こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はDACやプレイヤーで有名な「FiiO(フィーオ)」より、約13000円で買えるスティック型DACアンプ「KA3」 をご紹介します。
実際に使ってみましたが、スマートフォンと直結できる小型DACアンプの中で新たな定番になりえると思えたくらい完成度が高かったですね!
音質の良さ・4.4mm対応・iOS対応などあらゆるデバイスにも対応など、小型DACで欲しかった機能が全部備わっているんですよね。
他のDACだと端子が2.5mmバランス端子だったり、iOSに対応していなかったり、かゆいところに手が届かなかったんですよね。
ということで今回はKA3をメーカー様よりレビュー用に提供いただけたので、実機を使ってレビューしていきます。
ぜひ最後までご覧ください!
動画版はこちら!
総合評価
5/5
- ニュートラルで味付けが少ないサウンド
- 4.4mmバランス端子に対応
- iPhone、Androidで使い分けができる
- 価格が15000円以下と初心者に優しい
- 傷をつけやすい
4.0
音質
4.0
携帯性
4.5
拡張性
4.3
利便性
FiiO KA3 概要・スペック
KA3の特徴はこちら
- 3.5mm/4.4mmの出力端子を搭載したスティック型DAC
- ESS製高性能DACチップ「ES9038Q2M」を搭載
- Android / iOS / Windows / Macなどあらゆるデバイスに対応
- バスパワー駆動で充電いらず
- アプリでカスタマイズも可(Androidのみ)
KA3を一言で伝えるとすれば「あらゆるデバイス・あらゆる端子に対応したハイコスパのスティック型DAC」という感じでしょうか。
スペックはこちら!
スペック一覧 | KA3 |
---|---|
電源 | USBバスパワー駆動 |
DACチップ | ES9038Q2M |
入力端子 | USB Type C |
出力端子 | 3.5mmシングルエンドヘッドホン出力/4.4mmバランスヘッドホン出力 |
推奨インピーダンス | 16〜300Ω |
対応ビットレート | 最高PCM768kHz/32bit,DSD512(Native)、DSD256(DoP) |
ノイズフロア | 3.9uV/4.2uV(シングルエンド出力),4.4uV/4.3uV(バランス出力) |
アンバランス出力 | 120mW@16Ω 130mW@32Ω 14mW@300Ω 7mW@600Ω |
バランス出力 | 120mW@16Ω 240mW@32Ω 56mW@300Ω 28mW@600Ω |
S/N比 | ≥ 122dB(32 Ω A) |
重量 | 17.5g |
電源はバスパワー方式なので、充電する必要なく、スマホやパソコン側から給電されます。
対応ビットレートもPCM768kHz/32bit、DSD512まで対応しているので、MQAを除くと基本どんな音源でも再生できますね。
スペック上の出力も高く、ミドルクラスくらいのヘッドホンであれば問題なくドライブできそうですね。
それでは開封していきましょう
FiiO KA3 外観・付属品
KA3のパッケージはこちら。
遊戯王カードのスーパーレアカードのような光沢感。余計な情報が入りすぎていないシンプルさが素敵です。
開封するとこんな感じ。いきなり中国語びっしりのマニュアルと本体が出てきましたね。
- USB-C to USB-Cケーブル
- USB-C to USB-A 変換アダプター
スマートフォンやパソコンに接続するためのUSB-C to USB-Cケーブルが付属しています。剛性が高そうなケーブルで質はそれなりに良さそうには見えますね。
USB-C to Aの変換アダプターも付属。USB-C端子が備わっていないパソコンで音を鳴らしたい時に使用します。
本体はマグネシウムを採用した金属筐体で、見た目以上に軽く感じます。個人的には両サイドの溝部分がデザイン的に好きではない。ホコリ入るし。
側面は印字などはなくシンプルな設計。厚みもそこまでなく、取り回しは良さそうです。
ただ、角が金属素材かつ鋭利になっているので、スマートフォンと一緒にポケットに入れるとスマートフォン側が傷がついてしまいそうで怖いですね。
接続端子はUSB-Cを採用。
イヤホンジャックは一般的なサイズである「3.5mm」と、さらに高出力でドライブできる「4.4mm」 の2つがあります。
このサイズで4.4mm端子が備わっているのはすごい。
同価格帯である「PEE51」 とサイズを比べるとこんな感じ。KA3の方がやや大きめ。ただ、KA3のほうが見た目に対してかなり軽めです。
ケーブルを装着するとこんな感じ。短く感じていた付属ケーブルですが、こう見てみると意外と長め?
スマートフォンに接続するとこんな感じ。少し大きめの変換アダプターのような感覚で使えますね。
ちなみに接続するとLED部がこのように光ります。
再生する音源によってLEDの光り方は異なります。各ステータスの詳細は次の通りです。
- 48kHz以下→青
- 48kHz以上→黄
- DSD→緑
最後に重さですが、本体は17.4g、ケーブル込みで21.6gです。見た目に対してめちゃ軽いですよ!
外観や付属品のチェックが終わったところで、実際にKA3を使っていきましょう。
FiiO KA3 レビュー
音質|ニュートラルに音質を底上げ
KA3は味付けが少なく、イヤホンの音の傾向はそのままに音質を底上げしてくれるような音作りのように感じましたね。
音の特徴は次のとおりです。
- 音質:どこかの帯域が主張しすぎることがなく、低域から高域にかけて音のきめ細やかさや緻密さが加わるような印象。
- 音場:広くもなく狭くもなく普通といったところ。
- 傾向:味付けが少なくやや硬めで、少し分析的な鳴り方のように感じます。ほど良くリスニング用途としての味付けも加えられているため、素っ気なさすぎるようなことはありません。
- 解像度:スマートフォンと比べるとかなり高くなるような印象。同価格帯のDACと比べてもかなりの実力。
得意なジャンル
- オールジャンル
味付けが強すぎるとイヤホンとの相性を合わせるのが難しくなるので、これくらいニュートラルな音の方がありがたいですね!
また、同価格帯のDACと比べてもその実力は高く、コスパという面でも非常に優れているように感じました。
KA2、UA2、PEE51を比較すると?
KA2とShanling UA2、そしてPEE51を比較すると、僕の聴いた印象としては次のとおりでした。
スペック一覧 | KA3 | PEE51 | UA2 |
---|---|---|---|
高音 | (4.0) | (4.2) | (3.8) |
中音 | (4.0) | (4.5) | (3.8) |
低音 | (4.0) | (4.2) | (4.1) |
解像度 | (4.0) | (4.3) | (4.0) |
迫力 | (4.0) | (4.0) | (4.0) |
傾向 | ニュートラルで硬めのサウンド | ボーカルが際立つサウンド | 濃密でややウォーム寄り |
出力端子 | 3.5mm/4.4mm | 3.5mm | 3.5mm/2.5mm |
対応スマホ | Android/iOS | Android | Android/iOS |
価格 | 13,200円 | 14,980円 | 12,780円 |
KA2はUA2と比べると音の締まりがあり、ニュートラルで聴きやすい印象でした。
UA2はLightning対応機種としては非常に優秀ですが、少し中低域寄りになりすぎていたのが気になっていました。あとは2.5mmしか対応していない点も気になりますね。
PEE51は3.5mmのアンバランス接続しか対応していませんが、音質は最強クラス。ノイズ感が少なくボーカルが非常に明瞭に聴こえますね。
ただ、ケーブルの取り外しができないので、iPhoneとの接続は難しくなります。
KA3はバランス接続であればPEE51と同等クラスの実力を持っているので、「iPhoneメインで使う方」「4.4mmバランス接続メインで使う方」はKA3がおすすめ。
「Android」で「3.5mmアンバランスで使いたい」という方はPEE51がおすすめですね。
KA3とBTR5 2021を比較すると?
結構気になっている方が多いと思うのですが、FiiOから発売している「BTR5 2021」と比較してみました。
有線で接続した場合は、やはりKA3の方が音質が良いですね。
BTR5 2021も十分に音質が良かったのですが、KA3の方が音の深みやレンジの広さ、解像度感など、全体的なクオリティは少し上のように感じました。
ただ、BTR5 2021の凄いところがワイヤレス接続時でも、ほぼ同クオリティの音質を保っているということ。LDACで聴きましたが、まるで有線かのような損失の少ないナチュラルなサウンドを提供してくれます。
- KA3がおすすめな人→有線メインで使いたい/ワイヤレスでは使わない/4.4mmを使いたい
- BTR5 2021がおすすめな人→ワイヤレスでも有線でも使いたい人/2.5mmを使いたい
iPhoneでも問題なく使える
KA3はUSBケーブルの取り替えができるタイプなので、Lightning to USB-Cケーブルを別途用意すればiPhoneでも使うことができます。
公式サイトでも「iOS」に対応と表記しているだけはあり、動作も非常に安定していますね。
KA3はバスパワーで駆動ができ、充電不要でケーブルを接続するだけで使用が可能です。また、Android / iOS / Windows / Macなど、様々なオペレーティングシステムと互換性をもち、通勤通学時のリスニング、自宅やオフィス、さらにはゲームなど、様々な場面でご使用いただけます。
KA3 – Fiio Japan
KA3と同価格帯だとShanling UA2がLightning対応でしたが、バランス接続は2.5mmまで。
Lotoo PAW S1ならLightning接続で4.4mm端子にも対応していますが、価格は3万円近くですし、なんだったら生産完了してます、意外と丁度良いスティック型アンプってなかったんですよね。
KA3は音質も良いし、動作も安定してるし、出力も高いし、いろいろとちょうど良い感じです!
ちなみにiPhoneと接続するケーブルは「FiiO LT-LT1」というケーブルを使っています。
アプリについて
KA3は「FiiO Control」というアプリに対応しています。これはAndroidスマホと接続している時のみ認識するため、iPhoneでは使えません。
できることは次の通り。
- LEDのON/OFF
- インピーダンス値の変更
- ゲインの変更
- デジタルフィルターの変更
- 音量調整
- 左右の音量バランスの変更
一番上の項目がスマートフォンやパソコンと接続時にLEDを点滅させるかどうかの設定です。これは好みでどうぞ。
「impedance」の項目は、はじめよく分かりませんでしたが、代理店のエミライさんに問い合わせたところ120Ω未満のイヤホンなどを使う場合は「低」にしてねとのこと。
ゲイン設定のように音色を変えずに高インピーダンスのヘッドホンに対応するような設定するようなイメージでしょうか。
「Gain」は出力の大きさを変更する設定です。
こちらも好みですが、低インピーダンスのイヤホンに対して高ゲインで聴くと音がうるさく感じます。インピーダンス値にあわせて「高ゲイン」か「低ゲイン」かを選びましょう。
あとはデジタルフィルターの設定があります。
こちらは音の立ち上がりや音色をほんの少し変えるような設定でしょうか。
大きな違いを明確に感じたことがないので、正直いつも適当に選んでますね。
色々いじってみて、自分が一番しっくりきた設定で使うのがいいと思います。
アプリは以下よりダウンロードできます。
FiiO Control
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FiiO KA3はこんな人におすすめ
- 初めてDACアンプを買おうとしている初心者の方
- iPhoneを気軽に高音質化したい方
- パソコンの音質を改善したい方
- 4.4mmバランス接続を試してみたい人
FiiO KA3はスマホやパソコンを気軽に高音質化できるので、初めてDACを買いたい人には最適ですね!
iPhoneでも動作が安定しているため、Apple Musicでハイレゾ音源を体感してみたいという方にもピッタリだと思います。
FiiO KA3 まとめ
総合評価
5/5
- ニュートラルで味付けが少ないサウンド
- 4.4mmバランス端子に対応
- iPhone、Androidで使い分けができる
- 価格が15000円以下と初心者に優しい
- 傷をつけやすい
4.0
音質
4.0
携帯性
4.5
拡張性
4.3
利便性
FiiO KA3は価格や音質、取り回しやデバイスとの整合性など、あらゆる面でバランスが良く、初心者の方やDACデビューしたい方にはピッタリのスティック型DACアンプだと感じました。
iPhoneでも気軽にハイレゾも聴けるし、4.4mmバランス接続も使えるというのが大きいですね!
音質も良いですし、取り回しも良くて使いやすいので、僕もこれから愛機として使っていきます!
以上、FiiO KA3のレビューをお送りしました!
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