こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
ついにきました!ソニーから3年ぶりのワイヤレスヘッドホンのフラッグシップモデル「WH-1000XM6」が登場しました!

超久しぶりですね、発表をずっと待ってたよ!
WH-1000XM6の主な特徴はこちら
- 統合プロセッサーV2と高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3により高音質と世界最高クラスノイキャンを実現
- WH-1000XM6専用設計の30mmドライバーユニット
- 著名なマスタリングエンジニアと共創、アーティストの想いを届ける高音質
- 360 Upmix for Cinemaにより臨場感のある映画試聴体験
- AIビームフォーミング、ノイズリダクションAIなど通話性能がさらに進化
- 装着感、携帯性の向上、LE Audio対応など基本性能も向上
- 発売日は5月30日 価格は60,000円(税込)前後
ノイズキャンセリングプロセッサーがワイヤレスヘッドホンとしてはなんと7年ぶりに刷新され、QN1を大きく超える7倍の処理能力を持つようになったとのこと。
マイク数も8個から12個に追加され、世界最高クラスノイキャンを実現したようです。
音質面ではドライバーユニットを専用設計にしただけではなく、著名なマスタリングエンジニア4名と共創し、チューニングを実施。
「Lady Gaga」や「Taylor Swift」マスタリングを担当した「Randy Merrill」や、「Rihanna」や「Drake」、日本だと「宇多田ヒカル」や「MISIA」のマスタリングを担当した4名と共創し、チューニングを実施。「Chris Gehringer」氏などがWH-1000XM6のチューニングに携わっています。
ノイズキャンセリングや音質面だけでなく、携帯性や機能性など細かな点もかなりアップデートされています。
今回はソニーさんより先行で紹介用に貸出いただいたので、前作の「WH-10000XM5」と比較しながら検証していきましょう。
YouTube版はこちら
WH-10000XM6 外観・付属品
それではWH-10000XM6の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
WH-10000XM6のパッケージはメーカー名と型番だけのシンプルなデザインです。

開封するとヘッドホンケースと、その上にスタートガイドがくっついてます。

付属品

- USB Type Cケーブル
- 接続ケーブル
- キャリングケース
- 保証書
- リファレンスガイド
ステレオケーブルはマット調のブラックで、長さは約1.2m。

充電用のケーブルはUSB Type Cが付属します。

かなり短めでヘッドホン用ならもう少し長さが欲しいところ。
で、付属のケースがコチラなんですけど、WH-1000XM5の付属のものよりめちゃめちゃ質感良くなっているんですよ。

WH-1000XM5の付属ケースは半ソフトケースのような柔らかい素材感でしたが、WH-1000XM6は完全にハード仕様で安心して携帯できるようになりました。
また、今回はチャックでの開閉ではなくマグネットの留め具になっています。この仕様のおかげで開閉が超絶気軽になりました。

そして折りたたんで収納もできるようになったので、ケース自体もコンパクトになっています。

ケーブルを収納するポケットもありますし、ヘッドホン用のケースとしてはなかなか完璧な仕様。
やや厚みはあるのでバッグに入れる窮屈にはなってしまいますが、ビジネスバッグ程度であれば問題なく収納できますね。
まあヘッドホンなので普段使いは裸で持ち歩いても問題はないかと思います。
本体
WH-1000XM6本体は、基本的にはWH-1000XM5から引き継いだミニマルでスタイリッシュなデザインとなっています。

ただ、細部で仕様がかなり異なります。
まずハウジング部について、WH-1000XM5は楕円形の長細い仕様になっていましたが、WH-1000XM6は正円形になっています。

側面には四方八方にマイクが備わっている……。すごいマイクの数。

イヤーパッドはWH-1000XM5の柔軟性の高さはそのままに厚みが増していますね。装着感がさらに良くなってそう。

かといってイヤーパッド部を含めたハウジングの厚みはWH-1000XM5と変わっていないので、前から見た時のヘッドホンの飛び出し感もそこまで気にならないとは思います。
ハウジングとバンドを繋ぐアーム部分には斜めに継ぎ目が入り、そこを中心にハウジングをクルクルと回せる仕様になっています。

アームのデザインだけに注目すれば、WH-1000XM5の方が一貫性があって好みでしたかねー。
ただ、このアームの回転の仕方が異なりまして、前作のWH-1000XM5は90°に回転させる時はドライバー部を外側に向ける必要がありました。

WH-1000XM6ははハウジング側を外側に90°回転できるようになったので、首にかけている間も顎に干渉しにくくなりました。この仕様変更はありがたい!

そして前々作のWH-1000XM4のように折り目部分を中心に折りたためるようになったので、携帯性も大きく向上しました。アーム周りの利便性は大きく向上しています。

ヘッドバンド部はWH-1000XM5の細いバンドから、横面積が少し増えたワイドヘッドバンド仕様に変更されました。

この仕様のおかげで頭頂部の痛みも軽減されるかも? ただ、クッションは薄くなっていますね。
ボタン部はWH-1000XM5同様にL側の下部に集約されています。ボタン部の継ぎ目もなくなり、よりスタイリッシュ感が増していますね。

電源ボタンの丸型ボタンに変更されたことにより、ノイズキャンセリングボタンと押し間違える心配が少なくなりましたね。
逆側にはUSB-C端子が備わっています。こちらも継ぎ目がなくなってスマートに。

カラーバリエーションはブラックとプラチナシルバーの2色となっています。

プラチナシルバーは表面が和紙のようなサラサラとした質感になっていて、皮脂によるテカリが目立ちにくくなっています。その代わり汚れは目立つかもしれないけど。
プラチナシルバーも普通にアリでしね。
最後に重さは252.6gとワイヤレスヘッドホンとしては軽め。

WH-1000XM5の重さが248.6gだったんで、若干重たくはなっています。

WH-10000XM6と前作のスペックを比較
製品名 | WH-1000XM6![]() | WH-1000XM5![]() | WH-1000XM4![]() |
統合プロセッサー | V2 | V1 | – |
ノイズキャンセリング プロセッサー | QN3 | QN1 | QN1 |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 | 5.0 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,LDAC |
再生時間 ※ANC ON時 | 最大約 30 時間(NC ON時) 最大約 40 時間(NC OFF時) | 最大約 30 時間(NC ON時) 最大約 40 時間(NC OFF時) | 最大30時間(NC ON時) 最大38時間(NC OFF時) |
充電時間 | 約3.5時間 3分の充電で約1時間の再生 | 約3.5時間 3分の充電で約1時間の再生 | 約3.0時間 10分充電で約5時間再生 |
PD充電 | 3分の充電で約3時間の再生 | 3分の充電で約3時間の再生 | 非対応 |
360 Reality Audio | ◯ | ◯ | ◯ |
360 Upmix for Cinema | ◯ | – | – |
充電端子 | Type C | Type C | Type C |
ドライバー | 30mm ダイナミックドライバー | 30mm ダイナミックドライバー | 40mm ダイナミックドライバー |
自動装着検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ | ◯ |
マイクの数 | 12つ | 8つ | 4つ |
価格 | 60,000円 | 59,400円 | 47,800円 |
スペック面では大きくは進化したようには見えないですが、今回は音質や装着感、携帯性、ノイキャンなどハード面で向上している部分が多いですね。
WH-1000XM6 レビュー
装着感|さらに快適に
WH-1000XM6の装着感は評価の高かったWH-1000XM5以上に良くなっています。
実際に装着してみるとこんな感じ。横から見たときのデザインはとてもスタイリッシュ!

ハウジングが薄くなっているため、前から見た時の飛び出しもWH-1000XM5より目立たなくなっていますね。それでも飛び出し感はあるけど……。

側圧は強すぎない程度でありつつも耳内をしっかり密閉しますし、イヤーパッドも包み込まれるような柔らかなタッチで耳元も痛くなりにくいです。
また、ワイドヘッドバンド仕様になったおかげで頭頂部も痛くなりにくくなりましたね。といっても長時間使っていると痛くなりますけどね。
装着検出機能が便利
装着センサーが搭載しており、耳に装着すると自動で音楽が再生、外すと停止してくれます。
反応がめちゃくちゃ早くて、装着した瞬間に音楽をすぐに再生してくれますね。
ヘッドホンだと、音楽を流しっぱなしにしていたら音漏れがガンガンしてしまうので、音楽が自動で止まってくれるのは本当に便利ですね。
装着感 | (4.8) |
音質|前作よりもメリハリ感のある音に
WH-1000XM6の音質についてですが、”質”はややアップといったところでしょうか。
それ以上にデフォルトのチューニングがWH-1000XM5よりも個人的には好みになっています。マスタリングエンジニア4名によるチューニングが活きているんでしょうね。
ドライバーはWH-1000XM5と同じ30mm口径のダイナミックドライバーを採用していますが、WH-1000XM6用に穴を設けたボイスコイルボビン構造を採用することで、高音域の再現性もさらに向上しているとのこと。

今回の検証ではXperia 1Ⅵを使ってLDAC(990kbps)で検証しました。
WH-1000XM6の音の特長は次のとおりです。
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
音の傾向
音の傾向はWH-1000XM5のフラットマイルド傾向から、低域・中域・高域の各帯域メリハリ感が加わりハキハキとした音になりましたね。
感覚的には前々機種「WH-1000XM4」がもっと上品になったような感じのバランスでしょうかね。
音場
音場はWH-1000XM5と同様にやや広めといったところでしょうか。
それ以上に定位がわかりやすくなり、音の方向性や距離感を把握しやすくなりましたね。
高音
高域にはWH-1000XM5と比べてより煌びやかで、キレのある高音を楽しめるようになりました。
トランペットやサックスの音も刺激的でリアルな炸裂音を再現するように。
ハイハットやストリングスなどの超高音域は輪郭がクッキリとしていて粒立ちの良い音を聴かせますが、やや伸び切らないような感覚は残っています。
中音
中音域についてはWH-1000XM5のボーカルはフラットすぎて楽器隊と一体化するような感覚がありましたが、WH-1000XM6は楽器隊としっかり分離された状態でハリ良く聴かせるようになりましたね。
ボーカルの情報量も多く、声の成分を含む中低域〜中高域まで声がかすれることなく密度のある歌声を聴かせてくれます。男性・女性ボーカルの違いによる得意/不得意も感じさせません。
解像度も高く、サビの轟音のギターサウンドの中でも歪んだギターの雑味のある粒子まで感じられるほど。
低音
低域にはWH-1000XM5と比べて「ズンっズンっ」と、とてもタイトな迫力が加わるようになりました。
バスドラムやサブベースの迫力もたっぷりで、最新チャート曲もよりノリ聴けます。
ベースの輪郭はやや甘めで、どちらかといえば解像度よりも迫力重視といった印象を受けます。
中低域ラインもスッキリとしていて、WH-1000XM5にあった緩いモッサリ感が感じにくくなっています。
WH-1000XM5よりも量感が増えたように感じますが、中域〜高域とのバランスは取れており、支配的になることもありません。
おすすめのジャンル
おすすめジャンルですが、基本どんなジャンルでもOKです。
ロックやポップス、ジャズ・クラシック、ヒップホップやEDMなどどんなジャンルでも卒なくこなしてくれます。
総評
最近のソニー製品は良くも悪くもウォームでフラットな音で個人的には物足りなく感じていましたが、WH-1000XM6から音にメリハリ感が加わって音楽を楽しく聴けるようになりました。
ただ、音質を最重視する場合は他にも選択肢はあるかなーとは正直思いましたね。
個人的な感想としてはBose QC Ultra Headphonesと大体同じくらいの実力。
MOMENTUM 4 WirelessやPX7 S3には負けているように感じましたね。
WH-1000XM6の強みは音質よりも機能性面にあるように感じました。よほど音質にこだわりがない限りは良い音と感じるとは思いますけどね。あくまて比較しての評価です。
10バンドイコライザーで調整ができるように
いつも通りイコライザーも用意されていますが、今までの5バンドイコライザーからWH-1000XM6から10バンドイコライザーに変更され、音の傾向を細かく調整できるようになりました。

31Hz~16kHzの間で±6dBと超細かく設定できるようになったので、イコライザーで自分好みの音に仕上げたい方には嬉しい仕様になったかと。
その代わり「クリアベース」の設定は無くなったので、低音の迫力だけを増やしたい方は調整が難しくなったかも。「63Hz~125Hz」あたりを調整してあげるといい感じになると思いますよ。
また「ファインド・ユア・イコライザー」を使えば、自動で半自動で自分好みのイコライザー設定にしてくれる機能もあります。

こちらも10バンドイコライザーバージョンで自動で作成してくれるため、以前よりも細かな設定をしてくれるようになりました。
大味の設定ではありますけど好みの音に近づけたい場合は、とりあえずファインド・ユア・イコライザーを使ってみると幸せになれるかもですよ。
360 Upmix for Cinemaがすごい
今回から追加された新機能「360 Upmix for Cinema」ですが、これがなかなかスゴイ!

「360 Upmix for Cinema」はその名のとおり、映画に最適化されたソニー独自の立体音響技術のこと。
360 Reality Audioとは異なり、YouTubeなど対応していないステレオ音源でも、擬似的サラウンド化して映画館で聴いているような臨場感のある音にできます。
実際に使ってみましたが、低音の迫力や高音が鋭く迫るような感覚、リバーブの掛かり方がもはや映画館のソレ。
YouTubeで洋画の映画予告を見てみると、「ダーン!」という効果音を発しながら場面転換していくところ見てみると、本当に映画館聴いているような感覚になります。
次にYouTubeでライブ音源を聴いてみましたが、こちらはイマイチな印象。ホールやライブハウスで聴いているような自然な残響感はなく、楽器の音が際立たずに低音だけがやけに強調されるような聴こえ方です。
完全に映画に極振りした立体音響技術と考えた方がいいでしょう。
ノイズキャンセリングと併せて使えば、まるで自分だけに用意されたシアタールームのような感覚になりますよ。
BGMモードも追加
LinkBuds FitやLinkBuds Openに採用された「BGMモード」もWH-1000XM6に追加されています。

擬似的に音を広げて、まるでスピーカーで聴いているような感覚になる機能です。
音を広げてくれるおかげで音楽鑑賞時も人の声が聞き取りやすくなり、BGM感覚で音楽を聴きながら日常を送れるようになります。
ただ、音源に対してエフェクトが掛かりすぎてデジタルな残響感のある不自然な音に感じてしまうので、個人的には苦手でしたかねー。
ノイズキャンセリング|WH-1000XM5よりも明らかに強力
WH-1000XM6のノイズキャンセリングは世界最高クラスノイキャンと謳うだけはあり、遮音効果が超強力です。
アダプティブNCオプティマイザーが進化し、外部の総音や装着状況をリアルタイムで分析し、常に最適なノイズキャンセリングを提供できるようになりました。
実際に比べてみましたけど、あれほどノイズキャンセリングが強力だったWH-1000XM5よりも明らかに遮音性がアップしているように感じました。
電車で使ってみましたが、超絶快適ですね……。「ガタンゴトン」と響く走行音や空調音、アナウンスの音量など全帯域にわたり強力にシャットアウトしてくれます。
WH-1000XM5だと「ゴォォォォ」と背景に少し残っていたノイズが、WH-1000XM6だとかなり抑えられています。音楽をある程度の音量で聴いていれば電車内の雑音はほっとんど耳に入ってきません。
外でも使ってみたのですが、風切音がほっとんど入らなくて驚きましたね。大阪梅田駅周辺の強烈なビル風でも風切音が全然目立たず、音楽をある程度の音量で聴いていれば風切音が入っていることさえ分からないくらいです。
自宅でも使っていたのですが、リビングでウチの子どもがテレビを見てましたけど、その状況でノイズキャンセリングをONにしてヒーリングミュージックを流したらテレビの音がほとんど聞こえなくなりましたもん。あまりに快適すぎてそのままソファで爆睡できましたよ。
他のヘッドホンと比べてソニーのノイズキャンセリングは低音側だけでなく中音〜高音側の遮音性が高いので、テレビの音や声、食器の音やキーボードのタイピング音も耳に入りにくいんですよね。
なので周りの音をシャットアウトして昼寝したいときとか、仕事に集中したいときなんかにも最適なんですよね。
ノイズキャンセリングの強さにとにかくこだわりたい!という方はWH-1000XM6を選んでおけば間違いなしです。
ノイズキャンセリング | (5.0) |
外音取り込み|ほぼ耳レベルな自然さ
外音取り込みはWH-1000XM5と比べてめ〜〜〜〜ちゃめちゃ自然になっていますね!
普段耳で聴いている感覚にかなり近いレベルまで自然に集音できるようになりました。
WH-1000XM5は外音取り込み時に小音量で音楽を聴いていると、相手に話しかけられ時になんて言っているか聞こえにくい場面が多かったのですが、WH-1000XM6だといつも通り会話できます。
まるで自分だけに聞こえるスピーカーのような感覚でながら聴き用途でも使えますよ。
ノイズキャンセリングは超強力なのに外音取り込みは超自然だから、2つのモードの切り替えをすると聞こえ方の差が激しすぎて台風発生するわ。
ただ、背景で「サーーーー」と鳴るホワイトノイズは少し気になるかな?という印象でしたね。
手のひらでハウジングを押さえている間は外音取り込みモードになる「クイックアテンション」という機能もあるので、ワンポイントで相手の声やアナウンスを聴きたいときも便利に使えます。

外音取り込み | (4.9) |
操作性|タッチセンサーで直感的
WH-1000XM6の操作性については相変わらず最高ですね。
ハウジングがタッチセンサーになっているのですが、指でスライドすることで直感的に操作ができます。

操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | ダブルタップ |
曲送り | 右にスライド |
曲戻し | 左にスライド |
音量を上げる | 上にスライド |
音量を下げる | 下にスライド |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | NC/AMBボタンを1回押す |
音声アシスタント | タッチセンサーを長押し |
ペアリングモードへの移行 | 電源ボタンを長押し |
再生/停止もダブルタップからですし、外音モードの切り替えボタンもL側の物理ボタンで独立していますし、誤操作の心配がまずありません。
音量操作は素早くスライドすると一回分だけ音量調整されますが、ゆっくりスライドすることで一気に音量を上げたり下げたりもできます。
ボク的にはWH-1000XM6がワイヤレスヘッドホンの一番理想的な操作性です。
クイックアクセスで気軽に音楽を聴ける
L側を2回タップ(デフォルト設定の場合)することで、あらかじめ設定されたアプリを呼び出すことができます。

そこにSpotify Tapという項目があるのですが、これがめちゃくちゃ良い!
本体をダブルタップすると、Spotifyを呼び出してプレイリストを再生してくれるんですよ。
「なんでもいいからBGM感覚でなんか音楽を聴きたいなー」って時に役に立つんですよね。選曲するのがめんどくさいけど音楽を聴きたい時ってあるじゃないですか。
アプリでできること
アプリでできることは次のとおりです。

- バッテリー残量の確認
- 外音コントロール→ノイズキャンセリング、外音取り込み、オフの切り替え
- リスニングモード→スタンダード、BGM、シネマ
- イコライザー→6種のプリセットと2種のカスタムイコライザー
- アダプティブサウンドコントロール→環境に応じて外音モードを自動で調整する機能
- スピーク・トゥ・チャットのオン/オフ→声を発すると自動的に外音取り込みモードになる
- 接続機器の確認
- デバイスの設定→「サウンド」「シーン」「システム」「サービス」の詳細な設定が可能
- 外音コントロール
- スピーク・トゥ・チャットのオン/オフ
- リスニングモード→スタンダード、BGM、シネマ
- イコライザー設定
- ファインド・ユア・イコライザー→半自動で好みのイコライザーを作る機能
- Bluetooth接続品質設定→接続優先(LDAC)、接続優先(AAC)
- DSEE Extreamの設定
- 2台の機器と同時に接続
- 音声コントロール/音声アシスタント→モバイル機器の音声アシスタント、Googleアシスタント、使用しない
- タッチセンサーコントロールパネルのON/OFF
- ヘッドジェスチャーのON/OFF
- ヘッドホンの接続設定→LE Audio優先、Classic Audio専用
- Auto Switch→ヘッドホンで流している音源をシームレスならスピーカーで流す機能、Auto Switchに対応したスピーカーが必要
- ヘッドホンのマイク操作を有効にする
- 自動電源オフの設定
- ヘッドホンを外したら音楽を一時停止ON/OFF
- 通話時の自分の声の取り込みON/OFF
- 通知音と音声ガイダンス→音量と言語を選べる
- ソフトウェアアップデート
- 設定の初期化
- サービスとの連携
設定できる項目がかなり多いのです。アプリの主要な機能は各見出しで解説していますので、そちらをご覧ください。
マルチポイントについて
2台同時接続を行うマルチポイントにも対応しています。もちろんLDACとマルチポイントの併用も可能です。
そして今回は後から再生したデバイスが優先される「後勝ち」設定になっています。
個人的には「先勝ち」設定の方が余計な通知音やSNSの動画などで接続先が切り替わらなくて好きなんですけどね。
その代わり他のデバイスへの切り替えはスムーズにしやすくはなりますね。
音の遅延|動画を見る分には問題なし。
WH-1000XM6の映像と音声のズレですが、こちらもかなり少ないですね。動画を見る分に関しては、全然ズレを感じないので、アニメやYouTubeを見ても全く問題なさそうです。
ただしゲームで使う場合は低遅延モードが搭載されていないため、そのままではFPSや音ゲーには不向き。
LE AUDIOには対応しているので、アプリでLE AUDIOをONにして接続しなおし、LE AUDIOに対応しているデバイスに接続すれば、有線に近いレベルで遅延が少なくなります。
ただLE AUDIOをONにするとLDACで接続できなくなるので、音質優先で使いたい方はONにしないことをおすすめします。
通話品質|ノイズほぼゼロ&音声もさらにクリアに
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
WH-1000XM6
WH-1000XM5
カフェ店内の音を流した状態で、全く同じ条件で2製品の録音をしてみました。
WH-1000XM5では少し入っていた人の声がシャットアウトされて、ほぼノイズレスで声を伝えられるようになっているではありませんか。
その上で音声の音割れ感もなくなって、かなりクリアな声を伝えられるようになりました。
マイク性能はあらゆるワイヤレスヘッドホンのなかでも最強クラスかと。このノイズの少なさはエグい。
通話品質 | (5.0) |
気になった点
ほぼ完璧とも言えるWH-1000XM6の実力ですが、一点だけ気になる点がありまして……。
それが……「USBオーディオ」に対応していない点……。
USBオーディオとは、パソコンやスマホと直接USB接続をすることで、無圧縮&遅延なしで伝送できる接続方式のことなのですが、WH-1000XM6はパソコンとUSB接続しても認識しませんでした……。
この機能があれば動画編集やゲームをする時も遅延なくできたり、音楽鑑賞もBluetoothによる劣化を気にせず高音質で聴けたりするんですけど、USBオーディオは欲しかったな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(チラチラッ
その代わり3.5mm有線接続では使える
USBオーディオが使えない代わりに、付属の3.5mmケーブルを使って有線接続はできます。
こちらは電源オンでもオフでもどちらでも使えますが、電源オフ時はモッサリとした音になるため、できれば電源オンで使った方がいいです。
3.5mm接続であれば編集やゲーム時も遅延なしで使えますし、ノイズキャンセリングも併用できます。
音質だけを考えるとUSBオーディオの方が良いですが、ゲームや編集作業、機内コンテンツの視聴程度であれば3.5mm有線接続でも全然問題ありません。
WH-1000XM6 まとめ
WH-1000XM6をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.9/5
WH-1000XM6

- バランスが良くもメリハリ感のあるサウンド
- ノイズキャンセリングの遮音効果がエグい
- 外音取り込みがほぼ耳レベルで自然
- デザインがスタイリッシュ
- コンパクトに折りたたみができる
- 付属のハードケースの質感が高い
- タッチセンサーで直感的に操作ができる
- アプリのカスタマイズ性が高い
- マイク性能がとても高い
- マルチポイント/ LE Audioにも対応
- USBオーディオが使えない
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.8
装着感
5.0
ノイズキャンセリング
4.9
外音取り込み
5.0
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体30時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 | 充電時間 | 約3.5時間 |
ドライバー | 30mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 | 254g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | -(LE Audioで対応) |
自動装着検出 | ◯ | 空間オーディオ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
WH-1000XM6はこんな人におすすめ
- 予算問わずにとにかく良いワイヤレスヘッドホンを探している
- 音質・ノイズキャンセリング・使いやすさ、全てにこだわりたい
- でもどちらかといえば機能性重視
- 通勤・出張・自宅でも自分だけの世界で音楽や映画の世界に浸りたい
- ビジネスシーンで通話をすることが多い
WH-1000XM4→WH-1000XM5の進化はそこまで大きくなかったですが、WH-1000XM5→WH-1000XM6はかなりレベルアップしたように感じました。
音質・ノイキャン・外音取り込み・操作性・携帯性・装着感・マイク性能、あらゆる点が非常にレベルの高いヘッドホンですので、音質も機能性も妥協したくないという方はWH-1000XM6を買っておけばまず間違い無いかと思います。
機能性はほぼMAXクラスの性能なので、あとは音の好み次第ですね。音質を重視するなら他にも選択肢はあるんで……。MOMENTUM 4 WirelessとかPx7 S3とか……。
発売日は2025年5月30日ですが、本日から予約も受け付けていますので、発売日に確実に受け取りたい方は予約しておくことをおすすめします。
以上! WH-1000XM6のレビューをお送りしました。
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