こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
異常なまでのコスパの高さで定評のあるイヤホンメーカー「QCY」から、セール価格7000円台でなんとMEMSドライバーを搭載したワイヤレスイヤホン「MeloBuds N70」を紹介します。

- MEMS&10mmダイナミックドライバー / LDACに対応
- -56dBノイズキャンセリングに対応
- 最大再生時間は本体10時間/ケース込み50時間
- ワイヤレス充電に対応
- LDAC対応&ハイレゾ認定
- マルチポイント&低遅延モード
- 自動装着検出搭載
- 価格は9980円→セールで7,584円 クーポンでさらに安く購入可能
MEMSドライバーというのは、従来のドライバーと比べてコイルを用いない構造で、非常に小型で軽量。精細かつ空間表現にも優れた最新の半導体技術を応用したドライバーとなっています。
2023年末あたりから一部のイヤホンで採用されてきましたが、どのモデルもめっちゃくちゃ音が良かったんですよ! ただ、価格は2〜3万クラスと高価な製品が多かったんですよね。
某社の約1万円でMEMSドライバーを搭載したモデルが最安値だったかと思いますが、QCYはなんと7000円台で実現しました。
しかも音質だけでなく強力なノイズキャンセリングやマルチポイントに対応など機能性も申し分なし。
今回はQCYさんから紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。
YouTube版はこちら
MeloBuds N70 外観・付属品
それではMeloBuds N70の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
MeloBuds N70のパッケージは白地のシンプルなデザイン。ちゃんとハイレゾロゴとLDACロゴ入りです。

開封するとこんな感じ。

付属品

- USB Type Cケーブル
- イヤーピース5ペア
- マニュアル
充電ケース・本体
今回シルバーとブラックを提供いただきましたが、シルバーは傷や汚れも目立ちにくそうな印象。あえてシルバーもありかも。

筐体サイズもかなりコンパクトで胸ポケットにすっぽり収まるほどの小ささ。

同社のMeloBuds N70と比べるとこんな感じ。

充電端子はUSB-Cに対応

さらにワイヤレス充電にも対応! MeloBuds Proは対応していませんでしたので、この進化は強い。

充電ケースを開いたらこんな感じ。

ケースを開いた状態でも本体上部の方からつまめるので、取り出しやすさは問題なしですね。

イヤホン本体は鏡面仕上げのテッカテカハウジングが目立つデザイン。個人的にはもっとマットな質感の方が好み。

内側はどシンプル。

MeloBuds N70と比べるとこんな感じ。

最後に重さですが、総重量は約48.9g、本体片耳の重量は約5.3gと、ワイヤレスイヤホンとしてはかなり軽めです。


スペック比較
| 製品名 | MeloBuds N70![]() | MeloBuds Pro![]() |
| ドライバー | MEMS+10mmダイナミックドライバー | 12mmダイナミックドライバー |
| Bluetooth | 6.0 | 5.3 |
| コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,LDAC |
| 再生時間 ※ANC ON時 | 本体:7時間 ケース込:35時間 | 本体:7.5時間 ケース込:30時間 |
| 充電端子 | Type C | Type C |
| 防水 | IPX5 | IPX5 |
| 自動装着検出 | ◯ | ◯ |
| 低遅延モード | ◯ | ◯ |
| マルチポイント | ◯ | ◯ |
| ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング -56dB | アクティブノイズキャンセリング -46dB |
| 外音取り込み | ◯ | ◯ |
| 空間オーディオ | ◯ | ◯ |
| Amazon参考価格 ※セール時の価格 | 7,584円 | 5,584円 |
MeloBuds N70 レビュー
装着感|とても軽やか
MeloBuds N70の装着感についてですが、MeloBuds Pro同様に良好ですね。
またMeloBuds Proよりもホールド力がアップもしたように感じました。
装着してみるとこんな感じ。わりとスタイリッシュ。

前から見ても耳からの飛び出しが少なめ。

スティック型を採用しているおかげで圧迫感が少なくて、長時間装着していても耳が痛くなりにくい印象でした。
あとこの価格で自動装着検出まで対応しているのはスゴイ!ただ、たまに誤検知して勝手に通知音が鳴ったりします。
装着感には全然不満がないですね。
| 装着感 | (4.8) |
音質|MEMSドライバーの影響が強い
MeloBuds N70の音ですが、良くも悪くもMEMSドライバーの影響か顕著に表れています。
今回の検証ではXperia 1Ⅵを使ってLDACで検証しています。
MeloBuds N70の音の特長は次のとおりです。
4.0
高音
3.9
中音
3.9
低音
音の傾向
音の傾向はわかりやすくドン・シャリ!って感じの音。低域はタイトな迫力で鳴らしつつ、高域は剥き出しのMEMSドライバーの音かのようにシャキシャキでます。
硬質な音で全体的に寒色系のように感じます。
MeloBuds Proよりもわかりやすく高域がクリアに出るようになりましたが、聴き疲れもしやすい音にも感じますね。
高域
高域はMEMSドライバーを搭載したおかげで、MeloBuds Proと比べると歪みが少なく煌びやかで高解像度なサウンドに変化しました。
星野源の「創造」のようなチップチューンを多用した楽曲との相性はよかったです。
ただ、イコライザーがデフォルトだと高域が出過ぎて楽曲によっては耳が痛く感じますね。ハイハットやシンバルに「チキチキ」とした針のような刺激感があります。
キツく感じる場合は「ソフト」か「カスタムEQ」で調整してあげた方がいいかと感じました。
中域
ボーカルもMEMSドライバーの影響でとても明瞭でキレが良く、男性女性ボーカル問わずにクリアな歌声を伝えてくれます。
Melobuds Proと比べてもボーカルが明らかに明瞭で、同帯域の分離感もかなり高めです。
ただ、ハイトーン系ボイスだと歯擦音が目立つのが気になりますね。「ずっと真夜中でいいのに。」を聴くと、Aメロから全部刺さり感ありますよ。星野源のような低めの男性ボーカルだとちょうどいい感じなんですけどね……。
低域
低域はMeloBuds Proよりも解像度もアップしている印象で、タイトな迫力も感じやすくなっています。
立体的な迫力も出せるので、EDM系にもおすすめできます。
総評
MEMSドライバーのおかげで高域の歪みが少なくなり、より高解像度にパワーアップしたようにも感じましたが、反面デフォルトのチューニングがMEMSドライバー剥き出し感が強くてキツく感じますね。
イコライザーで調整してあげれば元の音質の良さをより引き出せるかと思いますので、調整ありきのイヤホンだと考えた方がいいかと思います。
空間オーディオにも対応
そしてこの価格では非常に珍しい空間オーディオにも対応。
こちらをアプリでONにすると、素の音のバランスはそのままに音像が左右に広がってサラウンドのように立体的な音になります。
1万円以下のイヤホンの空間オーディオは不自然になるものが多いのですが、MeloBuds N70はなかなか自然に音を広げてくれますね!
ライブ音源を聴いたら、リアルなホール感が出て楽しいですよ。
またLDACと空間オーディオを両立できるのもポイントが高いです。YouTubeなどでライブ音源を聴く時にワンポイントで使う感じになるかと思います。
ノイズキャンセリング|けっこう強め
ノイズキャンセリング性能は価格に対してけっこう強めで、低域側はしっかり目にカットします。
MeloBuds Proよりもスペック値上のノイズ抑制力はアップしていますが、実際試してみた感じだとそこまで大きな違いは感じませんでした。
まあMeloBuds Proの時点で優秀でしたしね。
アプリでは「アダプティブ」「室内」「通勤」「騒がしい」「風切音カット」の5つから選択可能です。

アダプティブにすると、周りの環境に応じて自動でノイズキャンセリング性能を最適化してくれます。この状態で電車に乗ってみると、低域側の走行音がかなりカットできていることがわかりますね。
ただし、「アダプティブ」だと、状況によっては超高域側が弱くなり、音楽を聴いている状態でもキーボードのタイピング音は耳に入ってきやすいように感じました。
「室内」だとタイピング音の高域側が目立つ感じもなかったので、屋内メインで使う場合は設定を変えてあげると良いと思います。
| ノイズキャンセリング | (4.3) |
外音取り込み|まずまず
外音取り込み性能はまずまずといったところです。MeloBuds Proよりは高域側が少しクリアになっていますね。
ただ、高周波ノイズが少しキツくなり耳が痛く感じることがあります。これもMEMSドライバーの影響かな。
同価格帯だともう少し優秀な機種があります。
アプリで「1~6」の間でレベル調整が可能で、6にするとかなり聞こえやすくなります。

| 外音取り込み | (4.0) |
操作性|カスタマイズ性が高い
MeloBuds N70の操作性は、複数タップの感度がやや悪め。
操作方法一覧は次のとおりです。
| 項目 | 操作方法(デフォルト) |
|---|---|
| 再生/停止 | L or R側を2回タップ |
| 曲送り | R側を3回タップ |
| 曲戻し | アプリで設定可能 |
| 音量を上げる | アプリで設定可能 |
| 音量を下げる | アプリで設定可能 |
| 外音モードの切り替え | R側を長押し |
| 音声アシスタント | L側を長押し |
| ペアリングモードへの移行 | 充電ケースのボタンを長押し |
アプリでL/Rの1〜3回タップに対して操作の割り振りが可能です。

はじめは1回タップは誤動作防止のために「無効」になっているので、操作項目を増やしたい場合は1タップにも割りっても良いかと。
誤動作は発生しやすくなりますが、1タップだけで再生・停止ができるようになるので、操作に対するストレスは減ります。
LDACとマルチポイントの併用が可能
MeloBuds N7は、2台のデバイスに同時接続ができるマルチポイントに対応しています。
この機能によって、片側はiPhoneに繋げて音楽鑑賞をしたり、もう片側にはパソコンやタブレットに繋げてYouTubeを鑑賞したりオンライン会議でヘッドセットとして使ったりすることができます。
めっちゃ便利なんで、僕は基本マルチポイントをついている機種じゃないと愛機として使いません。
MeloBuds N70でその挙動を確かめてみましたけど、問題なく動作しますね。電源OFF後も自動で2台のデバイスに同時接続されます。
ちなみに後から再生されたほうが優先される「後勝ち」設定になっていました。
さらにすごいのがLDACとマルチポイントの併用ができる点。1万円以下で併用できるモデルはなかなかありません。
ただ、併用した場合は接続対応性が悪くなるので、LDACの再生品質を落とさないと音が途切れすぎて聴けたもんじゃないです。
通話品質|ノイズがしっかり抑えられている
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
背景ノイズがしっかり消えていて、それでいてマイク音声もクリアでなかなか品質は高そうです。
| 通話品質 | (4.0) |
音の遅延|気軽にゲームができるほど
音の遅延については、YouTubeで動画鑑賞をするくらいであれば問題なし。LDAC接続時も音ズレはほとんどありませんでした。
次にゲームモードをONにして音ゲーをしてみましたが、遅延はかなり少ない方ですが音ゲーは厳しい印象。
FPSや他のゲームをカジュアルにプレイするくらいなら使いやすいと思います。
本体操作のみでゲームモードをONにできる点もポイントが高いです。
そのほか気になったところ
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替え時に、必ずノーマルモードを挟んでしまうこと。ここが個人的に気になる部分なんですよね。
ノイズキャンセリングイヤホンは、基本「ノイズキャンセリング」か「外音取り込み」しか使わないのに、ノーマルモードを挟むことによって「外音取り込み」から「ノイズキャンセリング」に移行するために2回の操作が必要になってしまうんですよ。これがわずらわしい。
メーカーによっては「ノーマルモード」をオフにすることもできますが、QCYはまだ対応できていないようです。
あとアダプティブのイズキャンセリングが不安定で、高域が妙に際立って耳が痛くなってしまうことが多いです。
MeloBuds N70 まとめ
MeloBuds N70をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
MeloBuds N70

- 1万円以下でMEMSドライバーを搭載
- 価格に対してノイズキャンセリング性能が高い
- アプリのカスタマイズ性が高い
- マルチポイント / LDAC / 空間オーディオの併用ができる
- 自動装着検出対応
- ワイヤレス充電対応
- ゲームモード搭載で低遅延でゲームもできる
- イコライザーで調整しないと高域がキツイ
- 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む
- ノイズキャンセリング、自動装着検出、アプリがたまに不安定になる
4.0
高音
3.9
中音
3.9
低音
4.7
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.0
外音取り込み
4.3
マイク性能
4.3
利便性
| Bluetooth | 6.0 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体7時間/ ケース込み35時間 |
| コーデック | SBC, AAC, LDAC | 充電時間 | 不明 |
| ドライバー | MEMS+10mmダイナミックドライバー | 充電端子 | Type C |
| 専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
| ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング(-56dB) | 質量 ※片耳/ケース込 | 不明 |
| 外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯(低遅延モード) |
| 自動装着検出 | ◯ | 空間オーディオ | ◯ |
| マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
MeloBuds N70はこんな人におすすめ
- 1万円以下でおすすめのワイヤレスイヤホンを探している
- 硬質でシャキッとする音の傾向が好み
- イコライザーで調整するのは苦じゃない
- LDACとマルチポイントどちらも使いたい
MeloBuds Proと比べると価格は上がりましたが、その分音質も利便性も大幅にアップしていますね。
ただ、高域がそのままだとかなりキツめなので、イコライザーによる調整は個人的には必須なように感じました。
なにより1万円以下でLDAC / マルチポイント / 空間オーディオ、全て併用できるのはすごいと思いましたね。これをできるワイヤレスイヤホンは1万円前半クラスでもなかなかなかったりするので。
イコライザーで調整する派の方で、LDACとマルチポイントどちらも併用したい方にはおすすめのイヤホンだと思います。











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