こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はNTTソノリティより、完全オープン型なのに音漏れがしない逆ノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホン「nwm ONE」を紹介します。
見てこれ、完全にオープンタイプになっているスンゴイ構造。
パッと見はめちゃめちゃ音漏れしそうな見た目ですけど、これが音漏れ全然しないんですよ。なんやったら、条件次第では密閉型のワイヤレスヘッドホンよりも音漏れ少ないですよ。相変わらず謎技術すぎる。
しかも、今回けっこう音質良いんですよね。実際使ってみましたけど、今まで紹介してきたnwmブランドの製品のなかで一番衝撃的でした。
今回はこちらのnwm ONEがどのような製品なのか、実機を使って紹介していきます。
▼動画版はこちら▼
nwm ONE 外観・付属品
それではnwm ONEの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージは今までのnwm製品と同じく、ダンボール調のおしゃれなデザインとなっています。
開封するとこんな感じのものが中に入ってます。
本体の梱包でさえもなんだかオシャレ。お父さんへのプレゼントにも良さそうなくらいプレミアム感がありますね。
付属品
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
付属品が超シンプルですね。オフィスとかでも使えそうだから、キャリングケースかポーチか欲しかったですかね〜。
本体
本体はフルオープン型を採用したデュアル・ループデザインを採用。ミニマリストとか好きそうなデザインしてる。
今回はダークグレイをお送りいただきましたが、他にもライトグレイもあります。この配色めっちゃかわいい。
完全に音漏れしそうな見た目していますが、NTTの技術「PSZ(Personalized Sound Zone)」によって、外側に漏れる音を逆位相で打ち消して、音漏れを最小限にできます。
いわば外に逃げる音に対して行う逆ノイズキャンセリング的な技術です。
最近の耳を塞がないワイヤレスイヤホンは似たような技術を取り入れることが多くなってきましたが、nwmが市場ではいち早く取り入れましたね。
ドライバーには新開発の12mmのツイーターと、35mmのダイナミックドライバーを搭載した2Way構成。ヘッドホンで2Wayはかなり珍しい。
ツイーターとウーファーはそれぞれ別々のアンプで駆動するようになっていて、かなり音質にもこだわった製品となっています。
ドライバー部分は少しだけ可動する仕様で、耳穴に対して真っ直ぐ音を伝えられるように調整できます。
ただ、耳の位置がズレると左右の音のバランスも変わってしまいます。ここがちょっと厄介。
アーム部分は無段階で調整可能で、ヌルヌルと質感良く可動してくれます。
イヤーパッドには刺激が少なく劣化しにくい液状シリコーンゴム製イヤーパッドを採用しています。耳あたりはとても良さそうな感じ。
ヘッドパッドも同じような素材感になっていますね。夏場に使っても蒸れる心配も少なそうです。
ただ折り畳みができなかったり、ハウジングを90度に曲げて水平にしたりはできないので、持ち運びには適していないのが残念。
家かオフィスに置きっぱなしと言った使い方になりそう。カフェでもBGM感覚で使うのによさそうなんですけどね。
最後に重さですが、185gとワイヤレスヘッドホンとしてはめちゃくちゃ軽めです。
nwm ONE スペック
型式 | ダイナミック型 |
---|---|
使用ユニット | φ12 mm+φ35 mm 2way |
再生周波数帯域 | 40 Hz 〜 20,000 Hz |
Bluetooth® バージョン | Bluetooth Ver.5.3 |
対応Bluetooth プロファイル | A2DP,HFP,AVRCP,TMAP,PBP |
対応コーデック | SBC/AAC/LC3/CVSD/mSBC |
マイクロホン | MEMS型(無指向性)×2 |
電池持続時間 | 最大20時間(音楽再生時) |
充電時間 | 約1.5時間 |
5分充電再生時間 | 約1時間 |
マルチペアリング | 8台 |
マルチポイント | 最大2台 |
USBオーディオ | 対応 |
本体サイズ | 約幅160mm×高さ185mm×奥行88.5mm |
本体質量 | 約185g |
付属品 | USBケーブル 1.2m(Type-C – Type-C) |
価格 | 39,600円 |
高音質コーデックには対応していませんが、その代わりLC3には正式対応しているので、Androidスマホでも劣化が極力少なく低遅延で音楽を楽しめるようになります。
nwm ONE レビュー
装着感|蒸れないし軽いし超快適
nwm ONEの装着感は見た目の通り蒸れないし軽いし、超快適です。
実際に装着してみるとこんな感じ。ヘッドホン単体で見たデザインはオシャレなんですけど、実際に装着してみると奇抜なデザインで目線が気になりますね。
ちなみに前から見るとこんな感じです。
耳掛け式のイヤホンよりも耳が痛くなりにくいですし、ヘッドホンはワイヤレスイヤホンのように「充電ケースから取り出す→耳に着ける→音楽を流す」という動作も必要なく
装着する→音楽を流す
と、2ステップで気軽に音楽を聴けるようになります。ここがヘッドホンの良いところ。
長時間装着していても耳や頭頂部が痛くなるような感覚もほとんどなかったですし、ボクのメガネだと干渉する感じもなかったですし、とにかく最高の装着感でした。
装着感 | (5.0) |
音漏れの少なさがヤバい
一番驚いたのが音漏れの少なさ。ガンガン音漏れそうな構造をしているのに全然漏れません。
音漏れの検証はYouTube版で行っていますので、ぜひこちらをご覧ください。
ヤバくない? iPhoneで音量を50%くらい(ふつうに音楽を聴くくらいの音量)でも、ほとんど音漏れしていないんですよ。
首にかけていても全然音漏れしていないのに、装着するとガッツリ音楽を聴くときくらいの音量で流れているからビックリしますよ。
妻にも装着してもらって同じ音量で音楽を聴いてもらいましたけど、ヘッドホンの近くに耳を傾けても音漏れが全然聞こえてこないんですよ。
オフィスやカフェ、図書館など静かな環境で音漏れをさせずにBGM感覚で音楽に浸りたい時なんかには最高のヘッドホンです。
周りの音も普段通りに聞こえる
完全に耳を塞いでいないから周りの音もいつも通り自然に聞こえます。
なので、音楽に浸りながらオフィスでの声かけや電話、家ではチャイムの音や子どもの声にも気付けるので安心です。
音漏れがしないのに周りの音は聞こえるという、まるでマジックミラー号のようなヘッドホンです。
音質|かなり本気
音質はかなり本気ですね。今までのnwm製品からは考えられないくらい高音質になっていますし、見た目に対しての音のギャップは結構すごいですよ。
今まで紹介してきた耳を塞がないイヤホンと比較すれば、最高峰の実力はあると思います。
今回の検証ではXperia 1ⅥでLC3で検証しました。ふつうにLC3が使えてビビりましたが、対応しているスマホは限られているかもしれません。
iPhoneとAAC接続とも比べてみましたが、LC3の方が音質は少し良く感じましたね。
nwm ONEの音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.4
中音
4.4
低音
音の傾向はニュートラルでありつつ歯切れの良いサウンドで、耳を塞いでいないのに音像のブレが少ない芯のある音を伝えてくれます。
オープン型にしては音が外に抜けていくような感じではなく、どちらかといえば密閉型ヘッドホンのような外から内側に迫るような音場感です。
高域は耳を塞いでいないわりにはシャリつかず、アコースティックギターやシンバルの音も楽器が持つ鋭さを再現してしっかり伸ばしますね。
中域もしっかりとした厚みもあってボーカルの音像もブレず、ふつうに同価格帯のワイヤレスヘッドホンで聴いている感覚ですよ。
低域がビックリするくらい量感があって、過不足を全く感じさせないしっかり目の低音が出ます。
しかも、低音の量感があるだけではなく、中高域ラインは阻害せずに広がりすぎない締まりのある低音なんですよね。
あと、高音質の耳を塞がないイヤホンと比べて高出力な影響か、音量を小さくしても充足感のある音で音楽を楽しめますね。BGMとして割り切らず、ふつうにヘッドホンで聴いているような感覚で使えます。
同価格帯のノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンと比べてしまうと、音質面では勝てない感じはありますが、こんなスカスカなフルオープン構造のわりにはホント音良いですよ。
オフィスで骨伝導イヤホンとか耳を塞がないイヤホンを使って音楽を聴いている人は、ぜひONEを使ってみてほしいですね。音質面はかなりのグレードアップになりますよ。
USBオーディオにも対応
USBオーディオにも対応しているので、USB-C to Cケーブルを使えば、スマホとも有線で接続することも可能です。
USB接続の場合は、Bluetoothとは違って音の劣化がないため、さらに緻密な音を体感できます。
ただ、LC3接続と比べてみたのですが、そこまで差を感じなかったんですよね。LC3けっこう優秀。
360 Reality Audioにも対応
360 Reality Audioにも対応しているため、対応音源で聴けばリアルにライブのような臨場感のある音を体感できるようになります。
ただ、対応音源が少なすぎて、その性能を活かしきれていない……。
操作性|物理ボタンで快適
操作性は左側に備わっている物理ボタンで快適に操作できますね。
一回クリックで再生・停止、複数クリックで次の曲・前の曲、音量調整は±ボタンで調整と操作も網羅できています。
待機中にトリプルクリックでAuracastの受信も対応しているなど、技術の発展も見越した仕様になっています。
ただ、アプリによる操作のカスタマイズはできません。
アプリでできること
アプリでできることは次のとおりです。
- サウンド設定
→Balanced、More Bass、More treble、Clear voice、Dynamic、カスタムの6つから選択可能 - ボタン操作
→操作方法の確認のみ - デバイス名の変更
- ファームウェアアップデート
- オートパワーOFFの時間設定
- マルチポイント設定
- マジックフォーカスボイスのON・OFF
- ミュートリマインダー
- 充電色の設定
カスタマイズ性はそこまで高くないですが、必要十分な設定項目は割り振られていますね。
ファームウェアアップデートもありますし、とりあえずダウンロードはしておいた方が良いと思います。
通話品質|ノイズを取り入れにくい
nwm ONEはマジックフォーカスボイス機能により、周りの雑音を取り入れず声耳をクリアにとどけることができます。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
実際に録音してみると、謳っているとおりノイズが少なく、音声もとてもクリアです。
ただ風切音には弱い印象だったので、屋外での通話には向いていないように感じました。
通話品質 | (4.5) |
マルチポイントの挙動について
2台のデバイスに同時接続を行う「マルチポイント」の挙動も問題なしで、電源ONと同時にあらかじめ接続しておいたデバイス2台とも自動的に接続されます。
1台目のデバイスで再生している間に2台目を再生をしても、割り込んで再生されないようになっていますね。
デバイスの切り替わりも早く、マルチポイントも周りの挙動は問題ありません。
マルチポイントがあればふだんはスマホで音楽を聴きつつ、オンライン会議が始まったらパソコン側で通話を行うなど、わざわざ接続設定をし直す必要なくシームレスに行えるから超ラクなんですよね。
音の遅延|ゲームモードなしでも低遅延
音の遅延はYouTubeで見る分には問題なし。
音ゲーもしてみましたが、iPhone 15 Proで使うと、ゲームモードがないのにも関わらず意外と遅延は少ないですね。
音ゲーは厳しいですけど、タイミングがシビアではないゲームであればふつうに遊べるレベルです。
次にXperia 1Ⅵで接続した場合は次世代コーデックのLC3で接続されるため、めちゃめちゃ遅延が少なくなります。
音ゲーだと少し遅延はあるものの、有線に近いレベルでタイミングが合うようになりますね。
nwm ONE まとめ
nwm ONEをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
nwm ONE
- フルオープンなのに音質はふつうに良い
- フルオープンなのに音漏れがほとんどない
- 耳が蒸れず快適
- 長時間装着していても痛くなりにくい
- LC3に正式対応で音質の劣化や遅延が少ない
- 単体で見ればカラーリングも含めおしゃれ
- 用途が限定的なわりには価格が高め
- 見た目が奇抜で視線が気になる
- 折りたたみができず携帯しにくい
4.4
高音
4.4
中音
4.4
低音
5.0
装着感
5.0
音漏れ
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 | 最大約20時間 |
コーデック | SBC,AAC,LC3 | 充電時間 | 約1.5時間 |
ドライバー | 12mm + 35mm ダイナミックドライバー | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | – | 質量 | 約185g |
外音取り込み | – | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
nwm ONEはこんな人におすすめ
- オフィスや自宅でBGM感覚で音楽を聴いていたい
- 長時間イヤホンやヘッドホンを装着していることが多い
- 音楽鑑賞、オンライン会議、ゲームなどさまざまな用途で使う
- 耳を塞がないタイプを使いたいけど音漏れはさせたくない
- 音楽や動画音声を聴きたいけど、子どもの様子が気になる
nwmの製品は過去にも色々使ってきましたけど、ONEが一番衝撃的な製品でしたね。
フルオープンのヘッドホンを首にかけているのに、音が鳴っているかどうかわからないってとんでもない音漏れの少なさですよ。
もちろん万人におすすめできるわけではないですが、耳を塞がずに高音質で音楽を聴きたい方にとっては、現時点で最高峰とも思える実力のように感じました。
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