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JBLから久々のオープン型ワイヤレスイヤホン「SENSE LITE」が登場しました!

- 大口径18×11mmダイナミックドライバーを搭載
- リキッドシリコン採用のしなやかな装着性
- 人間工学と検証に基づいた「3Dエルゴノミックシェイプデザイン」
- 逆位相のサウンドをぶつけ音漏れを最小限に
- 低音と防水性能を両立した高度な音響チャンバー構造
- 2台同時接続を行うマルチポイントに対応
- 本体8時間、ケース込み32時間の再生が可能
- 価格は12,980円
JBLのオープン型といえば2023年に登場した「SOUNDGEAR SENSE」が当時爆売れしていましたが、あのイヤホンを皮切りに各社のオープン型イヤホンの音質が飛躍的に向上したような気がします。
今回はSOUNDGEAR SENSEの正当後継機というわけではなく、JBLの新たなオープン型イヤホンラインナップの「エントリー機」という立ち位置になるようです。
今回はハーマンインターナショナルさんより先行で紹介用にSENSE LITEを提供いただいたので、SOUNDGEAR SENSEと比べながらどれほどの実力か検証していきましょう。
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JBL SENSE LITE 外観・付属品
それではJBL SENSE LITEの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
JBL SENSE LITEのパッケージはいつものJBLらしいアメリカンなデザイン。

開封するとこんな感じ。

付属品

- USB Type Cケーブル
- マニュアル
充電ケース・本体
JBL SENSE LITEの充電ケースはこちらですが、SOUNDGEAR SENSEと比べてオシャレなデザインになりましたね。

今回はブルーを提供いただきましたが、表面がマットな質感になって上質さもありつつも傷が汚れも目立ちにくくなりました。やはりマットはいい……マットはいいぞ……!!
厚みもそこまでなく、ズボンのポケットにも収まるほどの大きさです。

JBL SOUNDGEAR SENSEと比べるとこんな感じです。縦幅は少し長くなりましたが、横幅は短くなりました。厚みは同じくらい。

充電端子はUSB Type Cに対応。

ワイヤレス充電は残念ながら対応していませんでした。
充電ケースを開けるとこんな感じ。

取り出しやすさは、まあ特に問題なしですかね。

イヤホン本体はこちらですが、SOUNDGEAR SENSEと比べるとスタイリッシュなデザインになりましたね。

医療機器にも使われる「高品質リキッドシリコン」と「形状記憶シリコンワイヤー」を組み合わせた耳あたりの良いイヤーフックを採用しています。

ツタ部分が細いため、メガネやマスクとの干渉もしにくくなっています。
また、耳のカーブに沿った形状になっていて、耳穴に対してドライバーがまっすぐ向くようになっています。そのため、音の損失を少なく耳に対して音を送られるというわけです。

ドライバー部には18×11mmの長方形型の大口径ダイナミックドライバーを採用。音楽の音量に応じて低音を自動で調整するBASSエンハンスメント機能も備えています。

また本体上下に長細い穴があるのがわかると思いますが、こちらは低音と防水性能を両立した「音響チャンバー構造」となっています。
万が一水が入った場合もチャンバーを通過しやすくすることで防水性を高めつつ、パンチの効いた低音を演出できるようになっているみたいです。
SOUNDGEAR SENSEと比べるとこんな感じ。


最後に重さですが、総重量は85g、本体片耳の重量は9.5gです。


SOUNDGEAR SENSEが約13gなので約4gほど軽くなっていますね。
JBL SENSE LITE スペック
製品名 | SENSE LITE | SOUNDGEAR SENSE |
ドライバー | 18×11mmダイナミックドライバー | 16.2㎜ダイナミックドライバー |
Bluetooth | Bluetooth®5.3 | Bluetooth®5.3 |
コーデック | SBC,AAC | SBC,AAC,LC3(対応予定) |
再生時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:6時間 ケース込:24時間 |
急速充電 | 10分で3時間充電 | 15分で4時間充電 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | IP54 | IP54 |
自動装着検出 | – | – |
アプリ | ◯ | ◯ |
低遅延モード | ビデオモード | ビデオモード |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
本体重量 | 9.5g | 12.8g |
価格 JBL公式ストア価格 | 12,980円 | 16,500円 |
SOUNDGEAR SENSEとスペックを比べてみると、再生時間が長くなって、本体も軽くなって、その上で安くなっているんですよ。
これで音質も良ければSOUNDGEAR SENSEがいらない子になるフラグが立っています。
カラーバリエーションはブルー、ベージュ、ブラック、パープル、ホワイトの全5色展開となっています。





オープンイヤーで5色展開はかなり珍しいですね! 好みの色にも合わせやすくなっているかと思います。
JBL SENSE LITE レビュー
装着感|SOUNDGEAR SENSEよりもさらに軽快に
JBL SENSE LITEの装着感についてですが、SOUNDGEAR SENSEよりもさらに軽快になっていますね。
実際に装着してみるとこんな感じ。ツタ部分が細くなったおかげでメガネやマスクともさらに干渉しにくくなりました。


SOUNDGEAR SENSEと比べるとこんな感じ。こっちはゴツゴツとしていましたが、見た目もスマートになりましたね。


SOUNDGEAR SENSEのようにフックの角度は調節できなくなりましたが、ボクの耳だとベストなポジションでフィットしてくれています。
フック部がやや耳の内側に向いているおかげでホールド力があり、走ったりジャンプしたりしても耳から落ちるような心配もありませんでした。
SOUNDGEAR SENSEより軽くはなりましたが、他社だと7g台のモデルもあるため装着感が超軽いというわけでもありません。
ただ、痛みは発生しにくく、それでいて安定した装着感のように感じましたね。
装着感 | (4.8) |
音質|同価格帯のカナル型と遜色のないレベル
SENSE LITEの音質ですが、耳を塞がないタイプなのに耳栓タイプであるカナル型イヤホンと同等クラスの音質です。
つまり、ながら聴きタイプとしてはめちゃめちゃ良いです。
最近は1万円以下の音質の良いオープン型イヤホンをレビューしましたけど、その機種と比べても1ランク上の実力はあるように感じましたね。
また、SOUNDGEAR SENSEと比べると、質としては少し良くなっているような感覚で、音の傾向もやや異なります。
4.2
高音
4.2
中音
4.3
低音
音の傾向
音の傾向はJBLらしい豊かでノリの良いサウンドですが、SOUNDGEAR SENSEよりも全体的にメリハリ感は少し抑えられていて、厚みと滑らかさを持った音になっています。
かといって解像度の低い緩めの音ではなく、JBLらしいレスポンスの良さやノリの良さは健在。
音場
音場はSOUNDGEAR SENSEよりも広くなっているように感じました。SOUNDGEAR SENSEの方が全体的に音が近め。
音が降ってくるような感じではなく、音がふわ〜っと広がっていく包み込まれるような音場感のように感じました。定位は甘め。
高音
高域はSOUNDGEAR SENSEで少し感じられたザラつき感やシャリつき感がさらに抑えられ、カナル型に聴いている感覚に近くなりましたね。
また、SOUNDGEAR SENSEよりも少し柔らかめのテイストの高域で、長時間聴いていても聴き疲れがしにくくなっているように感じました。
低音
低音も厚みたっぷりで、オープン型でありつつも低音の迫力や臨場感をしっかり体感できます。音のスカスカ感のようなものは一切感じません。
SOUNDGEAR SENSEよりも中低域ラインが少し豊かに広がるようになっていて、メリハリを効かせすぎず、チルい聴かせ方もできるようになりました。また低域もより沈み込むようになっていますね。
低音の量感や質感については5,000〜20,000円クラスと比べてもさすがの実力のように感じました。
中音
耳を塞がないタイプとは思えないくらい厚みがたっぷり。
ボーカルも埋もれることなくハリの良い声でフレッシュに鳴りますね。
音の分離感は少し甘めですが、価格と耳を塞がないことを考えれば十分なレベル。
ジャンル
おすすめのジャンルはポップス、エレクトロ、ヒップホップなど。
SOUNDGEAR SENSEと比べると少しゆったりめの音になっているので、BPMの早いロックよりも、チルいシティポップやヒップホップ系の方が合うように感じましたね。
もう少しレスポンスが良くてカチッとした音が好みならSOUNDGEAR SENSEでも良いとは思いましたが、SENSE LITEの方が安いし、軽いし、スペックもいいし……音の傾向だけで選ぶのはもったいない気がしますね。
音漏れについて
SENSE LITEはJBL OpenSoundテクノロジーによって、音を耳に伝えると同時に音漏れ部分に対しては逆位相のサウンドをぶつけることで音漏れを最小限に軽減する機能を搭載しています。
SOUNDGEAR SENSEにも搭載されていた逆ノイズキャンセリング的な感じですね。
実際に試してみましたが、屋内で本格的に聴く時の音量(iPhoneの音量40%ほど)だと何の曲を聴いているかハッキリとわかるくらいには漏れていますね。
音漏れはSOUNDGEAR SENSEより少し大きくなった気がしますね。オフィスやカフェなどやや静かな環境だとある程度音量には注意する必要がありますかね。
操作性|やや感度は高いが強い不満はなし
SENSE LITEの操作性は必要十分な使いやすさという感じでしょうかね。

操作はタッチパネルで行います。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | L側を1回タップ |
音量を下げる | L側を2回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を2回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話中にマイクをミュート | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 着信中にL or R側を2回タップ |
音声アシスタント | L or R側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | 1回タップした後に2回目のタップを長押し |
JBLはアプリで操作を割り振れるのですが、操作項目が一括で割り振られてしまうので自由にボタンを配置できないという点がありました。
そのため、ノイズキャンセリング対応モデルの場合だと音量操作を実質割り振れないという致命的な弱点がありました。
ただSENSE LITEはノイズキャンセリングは搭載していないので、デフォルトのまま左耳側を「音量の操作」右耳側を「再生の操作」にしておくと網羅的に操作を行えるので問題なしです。
耳を塞がないイヤホンの場合は音量調整をすることが特に多いので、本体のみで操作できるのはありがたいです。
細かな点ですがタッチした時の「ポンっ」とした音がSOUNDGEAR SENSEよりも小さくなっていて不快感が少なくなっていました。
アプリについて
JBL SENSE LITEはアプリに対応しています

- イコライザー設定
- タッチ操作の変更
- スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - 左右のサウンドバランスの調整
- 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- サウンドレベルオプティマイザー(NEW)
→通話時の相手の声のレベルを自動で調整する機能 - 通話イコライザー(NEW)
→相手の声と自分の声のイコライザー設定ができる - リラックスモード(NEW)
→アンビエントサウンドを流す機能 - オートパワーオフ
→30分、1時間、2時間から選択可能 - ファームウェアアップデート
イコライザー設定
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。

JBLのイコライザーってとても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。

マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動もチェックしてみましたが、問題なさそうです。
iPhoneとiPadに2台同時接続して検証しましたが、電源OFF後も2台のデバイスに自動で接続されたので問題なしでした。
接続完了までのラグも少なめです。
ながら聴きタイプのワイヤレスイヤホンでマルチポイントを使えるのはホント便利なんですよ。
普段はスマホと接続して音楽を聴きつつ、iPadで動画を見たくなったらそのままYouTubeの再生ボタンを押すだけでイヤホンから音が流れるんですよ。
わざわざペアリングする必要もなくシームレスに接続先を切り替えできるのでホント便利です。マルチポイントがないとペアリングが煩わしくて暴れ狂います。
音の遅延|ビデオモードなら違和感なし
JBL SENSE LITEの映像と音声のズレですが。
オーディオモードをONにすると、アニメやライブ映像とか映画を見る分には違和感が完全になくなって、リズムに合わせて映像作品を見れるようになりました。
ビデオモードのままにすると、少し音途切れがしやすくなるので、電車の中とかで使う場合は注意が必要です。
ただ、ゲームに対する遅延は対応できていないようで、音ゲーをすると全然タイミングが合いませんでしたね。
ゲーム用途にはまだまだ使えなさそうです。
通話品質について
SOUNDGEAR SENSEと比べると高音側のノイズはカットできていますが、その分自分の声はこもり気味になってますね。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
風切り音には弱い感じで、最初は結構入ってきますが、時間が経てば落ち着いてきます。
通話で使用する分には十分優秀な性能は持っていますね。
通話品質 | (4.5) |
JBL SENSE LITE まとめ
JBL SENSE LITEをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
JBL SENSE LITE

- 同価格帯のカナル型TWSに匹敵する音質の良さ
- JBLらしいサウンドでノリよく音楽を楽しめる
- 軽快かつホールド力の高い装着感
- 再生時間が長い
- マルチポイント対応
- カラーバリエーションが豊富
- ワイヤレス充電に非対応
- LDACに非対応
4.2
高音
4.2
中音
4.3
低音
4.8
装着感
4.0
音漏れ
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8時間/ ケース込み32時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 10分で3時間充電 |
ドライバー | 18×11mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IP54 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳 | 9.5g |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 空間オーディオ | – |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
JBL SENSE LITEはこんな人におすすめ
- 予算15,000円以下でおすすめのながら聴きイヤホンを探している
- 「家事中」「仕事中」などあらゆる場面で使えるながら聴きTWSがほしい
- ながら聴きでも音質の良さを求めたい
- スポーツやジョギング中でも高音質で聴きたい
さすがJBLということもあって、オープン型かつエントリー機でありつつも妥協のない音質の良さでした。
SOUNDGEAR SENSEと比べても装着感も良くなってますし、スペックもアップしていますし、価格も安くなっていますし、今買うならSENSE LITEのほうがいいと思います。
これでエントリー機ということであれば、今後ミドル、ハイエンド機と出てくるという認識でおkですか?
JBL初のイヤーカフ型とか、さらに上位モデルも期待したいところですね。
期待したいところですね!!!
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