こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
iPhone13 Pro使いのボクですが、音楽は「気軽に高音質」で聴きたい派。FiiO KA3やShanling UA2などスティック型のDACを好んで使います。
ただ、小型のスティック型DACでも取り回しの良さは完璧ではありません。根本にDACがついている状態のため、スマートフォン自体がどうしても使いづらくなってしまうのですよね。
MagSafeに対応した超薄型のDACが発売されたら、スマートフォンと一体化したかのように使えるのでは……?
そう思っていたところ、Khadasというメーカーから「MagSafe対応」でまさに理想どおりのDACが登場しました!
それが今回紹介する「Khadas Tea」です。
世界初かどうかは分かりませんが、MagSafeに正規対応した超薄型のBluetoothにも対応したオールインワンDACです。
Apple製品と互換性を保証する「MFI認証」も得ているため、iPhoneとの有線接続にも正式対応!もちろん技適マーク付きで超ちゃんとしてるDACですね。
果たしてどれほどの実力なのか、今回先行でメーカー様から提供いただいたので実機を使ってレビューをしていきます。
ぜひ最後までご覧ください!
総合評価
4.7/5
Khadas Tea
- MagSafeでiPhoneと一体化できる
- 豊かで濃密な音作り
- ワイヤレスでも十分高音質
- 本体がやや重たい
3.9
高音
4.0
中音
4.1
低音
4.0
解像度
4.1
迫力
4.8
利便性
▼動画はこちら▼
Khadas Tea 概要・スペック
Khadas Teaの特徴はこちら。
- 非常に珍しいMagSafe対応DAC
- MFi認証も取得し、iPhoneにも正式対応
- MQA、DSDなどあらゆる音源に対応
- Bluetoothでも使用可能
- LDAC、aptX HDなど高音質コーデックに対応
ひと言でまとめると「MagSafeに対応した全部入りDAC」という感じですね!
ありそうでなかった、そしてずっとこんな製品が発売しないかな? と思っていたDACです。
iPhoneユーザーの僕としては、まさに理想的な製品ですね!
スペックはこちら!
スペック一覧 | Tea |
---|---|
入力端子 | USB-C端子 |
出力 | 3.5mmイヤホンジャック |
DACチップ | ES9281AC Pro |
対応ビットレート | PCM32bit / 384KHz MQA (Renderer) DSD256 |
Bluetoothチップ | QCC5125 |
対応コーデック | SBC, AAC,aptX,aptX LL,aptX HD,LDAC |
アンプ | RT6863D |
THD+N | 0.000447% (-107dB) @32Ω, 1KHz |
出力レベル | 165mW (2.3Vrms) @32Ω |
S/N比 | 116dB |
再生時間 | 最大8時間 |
対応OS | iOS、Android、iPad、mac、Windows、Linux |
入出力端子は3.5mmジャック、USB-C端子のみとシンプルな構成になっていますね。
最大再生時間は8時間と普通。FiiO KA3などスティック型のDACとは違い、デバイス側から給電ができないため充電は必要になります。
Khadas Teaのカラーバリエーションは「ブルー」と「グレー」の2色です。どちらもiPhoneの色味に合わせたカラバリになっています。
今回はティールブルーをメーカー様よりお送りしました!
それでは開封していきましょう
Khadas Tea 外観・付属品
Khadas Teaのパッケージはこちら。正面には本体デザインのみが掲載したシンプルなデザインです。
開封するといきなり本体が出てきましたね。
- USB-C to Cケーブル
- USB-C to Lightningケーブル
- マニュアル
Khadas Teaの付属品はUSB-C to Cケーブル、USB-C to Lightningケーブルの2つ。超短いため取り回しが非常に良く、運用しやすそうな印象ですね。
本体はカード型で非常に薄めの筐体です。ただ、見た目以上にずっしりと重みを感じますね。
側面には電源ボタン、逆側には音量操作ボタンが備わっています。
iPhone 13 Proと比べると、厚みは大体1/2ほど。iPhoneの背面にくっつけても厚みが増えたような感じがしませんね。
底面には充電兼データ転送用のUSB-C端子と、イヤホンジャック、そしてBluetooth接続時に使えるマイク端子が備わっています。
Khadas Tea レビュー
音質|味付けが濃いめの濃厚サウンド
Khadas Teaの音質は、中低域寄りの聴き心地の良さを重視したまったりサウンドのように感じました。
- スマートフォン:iPhone 13 Pro
- 再生アプリ:Apple Music
- イヤホン:SENNHEISER IE 100 Pro
- ヘッドホン:TAGO STUDIO T3-01
音の特徴は次のとおりです!
3.9
高音
4.0
中音
4.1
低音
- 音質:中低域寄りで重心が低めの豊かな音作り。スマートフォン直挿し比べ確実にグレードアップしています。音の密度感が増し、響きの良さと音圧がプラスされるような印象です。
- 音場:少し広めで、高域に響きの良さがプラスされるような印象です。
- 傾向:どちらかというとウォームで、元のイヤホンの音に「余韻」と「暖かみ」をプラスするような音作り。粒立ちは太く、ダイナミックに鳴らす濃厚系のサウンドです。
- 解像度:スマートフォン直挿しと比べれば解像度はかなり高くなりますが、同価格帯のDACと比べると普通レベル。
モニター系や寒色系のイヤホンとの相性が良く、音に濃厚さを加えてくれますね!
出力が少し高めのため、インピーダンス値の低いイヤホンと組み合わせると濃厚すぎる音になるような印象です。
同価格帯のDACと比べても特別音質が良いわけではありませんが、MagSafeのおかげで取り回し良く運用できますね。
Bluetoothでも高音質
Khadas TeaはBluetoothでも聴けますが、ワイヤレスでも音質はかなりのものです。
iPhoneだと音の損失が大きい「AAC」で接続されますが、十分満足できる音質の良さ。本当に「AAC」で接続されているのかな?と思うほど音の損失が少なく、緻密で解像度高いサウンドを鳴らしてくれますね!
有線・無線で聴き比べると、やはり有線の方が音質が良いですね。ただ、Lightningケーブルが邪魔と感じる場合はあえてBluetoothのみでシンプルな構成で使っても高音質で楽しめますよ!
一部のAndroid端末であればLDACで接続も可能で、有線時に匹敵する実力で聴けます。ただしAndroidだとMagSafeに対応していないため、利便性はイマイチ。
ESRからMagSafe化するためのマグネットリングが発売しているので、これを使えば一部Androidでもうまく運用できるかもしれません。保証はできませんが。
他のDACと比較すると?
有線ではFiiO KA3と、BluetoothではBTR5 2021と比較してみました。
FiiO KA3と比較するとTeaは全体的に音の重心が低めで、味付けが多めのように感じました。
アンバランス接続で聴き比べると、実力的に大体同じくらいに感じましたね。4.4mmバランス接続で聴くとKA3の方が実力が上といったところでしょうか。
次にBTR5 2021とBluetooth接続で聴き比べてみました。
iPhoneで聴く上では、BluetoothだとBTR5 2021の方が音質が良いですかね? 音が緻密で解像度が高いように感じました。
コスパという意味では、価格の安いFiiO製品に軍配が上がるでしょうね。
ただ、Teaの最大の特徴がやはりMagSafe。これのおかげでKA3やBTR5のようにドングルが邪魔にならず、スマートフォンと一体化して使えるのですよ。
このMagSafeで使えるという点がTeaの一番のメリットですね。取り回しの良さについては、次のトピックで解説します。
携帯性|MagSafeで取り回し最高レベル
iPhone12や13と組み合わせた時の携帯性の高さは、あらゆるDACの中でもトップクラス。取り回しの良さは最高ですね!
感覚だけで言えば「iPhoneが少し重たくなったけど、イヤホンジャックが搭載されて高音質になった」ような感じです。
スマートフォンとDACをあわせて運用すると、ドングル型の場合は本体が邪魔になったり、BluetoothDACでもどれだけコンパクトでも「荷物がひとつ増えた」感覚になってしまいます。
Teaであれば、スマートフォンと一体化してひとつのデバイスとして使えるので超快適ですよ!
ただ、気になった点は次の2つ
- 重さ
- ケーブル
重さが70gほどと見た目に対して重量感があり、iPhone 13 Proと組み合わせると手首がけっこう疲れてきます。
この薄型ボディにBluetoothレシーバー、DAC、アンプが搭載しているため仕方がないですが、もう少し軽くして欲しかったところです。
またiPhoneと一体化したからといって有線接続で使うとケーブル部がやはり邪魔です。
見た目もスマートに取り回し良く使いたい方はBluetoothでの運用がおすすめです。個人的には有線で使っていますけどね。
将来的にMagSafeだけで音声データを伝送できれば最高ですね!
パソコン用のDACとしても使える
あくまでMagSafe対応が最大の特徴というだけなので、パソコンと組み合わせればDACとしても使えます。
たとえばM1 MacBookと組み合わせて使う場合は、付属のUSB-C to USB-Cケーブルを繋げるだけで接続完了します。
自宅環境では据え置きDACとして使うのもアリですね! 出力もかなり高いため、SENNHEISER HD 599レベルまでなら鳴らしきれますよ!
操作性|基本スマートフォン側で解決
Teaは側面に電源ボタンと音量調整ボタンが備わっています。
Tea本体でも操作は可能ですが、音量はスマートフォン側で連動するので、無理にTea側で操作を行う必要はありません。
操作は全てスマートフォン側で完結してもOKだと思います。
Khadas Tea まとめ
総合評価
4.7/5
Khadas Tea
- MagSafeでiPhoneと一体化できる
- 豊かで濃密な音作り
- ワイヤレスでも十分高音質
- 本体がやや重たい
3.9
高音
4.0
中音
4.1
低音
4.0
解像度
4.1
迫力
4.8
利便性
Khadas Teaはこんな人におすすめ
- iPhone12以降のユーザー(大前提)
- iPhoneを使って高音質で有線イヤホンを聴きたい
- 中低域寄りの豊かなサウンドが好き
※タブで切り替えができます
Khadas TeaはMagSafeに対応したiPhone12以降のユーザーなら取り回しが良く、非常に使いやすいDACのように感じました。
ただ、AndroidユーザーだとMagSafeの恩恵が受けられないため、FiiO KA3やBTR5を選択した方が満足度は高いと思います。
iPhoneを気軽に高音質化したい方、有線イヤホンを使いたいけどイヤホンジャックがなくて使いにくいと感じていた方におすすめのエントリー向けDACですよ!
個人的にはMagSafeに対応したDACを熱望していたので、まさに理想どおりのDACが発売されて大満足です!
あとはiPhoneがLDACに対応するか、MagSafeでも音の損失なく音声データのやり取りができたら完璧ですね!
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