ワイヤレスでも据え置きクラス!?Questyleの集大成Bluetooth対応DACアンプ「SIGMA」を試す

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今日はQuestyleの手のひらサイズのフラッグシップ級ポータブルアンプ「SIGMA」を紹介します。

名前の“Σ(シグマ)”は「集大成」を意味する記号が、その名の通り据え置きクラスの設計思想をポータブルサイズに凝縮した、同社の本気モデルです

Questyle SIGMAの特徴
  • AKM AK4493 + Questyle独自のTTAデコードアーキテクチャを搭載
  • 4基のカレントモードアンプをディスクリート回路で搭載
  • 最大1200mWの出力(@32Ω, 4.4mm接続時)
  • IEMモード&HPモード切替
  • Bluetooth 5.4対応&Snapdragon Sound&LDAC認証取得
  • Apple MFi認証取得

この通り有線でもBluetoothも使えつつ、据え置きクラスの出力も誇る最強のポータブルDACというわけですよ。

ただ、価格も最強クラスで、お値段なんと99,000円。

ボクが紹介してきたポータブルDACの中では最高値を更新しました。

どれほどの実力なのか、今回はメーカーさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。

PR:Questyle

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

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Questyle SIGMA 外観・付属品

Questyle SIGMAのパッケージはこちら。割とシンプル。

開封するとこんな感じ。

付属品一覧
  1. Type-Cケーブル120cm
  2. Type-Cケーブル12cm
  3. Type-C to Aの変換アダプター
  4. マニュアル

USB-C to Cケーブルは120cmと12cmの2つが付属しているので、据え置き環境でもポータブル環境でも使いやすくなっています。

平べったい布巻きのケーブルってめずらしい。

本体は中の基盤が剥き出しのスケルトンデザイン。

筐体にはCNC加工を施した航空機に利用されるアルミと、RFノイズを抑制する特殊コーティングを採用しているとのこと。

内部には入力ソースやゲイン設定、バッテリー残量やボリューム設定などを示すインジケーターランプが配置されています。

内部でチラッと光っているだけなので、今どの状態なのか屋外だとすごくわかりにくい……。ないよりマシだけど。

厚みはスマホより少しあるくらいですかね。

スマホや同社のドングルDACとサイズを比べるとこんな感じ。

スマホよりはサイズは小型ですが、ポータブルDACとしては大きめ。

MagSafeやDAC Pocketも使えないので、屋外ではBluetoothで運用する方が取り回しは良いかと思います。

左側面には電源、ボリューム、入力切替ボタンと、ゲイン変更、IEM/HP変更、操作ロックスイッチが並んでいます。

ゲイン調整だけでなくIEM/HP出力の切り替えで、高感度のイヤホンや低感度のヘッドホンなどにあわせて出力を調整できます。ここはユニークなポイントかと。

本体下部には充電用Type-C端子、DAC入力用Type-C端子、そして3.5mm端子と4.4mm端子が備わっています。

充電しながらスマホと接続することもできますね。

天面にはなんもなし!

背面は本体ロゴや認証ロゴなどが印字されています。

重さは約164gです。

Questyle SIGMA スペック

スペック一覧Questyle SIGMA
DACチップAKM AK4493
対応ビットレート最高 PCM768kHz/32bit ,
DSD Native:
DSD64,DSD128,DSD256,DSD512,
DSD Dop:DSD64,DSD128,DSD256
UAC2.0 対応
対応OS:Win
XP/Vista/Win7/Win8/Win10/Win11/
Linux/Android/HarmonyOS/macOS and iOS
BLUETOOTHSBC / LE Audio/ aptX / aptx HD / LDAC
THD+N0.0002% @300Ω
出力レベル1200mW @32Ω Balanced
S/N比120dB
連続再生時間12時間
保証期間1年

Questyle SIGMA レビュー

音質|純度の高いニュートラルサウンド

Questyle SIGMAの音質ですが、超純度の高いニュートラルサウンドという印象ですね! 解像度バカ高いです。

今回の検証では、Bluetooth接続ではiPhone 17 ProにQCC Dongle Proを使ってLDACで接続。

また、iPhone 17 ProとAAC接続で直接繋いでも検証しました。

有線接続では付属のUSB-CケーブルでiPhone 17 Proと接続して検証しています。

試聴イヤホンにはSoftearsのVolume Sと、ゼンハイザー使用しています。

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

5.0

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向は少し硬質でカチッとした印象。ただ歯擦音が目立つ感じではなく、あくまでニュートラルで癖のないモニター調の音のように感じました。。

誇張されたダイナミックさや、滑らかでアナログライクな音でもなく、ホント”素”って感じ。

音源が持つ情報を極力崩さず、イヤホンやヘッドホンの音の傾向をそのまま引き出したい方にピッタリだと思います。

解像度も今まで紹介してきたポータブルDACと比べてもバカ高く、細部までキッチリカッチリ丁寧に描写するような感覚。

iPhoneのAAC接続だと解像度は少し落ちますけど、高域のキツさが緩和されて滑らかな音になります。

有線接続だと音の傾向はそのままに、音の緻密さが一気に高まりますね。

ボーカルのファルセットの細部や、ストリングスがフロアに広がる音の余韻、ベースラインの輪郭まで、なにもかもがBluetooth接続よりも一歩レベルがアップします。

通勤中など移動中はBluetooth接続の方が取り回しよく使えるかと思いますが、自宅やカフェ、オフィスなど落ち着いて聴ける環境であればできる限り有線で使った方が良いかと思います。

出力について

出力についてですが、これ凄いですね……。サイズ的にはふつうにポータブルできるほどのサイズ感ですが、マジで据え置き級の出力の高さがあります。

スペック値でも4.4mm接続時で1200mW @32Ω ですもんね……。ドングルDACだと出力が高いモデルでも600mWほどだよ……?

ハイゲインにしてHPモードで検証ましたが、まずTAGO STUDIO T3-01では余裕。むしろHPモードでゲインを下げてもOKなくらい。

次にゼンハイザーのHD 660S2(音圧感度104dB、インピーダンス300Ω)で検証しましたが、これも余裕。下手な据え置き機よりしっかり駆動できています。

最後にスペック値以上に鳴らしにくい有線ヘッドホン代表HD 800 S(音圧感度102dB、インピーダンス300Ω)で試してみましたが、これもふつうにいけますね。

10万円以上の据え置きDACと比べるとポテンシャルを最大限まで発揮できている感じではありませんが、しっかりドライブはできているかと思います。

鳴らし切るために”頑張ってる”感じがないですもんね。少し余裕があるくらいのドライブ力ですよ。さすが1200mW。

単純に出力が高いだけでなく、高感度のイヤホンと低能率のヘッドホン、どちらにもちょうど良い出力にできる点も凄いと思いました。

ボリュームも有線接続時はスマホ側で操作できなくなりますが、本体側では細かく調整できます。

IEMモードでローゲインにしたらIE 900でもちょうど良い出力にもできますしね。

データ転送用とは別で充電用のUSB-C端子も備わっていますし、「据え置き」と「ポータブル」、「イヤホン」と「ヘッドホン」どちらの環境でも高音質で楽しみたい方にはピッタリのDACだと思います。

接続安定性は?

QCC Dongle ProでLDACの990kbpsで接続して接続安定性も検証しましたが、地元のモール内では音途切れはなし。電車内だと気にならない程度ではありますが、少し音途切れがありましたかね。

これはQCC Dongle ProのLDAC 990kbpsの接続が少し安定しにくいのが原因かとは思います。基本的には安定していますね。

その他気になるところは?

最後に気になるところですが、本体がけっこう熱くなりやすい点でしょうか。

IEMモードでハイゲインで使う程度であればほんのり熱くなる程度ですが、HPモード/ハイゲインで充電しながら使うと低音やけどするんじゃないかな?と思うくらい熱くなります。

このサイズでこの出力の高さを実現するためには仕方がない仕様なのかしら……。

Questyle SIGMA まとめ

総合評価

5/5

Questyle SIGMA

  • 純度の高いニュートラルサウンド
  • 最大1200mWと据え置きクラスの出力の高さ
  • 高感度のイヤホン/低能率のヘッドホンどちらにも対応できる
  • 有線・Bluetooth両対応
  • 充電用端子とデータ転送端子が分離している
  • インジケーターが見にくい
  • 高出力時に熱くなりやすい

5.0

音質

4.0

携帯性

4.0

拡張性

4.8

利便性

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り
こんな人におすすめ
  • 味付けが少なくニュートラルなサウンドで楽しみたい
  • イヤホンもヘッドホンも1台で駆動したい人
  • 有線とBluetoothどちらでも使いたい
  • 据え置き級の音をポータブルで楽しみたい人

価格は超高いですけど、高いなりの音質の良さと利便性の高さを持ったポータブルDACのように感じました。

カスタムIEMのような超高感度のイヤホンにも対応できるかと思いきや、HD 800 Sのような超弩級ヘッドホンまで鳴らし切れるという対応力の高さ。

それだけではなく有線/無線でもどちらもで高音質で楽しめるのも凄い。

一つのDACであらゆるイヤホン・ヘッドホンを様々な環境で楽しみたいという方にはピッタリだと思います。

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