系楽器には瑞々しく力強い炸裂音を感じられます。
同価格帯でもアコースティック系楽器の表現力はかなり高い方だと思います。
中音
中音域は、他の帯域よりもボーカルが自然に存在感を持つよう調整されており、声の距離がとても近く感じられます
無理に押し出した近さではなく、歌と楽器の輪郭がしっかり分離しているからこそ、主旋律がすっと耳に届くタイプです。
聴き分けをしようと意識しなくても、ボーカルとコーラスが自然と中心に据えられるイメージで、歌ものとの相性がとても良いと感じました。
質感としては、硬すぎず柔らかすぎず、程よくしなやかで透明感もあります。
61Tは華やかで近接感のある映える中域、81Tは情報量が多くクールでドライな中域を持ちますが、Harrierはナチュラルなボーカルって感じです。。
低音
低音は、深い沈み込みと柔らかい広がりが共存する、非常に上質な低域です。
沈み込んだあとにふわりと広がる余韻の表現が巧みで、ジャズやシティポップのベースラインは絶妙にハマります。
ウッドベースの胴鳴りや、エレキベースの弦の振動の“質量感”まで伝わってくるような感覚があり、ミッドベースの心地よさは特筆ものです。
61Tや81Tのタイトで反応の鋭い低音と比べると、Harrierはスピード感よりも量感と質感を重視したタイプ。中域にまで少し広がる柔らかさを持ちつつ、ボーカルを邪魔しない絶妙な沈み込みで、心地よさを感じられる低域に仕上がっています。
ただし、EDMやヒップホップのように、低音の“暴力的なアタック”や“キレのある瞬発力”を求める場合は、81Tの方が向いています。
おすすめジャンル
おすすめジャンルですが、アコースティック系全般やシティポップ、ボーカルもの、ジャズ、ミドルテンポのポップスなどでしょうか。
打ち込み系よりも、アコースティック系を使った楽曲の方がHarrierの魅力をより引き出せるように感じましたね。
ストリングスやブラスアレンジなど多彩な楽器を多用した横揺れ系のシティポップが特におすすめですね。「山下達郎」や「竹内まりや」、星野源だと「YELLOW DANCER」あたりがおすすめ。
ボーカルが際立つチューニングなので、インスト系よりも歌モノの方が合うとは思います。
ロックやポップス、EDMなどをゴリゴリ聴かれる方は81Tの方がいいと思います。
JUZEAR Harrier まとめ
総合評価
4.7/5
JUZEAR Harrier

- データで裏付けされたナチュラルで
聴き疲れしにくい音作り - 高域〜低域まで全体的なバランスが良い
- 多ドライバーならではのレンジの広さと
多ドライバーらしからぬ音の滑らかさ - ブルータイガーアイを使った高級感あるデザイン
- 充実した付属品
- 派手さや刺激的なサウンドを求める人には物足りない
4.9
高音
4.9
中音
4.9
低音
4.9
解像度
4.7
迫力
4.0
装着感
トライブリッド構成ながら癖が少なく、解像度・自然さ・聴きやすさのバランスが非常に良く、価格帯でも完成度の高い1本です。
ナチュラルで上品なサウンドが好きな人におすすめできる仕上がりですね。派手すぎないのに情報量がしっかりあり、丁寧で聴きやすいサウンドって感じです。



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