こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は1万円以下でLDAC / aptX Lossless / LC3などコーデック全部入り、そして-55dBのノイズキャンセリングに対応した機能てんこ盛りのワイヤレスイヤホン「Air5 Pro」を紹介します。

- PU+PEEK素材を使った10mmダイナミックドライバーを搭載
- SOUNDPEATS史上最高クラスのノイズキャンセリング性能
- LDAC / aptX Lossless / LC3など主要コーデックに全対応
- マルチポイント接続&急速充電に対応
- ゲームモードは60msと超低遅延仕様
- 最大再生停止は本体7.5時間 / ケース込み37時間(ノイキャンOFF)
- 価格は9980円→クーポンでさらに安く
前作のAir4 Proと比べて、再生時間、ノイキャン性能、遅延、周波数帯域がそれぞれ向上! コーデックも前作はaptX系列のみでしたが、Air5 ProはLDACとLC3も追加されました。

1万円以下としてはかなりのスペックの高さかと思いますが、スペックだけでなく音質や性能面でも大きくパワーアップしていましたね
今回はAir5 Proをメーカーさんに提供していただいたので、前作のAir4 Proや、MEMSドライバー搭載のCapsule3 Pro+と比べながら検証していきましょう。
動画版はこちら
Air5 Pro 外観・付属品
それではAir5 Proの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはいつものSOUNDPEATSらしいデザイン。VGP2025金賞も受賞しています。

開封するとこんな感じ。

付属品

- イヤーピース(シリコン製)3ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
充電ケース・本体
充電ケースはこちら。

Air4 Proはラメ感のあるデザインでしたが、今回は単色グレーの地味なデザインになってしまいましたね。
筐体も薄いので胸ポケットにも収まるサイズ。

Air5 Pro、Air4 Pro、Capsule 3 Pro+と比較するとこんな感じ。

充電端子はUSB Type Cに対応。

ワイヤレス充電には……残念ながら対応していません……。

ライバル機は1万円以下でもワイヤレス充電に対応しているものもあったので、ここは欲しかったな……。
そして開口部はAir5やイヤーカフ型のUUのように全面から大きくパカっと開くような仕様になりました。

この仕様のおかげで本体をかなり取り出しやすくなりましたね。

本体はスティック型を採用。Air5やCapsule 3 Pro+のようにハウジング面積が大きくなりましたね。

Air5 Pro、Air4、Capsule 3 Pro+と比べるとこんな感じ。

ノズルはやや楕円形。

最後に重さですが、総重量は50.8g、本体片耳の重量は4.9gです。


多機能なワイヤレスイヤホンとしてはまあまあ軽めです。
Air5 Pro、AIr4、Air4 Liteと比較すると
項目 | Air5 Pro | Capsule3 Pro+ | Air5 | Air4 Pro |
---|---|---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
形式 | カナル型 | カナル型 | インナーイヤー型 | カナル型 |
ドライバー方式 | 10mm ダイナミックドライバー(PU+PEEK) | 12mmダイナミック+MEMSドライバー | 13mm ダイナミックドライバー | 13mm ダイナミックドライバー |
ハイレゾ認証 | 認証済み | 認証済み | 認証済み | × |
Snapdragon Sound | 対応 | × | 対応 | 対応 |
LE Audio | 対応 | × | × | × |
再生周波数帯域 | 20Hz〜40KHz | 20Hz〜40KHz | 20Hz〜20KHz | 20Hz〜20KHz |
対応コーデック | LC3 / LDAC / aptX Lossless / aptX adaptive / aptX / AAC / SBC | LDAC / AAC / SBC | aptX Lossless / aptX adaptive / aptX / AAC / SBC | aptX Lossless / aptX adaptive / aptX / AAC / SBC |
Bluetooth | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.3 |
最大持続時間(単体) | 7.5時間 | 6.5時間 | 6時間 | 6.5時間 |
最大持続時間(本体込み) | 37時間 | 43時間 | 30時間 | 26時間 |
充電方式 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
ノイズキャンセリング | 対応(最大-55dB) | 対応(最大-45dB) | 対応 | 対応(最大-45dB) |
急速充電 | 対応 | × | × | × |
マルチポイント | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
ゲームモード(低遅延) | 対応(60ms 低遅延) | 対応(70ms 低遅延) | 対応(77ms 低遅延) | 対応(88ms 低遅延) |
定価 | 9,980円 | 13,880円 | 9,680円 | 8,480円 |
Air5 Pro レビュー
装着感|前作よりけっこう良くなってる!
Air5 Proの装着感についてですが、Air4 Proと同じかと思いきやけっこう良くなっているではありませんか。
耳に挿入する先端部分がAir4 Proは平坦でしたが、Air 5 Proは傾斜がつくことで耳穴にの形状に合わせてフィットしやすくなっています。
実際に装着してみるとこんな感じ。ややおしゃれなデザイン。

前から見ても飛び出しが少なめ。

耳の形状は個人差があるので参考程度にはしていただきたいですけど、前作よりも耳から落ちてしまいそうな心配がかなり少なくなりました。
スポーツ用途にはさすがにおすすめしませんが、通勤通学中も安心して使えます。
装着感 | (4.8) |
音質|1万円以下のTWSの中ではかなりの実力
Air5 Proの音質ですが、数ある1万円の機能性重視のハイコスパワイヤレスイヤホンの中では良い方だと思います。
MEMSドライバーを搭載したCapsule 3 Pro+には敵わないですが、前作のAir4 Proより確実に音質は良くなっていますね。

今回はXperia 1Ⅵを使ってaptX Losslessで検証しました。
Air5 Proの音の特長は次のとおりです。
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
音の傾向
音の傾向はほんの少し低域と高域が強調された元気なサウンド。
万人ウケしやすいチューニングなので、ロック、ポップスを中心に聴く方はお気に召すかと。
前作のAIr4 Proよりもさらにメリハリ感のある音になって、解像度感もアップしています。
高域
高域は鋭く伸びつつも刺激は強すぎない塩梅で、エレキギターやシンセサイザーなどの電子音をキラキラと力強く鳴らすのが得意。
こちらもAir4 Proよりも伸びやかな音になっていますね。
澄み渡るような伸びの良い高音を求める方には、MEMSドライバーを搭載したCapsule 3 Pro+がおすすめ。
低域
低域は極端に量感が多くなったりもせず、ほど良い迫力で楽曲の基盤を下支えします。
Air4 Proは平坦でノッペリとした低音でしたが、AIr5 Proはより立体的で迫力のある低音が出るようになりました。
断然Air5 Proの方が好みだった。
中音域
ボーカルラインが近めで、価格にしてはしっかりと伸びの良い歌声を聴かせてくれます。
Air4 Proと比べてもボーカルラインが明瞭なっていて、同帯域の楽器帯の解像度もアップしています。
おすすめのジャンル
おすすめのジャンルはロック、ポップス全般といったところでしょうか。
明るく元気な弱ドンシャリサウンドなので、ノリの良い楽曲は大体合います。
イコライザーも豊富
イコライザーもプリセットが豊富に用意されています。

「SOUNDPEATSクラシック」「低音を強く」「高音域の強調」「エレクトロニック」「フォーク」などさまざまなイコライザーがあります。
カスタムEQでは10バンドに対して±6dBで調整可能と自分好みの音にもカスタマイズしやすくなっていますね。
アダプティブイコライザーで自分にピッタリの音にできる
アプリでアダプティブイコライザーという機能があります。
こちらでは各帯域に対して聴力検査を複数回行って、自分にぴったりのイコライザーを自動で決めてくれる機能です。

実際に完成したイコライザーがこんな感じ。あんまかわらん……。

効果があるかどうかは人それぞれだと思いますので、とりあえず試してみることをおすすめします。
ノイズキャンセリング|前作よりも大幅にパワーアップ
ノイズキャンセリング性能も前作のAir4 Proよりもパワーアップしています。
1万円以下の中でもTOPクラスの遮音性の高さかと!
低音〜中音側の遮音性が高く、電車や車の走行音はかなり強めにカットしてくれますね。高域はやや弱めで、パソコンのタイピング音はやや耳に残りやすい印象がありました。
ノイズキャンセリングもアプリで「適合型」「室内」「屋外」「屋外交通」の4つから選べます。

適合型にしておけば環境に応じて自動でノイズキャンセリングを最適化してくれるので、基本こちらでOKかと。
風切音も入りますが、Air4 Proほどは目立たなくなっていますね。激し目の音楽を流しておけば気にならない程度ではあります
ノイズキャンセリング | (4.4) |
外音取り込み|結構自然
Air5 Proの外音取り込み性能は、価格を考えればけっこう自然ですね。
価格に対して取り込み量が大きく、イヤホンをつけた状態でも普通に会話ができるレベルですね。
ただ、自分の声は少しモゴモゴとする感覚はありますね。
アプリでは「人の声の強調」「標準的な外音取り込みモード」の2つから選べます。

デフォルトでは標準的な外音取り込みモードになっていますが、人の声の強調の方がより自然に相手の声を聞き取りやすく感じましたね。
1万円以下と考えれば優秀すぎる外音取り込み性能です。
外音取り込み | (4.3) |
操作性について
SOUNDPEATS Air5の操作はなかなか良好です。
タッチセンサーで操作を行うのですが、Air5あたりからタッチの感度がちょうど良くなって使いやすくなりました。
操作方法一覧は次のとおり。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を長押し |
曲戻し | アプリで設定可能 |
音量を上げる | R側を1回タップ |
音量を下げる | L側を1回タップ |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | L or R側を3回タップ |
低遅延モード | アプリで設定可能 |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケース裏側のボタンを3秒間長押し |
音量操作や選曲、再生/停止など、あらゆる操作は行えます。
アプリのPeats Audioを使えば左右の操作を自由に割り振れます。

ゲームモードもアプリで割り振って本体操作のみで切り替えられる点も評価が高いですね。
ノーマルモードを挟んでしまう
操作性で一点気になる点が……。
毎度のことなんですけど、ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替え時に、必ずノーマルモードを挟んでしまうこと。ここが個人的に気になる部分なんですよね。
ノイズキャンセリングイヤホンは、基本「ノイズキャンセリング」か「外音取り込み」しか使わないのに、ノーマルモードを挟むことによって「外音取り込み」から「ノイズキャンセリング」に移行するために2回の操作が必要になってしまうんですよ。
これがわずらわしい。
メーカーによっては「ノーマルモード」をオフにすることもできますが、SOUNDPEATSは対応できていないようです。
アプリでできること
アプリでできることは次の通り。

- ノイズキャンセリングモードの変更
- 外音取り込みモードの切り替え
- マルチポイントのON/OFF
- ゲームモードのON・OFF
- タッチを無効にする
- 操作方法の変更
- ファームウェアアップグレード
- LE AUDIOのON・OFF
- LDACのON・OFF
- 装着テスト
- イヤホンを探す
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動はかなり良いですね!
電源をONにした瞬間にあらかじめ接続しておいたXperia 5ⅣとiPhone 15 Proに繋がりましたね。2台目への接続がめちゃめちゃ早いです。
挙動としては後から再生した方が優先されるようですね。
3台目のデバイスには繋がりませんが、あらかじめペアリングさえしておけば、Bluetoothリストからタップしただけで再接続されます。
Bluetoothの接続切り替え周りは、最近使ってきたどのイヤホンよりも優秀ですね!複数デバイスを使う人には良いと思います。
ただしLDACとマルチポイントの併用はできませんのでご注意ください(aptX Adaptive / Losslessとの併用はできる)
通話品質|ノイズに強い
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください。
音声は少しガサつきますが、バックのノイズはかなり消えています。
ある程度騒がしい環境でも、問題なく通話ができそうなレベルですね。
通話品質 | (4.0) |
ゲームも普通にプレイできる
Air5 Proは低遅延モード(L側を3回タップ)を搭載しており、スマホゲームをする時も遅延がほぼなくプレイできます。
音ゲーをしてみましたが意外とタップのタイミングが合う印象で、高スコアを狙わなければ十分なほど。FPSも問題なくプレイできますね。
また、低遅延モードにしなくても動画鑑賞であればほぼ遅延がないため、YouTubeやアニメを見ても違和感なく見ることができますね。
Air5 Pro まとめ
Air5 Proをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
Air5 Pro

- 機能性と価格を考えれば音質はとても良い
- ノイズキャンセリング性能が高い
- 外音取り込み機能も自然
- LDAC / aptX Losslessどちらも使える
- マルチポイントの切り替えが早い
- ゲームモード搭載
- ワイヤレス充電非対応
- 自動装着検出非搭載
- 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
4.5
装着感
4.4
ノイズキャンセリング
4.3
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体6.5時間/ ケース込み26時間 |
コーデック | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive aptX Lossless | 充電時間 | ケース:約1.5時間 本体:約2時間 |
ドライバー | 13mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 3g/36g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
Air5 Proはこんな人におすすめ
- 1万円以下で音質を重視しつつ、機能性にもある程度こだわりたい
- aptX Adaptive、Lossless、LDAC対応したAndroidを所持している
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能にもこだわりたい
- ワイヤレスイヤホンゲームをすることが多い
今まで地味にアップデートし続けてきたAir Proシリーズでしたが、そのシリーズの中でも今回のAir5 Proが一番成長幅が広かったように感じました。
とくにノイズキャンセリングと外音取り込みはかなりパワーアップしていますね。
音質も1万円以下の中ではかなり良い方ですし、ワイヤレス充電 / 自動装着検出 / 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む、この三点さえ気にしなければ総合力はNo.1クラスはあると思います。
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