こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
コスパ破壊神のイヤホンメーカー「QCY」から、今度は約5000円で買える耳を塞がないイヤーカフ型のワイヤレスイヤホンが登場しました。
それが今回紹介する「Crossky C30」です。
- デュアルマグネットの10.8mmダイナミックドライバー
- 独自の指向性オーディオ技術2.0により音漏れを防止
- マルチポイント&80㎳ゲームモード&空間オーディオ
- 4基マイク通話ノイズキャンセリング
- Bluetooth5.4チップ&最大25時間再生可能
この手のイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンって3000円くらいで極端に音質が悪いか、2〜3万円くらいでめちゃ性能が良いか、もしくは17000円でおしゃれだけど機能性も音質悪いやつ(悪口)くらいしかないんですよ。
このCrossky C30はセール価格で約5000円という価格でありつつ、音質も機能性もどちらも兼ね備えたハイコスパモデルとなっています。
どれほどの実力なのか検証していきましょう。
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QCY Crossky C30 外観・付属品
それではQCY Crossky C30の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
QCY Crossky C30のパッケージはこんな感じ。いつものパッケージよりスポーティーでスタイリッシュですね。ふつうにカッコイイ。
量販店で飾っていてもおかしくなさそうなデザインだけど、量販店では取り扱いないんだよね〜。
開封するとこんな感じ。
付属品
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
イヤーピースなどは入っていないので、付属品はめちゃめちゃシンプルです。
充電ケース・本体
QCY Crossky C30の充電ケースはこちら。小型かつ丸っこいフォルムで質感は価格相応といったところ。
筐体も薄めなので胸ポケットにも問題なく収まるほどの大きさです。
充電端子はUSB-Cに対応。
残念ながらワイヤレス充電には対応していません。価格を考えれば仕方ないか……。
本体は充電ケースからかなり飛び出しているので、取り出しやすさは問題なし。イヤーカフ型は取り出しやすいものが多いですね。
イヤホン本体はよく見る一般的なイヤーカフ型のイヤホンで、一言で表すなら水滴型って感じでしょうかね。他のモデルと比べると”玉”部分が少し大きめにも見えますかね。
前方のドライバー部と後方のバッテリー&回路部のみメッキ加工が施されています。
ブリッジ部分にはニチノール合金を採用していて柔軟性と耐久性の高さを両立した設計となっています。
内側は樹脂としては柔らかくシリコンとしては硬すぎるような、なんとも言えない硬度の素材を採用。耳あたりは良いですよ。
最後に重さですが、総重量は42.3g、本体片耳の重量は5.1gとかなら軽めです。
QCY Crossky C30 スペック
製品名 | QCY Crossky C30 |
Bluetooth | 5.4 |
コーデック | SBC,AAC |
再生時間 | 本体:5.5時間 ケース込:25時間 |
充電端子 | Type C |
防水 | IPX4 |
自動装着検出 | – |
低遅延モード | ◯ |
マルチポイント | ◯ |
QCY Crossky C30 レビュー
装着感|痛くなりにくくて軽快
QCY Crossky C30の装着感についてですが、これはなかなかに最高ですね!
いつも愛用しているイヤーカフ型イヤホンと遜色のないとても軽快な装着感です。
実際に装着しているとこんな感じ。デザインだけで見ればもっとオシャレなモデルもありますけど、Crossky C30も悪くないですね。
耳に挟み込む力も、強すぎず弱すぎずほど良い感じです。
前から見るとこんな感じ。ぱっと見はアクセサリーっぽく見えます。
いつも使っているイヤーカフ型のイヤホンが6時間以上装着していても痛くならない感覚があったのに対して、Crossky C30は大体3〜4時間くらいで徐々に痛くなるような感覚がありました。
ただ、カナル型や耳掛け型のイヤホンと比べるとかなり快適な方だと思います。
装着感 | (4.8) |
音質|ふつうに”聴ける”レベル
QCY Crossky C30の音質ですが、ふつうに”音楽を楽しく聴けるレベル”ではあると思います。
17000円のおしゃれなだけのやつ(悪口)と比べたら、低音もわりと出ていて普通に実用的だと思いますよ。
ただ、イコライザーでの調整は必要かな〜とは思いましたね〜。
QCY Crossky C30の音の特長は次のとおりです。
3.5
高音
3.6
中音
3.5
低音
音の傾向はデフォルトの状態だと中低域が少し膨れすぎたモッサリとした音です。デフォルトだと正直ボクは良い音とは思えませんでした。
モッサリとした低音を抑えるために、イコライザーで僕は以下のような感じに調整してみました。
モワッとしがちな250Hz~500Hzあたりを抑えて、ボーカルラインの1〜2kHz、クリアさを感じられる8kHzを伸ばしてみました。これでちょうど良い感じですね。
デフォルトの音だと褒められる点もなかったように感じたので、イコライザー前提でお伝えします。
高域はザラつきや破綻のようなものは感じにくく、レスポンスよくスパッとそれなりにキレよく鳴らしてくれます。
ボーカルラインもイコライザーで調整してあげると、”約5000円+イヤーカフ型”という前提であれば、なかなかクリアに伸ばしてくれる方だと思います。少なくとも悪いとは感じませんでした。
低域は迫力や沈み込みがやや甘めで、ベースラインまではギリギリ鳴らせていますが、バスドラムは軽めの音になってしまいますね。
ただ、イヤーカフ型の低音の量感はだいたいこんなもんですね。一つだけイヤーカフ型でもズンズン低音を鳴らせるモデルもありますが約4万円とかしますからね。
いつも使っている2万円ほどのモデルと比べると全体的なクリアさや解像度は負けますけど、冒頭でも伝えた通り17000円のおしゃれ番長や均一ショップで売ってる3000円台のイヤーカフ型よりはしっかり目の音で鳴らしてくれますよ。
空間オーディオにも対応
ちなみにアプリから空間オーディオの設定も可能で、ONにすると少し音が広がったような感覚になります。
不自然さはないので不快感のようなものは少ないですが、ボクはふつうにステレオでもいいかな〜とは思いました。
音漏れについて
Crossky C30はこの価格で音漏れも対策されていまして、独自の指向性オーディオ技術2.0によって、最大98%の効果的な音漏れの防止が行われているとのことです。
実際に試してみましたが、たしかにこの価格にしてはそれなりに音漏れが抑制されています。
ゼロではないですけど、BGM感覚で音楽を聴くくらい(iPhone音量バー10%ほど)であれば、静かな環境でも音漏れはほとんどしません。
本格的に音楽を楽しむくらいの音量(音量バー20%〜)になると、シャカシャカと漏れ出すかな?という印象でしたね。2〜3万クラスのモデルの方がもう少し音漏れは少なめです。
電車の中で使うのはおすすめしませんが、オフィスやカフェなどで使うくらいであればある程度は音漏れを気にせず使えそうです。
操作性|タッチしにくい
操作は背面部をタッチして操作を行うのですが、背面にタッチポイントがあるがゆえに若干操作がしにくいです。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を3回タップ |
曲戻し | アプリで設定可能 |
音量を上げる | アプリで設定可能 |
音量を下げる | アプリで設定可能 |
ゲームモード | アプリで設定可能 |
空間オーディオ | アプリで設定可能 |
外音モードの切り替え | R側を長押し |
音声アシスタント | R側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケースのボタンを長押し |
アプリで操作方法の変更も可能で、1〜3回タップに対して自由に割り振りができます。操作のカスタマイズ性はとても高いんですよね。
しかも、本体操作のみでゲームモードや空間オーディオのON・OFFまで切り替えることもできます。強い。
デフォルトだと1回タップは何も反映されていないので、ボクは音量±を左右に割り振っています。
アプリについて
QCY Crossky C30はアプリに対応しています。
アプリでできることは次のとおりです。
- バッテリー残量の確認
- イコライザー設定
- 音量バランスの設定
- 操作方法の設定
- イヤホンを探す
→ビープ音を鳴らして、イヤホン本体を探す機能 - 電源OFFタイマー
→音楽停止時に自動的に電源をOFFにする機能。15分、30分、60分、90分、カスタマイズから選択可能 - ゲームモード
- 空間オーディオ
- スリープモード
→タッチ押すさを無効にする機能 - ファームウェアアップデート
アプリの挙動が不安定
QCYの全製品に言えることなんですけど、アプリの挙動がやや不安定なんですよね。
フリーズして落ちたり、イコライザーが甘く反映されなかったり、イヤホンとアプリの接続がうまくいかなかったりすることが結構あります。
また、一部中国語になっていたりと、アプリ周りの作りが他のコスパ最強系のメーカーと比べると雑なんですよね。ここがQCYの弱点。
マルチポイントの挙動について
Crossky C30は5000円台という価格でありつつ、2台のデバイスに同時接続ができるマルチポイントに対応しています。
この機能によって、片側はiPhoneに繋げて音楽鑑賞をしたり、もう片側にはパソコンやタブレットに繋げてYouTubeを鑑賞したりオンライン会議でヘッドセットとして使ったりすることができます。
めっちゃ便利なんで、僕は基本マルチポイントをついている機種じゃないと愛機として使いません。
その挙動を確かめてみましたけど、問題なく動作しますね。電源OFF後も自動で2台のデバイスに同時接続されます。
通話品質|ノイズは取れるが……
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
背景ノイズはある程度取れているのですが、周りの声と自分の声が同じ「声」として認識されてしまって、自分の声が逆に聴こえにくくなるような印象を受けました。
マイク性能はまあふつうといったところですかね〜。
通話品質 | (3.5) |
音の遅延|気軽にゲームができるほど
音の遅延については、YouTubeで動画鑑賞をするくらいであれば問題なし。
ゲームモードをONにして音ゲーをしてみましたが、あれ〜あまり遅延が少なくなっていない気が……。
正直音ゲーどころかFPSも厳しいんじゃないかなってくらい遅延は発生しますね。
効果音などに違和感がない状態でロマサガ2のリメイクようなコマンドバトル系ができるくらいですよ。
気になる点
最小音量が大きい&細かな音量調整ができない
一番気になるのは最小音量が大きすぎるのと、細かな音量調整ができないという点でしょうか。
イヤーカフ型はBGM感覚で音楽を聴きたいことが多いので、できるだけ最小音量が小さかったり、小さな音量でも細かく音量調整を刻めた方がありがたいんですよね。
対してCrossky C30は、iPhoneで例えると
- 最小音量→すでにBGMくらいの音量
- 音量バー10%ほど→BGMとしては音量が少し大きい
- 音量バー20%ほど→この時点で本格的に音楽を聴くくらいの音量
BGM~本格的に音楽を聴く時の音量、この間を細かく調整したいのに、調整幅が荒すぎるんですよね。
ファームウェアアップデートとかで細かく調整できるように対応してほしいですね〜。
QCY Crossky C30 まとめ
QCY Crossky C30をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
Crossky C30
- 非常に軽い装着感
- 5000円のイヤーカフ型としては音質はちゃんとしてる(イコライザー推奨)
- 音漏れはそこまで大きくない
- マルチポイントにも対応
- 最低音量が大きい&細かな音量調整がしにくい
- デフォルト設定だと音がモッサリしてる
- アプリの動作が安定しにくい
3.5
高音
3.6
中音
3.5
低音
4.8
装着感
4.0
音漏れ
–
外音取り込み
3.5
マイク性能
4.3
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体5時間/ ケース込み30時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 約2時間 |
ドライバー | 10.8mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | 5g/◯g |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | ◯年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
QCY Crossky C30はこんな人におすすめ
- 予算は約5000円ほどで耳を塞がないイヤホンを探している
- できるだけ安いものが欲しいが音楽はしっかり楽しみたい
- 耳掛け型だと耳が痛くなりやすい
- スポーツやジョギングよりも作業用のBGM用として使うことが多い
イヤーカフ型のワイヤレスイヤホンって、現状高くて良いものか、極端に安くて粗悪ものかしかなかったんですよね。
そのなかでQCYのCrossky C30は「安くて良いイヤーカフ型」をいち早く日本に導入してきましたね。
現状5000円台くらいであればCrossky C30がベストかと思いますが、おそらくこのジャンルは多くのメーカーが参入してくるかと思いますので、各メーカーが出揃うのも楽しみですね。
以上! QCY Crossky C30のレビューをお送りしました。
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