変幻自在のサウンド!? Beep Audioのの2DD+4BA ミドルクラス有線イヤホン「悟空」を試す

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はBeep Audio × Yongse Cable × Daruma Audio 3社による共同開発された有線イヤホン「悟空」を紹介します。

ドライバー構成は2DD+4BAで価格は39,880円とミドルクラス級となっています。

日本で「悟空」といえば、どうしてもサイヤ人になってしまいますよねー。モチーフは西遊記の「悟空」です。

中国の古典『西遊記』に登場する孫悟空の「72の変化」に由来し、音楽の特徴に応じてまるでイコライザがついているかのように音の変わるイヤホンを目指して生まれた商品です。

ケーブル交換というシンプルな解決策で音質特性を劇的に変化させる「デュアルサウンドテクノロジー」を3社で共同開発し、生まれたのがこの「悟空」というわけです。

今回はメーカーさんから悟空を紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。

PR:Beep Audio

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

Beep Audio 悟空 外観・付属品

それではBeep Audio 悟空の外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

Beep Audio 悟空のパッケージはこちら。DARUMA AUDIOとBeep Audioのロゴ、そして大きく「悟空」と記載されたデザインになっています。Yongse Cableはどこにいった。

DARUMA AUDIOは凛として時雨のドラムス「ピエール中野」氏によるコラボモデル「有線ピヤホン 3 / 5」でも有名なメーカーなので知名度も高いかと思います。

Yongse Cableはその名のとおりケーブルメーカーなので、知る人ぞ知るって感じですね。

Beep Audioは初めて聞くという方も多いかと思いますが、それもそのはず設立したばかりの新鋭メーカーです。

DARUMA AUDIOと直接関係はないとのことですが、かなり親密な関係のようです。ほぼ姉妹ブランドみたいな感じじゃなかろうか。

e☆イヤホンが主催する日本のポータブルオーディオの祭典「ポタフェス」でも出展していますし、信頼できるメーカーです。

前置きが長くなりましたが、開封するとこんな感じで入ってます。

付属品

付属品一覧
  1. イヤーピース(クリア)3ペア
  2. イヤーピース(ブラック)3ペア
  3. Yongse Ruyi Rod(4.4mm)
  4. Daruma Audio X-Stage(3.5mm・4.4mmプラグ交換式)  
  5. マニュアル

本体・ケーブル

イヤホン本体は超ゴテゴテやないか。中国感がすごい。

まさに西遊記の悟空をモチーフとしたフェイスプレートデザインとなっています。ここは好みがわかれそー。

内側は装飾やL/Rの表記もなく、凹凸のないノッペリとした設計になっています。

ケーブル着脱部は0.78mm 2pinを採用

ノズルは少し太めで、有線イヤホンとしては軸がやや短め。

ドライバー構成は2DD(ダイナミックドライバー)+4BA(バランスドアーマチュア)となっています。

まず2DD側について、メイン 10mm ドライバーは中低音域を担当し、豊かな音の土台を構築。サブ 6mm ドライバーは超低音専用設計で、30Hz 以下の深い低音をクリアに再生。

次に4BA側は中高音専用BA2基、そして高音専用BAを2基搭載し10kHz 以上の超高域まで歪みなく音を伸ばすとのこと。

音響チャンバーにも工夫が施されており、3Dプリント技術で作成した精密な内部構造と、各ドライバー専用の独立した音響経路によってその音を作り出しているようです。

付属のケーブルにはYongse Ruyi Rod(4.4mm)とDaruma Audio X-Stage(3.5mm・4.4mmプラグ交換式)の2つが付属します。 この価格で2本の素材違いケーブルが付属するのはすげぇ……。

まず、Yongse Ruyi Rod(4.4mm)を使用した場合、メーカーさん曰くケーブルに抵抗部品が付くため「悟空」は落ち着いた温かみのあるサウンド特性を示します

中高音域は繊細に再現され、特にボーカルやアコースティックギターのニュアンスが美しく表現され、低音は柔らかく包み込むような質感で、長時間のリスニングでも耳が疲れにくい設計になっているようです。

要は暖色系ケーブルという感じでしょうかね。にしても本体と同様にデザインが超ゴテゴテですが、悟空的にはこっちのケーブルの方が一貫性がありますね。

プラグは4.4mmの固定になっています。

ちなみにRuyi Rodの日本名は「如意棒 」です。なるほど。

次にオプションの Daruma Audio 製ケーブル「X-Stage」に交換すると低音は緊締化され、ビートのキレが格段に向上し、高音域は拡張され、シンバルの輝きやボーカルのビブラートがより明確に浮かび上がるように。

音場は大きく広がり、フェス会場やスタジアムライブのような開放感を再現。運動時や気分を高めたい時に最適なチューニングになっているようです。

要はロックやポップスに向けたキレの良い音のケーブルって感じでしょうかね。こっちの方がボクの好みに合いそう。

こちらのプラグは交換式になっていて、4.4mm / 3.5mmで気軽に切り替えられるようになっています。

Beep Audio 悟空の概要・スペック

スペック一覧Beep Audio 悟空
形式密閉型ハイブリッドイヤホン
ドライバー2DD(10mm+6mm)+4BA
インピーダンス 25Ω
再生周波数帯域15Hz-25kHz
音圧感度100dB/mW
プラグ形状3.5mm3極
コード長1.2m
重量5.5g
リケーブル対応0.78mm2ピン着脱式
リモコンマイク×
保証期間1年

Beep Audio 悟空 レビュー

装着感について

Beep Audio 悟空の装着感についてですが、まあ普通ですかね。

実際に装着してみるとこんな感じ。

前から見るとこんな感じ。

本体が軽いので圧迫感や鈍痛のようなものは発生しにくいですね。

ただ内側がノッペリとしているので、装着感が少し不安定になることもありましたね。

装着感(4.0)

音質(Ruyi Rod)|超濃厚

Beep Audio 悟空の音質について、今回は以下の環境で検証しました。

試聴環境
  • DAP:ソニー NW-WM1AM2
  • アプリ:Apple Music
  • 接続方式:4.4mmバランス接続
  • イヤーピース:付属シリコンイヤーピース(ブラック)
  • エージング:100時間ほど

Beep Audio 悟空の音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.6

高音

4.7

中音

4.7

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

音の傾向はずっしりとした低音と、豊かに広がる中低域、明瞭でスナップ感良い中高域が際立つ「へ」を180度回転させた「逆への字型」みたいな音の傾向ですかね。

全体的にウォームかつ濃厚で、なかなかユニークなサウンドです。

低域

低域については中低域ラインを豊かに広げつつも、タイトで迫力のある低音も出るコッテリマシマシサウンド。

支配的でありつつもネットリとした低音ではなく、意外とレスポンスも良いのでモタつくような感覚はないんですよね。

高域

支配的な低域に対して高域は意外とカリッとした音で、刺さりは抑えつつもスナップ感ある音のように感じます。

ハイハットやストリングスの帯域である高域〜超高域帯はそこまで自然には伸びず、スネアやエレキギターが担当する中高帯をキレの良い音でスパッと鳴らすようなタイプですね。

低域はガッツリウォーム系ですけど、高域はややクール寄りな印象を受けますね。

中域

低域の量感の多さに対して、ボーカルラインは意外とクリアな印象。

支配的な低音の前でもボーカルは同化するような感覚はなく、存在感のある歌声を聴かせてくれます。

ボーカルは脚色なく、ありのまま出すモニター的な聴かせ方のように感じますね。

おすすめジャンル

おすすめジャンルはヒップホップ、トリップホップ、ヒーリングミュージックやアンビエント、チル、あたりでしょうか。

個人的な趣味でOKであれば、洋楽だとマッシヴ・アタックやThe・Internetあたり、邦楽だとNujabes

ほぼメロディがなく低域だけに埋もれているようなな深いベースサウンドの中に、ドラムやボーカルがアクセント的に入るような楽曲が相性が良く感じましたね。つまりヒップホップやトリップホップです。

総評

Ruyi Rodだと音がかなりユニークなので人は選ぶと思いますが、低音を主体に聴きつつボーカルも明瞭に感じ取りたいという方には向いているイヤホンだと思います。

これがRuyi Rodで聴いた時の音ですが、Daruma Audio X-Stageに変えると、音がガラッと変わります。

音質(X-Stage)|中高域がより明瞭に

Beep Audio 悟空の音質について、今回は以下の環境で検証しました。

試聴環境
  • DAP:ソニー NW-WM1AM2
  • アプリ:Apple Music
  • 接続方式:4.4mmバランス接続
  • イヤーピース:付属シリコンイヤーピース(ブラック)
  • エージング:100時間ほど

Beep Audio 悟空の音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.7

高音

4.7

中音

4.6

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

音のバランスはRuyi Rodとは異なり、中高域が主役となり、低域〜中低域はサブに回ったような感じになりましたね。

ただ低域と高域のバランスが変わっただけで、基本の傾向は大きくは変わらないように感じましたね。

音場

Ruyi Rodと比べて音場がやや広がり、定位感も良くなったように感じます。

高域

Ruyi Rod使用時に伝えていた高域の傾向はそのままで、刺さりは抑えつつもスナップ感のある音のように感じました。

相変わらずハイハットやストリングスの帯域である高域〜超高域帯はそこまで自然には伸びず、スネアやエレキギターなどの電子音がキレの良い音でスパッと鳴らすようなタイプですね。

ほどよい煌びやかさアクセントとなって心地よさにつながっています。

中域

ボーカルの質感も大きくは変わらず、ありのままに出す率直な音のように感じます。

ただ、低域と高域のパワーバランスが変わった影響か、Ruyi Rodは低域を含んだ深みのある歌声でしたが、X-Stageはハイトーン系にも合うようなフレッシュな音になりますね。

低域

低域はRuyi Rodのウォームさはそのままに、量感が少なくなりタイトな音になりました。

ネットリ感がなくなって、中高域とのバランスが保たれているように感じました。

おすすめジャンル

エレクトロ、シティポップなど電子音を多用した現代的なポップスがおすすめのように感じました。

総評

Ruyi Rodと比べるとクセが少なく、万能な音のように感じましたね。最新チャート曲にも合わせやすい音作りです。

ただ、Ruyi Rodの個性が強すぎて、X-Stageが逆に物足りないようにも感じてしまいますね。

Beep Audio 悟空 まとめ

Beep Audio 悟空をまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.0/5

Beep Audio 悟空

  • 一つのイヤホンで2つの異なる音を体感できる
  • 超濃密なウォームサウンド(Ruyi Rod)
  • バランスの良い現代的なサウンド(X-Stage)
  • チューニング変更のためにケーブルを交換するのがめんどくさい
  • 超高域帯の伸びやかさはイマイチ

4.6

高音

4.7

中音

4.7

低音

4.6

解像度

4.7

迫力

4.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
ケーブル次第
高音寄り

Beep Audio 悟空はこんな人におすすめ

悟空はコンセプト通りケーブルによって大きく音が変化するイヤホンのように感じました。

どちらのケーブルが好きかと言われると……音の好み的には「X-Stage」のはずなんですけど、それだと似通った音のイヤホンも多いので、悟空ならではの個性を考えると濃厚な音の「Ruyi Rod」の方が好きですね。

Ruyi Rodで聴くトリップホップやチル系ヒップホップがなかなかに最高です。

デザイン、音質ともにかなり尖った製品ですが、またぜひオーディオイベントや店頭でケーブルを交換しながら聞いてみてください

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